東方魔天狼   作:タバスコ星

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これで終わりです。


18.妖怪山反乱異変⑨

【本部にて】

 

≪side 椛≫

 

「大天狗が死亡した。」

 

我々三人は、あの事件以降大天狗の情報を聞かなかったが、天魔様の呼び出しで本部に向かった。

 

すると、彼女から直々に大天狗についての報告を聞くことになる。

 

「それは本当ですか?!」

 

最初に口を開いたのは牙様だった。

 

「ああ、死体はとてもひどい状態だったよ。まるで正面と背後から同時に壁に潰されたようだった。」

 

………ほう。

 

「犯人の目星はついているのですか。」

 

社様が落ち着き払った声で聞く。

 

「いや、それがまったくと言っていいほど手掛かりがなかった。」

 

「そうですか。」

 

そこで私は聞く。

 

「現場にいったときに何か違和感とか感じましたか?」

 

「?う~ん… あ!そういえば検証に行った天狗達から現場で平衡感覚が失われたと言っていたな、暫くするとそれもなくなったようだが…。」

 

ふむ、成る程。

 

「まぁ、とりあえず報告は以上だ。これからも操作を続けて行くが改めてお前達には感謝する。」

 

そう言って私達は本部を出た。

 

【その日の夜、宴会の席にて】

 

まぁこれも異変ということになるのか…

 

今私達は妖怪の山の住人で宴会を開いている。

 

牙様と社様は色んな天狗やら河童やらに囲まれているが、私は端っこで一人ちまちまとお酒を飲んでいた。

 

私の意思を尊重してくれたのか天魔様は、私の功績を大々的には発表しなかった。いや~有難い。

 

「椛~!」

 

おや?にとりがきた。その後ろには、この山では有名な厄神様がいた。

 

厄神様

 

厄を溜め込み、そしてその厄が人に戻らないようにする。年に一度厄を洗い流すことで有名な神なのである。

一部の天狗からは嫌われているが彼女を慕う者も多いという。

 

立派な人だなぁ~

 

「楽しんでるかい?そうだ紹介するよ彼女は鍵山 雛。知ってると思うが厄神様さ。よく私のラボに遊びにくるんだよ。」

 

へえ にとりと仲がいいのか

 

すると彼女は私に近づいてきたが何かに気づいたのか突然止まり震えだした。

 

……やっぱり神のクラスになると私の魔力を感じとるのか。

 

私は彼女に手を差し出し

 

「初めまして!犬走 椛といいます!実はファンなんです!ぜひとも握手してください!」

 

「!?!??」

 

うそは言ってないぞ。私は本当に彼女のやっている人助けなどに憧れているんだ。

 

「え、ええ!よ、よろしく!」

 

すると彼女は笑顔を顔に浮かべた。

 

よ、良かった。元気になってくれたみたい。

 

「そうだったの?!知らなかったよ椛!」

 

にとりが驚きの声をあげる。

 

「そうだ!この際二人とも仲良くなってよ!私はどこか別の場所に行くからさ!」

 

そう、にとりは屈託のない笑顔を見せ他の河童の所へ行った。

 

 

 

……どうしようか。

 

 

「その~何か飲みたいものはありますか?取ってきますよ!」

 

私はそう彼女に聞く。

 

「いえ!そ、そんなことあなたに頼めません!」

 

お、おう。ひどく焦っている様子だ。

 

「あの~私はなにもするつもりはないので、その~あまり怖がらないでください。平和が第一です!」

 

どうだ?

 

「!分かりました。」

 

少し落ち着いたみたいだ。

 

「にとりとはいつ知り合ったんですか?」

 

まずはにとりの事に着いて聞こう。

 

「…結構昔だったんですけど、当時私は厄神ということもあって色んな人から苛められていたんです。」

 

「そんなある日、偶然にとりが私を見つけてくれたんですよ!そしていじめてくる人を追い払って私を助けてくれたんです!」

 

にとりさん、マジでかっこいい!

 

「そこからが始りでした。あなたはいつからですか?」

 

そうだな。

 

「私が初めて会ったのは五年位前だったかな?確かあの時彼女は何か探し物をしていたんです。それで私は彼女の探し物を手伝ったんですが結局見つからないままだったんですよ。まぁそんな事があったんでよく話をしたんです。そしたら共通の趣味が合ったんですよ!」

 

「ほう、その趣味とは?」

 

「将棋です。」

 

「本当ですか?!私もよくにとりとよく指してます!今度一緒に対局しませんか?」

 

「いいですね!」

 

どうやら彼女と仲良くできそうだ。

 

「あ!因みに私は雛と呼び捨てにしてください。それから敬語も不要です。」

 

「こちらこそ椛と読んでください。私も敬語じゃなくても結構ですよ!」

 

「そう!ありがとう椛!」

 

「こちらこそありがとう雛!」

 

 

「雛~!椛~!こっちに美味しそうな料理があるけど来る~?」

 

おや、にとりが呼んでいる。

 

「私はちょっと休憩するからここに残っておくわ!ちょっと飲みすぎたみたい。」

 

「そう!じゃあいってくるね!」

 

そういって雛はにとりの方へと走って行った。

 

 

 

 

 

その後社様や牙様が来た。物凄く視線が痛かったが結構楽しかった。

 

 

そして…

「も~み~じ~!」

すっかり出来上がった文様が私に突撃してきた。そしてそのまま私に抱きつく。

 

「聞きましたよ。大活躍じゃないですか。」

 

そうか天魔様は彼女に言ったのか。

 

「ありがとうごさいます。でも記事を書くときは私の事は書かないでくださいよ。」

 

私はそう言うと、意外にも彼女は

 

「うー!嫌です!私の椛が活躍したんです!みんなに知ってもらわないと私、記者やってきた意味がありません!」

 

「ちょっといつから私はあなたの物になったんですか!離れてください!他の人が見てます!」

 

「椛は…私の…可愛い…後輩なんだからぁ。」

 

「zzz」

 

ね、寝やがった!

 

「文様起きてください!」

 

「ちょっと~文~!」

 

あの方は!

 

「あ!椛じゃない!昇格おめでとう!」

 

この人は姫海棠 はたて様

 

良く私を可愛がってくれる烏天狗の一人である。

この人も新聞記者なのだが、あまり取材に行かないらしい。

 

「ありがとうごさいます。」

 

「もう!文ったら!椛が困ってるじゃない!」

 

そう言い彼女は文を引っ張った。

 

「とりあえず、こいつを休ませてくるからまた後で!」

 

そう言い去っていった。

 

嵐みたいな人たちだったなぁ。

 

【その後犬走宅にて】

 

無事宴会も終わり解散となった。

 

さて、

 

「いるんだろ?ラティオ。」

 

私は誰もいないはずの空間に聞いた。

 

「は~い!我が主様!」

 

すると、目の前から黒髪の不気味な程顔の整った女性が出てきた。

 

彼女はラティオ。種族は亜神。元々人だったが、自ら神に転生した。私の部下である証拠に左手の平に「」の入墨が彫ってある。

能力は世界を創造する程度の能力で無限に色々な条件の世界を創る事が出来る。しかしその世界に入るには彼女の許可を得なければならない。でなければその世界に入ることすら出来ないだろう。

 

「大天狗殺したのお前だろ?」

 

私の問に彼女は嬉しそうに

 

「はい!」

と答えた。

 

…やっぱり。恐らくだが彼女は大天狗の前と後ろに新たな小さい世界を創りそのまま押し潰したのだろう。

 

「今度から幻想郷の殺害行為は禁止する。」

 

「はい!」

 

…彼女は昔からそうだ私の命令には文句1つ言わずに従う。

 

「所で、いつから幻想郷にいたんだ?」

 

「あなた様について来たのでずっとそばにいて覗かせていただきました。」

 

そう彼女はこれまた嬉しそうに………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁぁぁああああぁぁああ?!?!?

 

 

 

ずっと覗いてた?!

 

「私が風呂に入っている時もか?!?」

 

すると彼女はもじもじしながら

 

「勿論です!」

と言いやがった!

 

何が勿論ですだ!ヤバイ鳥肌が止まらない!ちょっと恐怖すら感じたいる。

 

「わ、わかった。私の家に住んでも良いから今度からはやめるように!」

 

「ええええ!?!?」

 

何をビックリしてんだ?!なんでこんなに事には不満いっぱい何だ?!

 

「むー!分かりました。」

そう言って彼女は渋々従った。

 

ふぅ良かった。

 

そうだ!

 

「お前に頼みたい事がある。」

 

「何なりと!」

 

「家の外観をそのままに中の空間を広げて新しい部屋を作ってくれないか?」

 

彼女の能力はこんな事にも使えるのだ!

 

「はい!何か要望はありますか?」

 

勿論だ!私は後ろの部屋の惨状を見て

 

「酒蔵を作ってくれ。」

 

そう頼んだ。

 

すると

 

木や金属やらがきしむ音とともに色んな部屋が形成されて行く。

 

さすがだ。

 

これでとっても住みやすくなったぞ。

 

 

 

因みに何故か布団がなくなり変わりに大きなベッドが1つだけ出現したのは別の話。




やっと終わった。

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