東方魔天狼   作:タバスコ星

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22.春雪異変④

<冥界にて>

 

≪side 犬走 椛≫

 

冥界に到着した私は全ての元凶の元へ行った。そこには博麗の巫女の他、白黒の魔法使い、桜色の髪をした亡霊、そしてその先には…

 

…シロギー。お前、こんな所にいたのか。

 

私は、目の前の巨大な桜の木を眺めた。

 

すると…

「ちょっと、あんた!誰よ!?」

 

博麗の巫女が私に話しかけてきた。

 

「久しいな博麗の巫女。」

ん?仮面を着けているせいか声がちょっと変わってる?

 

「あんたなんか知らないわよ!」

そう言う彼女に私は一言言った。

 

「銀色の狼。」

 

「!!」「何だって?!」

博麗の巫女だけではなく、白黒の魔法使いも驚いていた。て言うかなんで魔法使いの方も知ってるんだ?あの時気絶してただろう?

 

「今度は何をしに来たの?」

 

「うむ、そうだな…私が所属している組織が大変なことになっていてな。我々の組織に限ったことじゃないが幻想郷中の生き物から魂をそこの桜に吸われている。これが続けばいずれ我々の組織だけではなく幻想郷が壊滅してしまう。」

 

「やっぱりそうだったのね!」

 

さすが博麗の巫女、もうすでに勘づいていたか。

 

「私はそれを止めに来た。」

 

「?!……引っ込んでなさい!これは私の、博麗の巫女としての私の役目なのよ!あんたに頼まずとも私が止めて見せるわ!」

 

……若いって良いな。

 

その時だった。

 

ドクン!!!!!!!!

 

 

今までとは比にならない程の魔力を感じた。

桜の木の幹がメキメキと音を立て変形していく。音が止むと共に桜の木に大きな穴が空いていた。

 

「な、なんなのよ!?この威圧感は?!」

 

博麗の巫女は、どうやら立っているだけでもやっとのようだ。

 

無理もない。あれほどの威圧感の中立っていられる人間は数人といないだろう。

 

穴から何か人のような何かが這い出てくる。

 

そして、

 

べちゃ!

 

落ちてきた。

 

そして落ちてきた何かは立ち上がろうとする。あの顔は間違いない。私達を覗く目は餌を見つけた獣その物。あのときの彼女はもうそこにはいない。

 

……マジかよ。蘇りやがった。最悪の化け物として。

 

「なぁ博麗の巫女よ。」

私はおもむろに博麗の巫女に聞く。

 

「な、何よ?!」

 

「あいつは私の知り合いの慣れの果てだ。」

 

「なんですって?!」

 

「貴様の使命に対する想いは並大抵のものではないことは分かった。だが、どうかあいつの後始末は私にさせてくれないだろうか?」

 

「……後であなたとあれについて説明しなさいよ。」

 

「うむ、分かった出来る範囲で説明しよう。私にも話したくはないことがあるからな。」

 

どうしよう。どうやって誤魔化そう。そうだ!ちょっとズルいかもしれないがあれを引き合いに出そう。

 

ッ!

 

突然、シロギーが突っ込んできた。一番魔力が高いであろう私に真っ直ぐ来たようだ。

 

瘴気を展開し盾のようにして防御する。

 

ガンッ!

 

飛んでもない力だ!あまりに強力なため衝撃波が生じる。

しかしこれは…

 

何か違和感を感じる。

 

「なぁシロギー。」

 

私の問いかけに帰ってきたのは

「ガアアアアアアアアア!!!!!!!!」

 

彼女の怒りの咆哮だった。

 

そして彼女は怒りに身を任せ私を殴り続けた。

 

………確かに威力は高い。だが、以前とは比べ物にならないほど弱くなっている。

 

何故かは分からないがこれは好機!押し切る!

 

そして私は彼女を殴り地べたに叩きつけた。地面に巨大なクレーターが出来る。

 

すまないなシロギー、どうしてそうなったのか分からないが少し戦闘不能にさせてもらう。

 

次の瞬間、私の腕が宙を舞った。

 

やっぱりな。記憶がなくとも体に染み付いた剣術はもう忘れられないみたいだ。

 

彼女は瘴気を一瞬にして細い剣にしたのだ。

 

…少し油断した。

 

私は腕が地面に落ちる前に傷口から瘴気を出して切り落とされた腕をキャッチし、そして繋げた。

それから白狼剣を引抜き構えた。

 

すると彼女の視線は私の剣に集中した。

 

おや?本来じゃ彼女はこんな事をしないはずだ。

 

私は、白狼剣を彼女に振るう。彼女は剣で防御するが足が地面にめり込む。それなのにまだ私の剣を見つめている。

 

すかさず彼女の顔に拳を入れる。

 

「フギャ!?」

 

やはりそうか。本来の彼女は剣だけではなくもっと視野を広げて戦っていた。何せ戦場ではルールなしの殺し合いだからな。相手の剣以外の動き含め周りの状況をよく見ないと不意討ちをされるかもしれないな。

 

「グゥゥゥゥゥウ!!」

 

私の突然の一撃に腹を立てたのかまるで獣のように唸り出した。

 

そして…

「おいおい勘弁しろよ!」

 

何と彼女の背中から木が生えてきたのだ。それも一本や二本といった所ではない。

 

その木々が一点に集束し光を帯びる。そして私に向かって地面を抉りながらレーザーが直進する。

 

私はとっさに避けるがレーザーが当たった場所には獄炎の火柱が立っていた。

 

獄炎

それは我々魔神が出す、自然界の法則をねじ曲げた炎。それは対象を焼き尽くすまで消えることはない。威力は個人差がある上に魔神なら自分が出した炎限定で消せる。例外もいるが…。

 

しかし、予想外だった。まさかあそこまで出来るなんて。幸い威力はそこまでない。

そこまでないにしろ、他の種族にとっては充分驚異になるだろう。

 

「アガッ!?」

 

突然シロギーが頭を抱え悶え出した。

 

?!もしかして。

 

よし!このまま死なない程度に攻撃を続けて行こう。

 

そっちが獄炎を出すなら私もやってやろう。

 

滅罪「獄炎狼(hellhound)

 

私の目の前には巨大な獄炎でできた狼が出現する。

これは走りながら獄炎を吐く戦車のような物だ。

 

私はずっと彼女は狩りをする獣のような状態だと思っていたがどうやら違うようだ。恐らく違和感の原因はこれだろう。あれは獣ではなくどちらかと言うと子供だな。このままじゃれていくともしかしたら記憶が戻るかもしれない。

 

すると突然彼女が私の目の前に現れたのだ。な、なんてスピードだ!

私はつい反射時に彼女を結構な力で殴り飛ばしてしまった。

 

まずい、あそこには博麗の巫女達がいる!

 

「あぶない!!」

 

私は彼女達に呼びかけるが体勢を立て直したシロギーは私ではなく桜色の髪をした亡霊の方を向いた。

 

ヤバいさすがに遊び過ぎた!!

 

彼女はその亡霊に突進しそして…

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぇぇぇぇぇん!!」

泣きついたのだ。

 

 

……え?!

 

 

「ど、どうして!?」

 

博麗の巫女はその亡霊に聞いた。

 

「え、え?わからないわ?」

 

どうやら彼女自身も分からないようだった。

 

ん?なぜだ?今まで気づかなかったが何故かシロギーからこの亡霊と同じ霊力を感じるんだ?

 

「うう…。」

 

未だ泣き止まない彼女に私達は疑問を並べるしかなかった。

 

 

チラッ

 

あ!こっち見た。

 

プイッ!

 

どうやら私は嫌われたらしい。




うん…。今回はかなり強引なストーリーにしてしまった。皆さんはどう思いますか?
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