<冥界 白玉楼にて>
≪side 霊夢≫
「お茶をお持ちしました。」
どうやら妖夢がお茶を入れ終わったようだ。
私は出されたお茶を啜った。
そして言った。
「さて…。話を聞かせてくれるかしら。」
すると彼女は話をするかと思いきや突然こういい出した。
「その前に…。誰だ?話を盗み聞きしてる奴は?」
?! まさか!
「あら、どうやらばれた見たいね。」
そんな聞き慣れた声と共に空間が裂けた。そして…
「久しぶり幽々子。」
「久しぶり紫。」
紫が出てきた。
幽々子に挨拶をし終わると、彼女は銀色の狼の方へと顔を向けた。
「結構自身があったのによく気づいたわね。」
「それほどの霊力を持っていながら気づかないのはむしろ無礼に当たるのではないだろうか。」
「あら、それは私に対する嫌味かしら?」
そうだ。紫は館の異変の後彼女を探していた。しかし紫はあれほどの力を持っている彼女を見つけるどころか手がかりの一つも見つける事が出来なかった。
「いや、そんなつもりはない。誤解をさせてしまったならば謝ろう。すまない。」
以外にも彼女は素直に謝った。
そんな彼女に驚いたのか紫は
「ふ~ん。まぁ良いわ。本題に入りましょう。まずはあの子は何なのかしら?」
彼女は少し考える素振りをを見せゆっくりと口を開いた。
「そうだな。あいつの名前はシロギー。蒐集と言う二つ名を持った魔神だ。」
「魔神ってあの?」
紫は彼女に聞き返した。
「あの?すまないがどう言う風に伝わっているか説明してくれ。」
そして紫はかつて私に少しだけ話してくれたおとぎ話を話した。
『かつて魔神たちの住む国には皆が憧れる程仲の良い王家の家族がいました。
しかしある時、その兄妹の1人が自分の存在に疑問を抱きました。その魔神は他の兄妹と姿が違っていたのです。そんな自分に疑問を抱いて居た彼女の前にある女神が現れ彼女を唆します。
我を忘れたその魔神は12の配下を引き連れ世界を支配しようとしました。
妖精、妖怪、巨人、神、天使、悪魔、人間、そして自らの同胞である魔神ですら逆らうものは皆、手にかけたのです。そんな中魔神以外の種族が手を取り合いその魔神を倒そうとします。彼らは彼らの種族の中で最も優れた者を選び出しその魔神を倒そうとしました。しかし選び出された彼らはその魔神と彼女の配下達に為す術もなく殺されてしまいました。その魔神は大陸を裂き海を蒸発させ多くの生き物を死に導きました。
そんな彼女は皆から恐れられこう呼ばれました。魔王と。
そんな中嫌われ者である彼女を愛する者がまだいたのです。彼女の家族でした。家族達は彼女がこれ以上罪を重ねる事に耐えられなかったのです。そこで彼等は家族全員で魔王を倒すことを決めました。
所が魔王は不死身だったのです。そこで家族達は魔王を倒すことをやめ彼女を説得しようとしました。
初めはなかなか上手く行きませんでした。しかし何回も何回も続けて行くうちに彼女の心は次第に善を思い出し初めました。そして家族達は遂に彼女を改心させることが出来ました。そして魔王だった彼女は罰を受けるために監獄に幽閉され平和が訪れることになりました。』
まさかそんな話だったなんて!
私はもちろん魔理沙や幽々子、そして妖夢までもが驚いていた。
話を聞き終わり銀色の狼は話し始めた。
「ああ、ほとんどその通りだよ。正直驚いている。まさかここまで正確に伝えられていたなんて。1つ訂正するなら不死身では無いと言う事くらいかな?」
そんな彼女に紫は
「魔神については他に何も情報はないわ、だから多くの者はこの話は嘘だと思っているのよ。」
「いや、この話は全て真実だ。まあ証明しろと言われても困るがな。」
「つまりその子は魔神なのね。」
そう言い私は幽々子の膝でスヤスヤ眠っている彼女を見た。
「ああ、そうだ。だが魔王ではないぞ。そいつはその伝説が起きる前に死を宣告されていた。そして彼女は世界の行く末を見届ける場所を死に場所にするとか行って行方が分からなくなっていた。」
世界の行く末を見届ける場所を…それで冥界を選んだ訳ね。
「それは分かったわ。じゃあなんで死んだはずの彼女が復活したのかしら?」
そう紫が聞いた。
「詳しくは分からないが、恐らくあの桜を復活させようした際に融合していた彼女をも復活させてしまったのでは無いだろうか?そして春や魂を糧に完全に復活したのでは無いか?」
「なるほど…ならそういう事で良いわ。」
本当にそれでいいの?
「そうだ。彼女の処遇はどうする?」
「幽々子に懐いているようだから彼女に預けるわ。幸い魂は幻想郷中に戻ったようだし。それを今回の異変の罰としていいわよね幽々子?」
そう言われた幽々子は
「いいわよ〜。」
と緩い返事をした。
「さてまだ肝心な話は終わってないわ。」
そう言い紫は再び銀色の狼を見た。
「私の事についてだな。」
どうやら向こうも分かっているようだ。
「私もまた魔神だ。」
「でしょうね。」
それは私も分かっている。
「その情報だけで充分だろう。」
そう良い彼女は立ち上がり帰ろうとした。
はぁ?!それだけ?!
「あら、そのまま大人しく帰れると思っているのかしら?せめてお面くら外したらどうなの?」
紫は彼女にそう言……!
突如場の空気が酷く重苦しい物になった。
私は威圧感によって動けないでいた。
お面を付けていたから分からないが彼女がこちらを睨んでいるような気がしてならない。
紫はあまりの威圧感に冷や汗をかいていた。どうやら彼女も指1本動かせないようだ。
「私は平穏な生活を送りたいのだ。邪魔するのであれば殺しはしないが痛い目に合ってもらう。勝手にこの幻想郷に住み着いて図々しいかも知れないがな。それに前回の異変、そちら側は約束を破ったでは無いか?」
そうだ。彼女の言う通り無闇やたらに探らないと言う約束をしていたにもかかわらずそれについて破ってしまった。
「わ、分かったわ。幻想郷はどんな者でも受け入れるわ。」
半ば脅迫に近い形で紫は了承した。
「うむ。本当に申し訳ない。」
本当に申し訳ないと思うのならもう少し自重して欲しいものだ。
「それでは私はこれで。」
そう言い彼女は今度こそ去ろうとした。
「待って!宴会は…。」
私が言い終わる前に彼女は
「私抜きでしてくれ。人が多い場所はあまり好きでは無いのだ。」
そう言って私の静止も聞かずに立ち去った。
立ち去った彼女の首元には何か刺青のような物が見えた。「Ⅰ」
誤字脱字があるかも知れませんがご了承ください。
もしかしたら何か矛盾すらあるかもしれません。