25.永夜異変①
<幻想郷 とある竹林にある屋敷にて>
≪side ???≫
「いいわ、永琳初めてちょうだい。」
長い黒髪をした少女は目の前の医者に告げる。
「了解しました。」
そう言った医者は夜空、いや妖しく光る月に向かって矢を撃った。
「てゐ、そして鈴仙。手筈通りにやりなさい。乗り込んでくる者達を姫に近づかせてはならないわ。」
医者は、後ろの影に隠れた人影に言った。
「了解!」
「はっ!」
そして2人は命令を受け持ち場に戻る。
師匠、輝夜様、私の為にも今回の事を起こそうと言うのに言い付けを守れないかもしれません。
しかしここに飛んでもない怪物が来てしまうかもしれません。
その時、私は全力で輝夜様、てゐ、そしてあなたを守ります。
例え師匠の立てた計画が崩壊しようとも。私の正体を知ったあなた方に嫌われようとも。
彼女は罪悪感にかられながらも心に誓う。
≪side out≫
<博麗神社にて>
…………
やはりそうだ。
月がおかしい!
私はふと空を見上げたときに感じた違和感の正体を突き止めた。
人間には害が及ばないかもしれないが一部の妖怪にとって害となるかもしれない。
「霊夢~。ちょっと提案があるんだけれど。」
どこからともなく紫が現れた。
「なに?今から忙しくなるから後にしてくれない?」
「その月がおかしい事について調べるの?私の提案もそれ関連よ。」
…そういうことなら…
「その提案って言うのは?」
「私が昼と夜の境界をいじって夜を長引かせること!」
自信満々に飛んでもない事を言い出した。
≪side out≫
<魔法の森にて>
≪side アリス≫
ドンドンドンドンドンドン!
「アリスーー!いるかーー!」
なになになになに?!??!
寝ている私を突然けたたましいノック音と聞き覚えのある声が起こした。
急いで玄関へ駆けつけて…
「ちょっと!!何時だと思ってるの魔理沙!!」
私は目の前にいる非常識な友人をしかりつけた。
「いやー!悪い悪い!ちょっと用事があってな!」
「なに?弾幕ごっこ?それなら明日にして。殺すつもりでやるから。」
「おいおい弾幕ごっこで相手殺したら負けだぜ。それに私の用事は別だ。」
はー?別?
「空を見てくれよ月が変じゃないか?」
月?
……言われてみれば何か違和感を感じるわ。
「きっと異変に違いない。一緒に解決しようぜ!アリス!」
……仕方ないわ。
「分かったわよ。ちょっと準備するから待っていて。」
≪side out≫
<紅魔館にて>
≪side レミリア≫
月がおかしい。説明しろと言われても困るけど…
「ねぇ、咲夜。」
「はい、お嬢様。」
私の問いかけに咲夜が応える。
「あなたも気づいているかしら?」
「はい、お嬢様も月に違和感を覚えて御いられですね?」
やはり優秀なメイドね。
「なら準備しなさい。」
「はい、分かりました。」
そう言って彼女は去っていく。
私達にとって夜と月は特別な物。ならばその月を穢す輩は後悔させるのが私達吸血鬼の性である。
一体どんな愚か者なのかしら。我ら吸血鬼の夜を穢す者は
「お姉様。咲夜がお茶入れてるけど私も飲みたい。」
………あの子、優秀なんだけど色々抜けてるのよね。
≪side out≫
<⚫️⚫️⚫️⚫️⚫️にて>
ついに、こんなしみったれた所とはおさらばだ!
あの方のおかげでここから脱出できる。脱出した暁には望むままに飲み食らいそして殺してやる。
おっとその前に俺達をここに閉じ込めているあのクソアマをぶち殺してくれるわ!
おやおや?なんか脱走しようとしてるやつらが居るみたいだな。無駄だってのによ。私でさえしくじったんだ。お前ら如きには無理だっての。待ってりゃその内出れるってのにな。焦っても長引くだけだぜ。
そう思いながら彼女はくつろぐ。まるで自分の部屋かのように。
そんな彼女の右腕には赤黒い入墨が彫ってあった。「Ⅲ」
誤字などがあればお申し付けください。