<人里道中>
≪side 魔理沙≫
まさか月が変どころか夜が明けないなんて!
私達は色々と探って見たがまるで手がかりがなかった。
「ねぇ、魔理沙。ひとまず人里に行ってみない?」
「おう!そうだな。」
私はアリスの提案を呑むことにした。
何かわかれば良いが…
<人里の前にて>
「悪いがここは通せない。」
私達は今慧音先生の門前払いを食らっている。
上白沢慧音
彼女は人里で寺子屋の教師をしているが、かなりの実力が有るため有事の際には人里を守ることに専念しているそうだ。
彼女は、アリスが妖怪であるため人里には入ってはならないと言っていた。
…相変わらずお堅いな。
「少し位もダメか?私達はこの異変の原因を調べようとしてるんだが。」
「申し訳ないが、ダメなものはダメだ。」
…どうしようか。
そんな悩んでいる私をよそにアリスは
「なら、あなたは何か知らない?」
と慧音先生に聞いた。
「…そうだな。霊夢が迷いの竹林へ向かったと言うことは知っている。」
そうだ!異変有るところに霊夢有りってな!
そうと決まれば…
「ありがとな!慧音先生!行こうぜ!アリス!」
「ええ、分かったわ。」
私が飛び立とうとすると…
「待て魔理沙。」
慧音先生が私を呼び止めた。
「ん?どうした?」
「気を付けろよ。」
「おう!」
≪side out≫
<幻想郷のとある草むらにて>
≪side ???≫
困った物だねー。月がおかしいと私の子供達が落ち着かないんだ。
それもさらに夜が明けないと来たか。
別に私があの偽物の月を消し飛ばしてもいいんだけどねー。
ああ、でもそんなことしたら親友達から怒られるかな?
確かに私ら五人が動いたら世界のバランスが崩壊しちゃうからね。
のんびりと解決してくれる人を待つか!
幸いここ幻想郷には魔神達がいるしね。
親友の一人に魔神が好きなやつがいるけど、変わってるね。
まぁ私らにとったら魔神も神も人間もみーんな一緒に見えてくるんだけどね。
さてこれからどうなるんだろうね。いやー住みやすくて最高だね!幻想郷は!
そう言いながら
≪side out≫
<妖怪の山にて>
≪side 椛≫
私は休憩時間に入ったので妖怪の山本部の休憩室でお茶を飲んでいた。ラティオの馬鹿が媚薬を入れようとしたため私が自ら入れたお茶だが。
あいつ、料理は出来るけどすぐ混ぜ物をするから困る。だからあの家、ラティオの能力の名前から『Astral house』と呼んでるが、まあそんなことはどうでもよくて、私が食事を作ることになった。
あまり自信がないがラティオと天星様は美味しいといってくれるから嬉しい。
そんなことより先日から月が偽物にすり替わっていたが、まさか夜まで明けなくなるなんて…
まあ、今回は私になんの関係もないし別に異変に首を突っ込まなくてもいいか。
博麗の巫女がなんとかしてくれるだろう。
ザワザワ…
ザワザワ…
ん?突然回りがザワザワしてきたぞ。
……
「天魔様!?どうしてこんな所に?!」
人だかりの中に恐らく大天狗と思わしき天狗二人を引き連れた天魔様が現れた。
まさか、あの滅多に人前には出ない天魔様がこんなところに来るなんて!
だ、誰か何かをやらかしたのだろうか?
私は驚きながらもお茶を啜っていた。
ん?なんかこっちに…て言うか私に向かって来ていないか?!
そんな事を思う私をよそに天魔様は私の前で立ち止まった。
「い、いかがされたのでしょうか?」
私の質問に彼女は…
「ほう、旨そうな茶を飲むではないか。」
「飲まれますか?」
私は紙のコップの中に茶を入れ渡そうとした。
「貴様!」
後ろの大天狗の一人が私を止めようとしたがすぐさま天魔様に制された。
「ありがたくいただくとする。」
そう言い私からコップを受けとるとゴクゴクとお茶を飲み始めた。
「うむ、予想通りうまかった。」
「光栄でございます。」
いや、何か他に何か目的があるはずだ。よもや私のお茶を飲みに来るためにここに来たわけではあるまい。
「うまい茶を貰って早々申し訳ないが頼みがある。引き受けてはくれまいか?」
ここでノーと言えばどうなるのだろうか?
考えるだけでも恐ろしい。
「御意。何なりとご命令を。」
「うむ!ありがとう!私の頼み事は一つ!この夜が明けぬ異変を調査してくれ。」
『えー!!』
『あんな、無名の白狼天狗が!?!』
外野の反応は様々だった。
「お待ちください天魔様!!!」
突然甲高い声が響いた。
「下がれ!無礼だぞ!」
「まあ、良いではないか。どうした?山城。」
「はい。勝手ながらそのご命令、私に引き受けさせてはいただけませんか?」
どうやら彼女も天魔様と面識が有るようだ。
「して、なぜだ?」
「彼女には少しばかり荷が重すぎると思います。」
予想通り私を庇ったわけでは無さそうだ。別に彼女に命令が行こうと私は関係ない。むしろ万々歳だ!
「ほう、そなたは私の人選に不満があるのだな。この天魔である私の。」
「いえ!決してそんなつもりでは!」
…仕方ない。
「お待ちください天魔様。彼女の実力は私よりも高い。それに彼女は私の危険を案じて申し出てくれたのです。悪気があった訳ではありません。どうか寛大なお慈悲を!」
「?!!?」
これには、音も驚きを隠せなかったようだ。
すると天魔様は申し訳なさそうに…
「…別に取って食おうと言う訳ではないのだ。だが私の意思は変わらない。」
と言った。
「分かりました。では即刻調査して参ります。」
そう言って私は立ち去ろうとした。
すると…
「犬走、これは貴様の判断に委ねるが、もし異変を解決出来そうならばしても構わない。例え出来なかったとしても罰するつもりはない。そして命の危険を感じたならば任務を放棄して構わない。」
…随分優しい条件だな。
そう思っていると彼女は続けて…
「最も、貴様にはそんな事がないと思うが。」
とどこかで見たことあるようなニヤニヤした笑みで言った。
…この人どこまで知っているのだろう?
≪side out≫
なお、天魔様は椛がちょっと強い程度にしか認識しておりません。