<監獄内部にて>
≪side 椛≫
「…行くわよ。」
「いいぞ!いつでも来い!」
こいつはパワーに頼る私とは違い瘴気を様々な形に変えて攻撃してくる。
例えば…鎖だ。
ジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリジャリ!!!!!
彼女は私の周りにいくつもの鎖の線を張り私の動きを制限しようとした。
こいつの鎖にはこいつ自身の能力『収容』を付与している。
簡単に言うと鎖に触れれば能力は疎か、身体能力まで封じられ動けなくなる。
……普通ならな。
私は鎖を掴み引きちぎった。
「鎖で私の動きを封じようと無駄だぞ。て言うかお前知ってるだろ?」
「……なんか今ならアンタに効くかなって思った。」
そう言ったかと思うと彼女は飛び上がり両手からそれぞれ3本ずつ鎖を出した。その鎖の先端には先程飛ばして来たクナイの様な物が着いていた。
そして次の瞬間…タルタロスの右腕がブレた。
スパァン!!!
先程まで立っていた地面が文字通り弾け飛び、後に残ったのは3本の深い溝だった。
は、速い!
咄嗟に交わしたからいいものの、もし私に直撃していたら恐らく真っ二つどころか首と胴体と下半身が泣き別れしていただろう。くわばらくわばら。
「…なんで攻撃して来ないの?」
彼女は痺れを切らしたのか、私に聞いていた。
そんな彼女に私は一言こう言った。
「もうやった。」
そして続けて…
「自分の右腕を見てみろ。」
「は?…」
彼女は攻撃して来た方の腕を見た。
そこには、しっかりと腕がついていた…手首から先のない腕が。
「い、いつの間に?!」
「どうだ?私も早いだろ?」
「……。」
「…なんか言ってくれよ。」
彼女は無言で腕の断面から鎖状の瘴気を伸ばし地面に落ちている自身の手を拾い上げそして繋げた。
「びっくりしたわ。」
本当かよ?
私はそう思いながら彼女の前まで跳び、たたき落とした。
?!!?いたい?!何か刺さって…
腕を見るとクナイが刺さっていた。その先には…鎖が連なっていて……落ちているタルタロスが握って………。
気がつくと私が地面に激突していた。
どうやら彼女が空中て体勢を立て直しそのまま鎖を引っ張り、私を地面に叩きつけたようだ。
私は立ち上がろうとしたその時、腹部に突然衝撃が来た。
私はそのまま後ろまで吹き飛び…
「かハッ?!?!」
壁に背中を打ち付けた。
そしてそのままタルタロスに首を捕まれ、壁に押し付けられた。
メキメキ!
壁が軋む音がする。いや自分の骨か…
すると突然、タルタロスが右手を振り上げた。
その先には瘴気でてきた馬鹿でかい鎌が……
「…あのタルタロスさん?本気?」
私が彼女にそう聞くと満面の笑みで…
「魔神は心臓を全て潰さないと死なない。だから平気平気〜。」
と…
いや、そうなんだけど!限度って言うものが有るじゃん!
やばい!本気で振り下ろすつもりだ!
彼女の鎌が私の首を捉えそのままかき切った……
かのように思われたが、私は咄嗟にその鎌を掴み事なきを得た。
突然の私の反応に面食らったのか一瞬、彼女の手が緩んだ。私がその隙を逃すはずもなく空いている右腕で彼女の顔を力いっぱいぶん殴った!
当然彼女は吹っ飛び地面を何度も跳ねた。そして勢いが止まる前に彼女の真上まで跳び地面に打ち付けるようにめいいっぱい殴った。
すると…
とてつもない音と共に地面が抜けた。先程まで滅多打ちにされていたタルタロスだったが腹部に刺さったままの私の腕を払い除けそのまま回転しながら私を蹴飛ばした。
私は空中でそのまま体勢を立て直し着地した。
「ちょっと!!監獄が壊れたらどうするのよ!!」
彼女は口から血を垂れ流しながら怒っていた。
「悪かったって。て言うかここは?」
私は見覚えの無い場所に立っていた。
「あんたと戦うためにちょっと監獄の構造をいじったの。上と下それぞれ5階位あるから。」
そうだ、こいつはラティオの様に自ら空間を作ることが出来るのだ。
…こいつ、私と戦うためにそこまでするか。
「な、何?ニヤニヤして。」
「いやー、素直に嬉しいなって思って…。」
私が言い終わらない内に彼女は向かって来た。
≪side out≫
<屋敷内部にて>
≪side 霊夢≫
「ちょ、ちょっと待って!?降参!降参するから!」
私と魔理沙は、先程まで私達の邪魔をしていた兎…因幡 てゐと言ったっけ?彼女を倒した。
「余裕だったな!」
と魔理沙は言った。
彼女は私達に全てを話すと言ってきた。
どうやら彼女達のボスは月から来た姫らしい。
曰く数千年間この幻想郷に隠れていたらしい。
私は、彼女に聞いた。
「外の結界もあなた達が張ったの?」
「へ?結界?そんな計画聞いてないけどなぁ。」
どうやら彼女は何も知らないらしい。もう1人鈴仙とか言う部下がいたけど…
「おい!外にもう1人仲間がいるだろ?!お前のボスはそいつを見捨てるのか?!」
「いや、そんなこと聞かれても知らないものは知らないって!」
彼女を責めてもしょうがない…
「さて、もう十分だろ?」
突然、てゐがそう言った。
「ええ、もういいわよ。」
「いやいや、そう言う意味じゃなくてさ…」
何を………まさか?!
「霊夢!前に誰かいるぞ!」
私は、視線を前に向ける。するとそこには赤と青の服を着た女が立っていた。
「あんたが月の姫の従者、八意永琳ね?」
「ええそうよ。」
すると魔理沙が彼女に向かって言った。
「お前ら!仲間を見捨てて何とも思わないのか!」
彼女は仲間を見捨てるやつが大嫌いなのである。
しかし、八意永琳は…
「なんのことかしら?私達を閉じ込めて逃げ場を無くしたつもり見たいだけど結界を張った意味はないわ。」
と、予想だにしない返答をした。
じゃあ、一体誰があんな結界を?
≪side out≫
<大監獄4階層にて>
さっきから下で凄い衝撃が来てるな。言ったことは無いが、て言うか行きたくもないが最下層の奴らが暴れているのか?
だとしたら都合がいい!作戦が成功すれば俺達は逃げれる上に、あのクソアマは俺達に構っている暇はないだろう。
そして俺はどさくさに紛れてあのクソアマをぶち殺す!
そうすればこの忌々しい監獄も、まるで悪い夢だったかのように消える!そうすればレベル4どころかレベル5の怪物どもが世界を荒らしてくれるだろう。
楽しみだ!楽しみでしょうがない!
<最下層 レベル5収容所にて>
ん?監獄姫様が誰かと戦ってるな。誰だ?
これはこれは!王様じゃないか!暇つぶし観戦していよう!もちろん王様が勝つだろうけどな!
そう言って彼女は天井を眺めた。まるで子供が絵本を読むかのように嬉嬉として。
「Ⅲ」
≪side out≫