<永遠亭内部にて>
≪side レミリア≫
私達は作戦通り敵を分散することに成功した。
そして私と咲夜の目の前にいるのは…
「やった〜ラッキー!吸血鬼じゃないか〜。」
手足が長く首に3つもの関節がある男と対峙していた。
「俺も血をすするのが大好きなんだ〜。手足を引きちぎってよ〜。流れ出る血を汲み取りながらこうぐびぐびっと…。そしてしめに心臓を喰うんだ。」
「お前らも俺に食われろよ。吸血鬼の血なんて飲んだことないぜ!飲ませろよ!なあ!飲ませろよ!!」
発言は三流の妖怪の様だけど…
実力はかなり有るわね。
「ねぇ、あなた達は何者なの?」
「俺達?俺達はなぁ、自由を愛するもの達だ!なのによお!あのクソうさぎ俺達を閉じ込めやかったんだ!ああ!!ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく!!!」
かなりイカれてるわね。
「だがアイツはお頭が殺しに行った。俺達に自由になれだってよーやっぱり良いお頭だぜ!」
そして次の瞬間男の後ろに大量ナイフが出現した。
咲夜が放った物だ。
「なんだこれ?」
な?!
出現したナイフは一瞬で消えていた。
その代わりこの男の手中に大量のナイフがあった。
「そんな?!」
咲夜が驚きの声をあげる。
「お前か?弱い人間のクセに!?!?!」
男か突然怒り出した。
不味い咲夜が危ない!
男は突然腕を振り下ろした。
すると咲夜に向かって斬撃が飛んで行った。
「咲夜!危ない!」
私がそう声をかけた。すると咲夜は時を止めたのか別の場所へ出現した。
そして斬撃は壁へとあたり……
文字通り壁を消し去った。壁はドロドロにとけ煙をあげていた。
…毒か?
「ちょこまかと動きやがって!?!」
動きが早い上に毒まで使うだなんて…
いったいどうすれば…
≪side out≫
≪side 永琳≫
前々からおかしいと思っていた。私の所へ来た時もどうやって地球へ来たのかも教えてくれなかった。
でも彼女は私達を博麗の巫女達から護る為に結界を張ったに違いないわ。
でも今は…
「ふむ、お前達は3人か。当たりじゃないか!」
この目の前の男を倒さなくてはならない。
先程から弾幕が彼の体を通り抜けてしまう。
「残念ながら私は別次元の存在だ。その場にいてその場にいない。だからこんな事もできるのだよ。」
彼は私の方へと突進し、私の心臓辺りへと触れようとした。
「危ない!永琳!」
「姫様!!!」
私を庇って姫様が身代わりになってくれた。その男の腕は姫様の胸を貫いていたが透過しているようだった。
しかし、次の瞬間彼が腕を引き抜いたかと思うと姫様の心臓が外へと引きずり出された。
「貴様ァ!!」
なんてことを!
「私は大丈夫よ永琳。だって死なないもの。」
彼女はそう言うもぽっかりと空いた穴から血が吹き出していた。
不死身とは言え相当痛いはずだ。
こいつには後悔させてやる!
≪side out≫
<タルタロス内部にて>
≪side タルタロス≫
…………痛い。
頭が………割れそうだ。
仕方ない………。
この状態になるのは嫌だけど……
背に腹は変えられない!
突如彼女の口元に瘴気が集中した。口元だけでは無い、全ての四肢に瘴気が集中したのだ。
黒い塊だったものは形状を変え…
口元にあったものはトラバサミの様な形の口へと変形し両腕の瘴気は金属の鋭利な刃物が3つ付いた様な鉤爪へとなり、両足の瘴気は脚そのものを包み込み巨大な釘の様な形状へと姿を変えた。
そしてその背中からは衣服を突き破り無数の鎖が飛び出した。しかしその鎖の先にはクナイだけではなくアイアン・メイデン、無数の棘のついた車輪、ギロチンなど数え切れないほどの拷問器具、処刑器具が繋がっていた。
「ガアァァァァァアアア!!!!!!」
監獄の隅から隅へと響く程の咆哮と共に魔力が吹き荒れる。
そして次の瞬間、彼女は一瞬で消え去った。
≪side out≫
<タルタロス内部 レベル4にて>
≪side 椛≫
「これは…」
私は目の前の光景に驚いていた。
なんと空間に裂け目があったのだ。
「ここから出たのか…。にしてもここに裂け目を入れるのに相当時間がかかったはず…。わざわざここまでするか普通?」
呆れながら眺めていると…
「ガアァァァァァアアア!!!!!!」
突如下の階から咆哮と共に巨大な魔力がこちらに向かって来るのを感じた。
…タルタロスか。10%位の力を解放したようだ。
その魔力の塊がこの階到着し、私を通りすぎて裂け目の中へ入っていった。
「…なんだよ。自分で何とか出来んのかよ。年甲斐もなく張り切っちゃったよ恥ずかしい。」
≪side out≫
<永遠亭内部にて>
≪side レミリア≫
「あんれ〜?もう終わりか?」
私と咲夜は満身創痍で立っていた。いや、立っているのもやっとの状態だった。
?!?!何かとんでもないものが来る!?
私はとてつもない威圧感を感じた。
こいつだけでも厄介なのに次は何?!
ドゴン!!!!!!
爆音と共にそこに現れたのは凶悪な姿へと変わった鈴仙だった。
「て、てめぇ…?!」
鈴仙は男を見たかと思うと…
「グルルルルル!!!!」
うねり出し…
「グオオオオオォォォォオオ!!!!」
空気が揺れる程の咆哮をしたかと思うと男を地面に叩き潰した。
「グェ!?!」
かなりの力で叩き潰されたのか男は両腕がもげた様だ。
すると男の倒れている床から黒い沼のような物が出現し男を飲み込んでいった。
私は男から視線を逸らすといつの間にか鈴仙は消えていた。
≪side out≫
≪side アリス≫
なんてパワーとスピードなの?!
「アリス?まだやれるか?!」
「行けるわ!」
さっきからこの口のない男、私達を弄んで居るようにしか見えない。
?!?!
「魔理沙!構えて!何か来る!」
「分かってる!なんなんだいったい?!」
異常な気配を感じた方向を見るとそこにはなんと鈴仙が立っていた。
「グウウゥゥ!!!」
彼女は唸ると次の瞬間消えていた。
突然後ろで爆発音が聞こえた。
振り向くとそこには男が腹を鈴仙の足についた武器で貫かれていた。
彼女が足引き抜くと男は血を噴き出しながらそのままずり落ちた。
落ちたそこには穴が空いておりそのまま穴をとうして消えたのだ。
「おい!お前…?!?」
魔理沙が声をかけるも衝撃波と共にどこかへ消えた。
≪side out≫
≪side 紫≫
参ったわね。
この溶けた肉塊の様な巨大な男。どれだけ攻撃しても吸収されて跳ね返ってくる!
?!??!!
突然私の目の前を何かが遮った。
私の身長の2倍あるそれは間違いなく鈴仙だった。でもなんでこんな姿に?!
彼女がまるでトラバサミの様な口を開いたと思うと。
ゴオオォォォォォオオ!!!!
開かれた口から黒い炎が火炎放射器の如く放出され男を覆った。
「ぎやああああ!!!!」
?!?!まさか効いてる?!
すると彼女は火を噴くのをやめ黒焦げになってもまだ生きている男を鎖で繋ぎあの門へと引きずり込んだ。
「待ちなさい!!」
霊夢が声をかけるも無視して何処かへと消えてしまった。
≪side out≫
≪side 幽々子≫
「ウケケケケ!!俺は何度死のうが蘇るんだよ!」
私達は両手が鉤爪の男と対峙していた。
私の能力で命を絶とうが妖夢の刀できり刻もうがそのまま再生して復活してしまう。
そのうち私達の方が疲れてしまった。
「次はこっちから行くぞ!!!」
男が私目掛けて切りつけてきた。
それと同時に天井を突き破って何かが落ちてきた。
姿形が違えど間違いない鈴仙だ!
「な、なんだお前!?!」
男が驚いて表的の的を彼女に変えた。
しかし、彼女から伸びている鎖に刺され拘束されてしまった。
「て、てめぇは!」
男が何かを言おうとするも鈴仙は突如現れた門の中へ彼を投げ入れた。
次の攻撃が私達に向くと思ったが彼女は何もせずたまたま近くにいた妖夢を一瞥しとこかへと去って行った。
≪side out≫
≪side 輝夜≫
私と永琳が不死身な為、勝負が一向に決まらないようだった。
でもこのまま続けたくはないわ。
だってものすごく痛いのだもの!
どうにかしないと…?!?!
考えを巡らせると突然強烈な威圧感を感じた。
視線の先には変わり果てた鈴仙が立っていた。鈴仙は私達を見ると驚いた様子だった。
「う、うどんげ!」
永琳が叫ぶと彼女は顔を逸らしてしまった。
「き、貴様は、忌々しき魔神タルタロスではないか!!!?!?」
男は酷く怒った様子で鈴仙を襲った。
「逃げて!イナバ!彼には攻撃が通ら……」
私が言い終わる前に鈴仙の腕がぶれた。
すると男が爆発したように小さくバラバラなっていた。
どうやら鈴仙がその腕で切り裂いた様だった。
私達が今まで手も足も出なかった相手にだ。
どうやら本当らしい。
彼女は…。
すると突然永琳が叫んだ。
「うどんげ!私の元を去るのは1人前になった時だけです!だから師匠としてこのまま修行を投げ出すことは許しません!」
その言葉を受け彼女のトラバサミの様な口がゆっくりと開き…
「ですが私は!」
彼女が言い終わる前に私はこう言った。
「魔神だからなんだと言うのかしら?貴方は私達の家族鈴仙・優曇華院・イナバよ!」
横から傷だらけのてゐが…
「帰ってこいよ。また落とし穴に落としてやるから。」
と言った。
「みなさん………ごめんなさいそして…………ありがとう!!!!」
彼女がそういうと手足の凶器は消え、いつもよく見るイナバの姿に戻った。
≪side out≫
<タルタロス レベル5 とある檻にて>
≪side ???≫
監獄の姫様、どうやら幸せになったみたいだな!
どうやら私ももう脱獄する必要は無くなったみたいだな。
後はゆっくり刑期が終わるのを待つか…
……ん?
な?!
向こうから見覚えのある白い狼の耳と尻尾を持った人が歩いて来た。
「おーい!元気してるか?ファフニール!」
「お、王様?!こんなとこまで来たのか?!」
彼女は私の檻の前で座った。
「おう!お前よく脱獄してたのは、本当はあいつのためだろう?」
どうやら彼女には全て見透かされていたようだ。
「いやはや流石王様!私めの考えなどお見通しだったとは。」
「いや〜、それほどでも。…ありがとうな。アイツのことを思ってくれて。」
「王様と彼女は親友同士じゃないか!家臣である私が彼女を助ければアンタも喜ぶかなって思っての行動だ。」
「それでもありがとう。」
……参ったなぁ。忌み嫌われる私が礼を言われるとむずかゆくなっちまう。
「とまぁ、お前の刑期は私がアイツと相談してくるよ。」
そう彼女は立ち上がっ……
「えっ?!そんなことまでしてくれるのか?!」
「当たり前だ!私はお前らの主だからな。」
そう言いながら去っていく…
「あ、そうだ!」
何かを思い出したかのように彼女は立ち止まった。
「アイツは親友じゃない悪友だ!」
……やっぱり王様と監獄姫は仲が良いな……。
≪side out≫