<妖怪の山 とある場所にて>
≪side 椛≫
「あーーー。」
私は退屈だったので声を出してみた。
誰も来ない。
誰もいない。
そして、ロクにサボれない。
本来なら私は今頃隠れて詰み将棋をしているはずだ。
これが案外バレない。
しかし、この間から警備が強化されており私の担当の場所にはもう1人哨戒任務にあたる事になった。
この便利な千里眼のおかげで私は
「……何間の抜けた声を出しているんですか?」
うへぇ……
来た……
「申し訳ありません。山城様。」
そう、もう1人の担当は音だ。
彼女には私の千里眼の事を説明してあるが頑固な性格から直接確かめないと気がすまないらしい。
「………ふん!私よりも遥かに強いくせに敬語なんて使って!」
………今なんて
「な、なんで覚えてるのですか?!」
私は彼女に聞く。
「知りませんよ。覚えてたんですから仕方ないでしょ?」
そう彼女は落ち着き払った声で言った。
「……なんでそんなに落ち着いてるんですか?」
「……天星様が説明してくれました……」
仕事が早くて助かる。
「ん?なんで上に報告しないんですか?」
こんな脳みそがカチカチなやつが上に報告しないわけが無いはずだ。
「……何か失礼な事考えてません?………あなたの配下とやらに脅迫されたんですよ!あの私を殺そうとした!」
「またアイツか……きつく言っておきますから許してやってください。」
彼女が怒っているのはプライドをへし折られたからだろう。
「ふん!私は見回りの続きをしてきます。」
そう言って彼女は立ち去った。
「サボったら容赦なく上に報告しますからね。」
……………ちくしょう…
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「もう、行きましたよ。」
私はそう言った。
「そうですか!」
そう言って飛び出してきたのは文様だった。
「何の御用ですか?」
私は彼女に聞いた。
何か取引をするかもしれない。
「椛に会いに来ただけです。」
「……勤務中なのでお帰りくださ……何抱きついているんですか?!」
彼女は私の背後から私を抱き抱えた。
「ふふ……椛からいい匂いがします。」
「な、何してるんですか?!一旦離れてください!」
「そうだ!椛!あなた他の天狗の中で噂になってましたよ!」
「う、噂?」
なんの事だ?戦闘の時に破壊した山は元通りに天星先輩が直してくれたし記憶も一部を除いて改ざんしたはずだ。
「なんでも白狼天狗の中に博麗の巫女の全力を受け止めて無傷だった者がいるって!」
あ!あの時か!
「椛はものすごく強いから羨ましいです。」
………
「私はこの強さを悪事にずっと使ってきました。」
「"昔は"でしょ?貴方がかつて魔王ヴァナルガンドと呼ばれていたのは知っています。でも今貴方は白狼天狗で私のおも……可愛い部下の犬走椛です。」
……文様
「今、おもちゃって言いかけませんでした?」
「イエ、ベツニ。」
「おい、目を合わせろ。」
「コホン…とにかくあまり昔の事を考えすぎないでください。その時いなかった私が言うのもなんですが……いえ、居なかったからこそ言えます。」
………
「椛、提案があるのですが……私の直属の部下になってくれませんか?大天狗である私なら上手く椛達を隠しきることが出来るはずです!」
……………
「文様……」
「はい!」
「至急、紅魔館の小悪魔を読んできてください。今すぐです!」
私は立ち上がり、どこからともなく現れたレーザーを瘴気の盾で防いだ。
「な、何事ですか?!それに、あれは!?魔理沙さん?!」
「急いでください!!」
「は、はい!」
そう言い文様は猛スピードで飛んで行った。
私は目の前で飛んでいる
「お前……何故ここに居る?」
私の問に彼女はこう言った。
「全てを滅ぼした貴様に対する報復だ……」
「その為に、何も関係ない少女の体を乗っ取るのか?
飛んだ勇者だな?"星の管理者"よぉ!」
私は静かに鞘から剣を抜いた。
≪side out≫