【紅魔館最上階とある部屋にて】
≪side 霊夢≫
私は、とある部屋の中にいる。
何か得体の知れない禍禍しい感じがしたからだ。
入って見ると案の定!
「あら、よく来たわね。博霊の巫女!」
そこには、巨大な玉座に座った…
子ども?
「ずいぶんと小さいわね。」
そう私は煽る。
「見た目に惑わされるとはまだまだね。 それともわかって言ってるのかしら。さしずめこの国で言う負け犬の遠吠えってやつかしら?」
「まだ日本の文化をよく知らないみたいだから教えてあげるわ。そのセリフは勝つてから言うものよ。」
そう返すも、目の前にいる子どもが得体の知れない化け物だと言うことに気づいていた。
それに、隣にいる紫の恐らく魔女である少女も厄介ね。
…!??!。
その時私の勘が、危険信号を発した。
魔女の隣にいる赤い髪の悪魔、彼女からあまり力を感じない
はずなのに、何かいやな予感がする。
その悪魔は、私と目があったのかうっすらと微笑む。
「あら、どこを見ているのかしら。余所見をするほどの余裕があるのかしら。」
そう玉座に座った少女が言った。
「自己紹介が必要ね。私の名はレミリア・スカーレット。 吸血鬼よ。」
そう言いながら丁寧にお辞儀をした。
「早速で悪いのだけれど、博霊の巫女。あなた、降伏しなさい。」
「何を言って」
「これを見ても同じようなことが言えるのかしら? パチェ。」
「わかったわ、レミィ。」
そう言って、パチェと呼ばれた少女が手をかざす。
「魔理沙!!!」
すると目の前に、十字架に張られたようなポーズのボロボロの魔理沙が出てきたではないか!!!
「あなた達!!!」
「おっと卑怯とは言われたくないわ。賢いといって欲しいわ。」
そう言って続ける。
「私はあの娘のためになんとしてでも幻想郷を支配しなくてはならないの。あの娘がのびのびと生きるためにね。そのためにはどんな手だって使うわ!!」
「幸いにもこのネズミは生かしてあげてるわ。」
彼女がそう言うと、私は魔理沙の方を向いた
「……ぅぅ。」
弱々しい魔理沙の声が聞こえる。
「彼女は返してあげるわ。どのみちあなたも怪我人を抱えながら戦えないしね。解放して上げてパチェ。」
「分かったわ。」
そう言うと、魔女は魔理沙を地面にゆっくりと下ろした。
「魔理沙!!!」
私は魔理沙へ駆け寄る。
「…すまなかったぜ。霊夢。」
「感動の再開の所悪いのだけれど、彼女を担いで帰って(ドカン!!!)
レミリアが言い終わらない内に彼女達の地面を中心に部屋が爆発した。
部屋、いや屋敷が崩壊していく。
その時私の目に移ったのは、青く輝く宝石のネックレスをつけた虹色の羽根を持つ少女だった。
≪side out≫
【妖怪の山にて】
≪side 椛≫
!!!
この魔力は!!
間違いない、やつだ!!!
私は千里眼を使った。
!なんて事だ!!!
この幻想郷で、まさかやつの被害者がいたなんて。それも年端もいかない子どもだぞ!?!
『総員! 持ち場に戻れ! 我々には関係のないことだ!』
天星様から、そのような指令が降りてきたが…
私は、他の同業に見つからないように一人で持ち場を離れた。
<偽罪「
≪side out≫
【紅魔館にて】
≪side 小悪魔≫
私は、今爆発に巻き込まれた二人の主を担いでいる。私にとっては大したことなかったがこの二人にとってはよほどのダメージなのか気を失っている。
「ちょっと!あなた!」
そう博霊の巫女に呼ばれる。
「彼女は何者なの?!」
「彼女は、お嬢様の妹です! 無駄話している時間はないので端的に言います。あの方の能力は、ありとあらゆるものを破壊する程度の能力です。私が相手をしますので私の主と他の従者を見てきてくれませんか?」
「でも…」
彼女が何かを言い返そうとした瞬間!
アアアアアアアアアアアア
けたたましい叫び声と共に妹様の妖力が上がった。
「このままだと幻想郷が滅んでしまいます。どうか急いでください!」
そう言って私は飛び立った。
実を言うと私には妹様との面識が全くといってもいいほどなかった。
いや、なにも存在すら知らなかった訳ではない。
何度かパチュリー様から聞いた事がある。
曰く、生まれた時から妖力が強すぎて父と母を殺してしまったこと。
曰く、私が召喚されるずっと前に自身の心までも壊してしまったこと。
曰く、地下に幽閉晴れていること。
等々
今回の異変だって彼女のために起こしたとのことらしい。
紅い霧を張って彼女を自由に遊ばせてあげたり、
お嬢様が支配者となって妹様が破壊行為をしても力で黙らせたりするためであった。
私は、彼女の心が壊れてしまったのは彼女の能力が起因する事だと思っていた。
しかし違った!
私は、彼女の胸元にある宝石を見て合点がいった。
彼女の心が壊れたのはあの憎き
そして妹様の心が今回の感情の負荷でついに限界を迎えてしまった。
ああああああああああああああああコワスコワシテヤルウウウウウウ
「妹様!」
ジュウウウウ
人の肉が焼かれるような匂いと音と共に妹様の身体に火傷の痕が浮き出る。
ああああああああああああ
まずい!太陽の光が!
パチュリー様とお嬢様が倒れたことによって紅い霧が晴れていく。
このままだと妹様が死んでしまう!
そう思った瞬間、私は自らの魔力を瘴気に変換して空に張った。
瘴気とは、我々が身体にまとって戦ったり回復に用いたりする事ができる物だ。
「!!!」
遠くで、博霊の巫女は愕然としていたが、この際もう気にしない。
アアアアアア イタイイタイイタイイタイイタイ
妹様は叫ぶ
「今、助けますね!もう少しの辛抱です!だからすみません!!」
妹様を瘴気で拘束し、ネックレスを引きはがそうとする。
バチィッッ!!
「ぐうっ!!」
ネックレスに弾かれる
あの
あのときのようにはいかないってことね!
グウウウウウウウ!!!
唸り声と共に妹様は拘束していた瘴気をなんと破壊した!
自由になった妹様は私を殴りつける。
私は、腕を交差してガードしたが…
「!!?!!?」
そのまま私は地面に叩き落とされた。
なんてパワーだ!!
さっきまでそんなことなかったのに。
それに妖力もあがって…
「ウグッ!!」
両腕に激痛が走る!
「なんだ?!」
私の腕はまるで弾けたかのように血を吹き出していた。
まさかこれは、「あらゆる物を破壊する程度の能力」!
そう思っている間にも妹様の妖力が増えていった。
ガアアアアアア!!!!
吸血鬼の膨大なエネルギーを対価に力を引き出しているようだ、このままでは…
もう、私にはどうすることも出来ないのか……
その時、私は背後に懐かしい魔力を感じた。
後ろを振り返ると、銀色に輝く狼の群れがいた。
オリジナルのスペルカードが出ました。
後二話位で紅霧異変の章は終わりです。