【崩壊した紅魔館にて】
≪side 小悪魔≫
私は、近づいて来た一匹の狼に尋ねた。
「姉…さん?」
すると、狼は低い声で返した。
「ああ、そうだ。 よく頑張ったな。私が来たからには大丈夫だ。」
「今、いる組織で関わるなという命令があったからこのような姿で来た。私の本体は、ここにはいない。」
続けて、狼はこういった。
「それに…お前達に合わせる顔がない…。」
「!! 姉さんそれは!」
私が反論しようとしたその時
アアアアアアアアアアアア!!!!
妹様が苦しみだし、そして…
<禁忌「カゴメカゴメ」>
空中に格子状に小さな無数の弾幕が出現したかと思うと、妹様が発射した特大の弾幕に巻き込まれながらこちらに向かってきた。
いや我々のいる所だけではない、あちらこちらに同じような弾幕を放っている。
私と狼は避ける。
「どうやら話している時間はないな。 これは勘なんだが昔一度あの女神に精神を汚染された私なら何とか彼女の心とあの宝石に干渉する事が出来るかもしれない!」
「そんな都合のいい事がありますか!?」
「わからんが…
ええい!これは賭けだ! それにどのみちこのままには出来ん! お前も彼女を殺すやりかたはしたくないだろう。」
「!」
私は驚いた。彼女は本当に私のことを思ってくれているんだ!
そう思うとなんだか目頭が熱く…
「おいおい!?! 泣くのは後にしてくれ。彼女を殺したくないのは私の意地でもあるんだぞ! 彼女を殺したらあの女神の思うつぼのような気がする。」
そうだ。あの
「私の狼で彼女に近づく、だからあの弾幕を何とかしてくれないか?」
「わかりました!」
そう言って私は、妹様の目の前まで飛び立ちふさがった。
ジャマヲスルナアアアアアアアアア!
<禁忌「レーヴァテイン」>
叫びながら剣状のレーザーをだし、私に斬りかかってくる。
私も負けじと自身の瘴気を剣状に変形し防ぐ。
ガキィィィィン
まるで金属と金属をぶつけたような音がした。
「クッ!!!!」
なんて力なの!? 軽く魔神クラスじゃない!それに硬質化した瘴気にヒビが入っている!
でも耐え抜かなければ…
ドカッ
突然妹様は私を蹴飛ばした。
すると、彼女はあたりに向けて無数の弾幕を撃っていった。
まるで爆撃機が頭上を通過して行くかのように地面に無数の爆発が起こる。
まずい!! 地面にいる狼達に攻撃し始めた!
私は瘴気を展開して無数の弾幕にした。
この弾幕には細工がしてあり、瘴気を高密度に圧縮しているためダイヤモンドよりも硬くなっている。それに加え弾の周囲には数枚の膜を張ることで何発は妹様の弾幕に当たっても爆散しない仕組みになっている。
これなら、動き回る狼全員に防御壁を張るより魔力使用においての効率がいい。それに今空に瘴気を張っているためもうそんなに魔力はない!
しかし、それでもすべての弾幕を撃ち落とすことは不可能だ!
あれだけたくさんいた狼がどんどん数を減らして来ている。このままでは…姉さん…。
そんな心配をしていた瞬間、空中を跳ね回って移動していた狼が妹様に飛びついた。
すると!
グアアアアアア!
けたたましい妹様の叫びと共に、その狼は妹様の中に吸い込まれるように消えた。
≪side out≫
≪side 椛≫
よし!成功した。思った通りだ!
ヤツの魔力に一度影響された者は影響された同士心に干渉し合う事が出きる。
ここまでは上手くいった。
あとは…
≪side out≫
【フランドール・スカーレットの深層意識内部】
≪side フランドール≫
私は小さいときから、何かがおかしかった。何かを壊したい衝動に刈られていた。そのせいでお父様もお母様も殺してしまった。自分でもいけないことだと気づいていた。
最初はお姉様はとても優しかったでもいつからかお姉様は私とは、会わなくなった。
どうしてどうしてどうして。
いや、もう答えはわかっている…
もう一人の自分が語りかけてくる。彼女は
『もう、狂ってしまいましょ!そうすれば楽になれる。』
という。
嫌だ!
嫌だ!
嫌だ!
いつも私はその提案を断っている。
でも今回は違った。今まで聞いた事がない…いや、一度だけ聞いた事のある声が聞こえた。
『あなたのお姉様、あなたを放って何かやってるわよ』
その声を聞いた時、私の部屋の机に青色に輝く宝石が出現した。
私がその宝石に触れたとき私と
でも…もうこれでいいや。
ここにいればもう苦しまなくてもすむよね…。
そう思うと私は檻に囲まれた。
これも…お父様とお母様を殺した罰
ごめんなさい
お姉様
『よっと。』 トサッ
何かが着地するような音が聞こえた。
『ヤバイな。こんな所まで崩れかけてる。』
…だれ。
『ん?あれは…』
だれかがこちらに歩いてくる。
『君が、とらわれのお姫さまか?』
女の人の声が私に聞いてくる。
来ないで!私はここにいるべきなの!
そう私は答えた。
すると…
『いんや、君はここにいるべきじゃない。君には帰るべき家がある。』
その声は、そう答える。
もうないの!私はお父様とお母様を殺してしまったの!
『でも止めようとしたんだろ。』
それは!…
私は顔をあげて声の主をみる、そこにたっていたのは白い犬の耳と尻尾をはやした女の人だった。
『ん?ああこれ?この狼セットは生まれつきあるんだよ。言うなれば私の相棒だな!』
そう彼女は満面の笑みで言った。
楽しそうに
ハッ!いけない!
『まあまあ、そんな恐い顔せずに。この檻邪魔だな。』
そう言うと彼女は私の檻に手をかけ…
グググッ
金属の曲がる音と共に檻を壊した。
『隣座りなよ。名前は?』
…フラン…。フランドール・スカーレット。
私はそう答える。
『いい名前だな!おいで。』
彼女は座り込み、自分の隣の地面をポンポンと叩いた。私は座り込む。
『自分の行動を止めようとしただけで十分だ。世の中には、少しかどわかされただけで自分の意思で大罪をおかしたバカもいる位だからな。そのバカはな、自らの意思で家族に手を出したんだぜ。』
そんな!…ひどい…
『…そうだろ。』
さっきまで明るかったお姉さんが、少し落ち込んだように見えた。しかしすぐにさっきの明るい様子に戻って
『まっ!そんな訳だから君はまだやり直せる。』
でも、
『フランって呼ぶぞ。いいかい、あれはフラン自身でコントロールしなきゃいけないんだ。放っておいたらいつまでたっても変われないぞ。』
でも一度だって成功した事ないの!
『コントロールしようとしてたのか!偉い子だ!私も手伝ってやるから安心しな!一緒に君の狂気に[反逆]しようぜ!』
でも…
お姉様は…お姉様はもう私を嫌いになっちゃったの…
『…本当にそうか。ん~私の見立てではそろそろかな?』
その時私の記憶にこんな言葉の数々が戻ってくるような感覚と共に再生された。
「妹様!必ずあなたを守りますね!」
「妹様。おやつにプリンを持ってきました。ゆっくり食べてくださいね!」
「妹様!一緒に遊びましょ!」
「妹様!」
「妹様!」
「妹様!」
「妹様!」
最後にこんな
「フラン…。絶対に…絶対に私はあなたを見捨てないからね。だから安心して…。」
記憶と共にひび割れた
『君がどんなに事を聞いたのかわからない、でもそれは君にとってかけがえの無い物のはずだ。』
…アア…アアアア……ウワーーーン!!
私は泣き出してしまった。
しばらく泣いて落ち着いた時…
『落ち着いたか?』
…ヒック…ヒック…スン…うん!…
『君はまだまだ若い。これからもっといろんな事を経験していけ!』
………
その…お姉さん…私、500歳超えてるよ…
『それでも私よりはるかに若いんだ。応援してるぞ!』
…お姉さんは、何歳なんだろう?
私が聞こうとしたその時
『おっと!女性に年齢を聞くのは例え同性であっても失礼に当たるぞ!これ人生の先輩からのアドバイス。…昔、その事でエライ目にあった。』
お姉さんの目が遠くなる。
へ、へぇ~、そうなんだ!
『さ~てと!そろそろ私はここから出なきゃいけない。ついでに君の狂気を少し弱らせとくから!あとはフランの仕事だ!頑張れよ!』
!
まだ聞きたいことがある!
また会える!?
『ああ!もちろん!なんたって言ったってここは幻想郷。どんな幻想だってかなえられるんだ!』
『じゃあまたいつか!』
さよなら、狼のお姉さん
『そうだった!私としたことが!フラン、もう一つ人生のアドバイス!名前を聴くときは自分が先に名乗るのが礼儀!私みたいになるなよ!それと私に会ったことは二人の秘密だぞ!』
そう言って彼女は振り返った。
ホントだ!私、まだお姉さんの名前すら知らなかった!
私ってばいつも自分の事ばかり。
お姉さん!名前なんて言うの?
すると彼女はこう答えた。
『今は、皆から犬走 椛って呼ばれてる。でも本当の名前はね…』
≪side out≫
【崩壊した紅魔館にて】
≪side 小悪魔≫
あれからしばらくたつけど、先程の喧騒が嘘のように静かになった。妹様も飛んだまま動かない。いつの間にあの青い宝石もなくなっている。
「ねぇ!大丈夫なんでしょうね!」
「あの人なら大丈夫です。」
「いったいどうなってるんだぜ!?」
博霊の巫女と白黒の魔法使いが聞いてくる。
「今回、私はなにも出来なかった。何が歴代最強よ!幻想郷の危機になにも出来ないなんて!」
「いえ!なにも出来なかったのは私もです。あの人がいなければ私もやられていました。今回のことはあの人以外誰もどうしようも出来なかったんです!だから気をしっかり持ってください!」
私は、彼女を励ました。
「でも!」
やれやれ、まだ反論するか。
「今のあなたの体たらくを見たらお嬢様はさぞがっかりするでしょうね!博霊の巫女がこんなにも腑抜けだったなんてってね!」
「!! 言ってくれるじゃない!」
「まあ、だれも死なずにすんだのはいいことじゃないか!」
そう白黒が言う
「私、霧雨 魔理沙って言うんだ以後よろしくな。」
「ああ、私は博霊 霊夢よろしくね。」
そう二人は自己紹介をした。
「以後よろしく? 異変を起こした私達を歓迎してくださるのですか?」
「ええ。この幻想郷では何かあっても、宴会を開いて水に流すのがルールよ。まあ肝心の何かは終わってないけどね。」
……以外とそこら辺はルーズなんだな幻想郷。
「所であの狼は何者?たくさんいたはずなのに消えちゃってるわ。」
「あれは…」
私が説明しようとしたその時!
トサッ
何かが着地するような音が聞こえた。
「まあ、詮索はしてくれるな博霊の巫女よ。私には敵対の意思はない。今回の異変解決に免じて彼女と私の詮索はよしてくれないか。」
そこには、あの狼がいた。
「……わかったわ。」
「いいのか霊夢?」
「私は幻想郷の抑止力、異変を起こさない限り余計なことはしないわ。でも異変を起こすので有ればその時は容赦しないわ!」
さすが、博霊の巫女と言ったところか。
「うむ、ありがたい。」
なんだか場が終息しようとしている雰囲気にある…
「待って!私はあなたに話が…」
私はそう狼に話かけようとするが
「私も君も、お互い詮索はやめよう。君にも主はいるはずだ。お互い静な生活がしたいものだろう。そしてすまない…。」
「それではまた縁が有れば会おう!」
そう言ったかと思いきや、狼は見えなくなり消えてしまった。
「き、消えた!」
≪side out≫
≪side 文≫
ウググ!
くやじい!
まさか、あのタイミングで呼びだしを食らうとは!
霊夢さんが飛び出した後、妖怪の山本部から司令があった。 内容はパニックに陥った妖怪の山の鎮静化!
そんなつまらない任務のお陰で私の特ダネのチャンスは潰えた…
任務の最中に紅の霧が消えて行くのを見た時には絶望した。
しかしすぐ後に、黒いもやのようなものが空を覆った時には驚きましたけどね!
そんな訳で今私は、全速力で紅魔館に行ったのですが…
「おう!遅かったじゃねえか文!」
ぼろぼろの魔理沙さんが私にそう言う。
うわー!黒いもやすら消えてるー!
「はぁ そこにいる金髪の少女が異変の犯人ですか?」
そう言って私は、もう一人の少女を膝枕している金髪の少女を見た。そばには銀髪のメイドがおり嬉しそうに傘をさしている。
「正確には、そこの寝てる方だけどね。」
「そうなんですか?」
そう言いながら彼女達の写真を撮った。
「まるで、仲のとてもいい姉妹みたいですね。」
「ええ、そうね。」
私の発言に霊夢さんが答えてくれた。
もう一話だけ続きます。
…今回メッチヤ長いな。