俺は死んだ。
道を歩いていた時に、車に轢かれそうになった子供を助けて。
最後に子供が泣きながら母親に泣きついている姿が映った。
「あぁ…生きてた……」
安心して俺は目を閉じた。
ーーーーーーー
「…い。おい起きろ。おい!」
「!?」
突然 響いた男の人の怒鳴り声に俺は我に帰った。
見ると目の前には謎の装備を纏った大男が立っていた。俺よりも倍はある身体の大きさに俺は圧倒された。
「ようやく起きたか。小僧。俺の名は『呂布[奉先]』だ」
「!?」
呂布!?あの三国志の!?魏と蜀の二勢力を相手にとった猛将が目の前にいるなんて…
「流石に俺の名前は知っているか。いいか小僧?よく聞け。今から貴様に俺の力をくれてやる」
「……は?」
単刀直入すぎる言葉に俺は何を返せばいいのか分からなくなった。
「本来 甘っちょろい上に初めて見る貴様に俺の力を渡すのは不服だ。だが、俺はこうしなければならない。だから言っておく」
そう言うと呂布は俺に近づき巨大な腕で俺の胸ぐらを掴み出した。
「俺を楽しませろ…!でなければ殺す…!!」
その巨大な威圧感と共に放たれた言葉は俺の心に深く響いた。
「話は終わりだ。貴様の国の戦国時代とやらで…足掻いて生きるんだな…!」
その言葉を最後に俺は暗い穴に落とされた。
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「相変わらず横暴じゃのぅ。呂布や」
「ふん。今更になってでてきたのか」
少年がいなくなった後、呂布は突然現れた幼い少女にいじられていた。
「言う通りにしてやったぞ。さっさと貴様とっておきの美酒とやらを寄越せ」
「まぁまぁそう慌てるな。向こうでゆっくりと飲もうじゃないか」
この幼い少女と呂布との関係は未だに不明である。
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「……ん?」
頬に伝わる冷たい感触に俺は意識を取り戻した。
「ここは……どこだ…?」
見渡すと当たり一面が木々に囲まれていた。空からさす日光を木の葉が遮っており、少し涼しい。
だが、場所もそうだが、もう一つあった。
「俺は……誰だ…?」
自分が何者かが分からなかった。記憶を辿ろうとしても全て白だった。すると、俺の近くに何かが転がっていた。
「これは……」
見るとそこには巨大な槍が落ちていた。先端は不規則な形でできており、不思議な塗装が施されていた。
俺はその槍から…呼ばれているような気がして何も考えずに手に取った。
「ん……案外 軽いな…」
初めて持ったにも関わらず、感触はとても良く 何か奥底から力が漲ってくるようだった。
バンっ!
「ん?」
近くで銃声らしき音が聞こえ俺はすぐさまその場所へ向かった。
「!」
木々をかき分けるとそこに映ったのは 広い広野で武装をした人達が闘っていた。
ドクン…!
その瞬間 俺の頭に謎の感情が現れ始めた。
“面白そうだ”
気づけば俺は槍を手に持ち、その場所から一気に駆け下りた。
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ーーー
広野で闘いを繰り広げていた男達は刀の鍔迫り合いや、銃の狙いなどを即座にやめた。
その理由は 近くの崖から何者かが槍を持ちながら駆け下りてくるからだ。
「なんだ!?あれは!」
一人の声に味方や敵兵はその場所へ目を向けた。
その瞬間 その駆け下りてくる者は高く飛び上がり 槍を振りかざしてきた。
「ゔぉおおおお!!!!邪魔だぁぁぁぁ!!!」
ドォオオオオオオオオンッ
「ぐぁぁ!!!」
「なんだぁぁ!?」
槍を地面に叩きつけた瞬間に黒い衝撃波が現れ辺りの味方や敵兵を吹き飛ばしていった。
「こ…コイツは!?」
「子供!?」
自分達の前に現れたのは黒い長髪を風に揺らす少年であった。上半身は黒い和服を纏い 下半身は袴を履いていた。
その少年は自分達と敵兵を見渡すとすぐさま襲いかかってきた。
「そらぁ!!!」
『がばぁぁ!』
少年は槍を横に振り回した。その衝撃で少年の身長を遥かに上回る敵兵3人をまとめて吹き飛ばしていった。
「あの童…何者じゃ…!?」
「どうでもよかろう!味方とは見受けられぬが…我々に害をあだなすとは思えぬ…」
青い旗を掲げる兵士たちはすぐさまその少年から離れていった。
一方で少年は次々と赤い旗を持つ兵達を吹き飛ばしていった。
「ゔぉおおお!!」
猛々しく雄叫びを上げると槍を縦横無尽に振り回し、辺りの兵士達を蹴散らしていった。
そして、少年は槍の振り回しを止めると今度は天に顔を向け 巨大な咆哮をした。
「ゔぉおおおおおおお!!!!!!」
発せられた声と同時に少年から風が生まれ その風を浴びた兵士達は次々と腰を抜かしていった。
「な…なんなんだコイツ!?」
「人じゃねぇ!逃げろ!!」
「た…退却!!」
その少年に威圧された兵士達は次々と逃げ出していった。中には四つん這いで逃げ出すものもいた。
相手兵士達が全員 いなくなると、その少年から先程までの放っていた威圧と覇気が突然 途絶えた。
「ふぅ…」
すると
『ぅおおおおおおお!!!!』
突然後ろから歓声が聞こえた。青い旗の軍が相手を退却させた事で勝利の歓声を上げていたのだ。
「なんだ?アイツら」
少年は不思議そうにその光景を見つめていると、一匹の馬が人を乗せながら走ってきた。
「あなたね?皆に手を貸してくれたのは」
「ん?」
そこにいたのは金髪の幼い少女だった。
「アンタは…?」
「私は…『織田 信奈』!いずれ乱世を打ち破り天下を統一する者よ。あなたの名前は?」
その問いに少年はしばらく考えた後 こう答えた、
「分からん……俺は……一体…なんなんだ…?」
「はぁぁぁぁぁ!?」