此処はサリアとヴィヴィアンの部屋。
そこには整理整頓が来ちんとしたサリアとは反対に色々と散らかり、寝床に至っては半ばハンモックの様なベットに仕立てたヴィヴィアンが其々、部屋の中にいた。
机に座って何かの本を読むサリア。
対して自分のベットで購入リストを見ているヴィヴィアン。
凄く対比的である。
ヴィヴィアンが購入リストを見て購入物を決めていた。
「私なんて、欲しいものばっかなのにさ〜。
寂しいよね〜…欲しいものが無いってのもさぁ〜」
「・・・」
如何やら話し相手をしてほしいとサリアに構ってきそうなヴィヴィアン。いや、話しかけた。
「…。此処でクイズっす!
サリアは何を読んでいるのでしょうか!」
「…指導教本。難しいわね。
部下を掌握し、部隊を安定して運用するのって」
「それで、出来そう?」
「そう簡単に行けば苦労しないわ」
「なぁんだ」
そう言いきると飽きたのかヴィヴィアンはベットに横たわる。
話が終わったのかサリアも指導教本の方に目を通した。
「(ジル。約束したじゃない。
あの機体は私にって…)」
そう思いながらサリアはヴィルキスの事を思っていた。
そうしていると後ろからヴィヴィアンがこそこそやって来てはサリアが掛けていたメガネを外し盗る。
「サリア、また怖い顔してる!」
「あ、ちょっと…」
「サリアは〜いつものアレを読んでいる時の方が良い顔してるぞ〜?」
「アレ?」
「ほれ、引き出しの2段目に入ってる…男と女がチュッチュッされる本!」
「ッ⁉︎//」
ヴィヴィアンからのまさかの爆弾発言を聞いたサリアが仰天と羞恥に駆られる。
そんな中、ヴィヴィアンが平然とその本の内容を喋るものだから、さぁ大変。
それを遮るかの様にサリアは腰からナイフを抜刀するやすかさずヴィヴィアンに向けて投擲する。ヴィヴィアンも慌てて避けた。尤も、当てるつもりも無く、そのまま紙一重の様に巧みに投げて壁に突き刺さる辺り、サリアの技術も捨てがたい。
「今度勝手に漁ったら…ホント、刺すわよ」
「…ごめんちゃい!」
ヴィヴィアンは軽々しく謝罪をする。
するとヴィヴィアンのお腹が鳴る音が聞こえ、彼女は「飯タイ〜ム‼︎」と言って食堂に赴こうとして、サリアを誘おうとするが「もうちょっと勉強してからで良いわ」と言って断りを受け、ヴィヴィアンは1人で食堂に行く事になり、そのまま退室。ヴィヴィアンの後ろ姿を見たサリアはまるで何かを見据えたかの様な視線をドアの方に向けた。
「部隊を安定して運用…ムズイムズイ。
あ、そうだ」
はてさて、ヴィヴィアンは何を閃いたのやら。
一方、その頃ジョーカーは。
自身の機体である"アルセーヌ"の機体整備を整備長のメイから直々に指南されていた。
というのも、実はこの機体。"ジューダス"と呼ばれていた時からメイ以外の人から整備するのをまるで拒絶反応をするかの様に拒んでおり、メイ自身も「私の事は仕方なくだからと言う感じだった」と言っている辺り、どうやら好き嫌いがはっきりしていると言うか、選り好みが激しいと言うか。まるで
「…これで大丈夫?」
「流石!メイの指示を聞いただけで完全に物にするなんて…!」
如何やらメンテも終わって、そのチェックをお願いしていたらしい。結果は合格。メイからもお墨付きを貰えた様だ。
するとメイが呟いた。
「ジョーカーがパイロットじゃ無かったら、スカウトしたかったのになぁ」
▶︎可能な限り、手伝うよ。
司令官の指示だから仕方ないよ。
「本当⁉︎」
「偶にしか来れないけど…」
「全然大丈夫だよ!じゃあ、整備の手伝いをする代わりに、これを君に上げよう!」
そう言って手渡して来たのは何やら値引き券の様なものだった。
そこにはジャスミンモール限定だが、特定の商品の値引き対象券である。
なんで彼女がこんなもの持ってるのだろうか…
そう考えると、それを感じ取ったのか…メイ自身がその理由を話してくれた。
「メイもね。パイロットじゃないけど、此処にいる整備班長だから。整備班の状況も把握してるんだよ。それに…こう言うのがあると士気が上がりやすいんだよ」
「それは確かに」
「もし、メイの手伝いをしたら、これを君に上げよう!
貢献度が大きいとパラメイルのカスタマイズ用の値引き券も貰えるよ」
その言葉を聞いてジョーカーは戦慄が走った…!
メイの手伝いをする。
↓
報酬として値引き券を貰う。
↓
ジャスミンモールで値引き券を使用。
↓
必要負担が減る。
↓
節制し易い¥$
と、彼の頭の中では今、この様な図式が浮かび上がっていた。
その間…僅か2秒。速すぎる…。
「?もしかして…メイの仕事、手伝ってくれるの?」
それを聞いたジョーカーは首を縦に頷く。
なんとも現金だな、ジョーカー。
それともメイちゃんは策士かな?(多分、天然)
そう言うとジョーカーは手を差し出す。それに気づいたメイは手を差し伸べ、握手を交わした。
ちょっとした取引の様だ。
するとジョーカーの中で新たな「契約」を感じた…
我は汝 汝は我…
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りは即ち、
囚われを破らんとする反逆の翼なり
我「剣」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、更なる力とならん…
コープアビリティ「整備」
自身の機体の整備をする事で出撃時の戦闘時間が上昇(HPゲージ上限UP)する
ジョーカーは新たな力を手に入れた。
するとメイが興味深そうにジョーカーの左胸ポケットのスマホを見つめる。
「?」
「!実はね、貴方の持ってるその…"すまほ"?それに興味があって…なんだろうマナを具現化した様な板状の機械って聞いていたから解剖したら如何なるんだろうって思って…!」
あ、あれ?メイちゃんってこんなキャラだったっけ?
そしてその言葉に過敏に反応したのは言うまでもなくジョーカー…では無く、この対談を密かに聞いていたAIのソフィアであり、彼女は画面内でありながらスマホ越しにバイブレーションを鳴らしているでは無いか。解剖って聞いてやっぱり身震いしていた。
流石のジョーカーもこればかりは断った。
何せ、仲間の内の1人がいるものだし、なによりも大事な仲間との思い出も詰まってる大切な物だ。無闇矢鱈に解剖されてたまるものかと言わんばかりにしつつも、やんわりと言葉を和らげながら断りを入れたジョーカーはメイに後をお願いし、自分は食堂へと向かった。
そして食堂に到着すると、ナオミ達が
「ジョーカー君だ!こっちこっち!」と手を振るのを見かけた為、スマートに手を挙げた後に、食堂の受取口に向かうと厨房側にはエルシャが立っていた。
「エルシャさん?」
「あら〜!ジョーカー君」
ジョーカーは「如何して
それは…カレーだった。
「?どうかしたの?ジョーカー君?」
「!…いや、なんでもない。
只、カレーは一際思い出深いだけ」
そう言うとジョーカーはエルシャに感謝して、ナオミ達のいるテーブルへと赴き、そして腰掛ける。
そうしているとジョーカーがカレーを数口分だけ頂きつつ食べると睨みを効かせるかの様にカレーに視線を向け続ける。
それに気づいたすみれ=ヴァイオレットはトントンとジョーカーの肩を叩く。
「先輩。此処はどうか穏便に…」
「あ、嗚呼…」
「「「?」」」
ジョーカーの雰囲気を感じ取ったヴァイオレットはジョーカーを宥める。そしてそんなやり取りを見ていたナオミ達3人。
そうしているとジョーカー達の近くのテーブルにアンジュがやって来て、今日の献立を突きつつも1人で食事を摂る。
そうしていると「如何だ!美味いだろう!今日のご飯当番はエルシャだからね!」と言いながらアンジュの向かい側にヴィヴィアンが座り、エルシャに感謝しつつ、料理を頬張るヴィヴィアン。
その光景を間近で見せつけられてるアンジュは傍観していると、突然にヴィヴィアンがそうだと言い、「これあげる!」と言ってなんか見かけないキーホルダーを見せる。
そのキーホルダーに付いているキャラを見て、ジョーカーとヴァイオレットは疑問符を頭の上に浮かべ、首を傾げる。
「えぇ…」
「さぁ、此処でクイズだ。これは一体なんでしょう?」
「…」
「ブー!正解はお揃ーい!」
「はぁ?」
「私とヒルダとアンジュがフォワードを組んだら、
今よりもっと凄い連携出来ると思うんだよね〜
だから、その証〜!」
その言葉を聞いたアンジュは眉間に皺を寄せ、なんとヴィヴィアンが持っていたキーホルダーをはたき落とした!
それに気づいたジョーカーはすかさずキーホルダーをキャッチした。
それにより、キーホルダーは献立の中に入らずに済んだ。
その様子を見たアンジュは居座るのが悪くなったのか、捨て台詞を吐いた。
「言ったでしょ。1人で大丈夫って…」
「アンジュ…」
そんな冷たいアンジュをジョーカーはただ黙って見ていた。
そしてアンジュが食堂を去るまでにこの場にいた他の女の子達も敵に回してしまったのであった。
その様子を厨房側から見ていたエルシャはアンジュの名前を悲哀に満ちながら呟いた。