俺の名は蓮。又の名をジョーカー。
時は俺は母親と赤ん坊と去ってから数時間後の夜。
俺は警察の網を潜り抜け無事にホテルへと帰って来た。
「やれやれ…なんとか無事に帰って来れたぜ…」ニャ〜
「お疲れ様。モルガナ、ソフィア」
「流石に疲れたぞ」
あはは…。
♪〜♪〜♪〜
「?」
突然聞こえてきた音。如何やらスマホからだ。
「ジョーカー。仲間達からだ」
如何やら、俺の仲間達からのグループSNSからだ。
スカル{おーい!元気かー!}
パンサー{そっちは順調?}
クイーン{偶には連絡してね}
ナビ{そうだぞ〜!惣治郎も心配してたぞ!}
ノワール{元気そうで良かった〜}
フォックス{俺達も近々、其方にいけるぞ}
ウルフ{まぁ、もっとも私の自腹なんだがね…}
スカル{恩にきります!オッサン!}
ウルフ {オッサンって言うな‼︎イケオジだ!}
ナビ{ま〜だ、そのネタ使ってんのか?}
クイーン{はいはい。
こんな所にまで喧嘩事は止めなさい。
じゃないと…
鉄拳制裁…するわよ?}
スカル{すみませんでした!覇者先輩}
ウルフ{すみませんでした!覇者先輩}
クイーン{2人揃って言うな‼︎}
パンサー {相変わらずなんだから。
ねぇ!確か明日なんだよね!
アンジュリーゼ姫の成人式!}
パンサー{良いな〜。蓮だけ。
お姫様のドレスを生で見られるなんて〜}
「ジョーカー〜!
流石、ワガハイが見込んだ男だぜ!
アン殿のファッションセンスがワガハイは大好きだぜ〜!
ニャフフ〜」ニャ〜
パンサー{本当⁈ありがとう‼︎}
{帰ってきたら、色々と聞かせてね!}
ノワール {ところで蓮君。身体の方は大丈夫?}
ナビ{使ったんだろ?リストバンド。
あれな、起動する度に私のPCに記録が載るんだ}
ナビ{当然だ。今此処で言ったんだからな}
フォックス{記録が残ると言う事は何かあったのか?}
「ジョーカー。
昼間の出来事を知らせておいた方が良いぞ」ニャ〜
▶︎そうしよう。
それは流石に…
モルガナに示唆された俺は皆んなに今回起こった出来事をSNSを通じて皆に知らせた。
パンサー{酷い!}
ノワール{赤ちゃんと母親を引き離すなんて…}
ウルフ{娘を持つ私だから言えるが、
それはあまりにも酷すぎないか?
それ程までにその国は腐敗しているのかね?}
フォックス{解せん!}
ナビ {びっくりさせるな!オイナリ!}
フォックス{俺は小さかった頃に母親を失っている。
家族の幸せと言うものをあまり知らない。}
ナビ{オイナリの気持ち…分からなくも無い。
私のお母さんも事件に巻き込まれて死んだから…}
スカル{そう言えば、お前等…
血の分けた家族…いなかったんだ}
パンサー {なんか…ごめん}
フォックス{気にするな。2人とも。
俺は寧ろ、今の仲間達とともに過ごしているのが、
幸せを噛みしめている。
改めて礼を言おう。ありがとう}
ナビ{そうだな…!私は皆んなと居る方が幸せだ!サンキューな!}
スカル{それは俺達だって同じだ!}
ウルフ{美しき友情…オッサンの入る隙が無いな}
パンサー {ドンマイ…}
ウルフ{少しは慰めろ!}
ノワール{…と言うより、自分ではオッサンって言うんですね…}
ウルフ{元から人一倍君達よりも年上だからな。
だからお前達の引率代わりなんだよ}
「引率か…。
…あ、そうだ…おい、蓮。
あの事を皆んなに言っておこうぜ?」 ニャ〜
▶︎丸喜先生の事?
あの事?
「そうだ。ワガハイ達の味方になったって言う事を伝えておかないとな」ニャ〜
そう言われ、俺は皆に丸喜先生の事を伝えた。
実を言うと彼等も丸喜先生とあれ以降関わっていないから。
スカル{マジかよ…!}
フォックス{丸喜が味方に付く。
これ程の戦力があって良いのだろうか?}
ウルフ{丸喜?誰だいそいつは?}
パンサー{丸喜拓人先生。
私達が3年前の鴨志田の改心後に、
半年間スクールカウンセラーで来た先生。
皆んなから好かれてたんだよ!
私の当時の相談も請け負ってくれたし!}
ナビ {他にも皆んながハワイに修学旅行行ってた時に私も出会ったぞ!}
{その時は認知訶学の本を持っていたぞ!}
ウルフ{認知訶学?}
ノワール{双葉ちゃんのお母さん…
一色若葉さんが発見した事象です。
その力を利用して、
私達はジェイルやメメントス,パレスを自由に行き交い、
ペルソナも使えるんです。}
ウルフ{つまり、2.3年前の事件にはその認知訶学が適用されていたと。
しかし、それと丸喜拓人と言う者は如何言う関係だ?}
ウルフ{⁈真か⁉︎}
クイーン{ええ。彼は若葉さんとは別視点で認知訶学を研究していたと本人が語っていました。
その時はヴァイオレット…芳澤すみれちゃんと一緒に行動してました}
ウルフ{芳澤すみれ⁈…あの新体操で連覇を成しているあの子が⁈
まさか、私の怪盗団の先輩にあたるのか?}
ウルフ{…世の中、知らない事だらけだな。
…さて、もうそろそろ時間だ}
そう言われて俺は画面右上にある時間を見てみるとそろそろ就寝しないといけない時間になっていた。
パンサー{うぇ⁈もうこんな時間⁈}
スカル{やっぱり仲間と話すと時間があっという間に過ぎていくぜ…}
クイーン{それに明日は洗礼の儀が生放送されるそうよ}
フォックス{見ておいて損は無いな}
ノワール{それじゃ、蓮君。またね}
ナビ{ちゃんとしっかりしろよ、リーダー!それじゃあ、サラダバー!}
ウルフ{私も明日は忙しくなりそうだ。では失礼するよ}
パンサー{またね!}
スカル{ちゃんと連絡入れろよ!}
そう言うと俺はSNSを終了させた。と同時にソフィアが画面に現れた。
「怪盗団の皆からか?」
「そうだよ」
「私…あまり出てなかった…」
「ごめんね。明日の洗礼の儀の為に今日は準備をして寝よう」
「そうだな…!じゃあ!」
そう言うとソフィアはアプリの形になってそのまま寝た。
「ワガハイも寝るぞ。蓮。明日の洗礼の儀の事なんだが…」ニャ〜
▶︎不安がする…
如何したの?
「!…やはりか。念のため、怪盗服は用意しておいてくれ」ニャ〜
「分かった」
そう言うと俺は怪盗服の準備をし、そして寝付こうとすると、
窓を閉めるのを忘れていた事を思い出し、窓を閉めようとすると風と共に歌が聞こえた。
…綺麗な音色…だけどその中に悲恋を感じる歌が。
それを聞いた俺は窓を閉め、そして寝付く。
明日の洗礼の儀…事なくして終わって欲しい。
けど、今の俺は不安で仕方が無かった。
なんなのだろうか。この不安感は…
ーーーーーSIDEtoアンジュリーゼ
♪「流〜れ流れては美しく、ああ生と死の「揺りかごで柔く泡立つ」」
「小さい頃から変わりありませんね」
お母様…!
私が歌を歌っているときにまさか来るなんて。
「何かあると貴方はいつも此処で歌を…」
「全てを洗い流してくれる気がするんです。
迷いや不安も全部…」
「『永遠語り』。
進むべき道を示す皇家の守り歌ですから」
進むべき道…
『生命を軽く見ているお前では民の心など誰も聞きはしない!』
『明日、洗礼の儀でお会いしましょう』
脳裏に浮かんだのはジョーカーと名乗った男の言葉。
民の心を聞きはしない…
それは即ち、私では民を導けないと言われたのも同然。
そんな世迷い事を言うなんて、なんと無礼なんでしょう。
それに、私は気掛かりなのです。何故「ノーマ」は生まれてくるのかを。
男の言った言葉と今のご時世の状況…
あの男と出会ってからそればかりしか頭の中にしか浮かんできませんでした。けれどもやはり私は…
「お母様。私、この世界が好きです。
「マナ」の光に照らされ、戦争・格差・貧困…
全ての闇が消え去った平穏で美しく、完璧な世界を。
でも、ずっと探していました。
私が挑むべき道がどこかにある筈だと」
「…では、見つかったのですね」
「…今日、初めてノーマを見ました」
「‼︎」
「マナを破壊する突然変異。
如何してあんなものがこの世に居るのでしょう…」
私はそれこそ気掛かりだったのです。
「ノーマ」と言う存在さえいなければ、何もかもが美しく綺麗で平穏な日常を当たり前のように送れると言うのに。
それを壊す「ノーマ」。何故、存在してしまっているのでしょうか。
「…何も分かってはいません。
どのように発生するのか、如何して女性だけなのか」
「そう何も分かってはいない。
…あの怪盗も」
「?…怪盗?」
「はい。マナを破壊したと思えば、逆にマナを構成させて対峙していたあの男の怪盗。何者なのでしょうか?」
「男の怪盗…
外見的特徴はご存知ですか?」
「え?」
私が言った言葉が耳に入ったのか、お母様が凄い目つきになりながら、私に問いかけてきました。
「…白のドミノマスク。黒の髪と衣服。赤い手袋。それ以外はさっぱり」
でも、如何して突然、こんな事を聞くのかしら?お母様。
「!…そうですか。
アンジュリーゼ。良く聞きなさい。
貴方があの者の前で軽んじた言動を見せたら、
彼は貴方の心を盗みにきます」
「心を…盗む?」
「貴方は先の日本と言う国で起きた事件の事を耳にした事はありませんか?「改心事件」と言う言葉に」
「改心事件」?その言葉は私は聞いた事がありませんでした。
「改心事件。それは悪しき歪んだ欲望を持つ者達が、急に態度や性格が変わったかのように。自分が犯した罪を自白する事件。
その裏では悪しき者達の歪んだ欲望を、彼等に盗まれたからに他ありません」
「彼等?」
「…心の怪盗団《ザ・ファントム》。
彼等の前では悪人達の欲望は尽く奪われています。
…そしてそれはこの皇国内でも起きました」
⁉︎此処にまで、彼等は来たと言うのですか⁈
「去年までいたオネッサ大臣。実は彼は郊外の民の暮らしを搾り、社会と言う名の甘い蜜を啜りながら豪遊していた事が明るみになりました。
大臣本人の口から」
「⁉︎」
オネッサ大臣。あのデブ大臣の事ね。お父様もいつかあの者の全てを取り上げなければならないと言っていた。
けど、その政治力のおかげでこの皇国が豊かになっていったのは事実。
それ故に手を出せずにいたと。
「オネッサ大臣の元には赤と黒・シルクハットに仮面を被ったマークが入った予告状が届いたそうです」
赤と黒・シルクハットに仮面のマークが入った予告状⁈
それはあのノーマの母親と私に当てた予告状のデザインと全く同じ⁈
では、彼等は既にこの国に潜伏していると言うのですか⁈
「その数日後にはオネッサ大臣は記者会見を開いて自白しました。
当時の私達は彼の豹変ぶりに驚かされましたが、その手口は未だ謎のままです。
どんなに監視されてもオネッサ大臣の元に怪盗は現れませんでした。
しかし、予告状の内容通りに事が進んだ。
そしてその手口は3年前と2年前に日本で起きた「改心事件」と全く同じでした」
「⁉︎」
手口が一緒…
じゃあ…あの人が…怪盗団の一員⁉︎
「アンジュリーゼ。
貴方が出会った怪盗はその怪盗団の中で最も優れた男。
名は切札の名を冠する言葉 ジョーカー。
心の怪盗団《ザ・ファントム》のリーダーです」
「‼︎」
「その様子だと…会いましたね?」
「…はい」
「彼等は人を傷つけず、己の美学のままに動いています。
それを邪魔する者は容赦はしません。
それはアンジュリーゼ。貴方にもです。
人を人として見ているのはもしかしたら彼等の事を指すのかもしれません」
お母様…
「アンジュリーゼ…貴方にこれを」
そう言うとお母様は私の左手に自ら嵌めていた指輪を中指に嵌めてくれました。
その指輪は代々斑鳩皇家によって託されてきた指輪でした。
「どうか光のご加護があらん事を」
「お母様…」
そう言いながら、私はお母様と抱き合いました。
明日は、私の洗礼の儀。
そして…彼が…ジョーカーがやってくる。
臆する事はない筈なのに…
どうして…心の中が不安になっているのでしょうか…
ーーーNO SIDE
その頃、洗礼の儀が行われようとしている場所には…
アンジュリーゼの父にしてミスルギ皇国国王 ジュライ・飛鳥・ミスルギが人目を気にしながら何やら機械に施しをしていた。
そしてその姿を隠れながら見ていた者…
アンジュリーゼの兄にして皇太子 ジュリオ・飛鳥・ミスルギが見ていた。
そして朝日が伸び、その日がやってきた。
地獄への門が開かれた…