クロスアンジュ〜天使と竜と怪盗の円舞曲〜   作:かもめカメ

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1ー5 華麗にカレー?

『16歳の誕生日を迎えたアンジュリーゼ様を祝福しようと沿道には多くの国民がお祝いに駆けつけております!

これからアンジュリーゼ様は皇室の方々と共に、暁ノ御柱前の会場へと入られ、洗礼の儀が執り行わられます!』

 

此処は日本。渋谷・四軒茶屋の一角に佇む喫茶店。名はルブラン。

彼…雨宮蓮が3年前の「改心事件」にてお世話になった場所にして、「心の怪盗団《ザ・ファントム》」のアジトである。

そこでは若者達がテレビに出ているアンジュリーゼを視聴していた。

 

「凄えな!アンジュリーゼ皇女殿下‼︎」

 

そう言ったのは金髪ヘアの青年。名は「坂本竜司」

蓮が3年前に出会った初めての友達にして、「心の怪盗団」の特攻隊長でもある。怪盗時のコードネームは髑髏のマスクから「スカル」と名乗っている。

 

「綺麗…!私もあんな衣装着て見たい〜!」

 

 

そう言ったのは外国人…では無く、その血を持つクォーターの女の子。「高巻杏」。怪盗団の古参の1人。

モルガナが夢中になっている存在である。

怪盗時はライダースーツと女豹の仮面を被っている。その女豹からコードネームは「パンサー」と名乗っている。

 

「うむ。中々の美を感じる…!」

 

そう言って、両手をカメラのアングルにしてテレビを見るこの男。名は「喜多川祐介」

かつての芸術家「斑目一流斎」の最後の弟子として世間に伝わっていたが、今ではその名も密かに無くなり、今は彼等と共に絵のデザインなどを担当している。戦闘時は狐の仮面を被っており、そこからコードネーム「フォックス」の名で呼ばれている。

 

「これって、最早一種のセレモニーよね…?」

 

「それ程、人々に好かれているんだよ。きっと」

 

そう言いながらカウンターでコーヒーを飲む女性2人。

先者は「新島真」後者は「奥村春」2人とも心の怪盗団の仲間である。

 

真は頭脳明晰で更に格闘技も本格的にやっている文武両道の女性。

春は大企業 オクムラフーズのご令嬢であり、つい最近、奥村焙煎と言うコーヒーブランドを立ち上げた実業家系お嬢様である。

 

そして怪盗時の姿はそれぞれ真は鉄仮面とバイクを駆け抜けて行く作戦参謀「クイーン」。

春は美少女怪盗だけど、火力武器を平然と使うアンバランスさを持つ怪盗「ノワール」と言う名で呼ばれている。

2人は共に去年成人を迎えており、祝い旅行として、仲間と共にミスルギ皇国に行ったのである。

その際に一悶着有ったのは言うまでも無い。

 

そうしていると1人の男がコーヒーを飲んで嗜んでいた。

 

「ふぅ…朝のコーヒーはまた格別だな。

…さて、蓮の方はどうなってる?」

 

そう言いながら男はテーブルに向けて視線を飛ばす。

この男の名は「長谷川善吉」

彼等…怪盗団とは真逆の相手「警察」の1人。

そして怪盗団の仲間の1人「ウルフ」と言う名で呼ばれている。

2年前に起こった「全国改心事件」の際に紆余曲折の末、仲間になった。

この中では最も遅く入った新入りである。…年上だけど。

 

「え〜っと。…お、居た!

どうやら洗礼の儀の場所である暁ノ御柱に向かっているみたいだな!」

 

そう言いながらメガネをくいっと動かした者の名は「佐倉双葉」

この怪盗団の中では数少ない未成年。

しかし、そのパソコン作業の効率は高く、ハッカー集団「メジエド」の創設者。「アリババ」と言う名で呼ばれている事もあるが、彼女は仲間達からはナビゲートが得意な事から「ナビ」と呼ばれている。

因みに祐介の事を「オイナリ」と呼んでいる。

此処、テストに出るからね?

 

そう言う風に団欒とした中、カウンター越しに会話をする2人の男女。

 

銀髪のストレートヘアの女性とカウンタースペース側で出来上げのコーヒーを飲むいぶし銀な男。

 

「あの子達が世間を騒がせて早いもので3年ですね」

 

「その間に、あいつ等に色々と教えられたけどな」

 

「ええ。全くです」

 

そう言いながらコーヒーを飲む2人…真の実姉にして、蓮を弁護士見習いとして雇っている弁護士「新島冴」と、双葉と蓮の義父にして、心の怪盗団の拠り所となっているマスター「佐倉惣治郎」は長くも短い振り返りをしていた。

 

「あの子は来ないのか?」

 

「あの子?」

 

そう言うと惣治郎は怪盗団の面々を見て呟く。それを聞いた一同は周りを見ると確かに彼女だけいなかった事に気付く。

すると思い出したのか、真が話しだす。

 

「彼女は実は今日から数週間、ミスルギ皇国にて新体操の世界選手権の為に、数日前からミスルギ皇国入りしてるんです」

 

「て事は…彼奴にもしかしたら会うのかもしれないな」

 

「蓮にか?」「それしか無いでしょ?」

 

「まぁ、彼奴は休み。彼女は特訓。会う機会は少ないかもしれないな」

 

そう言いながら彼等はテレビを見つめた。

彼等が言った彼女。その者は今…何処に居るのかと言うと…

 

 

ーーーーーーミスルギ皇国ーーーーーー

その頃、蓮が居る暁ノ御柱ではジョーカーが今から行われるこの場において、彼等怪盗団が噂していた彼女と行動を共にしていた。

髪はクリムゾンに近い赤。白のワンピースを着ており、唾が付いた帽子を被っていた。そしてそんな彼女に腕の中にモルガナが抱き抱えられていた。

 

「楽しみですね!先輩。モルガナ先輩!」

 

「そうだな」ニャ〜

 

「そうだね。すみれ」

 

彼女の名は芳澤すみれ。蓮が「改心事件」の際に出会った女の子。

彼の1つ下の後輩であり、世界が認めるトップクラスの新体操選手。

その実力は屈指のもので、なんと3冠を達していた。

そして彼女もまた心の怪盗団の1人。コードネーム「ヴァイオレット」の名を持つ。

 

何故、彼女が此処にいるのだろうか。

それは話せば今朝の話になる…

 

ーーーーSIDEtoジョーカー

俺の名は蓮。又の名をジョーカー。

朝早く起きた俺はチェックアウトして、悠々と市街を歩きながら暁ノ御柱へと歩いていた。

そしてその最中に突然出会った。

 

「?…!先輩!」

 

「?」

 

突然聞こえてきた声に振り返り見てみるとそこにはスポーツ用ジャージ姿の赤い髪の女の子がやってきて、顔を上げた。

その顔を見て、俺はその子の名前を言った。

 

▶︎すみれ⁉︎

かすみ⁉︎

 

「はい!先輩の後輩!芳澤すみれです!」

 

「なんだぁ〜?大きい声出しやがっ…って⁉︎

ヨシザワじゃねぇか⁈

なんでお前が此処に居るんだ⁈」ニャ〜

 

「モルガナ先輩もお久しぶりです!」

 

「久しぶりだね。すみれ」

 

「はい!お久しぶりです!」

 

▶︎どうして此処に?

まさかの再会…

 

「実は来週からミスルギ皇国にて行われる新体操の世界選手権の会場の下見とトレーニングを兼ねた視察で来ていたんです!

ですが…」

 

「?」

 

「ほとんどの施設ではマナを使用していたので、私ではちょっと扱い辛い場所だなって思ってしまって…」

 

「それは仕方がないぜ。ワガハイ達"ペルソナ使い"はペルソナを使用する事が出来る代わりにワガハイ達がマナを使う事は出来ないからな」ニャ〜

 

「気にするな」

 

「はい。…先輩に言ってくれるだけで励みになりそうです。

そうだ。先輩はこの後何処へ?」

 

「市街を歩きつつ、暁ノ御柱へ行く予定」

 

「なら、私も羽休め代わりに一緒に行っても良いですか⁈」

 

▶︎喜んで

大丈夫?

無理に行かなくても良い

 

「!なら、私。着替えて来ます!」

 

そう言って走り去ろうとしていたので、俺は「待って!」と声を掛けた。するとすみれは立ち止まった。

 

「え?」

 

「俺も一緒に付いて行くよ。洗礼の儀まではまだ時間がかなりある。それに…渡したい物もあるし」

 

「渡したい物…ですか?」

 

「うん」

 

「…分かりました。

それじゃ、エスコートお願いしますね?」

 

「逆に道案内お願いするね?」

 

「はい、任せて下さい!」

 

そう言うと俺達はすみれの泊まってる場所まで行った。

 

…行ったのだが。

途中から見た事ある場所がちらほらと見えていた。

モルガナも同感だったそうだ。

まさかなと思っていたのだが…

 

「………」

 

「此処が私が泊まってるホテルです!」

 

「って、ワガハイ達が泊まっていたホテルじゃねぇか‼︎」ニャ〜

 

「え⁉︎まさかの灯台下暗しですか⁉︎」

 

「こんな偶然もあるもんなんだな〜」

 

呑気に言ってる場合じゃ無いよ…ソフィア。

 

「ぐ、偶然ですよ!偶然!」

 

「いや、去年…マコト達の成人祝いの旅行の際に一緒だったからまさかとは思っていたが…」ニャ〜

 

そう。去年は真と春が成人を迎えた事と、その時はすみれが世界選手権で優勝した時の祝いも兼ねた旅行として此処、ミスルギ皇国に入国して、更にこのホテルに10日間程止まっていた。

 

「えっと〜…実を言いますと。

此処のホテル以外がセキリュティが甘かったり、

宿泊費が高くて中々良いホテルが無くて、

仕方無く去年皆さんと行って、

信用性のあるこのホテルを選んだんですけど。

…先輩はどう言う基準で此処に泊まっていたんですか?」

 

▶︎ほとんど同じ

仲間頼み

 

「やっぱりなんですね…」

 

「それに、真がオススメしていたから。

まさかこんなにも優れているのに、お値段がリーズナブルなのはありがたかった」

 

「それは私も同じです。

それに、真先輩や春先輩の友人と言ったら、更にお手頃になりました」

 

「あの2人…このホテルを買収したんじゃ無いだろうな…

ワガハイ達怪盗団の世界拠点の1つとして…

…絶対に考えたくねぇ〜」ニャ〜

 

「それに関しては私も同感です」

 

「右に同じ」

 

…とにかく、2人はヤバイ。色んな意味で。

 

ーーーーー

「「っ!くしゅん‼︎」」

 

「どしたんすか?」

 

「風邪?」

 

「そう…なのかな…」

 

「う〜ん。私はそうじゃないと思うんだけど…」

 

「誰かが、真と春の事を噂してるんじゃないのか?」

 

「それは…ああ…」

「否定…出来ないかも」

 

「まぁ、何はともあれだ。

それよりも…マスター。

ルブランのカレーを頂きたい…!」

 

「そーじろう!私も‼︎」

 

「やれやれ。相変わらず人遣いが荒いんだからな。お前らは」

 

「そう言いながら…」

 

「ちゃっかり皆んなの分。作ってくれていますね」

 

「彼奴らは成長盛りなんだよ。

ほら、男どもは左側のを取れ。双葉や女共は右側を取れ」

 

ーーーーー

…なんだろう。無性に腹が減った。

 

「おい。どうしたんだ?」ニャ〜

 

「カレーが食べたい」

 

「唐突だな…。ソフィア!」ニャ〜

 

「残念ながらカレー屋は今日は休みだ」

 

「」ガーン⁉︎(○○|||)

 

 

「お待たせしました!…って、あれ?

モルガナ先輩。先輩どうしたんですか?」

 

「」

 

「まるで灰になったかのように酷くショックになっていますけど…」

 

「カレー屋が今日お休みだと言われてショックしている。

余程カレーが食べたかったのだろう」

 

「そうだったんですか。

…もしかしてルブランのカレーが恋しかったりして…」

 

「!」コクコク!

 

「そんなに激しく首を振るな!首落とすぞ‼︎」ニャ〜

 

「やっぱり。そう言うと思いました…」

 

そう言うとすみれはルームサービス用の電話を使って何か喋ったと思ったら、備え付けられているキッチンに足を運び、自身のキャリーバックからレトルトパックを2つ程、取り出すやそれを熱湯で沸かしている鍋に入れた。

 

「暫く待ってて下さい」

 

「あ、はい」

 

そう言われてたら、チャイムが鳴ったので、俺が代わりに取りに行くとそこにはライスを持って来てくれた。

どうやら先程のルームサービスでライスを持ってきて欲しいとお願いしていたんだろう。後、空のお皿が2皿分も用意されていた。

 

「先輩!ライスと食器を此方に!」

 

「分かった」

 

そう言うと俺は食器を並べる。

するとすみれはその食器の中にライスを盛り直し、そこへ熱々になったレトルトを開封して、ライスに掛けた。

そして匂いがして、その匂いを嗅いで直感した…!

 

「!ルブランのカレー…!」

 

「はい♪」

 

「お〜!マスターのカレーだ〜‼︎」ニャ〜

 

そう。それはまさかのルブランのカレーだった!

しかし、何故それが此処に?

 

「実は離れる前にルブランに寄ったんです。

その時、マスターさんと春先輩にお会いして、2人でお待ち帰り用のカレーの試作をしていたんです。

そ・れ・で。私がミスルギ皇国に行くと言ったら…

(あのバカ息子)の奴が恋しいと思うからこれを持っていけ』と言われて、カレーのレトルトを貰ったんです!」

 

▶︎お見通しだったか…

やっぱり凄いね…

 

「はい!入国手続きの際に申請しておいたお陰でこうやって無事に持って来れました。まぁレトルトパックはゴミとして必ず持って帰れと言われましたけど」

 

「それでもカレーを食べられるのはありがたいぜ〜!」ニャ〜

 

「さぁ!これを食べたら、参りましょう!洗礼の儀までには着きたいですし!」

 

「その間にちょくちょく買い食いでもしようか。

久しぶりにすみれとデートみたいな事もしたいし」

 

「で、デート⁉︎」///

 

「お前なぁ…」ニャ〜

 

「…こう言うのを女誑しと言うのか?」

 

「概ね合ってるがな…」ニャ〜

 

「(先輩とデート…!先輩とデート…‼︎)」///

 

「すみれの奴、何処かいってるな…」ニャ〜

 

「?すみれは此処にいるぞ?」

 

「…いや、頭の中の方だ。身体はそこにあっても思考が何処か行ってるんだよ…」ニャ〜

 

「成る程。また1つ人のことを理解したぞ」

 

「あはは…。

とりあえず、先にカレーを食べよう。すみれ」

 

「(先輩とデート…♪)「食べないと冷えるよ?」⁉︎あ、はい!」

 

そう言うと俺達はカレーを堪能した。

久しぶりにカレーを食べて満足した。

もしかしたら皆んなも食べているのかな。

そして全て片付けて、俺はすみれにあるものを送った。

 

「これって…」

 

そこには黒のドミノマスクを筆頭に薔薇のブローチや黒のフリルなどがあしらった衣装…すみれが怪盗団の1人「ヴァイオレット」の時の姿の際の衣装一式が用意されていた。

 

「先輩…」

 

「杏から頼まれていたんだ。

もしすみれと会ったら護身用としてこれを渡してくれって。

まさか本当に渡すなんて思ってもいなかったけど」

 

「因みに防弾・耐火加工済みだ!」

 

「もしかして、先輩…」

 

「昨日、ジョーカーの時の衣装を使った」

 

「やっぱり。昨日のニュースを見て驚きましたよ。

あの動きやワイヤーの使い方。

私が先輩に教えたものだって」

「あまり無謀な事は程々にして下さいね?」

 

「以後、気を付けます」

 

「それなら良いです♪」

 

そう言いながらすみれは装備一式を受け取った。

そして俺はすみれにあるものを一緒に渡した。

 

「?これは?」

 

「双葉が作った小型カプセル。

なんでも某漫画に出てきた携帯カプセルからヒントを得たらしい。

どんな物でもこの中にすっぽり収まるらしい」

 

「…それ。完全に物理法則を無視してません?」

 

「「「うん」」」

 

何処からどうやったらこんな小型のアイテムが現実で出来上がるのだろうか…。

某漫画の中だから出来る芸当なのに。現実でも出来るって…

 

「今更ながら、ワガハイ達のメンバーって、凄腕揃いなのか?」

 

「特に女性メンバー」

 

「「「否定出来ない…」」」

 

…とりあえず。俺達は支度を済ませて、暁ノ御柱に向けて歩みつつ、軽めの軽食をちょくちょく食べながら行く事にした。

その際にすみれに唾付きの帽子を買った。それを受け取ったすみれは女の子らしく可愛い笑顔を見せてくれた。

それを遠巻きに見ていた男性達からの視線がしたので少し顔を向けたら、冷や汗垂らしていたのはなんとも面白い話だ。

 

 

そして無事に暁ノ御柱に着いた俺達は洗礼の儀が行われる暁ノ御柱を上を向けて眺めていた。

 

「凄いですね…!」

 

「スカイツリーには劣るけど、東京タワーよりも高いな」

 

「街の中心建築物な事だけはあるな」ニャ〜

 

「私にも見せろ〜」

 

そう言っていると、会場が歓喜に満ち溢れ出した。

するとスタッフの1人がマナを用いて見届け人である俺達に向けて発した。

 

 

『まもなく、アンジュリーゼ様の洗礼の儀が執り行わられます!

御来場の皆様は其々の指定の席へお座り下さい!』

 

スタッフに言われた俺達は其々の席に座ろうとした。その時だった。

 

「こんな所で会うなんてね?…モルモット君」

 

「?…武見先生?」

 

俺の事をモルモットと呼称するパンク調の見た目なのに白衣を着た女性。

武見妙。俺達、心の怪盗団の協力者であり、かつて医師免許を剥奪された過去を持つ元闇医者。

 

「どうして此処に?」

 

「私の研究論が世界に認めてくれてね。その中でもミスルギ皇国が特に重要視されていたのよ。

もっとも、理由は他にあるんだけどね」

 

「?」

 

「私がまだ医学生の時、此処に来ててね。その時にアンジュリーゼ様の傍付き侍女が怪我した時があったのよ。その手当てした事をまだ憶えててくれていたらしいのよ。

まぁ、その後の私は人生を滅茶苦茶にされてそれどころでは無かったんだけど。貴方に救われてから漸く整理できたから。そしたら洗礼の儀に来て欲しいと手紙と観覧席のチケットを貰ったのよ」

 

「そうだったんですか。

これからもよろしくお願いします」

 

「?…どっちの意味でかしら?」

 

「1人の人間として。怪盗団の1人として。大切な人として。全て」

 

「…貴方って、本当に女誑しなんだから」///

「良いわ。そう言う事なら喜んで」

 

そう言うと妙さんと握手を交わした。

 

再び絆を得た感覚がする。

 

「すみれさんもモルモット君の毒牙には充分気を付けなさい」

 

「…多分…もう手遅れかと」

 

 

「それもそうか。それじゃ私は此処で。

ああ、そうだ。今日の洗礼の儀。私は丸喜と言う人と一緒にいるから」

 

「⁉︎…因みに名前は?」

 

「丸喜拓人よ」

 

「丸喜先生が⁉︎」

 

「?知り合い?」

 

「高校の時のスクールカウンセラーです!」

 

「そう。なら、私も少しは信用できるわね。それじゃ私はこれで」

 

そう言うと妙先生は手を振りながら去っていった。

俺はポケットに手を突っ込んでみた。

すると何か入っていたので見てみると…そこには栄養ドリンクと手紙で「貴方達の活躍。期待している」と添えられていた。

 

「信頼されているんですね」

 

「お世話になりっぱなしだよ。まぁ実験が大半だったけど」

 

「それでも誰かを助けたいと言う思いがヒシヒシと伝わりました!」

 

「タエはそう言う人だからな。お前は本当に愛されているよな」ニャ〜

 

「自覚はある」

 

「あはは!それじゃあ私達も席に付きましょう!」

 

そう言うと俺達は席に座って見届ける。アンジュリーゼの洗礼の儀を。

 

 

だけど、此処から悲劇が始まる事になろうとはこの時のすみれは勿論。テレビ越しで見ていた俺の仲間は勿論。モルガナもソフィアも。

そしてこの俺ですらこの時までまだ知らなかった…

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