一方、此処はアルゼナル内の医療室。
そこではジルが診察していた。
「あ〜あ。こんなに真っ赤に腫れあがっちゃって…。
寂寂になってるじゃない〜」
「ッ!痛ッ!」
「ねえ?痛い?痛い?痛いよね〜?」
そう言いながら嬉々しくしているのはDr.マギー。
数少ない医師である。だが、如何せん…酒癖が悪い。
現に先の発言の際から、顔が真っ赤である。
酔っ払いとかで見られる呑兵衛の姿である。
「酒臭いよ、マギー!」
そう言いながら左腕でマギーの眉間に向けてチョップする。
少なからず友好的だと言う事がこの一場面でよく分かった。
ジルがそう言うと、今度は自分の左側に居る者に声を掛ける。
「ジャスミン。そっちは?」
そう言われながら黙々とジルの義手である右腕を修理している婆…ジャスミン。
そんな彼女の隣には犬が付いていた。
「外側のネジが全部イカれちまってる。
ミスルギ皇国製のに替えておくから…
それなりに値は張るがね〜」
「司令部にツケておきな」
「へへっ!毎度あり!」
ただ、此方のジャスミンはガメつい。
金の事になると某キャラ達(ナ●やき○丸など)の様に金に目がないのだ。
そうしながらも義手を修理したジャスミンはジルに渡し、ジルはその義手を装着し、動作確認をする。
「しかし、もうちょいデリケートに扱って欲しいもんだね。
そいつはあんたみたいに頑丈じゃないんだ」
「悪いね。じゃじゃ馬が暴れてさ。
もっともその後は不完全燃焼だが」
そう愚痴を零すジル。
じゃじゃ馬と言えばやはりあの姫の事なんだろうか。
「例の皇女殿下かい?」
「その後の2人は不完全燃焼ねえ…
それはそうと…良いのかね〜?
全員第1中隊にぶっ込んじゃって」
マギーは心配そうに喋るが、放り込んだ張本人は…
「駄目なら死ぬだけさ」
なんとも末恐ろしい女である。
ーーーーー
その頃、スーツに着替えた3人と合流し、それぞれ訓練に入った。
そしてそれはヒルダの合図で始まった。
「パラメイル・デストロイヤーモード。シュミレーター起動。
プリナムチャンバー、チャージ確認」
「プリナムチャンバー。チャージコンプリート」
「アレスティングギア、リリース!」
「アレスティングギア。リリースコンプリート…」
先に始めていた4人は復習しつつ、操作に慣らしていた。
その頃、サリアとナオミが先導の下、ジョーカー達3人は…
「これがメインスロットルで、これがインジケーターだよ」
「了解」
そう言いながら、ジョーカーはナオミから指導を受けていた。
ナオミも自分の説明を理解してくれているジョーカーに好印象を持っていた。
対して、アンジュ・ヴァイオレット・サリアはと言うと…
ヴァイオレットからの質問を答え、それを理解している事にサリアは好印象を持っていた。
しかし、問題児であるアンジュはと言うと全く理解していないのである。
「何なのですか?これは?」
「…"パラメイル"のシュミレーターよ」
「パラ…メイル?」
そう呟くアンジュにサリアはこう言った。
「私達ノーマの…『棺桶』よ」
パラメイル
対ドラゴン用高起動変形機構搭載兵器として運用されている。
バイクの様に運転しながら高速移動を可能にしている戦闘機型形態〔フライトモード〕と、
変形して、武装をして、迎撃・駆逐を目的とする人型形態〔デストロイヤーモード〕に可変する機体の総称名。
ノーマ達がドラゴンに対して対抗できる機体…そして、ドラゴンに敗れれば、サリアの言う通り、その機体は棺桶の様に墜落する。
彼女達はまさに生と死の狭間と言う名の崖…いや、橋を今渡っている様なものである。
『最初から出来るなんて思ってない。先ずは飛ぶ感覚を身体に叩き込んで』
『リクエスト、リフトオフ』
『ココ機、リクエストコンフォームド。リフトオフ』
『ミランダ機、コンフォームド』
『リクエスト、リフトオフ』
『ヴァイオレット機、コンフォームド』
『ジョーカー、リクエストコンフォームド。リフトオフ』
各々が確認をしていく中、アンジュは…
「何をさせようと言うんですか…私に」
…無知なのも大概にして欲しいぐらいに愚痴を零す。
そんな様子のアンジュを無視し、サリアはプログラムを実行させる。
「アンジュ機,コンフォームド。
ミッション07、スタート」
「『『『⁉︎うわぁぁぁ⁈』』』
な、何なのですか⁈これは⁉︎」
突然、始まったプログラムに困惑をする女性陣。特にアンジュは尚更に。
そんな事を装いにサリアは告げる。
「操縦桿から手を離さない。上昇』
アンジュは言われた通りに手を操縦桿にまた握り戻す。
しかし、身体にかかる加速度的負担 「G」の影響を受ける。
そんな中でサリアは更に支持を繰り出す。
サリアはアンジュは駄目だと感じる中、ふとナオミの方に目を向けた。
そこではナオミが…目を輝かせていた。
「?ナオミ?どうしたの?」
「はひっ⁉︎」
「…別にそこまでリアクション取らなくても…っ⁉︎」
そこでふとナオミが視線を送っていた画面に向けてチラ見する。
そこで驚いた。彼…ジョーカーが華麗に動かしている事に。
「まるで自分の身体の様に動かしている…どう言う事?」
「あ。えっと…確か、バイクとかを運転した事があるからそれを踏まえてやってるみたいなんだ…」
「バイク?…二輪の?あれとパラメイルを一緒にされたら困るのだけど…」
「でも、現にこうやって…」
そう言いながら画面に向けると、どうやらリング内を通るプログラムに差し掛かっており、ジョーカーはギリギリだったら、余裕があったりしていた。そして少なからず全てのリングを潜り抜けていた。
「何なの…一体?」
困惑が取れないサリア。そのままナオミにジョーカーの事を任せ、元の場所に落ち着くとヴァイオレットがココやミランダよりも先に機体に慣れていた。
「ヴァイオレット。この子はジョーカーと同じ…
問題はアンジュだけね」
そう言いながら次の訓練内容を伝える。
「次は急降下訓練よ」
そう言うとシュミレーター内では急降下が行われる。
そんな中、問題児であるアンジュがそのまま地面に激突しようとしていた!
それを見たサリアは彼女の名前を言い、緊急停止スイッチを開き、押そうとした…その時だった。
急降下から急浮上するやなんとシュミレーター内とは言え、パラメイルをまるでバイクの様に…いや、自分の手足の様に動かしていたのであった。
アンジュはパラメイルをかつて、自分が競技の際に用いられていたエアリアの様だと感じた。それ故にパラメイルを難なく熟す事が出来たのであった。
「何なの…この子…」
突然の急変に驚きを隠せないサリアであった。
ーーーーーーーー
その日の訓練は全て終え、皆はシャワーを浴びていた。
その頃、ジョーカーはモルガナと共に散歩がてら、アルゼナル内を散策していた。
とは言え、やはり訓練後でのぶらり散歩…ジョーカー自身も体臭を気にしていた。
せめて、消臭スプレーとタオルさえ有ればなぁと思っていた。
そんな考えをしていた彼に向けて声がした。
「おや?珍しいのがいるね」
「ん?」
不意に聞こえてきた声に振り返ると、犬を連れたジャスミンがいた。
ジャスミンから感じた唯ならぬ気配を授かった能力「サードアイ」を使って判断したジョーカーは敬礼する。
「おやおや。この私に敬礼とはね。
一介の商売人である私に」
「貴方から司令よりも高い経験と言う名のオーラを感じてしまいましたので、つい。お許しを」
「…まぁ、今回は大目に見ておこう」
「ありがとうございます」
「ところで、あんた…自己紹介がまだだったね」
そう言うとジャスミンが先に名乗ろうとしていると、ジョーカーが首を振り、先ずは自分から紹介し始めた。
「俺の名はジョーカー。隣にいる猫はモルガナと言って、俺の相棒なんです」
「宜しくな」ミャ〜
「ほぅ…自分から名乗るとは。日本人は礼節を弁えているから好かれやすい。
私はジャスミン。こいつは私の店番を頼んでいる用心棒のバルカンだ」
「ワフゥ‼︎」
するとジャスミンはジョーカーを見て何か閃いたのか、こんな話を持ちかけた。
「ところで、何かうまい話は無いか?」
▶︎こっちの方?$
うまい?
「お?理解力のある男だね。嫌いじゃないよ」
どうやら気に入ってくれている様だ。
と言うより金に目がない様だ。
ジョーカーは恋仲の1人にして、新聞記者の大宅一子の事を頭の中で一瞬浮かんだ。
彼女とは自分達の怪盗団に関する情報を提供する代わりにターゲットである悪人の情報諸々を提供してくれた。
渋谷全体を金の湯水の様に使っていた悪党・金城の時にも彼の情報を有していたおかげで金城を改心させる事も出来た程だ。
…唯、如何せん。無類の酒好きと来た。
学生だった当時は酒を飲まされずに烏龍茶で代用していたから良かったのだが、大人の仲間入りを果たしたその翌日に付き合わされて二日酔いになる所だった。幸い、武見先生のお薬のおかげでなんとか酔いが覚ましてくれたのだが…飲んでも呑まれるなとはこの事である。
以後、気を付けたい。
…話を脱線し過ぎたので戻そう。
ジャスミンはジョーカーにうまい話と言うのを話しだした。
「実は、私は此処でノーマのガキ共の為に色々とやっているんだが、
如何せん。ネタが尽き欠けてね。何か良いアイデアは無いかい?」
どうやら、簡単そうな話だった。
それを聞き、考え込んだジョーカーはモルガナに目を向けた。
「な、なんだよ?」ミャ?
「?その猫がどうしたんだい?」
▶︎モルガナをモデルにする。
怪盗団のマークを掲示する。
「…この猫のモデルは駄目ですか?」
「猫のモデル?例えば?」
「言葉では言い表せないので、何か描く物が有れば…」
「ふーん…なら、私の店に来な」
そう言うとジョーカーはジャスミン先導の元、彼女の経営している店・ジャスミンモールへとやって来た。
「此処は?」
「此処はジャスミンモール。お前さん。パラメイルの事は?」
「ナオミから根掘り葉掘り聞きました」
「なら、話は早い。
此処はパラメイルの武装から自身の服・傷薬。その他諸々とアルゼナルにおいて唯一の店だから、なんでも揃っているんだよ」
「成る程。百貨店を更に大きくさせた場所と言う感じか」
「ほれ。これを使いな」
そう言われ、取り出したのは画用紙や鉛筆,絵具等の絵画用具一式だった。
…いろんな物を取り揃えているんだな。
「此処まで取り揃えているのは、単にあの子達に趣味を持って貰いたかったからさ」
「優しいですね」
「偶には人間からの
「まるでお母さんの様だ」
「おかぁ⁈」
ジョーカーの発言に驚くジャスミン。
因みに本心である。
そしてジャスミンはなぜかショックになっていた。
どうやらサバ読みして欲しかったらしい。
「せめてお姉さんと言っておくれ」
「分かりました。レディー・ジャスミン」
「…やっぱりお母さんで良い。あんた限定だけどね」
如何やら何か違うと感じたのか、訂正してきたジャスミン。
するとジョーカーはものの数分でそれも会話している間に絵を描き上げた。
それをジャスミンに掲示。
そしてジャスミンはその絵を見て感心した。
そこにはモルガナが怪盗団での姿「モナ」が描かれていた。それも可愛さを残しつつ、かっこよく仕上げていた。
「ワフ〜‼︎流石だぜ!ジョーカー!ワガハイのプリチーさに潜むクールさも描かれているなんて…感激だぜ〜」ミャ〜♪
如何やら絵のモデルであるモルガナ本人はご満悦の様だ。
そしてジャスミンもそれは同じであった。
「この猫をモデルにしたキャラ…名前はなんと言うんだい?」
「『名前はモナ。世の中の悪を奪う、クールでチャーミーな怪盗猫。
自分の身の丈を誇る剣を肩に担いで、パチンコで相手に向けて正確に撃ち抜く。
昼間は黒猫の姿で人々に好かれ、夜は怪盗猫の姿になって悪しき大人から人々から奪ったやつを取り返し、明ける時には持ち主の元へと戻っていく。そこにあるのはただ一つ。人々の笑顔を見たいだけ』
と言うコンセプトを持っているんですが…」
「可愛さとは裏腹にクールに成敗。
…ふっ。気に入ったよ。これをモデルにした奴をオーダーメイドで作ってみようかね。
さて、こんな良いキャラを私にやったんだ。
何か礼がしたいね」
ジャスミンは如何やらモナの事を気に入った様で、早速作ろうと考えた。そしてジャスミンは気づいた。
そう言えばジョーカーが要求を言っていなかった事に。
ジャスミンはこれの対価を提示する。
するとジョーカーは言った。
「それなら、タオルと消臭スプレー、それと…制服って有りますか?」
「制服?…ああ。成る程」
ジャスミンはジョーカーの見た方向に視線を向けるとそこにはノーマの女の子達が同じ服を着て、洋服に手を出しておしゃれを楽しんでいた。
するとジャスミンは苦汁を飲んだかの様な苦みのある顔を見せた。
「済まないね。何せ此処はノーマの施設だ。男のノーマがいるなんて思わなかったからね。制服は諦めてくれ。その代わりに私服等は自由に使っても構わないよ。
タオルと消臭スプレーね。それならあるから問題無いだろう。
このキャラの対価として本来ならキャッシュと言うこの施設内での金を支払うけど、今回のみタダにしといてやるよ」
そう言うと青色のタオルと消臭スプレーをジョーカーに渡した。
するとジャスミンは指を指す。ジョーカーは指した箇所を見ると其処は更衣室があった。
「其処の一番手前のを使いな。
服は次の廃棄物の際に届くだろう。
…そうだ。今後ともご贔屓にしたいからね。私に頼める事があれば良いにきな」
「心強いです」
そう言うとジャスミンと握手を交わすジョーカー。
今、この瞬間に新たな絆を得た感覚をこの時のジョーカーは感じた。
我は汝 汝は我…
汝、ここに新たなる契りを得たり
契りは即ち、
囚われを破らんとする反逆の翼なり
我「硬貨」のペルソナの生誕に祝福の風を得たり
自由へと至る、更なる力とならん…
コープアビリティ「援助」
新たな商品がラインナップされる様になる。
こうしてジョーカーは新たなコープを手にする事が出来たのであった。
そしてジョーカーはジャスミンに一礼すると更衣室へと入っていった。
「…それにしても…中々良いキャラだね」
ーーーーーーSIDEtoジョーカー
シャワーを浴びたかったのは本心だが、此処はノーマの施設。周りは皆女の子達ばかりだ。1人で行こうにも勇気がいるし、使える時間も限られてくるし、それに何よりいつ入ってくるのか分からないのであれば暫くはこの生活が続くだろう。
そうしていると、サリアがアンジュに部屋を与える場面に出会した。
「此処が貴方の部屋よ。新兵が来るまで1人で使って構わないわ。
足りない物はそれで揃えて。明朝5時に点呼を取るわ」
そう言うとサリアが後を去ると俺の方へと歩み出す。そしてそれはサリアも気づいたのか、俺の前で立ち止まる。
「ああ、ジョーカー。ちょうど良かった」
そう言うとサリアは俺と話をする。
俺もサリアの話を聞く事にした。
「貴方の恋人なんだけど、ナオミと同部屋にさせたわ。
此処は異性交遊が禁止されているから如何しようも無いわ」
「うん。最初から分かっていた」
「そう。取り敢えずヴァイオレットとナオミの部屋は直接彼女達に聞いて。
さて、此処からが本題よ。
実は貴方の部屋のことなんだけど…」
なんだか、物凄い嫌な予感がする。
「貴方にもアンジュと同じで1人部屋を与えるわ。随分と放置していたからゴミ溜めになっているけど、これがその部屋の鍵よ」
そう言うとサリアは俺に鍵を手渡す…刹那。
「よっと!」
「「⁉︎」」
突然、鍵を第三者から奪われ、俺達は視線を向けるとサリアは目を見開き、俺は驚いた。何故ならそこには…
「おい、囚人!久しぶりだと言うのに何か言う事があるのでは無いのか!」
「ご無沙汰ですね。囚人」
そこにはラヴェンツァが悪神の手により
警棒と右眼のアイパッチが特徴の「カロリーヌ」と、
本と左眼のアイパッチが特徴の「ジュスティーヌ」がそこにいた。
ただ、この子達の雰囲気が…何か違う。
「な、なんなのよ…貴方達は⁉︎」
「女のお前に用は無い!私達の用があるのはそこの囚人だけだ」
この一言でサリアは逆鱗に触れそうだ…!
此処で怒らせる訳には行かない…!
サリアを落ち着かせる。
▶︎カロリーヌを謝らせる。
よし!
「カロリーヌ。今の発言は良くない」
「!…そうか」
「私もカロリーヌの先程の発言は良く有りませんよ?」
「ジュスティーヌ…そう言われたらそうなのだな。
そこの女。さっきの発言は撤回する。済まなかった」
「…え⁉︎…あ、え、ええ…。謝ってくるとは思わなかったわ。
で、でもその鍵は返して。それはジョーカーの部屋の鍵なのよ。
それがないと彼は何処で寝かせるつもりなの?」
「それについては問題無い!私達はその部屋へと案内させれば良いだけの話だ!」
…。…あのね。
この際に言っておくけど、君達…部屋の場所わかるの?
「貴方ね…。部屋の場所知ってるのかしら?」
「試して見ますか?」
そう言いながらジュスティーヌがカロリーヌに代弁した。ジュスティーヌは相変わらず時々、大胆な行動をする。
それによってカロリーヌが羞恥に至るのだから、程々にしておいて欲しい。
だが、今回のカロリーヌに至ってはかなり自信が有るのか胸を張っていた。…出てる所が出てないのが残念だが、体格の問題だ。仕方ない。
「む。何故か囚人から聞き捨てならない事を聞いた様な気がする…!」
だから、なんで女の勘は良く働くのかな…。
「それはそうと行きますよ、囚人」
そう言うやいなや、双子は前を出て歩き始める。
それを見た俺とサリアは色々と懸念しつつも黙ってついていく。
ーー
そして双子が着いた部屋を見たサリアは驚かされた。何故なら…
「…本当にジョーカーに当てた部屋だわ」
「そうであろうな!」「囚人の面倒事は我々が対処します故。この場はお引き取りの程、お願いします。Ms.サリア」
「…?あれ?私、いつの間に自分の名前を言ったかしら?」
「移動中に囚人とこそこそと会話していたのがバレてるぞ。
その際に囚人がお前の名前を言ったんだ。自分から名乗らなくても他人から名を聞けば自ずと分かる事だ。
さて、今日は疲れたであろう。明日の為にも休養を摂る事を薦めるぞ」
「…そうね。それじゃジョーカー。今日から此処が貴方の部屋だから。
…それにしても、貴方…あの子達に囚人囚人って、言われているけど…大丈夫?」
「気にしていないし、それに彼女達のアイデンティティみたいなものだから」
「!」「!」
「そうなのね…。分かったわ。明日は明朝5時に点呼を取るから、その間までなら自由にしてちょうだい。それじゃお休み」
「お休みなさい」
そう言うとサリアはこの場所から去っていった。
そうしていると右腕をカロリーヌに、左腕をジュスティーヌに捕まっていた。
「さ!行くぞ!囚人♪」「レッツゴーです。囚人♪」
…やっぱり、違うぞ⁈こんな2人の性格じゃない⁉︎
「…と言うよりワガハイの存在、忘れていたよな…?」ミャ〜…
…ごめん。忘れてた。
そうモルガナに心から謝罪をするとカロリーヌは部屋の鍵を挿し、部屋を開けるとそこにはゴミ溜めの部屋…では無く、まともに整理整頓されていて、綺麗な部屋があった。
でも、可笑しい。なんで?
「?…あら♪お帰りなさい。マイトリックスター♪」
「⁉︎ラヴェンツァ⁈」
「ラヴェンツァ殿⁈なんで此処に⁈」
そう、その部屋の中にはまさかのラヴェンツァがいた。
あれ?でも俺の両腕には双子の看守が今もいるぞ…⁉︎
「ラヴェンツァお姉様!囚人を連れてきたぞ!」
そう言いながらカロリーヌが俺から離れてラヴェンツァに抱きつく。急にやってきたカロリーヌに少し体勢を崩すもなんとか踏ん張り、カロリーヌを抱き寄せるラヴェンツァ。そんな中でもちょこんとジュスティーヌがラヴェンツァの背後に周って、そっと抱きついていた。
側から見たら凄い姉妹愛に見えるけど…俺とモルガナは呆然としていた。
「ラヴェンツァ殿…これは一体…」ミャ〜…
俺の意図を代弁したモルガナに気づいたラヴェンツァは「えっと…」と言いながら明日の方向に視線を逸らしている…。
▶︎…何かしでかした?
如何なったらこうなる⁈
「うっ…」
「「?」」
双子の方は頭にクエスチョンマークが出た様な感じで首を傾げる。
そしてラヴェンツァは図星を突かれたのか、彼女の口から出ない筈の声がした。
それを聞いた俺達は視線をラヴェンツァに向けた。
それに気づいたラヴェンツァはとうとう観念したのか、溜息を零した。
「…忘れて下さい。とは言え無いですものね。
話しましょう。何故、彼女『たち』が此処にいるのかを」
そう言うと語り出したのであった。
…この続きは後半戦に続く!
「そのセリフは言ってはいけない奴なんじゃ無いのか?」ミャ〜
一度、言ってみたかった。後悔は無い。