初めましての方は初めましてです。
初めての二次創作投稿からそこそこ経ちましたが、魅力に取りつかれたので、アズールレーンとのクロス以前に構想していた、韓国召喚ものを書いていこうと思います。
よろしくお願いします。
「はぁ・・・。退屈だなぁ・・・」
国境の監視を担当する韓国陸軍の大尉は、いつ見ても変わらない景色に辟易し、欠伸を噛み殺しながら呟いた。
現在アメリカ、日本、韓国、オーストラリア、EUをはじめとした西側諸国、ソビエト社会主義共和国、中華人民共和国をはじめとした東側諸国の関係が、戦後最悪と言われるまでに悪化している。
外洋演習を行っていたアメリカ海軍の駆逐艦を、中国海軍のフリゲートが付け狙ったり、日本の哨戒機にソ連の戦闘機――Su-27やSu-35などが異常接近したりなどは日常茶飯事で、EUとの国境に陣取るソ連陸軍の戦車部隊があからさまに主砲を向けたり、中国海軍のミサイル駆逐艦が台湾海軍のフリゲートと衝突寸前まで近づいたりしたこともあるのだ。
このような対立関係は、2020年になった今も続いている。兵器の生産や開発も進み、双方の主要国家は核兵器を搭載した弾道ミサイルを突き付け合っているのだ。
そして、韓国の北側には同国が現在最も警戒している国家――朝鮮民主主義人民共和国がある。第二次大戦後に国が分裂し、それから間もなく発生した朝鮮戦争で、自分たちの先祖と凄惨な殺し合いを演じた国だ。
勇戦虚しくソウルが堕ち、釜山にまで追い詰められた当時の彼らは、アメリカ、日本、イギリスから派遣された軍の助けも借り、何とか現在の国境線までに狂人たちを押し戻したのだ。
休戦してからというもの、西側諸国の王者ともいうべきアメリカや、戦前から技術と資金を与え、朝鮮の近代化に多大な貢献をしてくれた日本――この世界では、日本と韓国は政治的にも国民感情的にも親しい仲である――などと積極的な技術・軍事交流を行い、工業の発展と基礎技術を養い、物品開発・生産のノウハウを学んだものだ。
そのお陰か、韓国産の製品は東南アジアなどの発展途上国で飛ぶように売れ、さながら「西側の中国」ともいうべき存在となっていた。高価な米国製、日本製品には性能で若干負けても、その分低価格で購入できる韓国製品は、経済的に厳しいものがある国には最適だったのだ。
また軍事面でも、韓国製のK1戦車、大邱級フリゲート、F/A-50戦闘攻撃機といった兵器がそういった国々の目に留まり、導入されていった。
だがソ連や中国は、この動きを黙って見過ごすわけにはいかなかった。西側の小国が強化されれば、その分世界制覇のための障害が多くなる。
そこで両国は、北朝鮮へと話を持ち掛けた。
密かに武器の輸出を行い、同国を強化するその対価として、西側の兵器生産国の一角を堕としてほしい、と遠回しに要請したのだ。堕とした韓国をどうするかはすべてそちらに任せる、という言葉も添えて。――無論韓国をはじめとした西側には知る由もなかったが。
それでも、西側各国の軍事衛星や諜報員の情報で、ソ連製の"イスカンデル"に酷似した弾道ミサイルの存在や、96式戦車と思われる中国製戦車の存在も認められている。
同国が二国の支援の下、何かしらの行動を起こそうとしているのは明らかであり、大統領イ・スンナムの指示の下、韓国も軍事産業に力を注ぎ始め、巡行ミサイル「玄武―3C」の配備を推し進め、K1A1戦車の性能向上型であるA2型の生産を始めるとともに、後継のK2戦車の研究もスタートした。
空軍でも、F-15Kの調達数を現行の60機から80機へと増加させること、米国へ対し、F-35A/B、F-16V、戦闘ヘリコプターであるAH-64Eの購入を打診する一方、日本海を挟んだ友好国――日本と共同で研究しているステルス戦闘機の開発を早めるよう指示が出された。
北朝鮮との戦いでは海戦は生起しないと思われるため、海軍の予算も一部回され、陸空の装備を強化していったのだ。
また、仮に北朝鮮に勝利を収めたとしても、ソ連と中国が黙ってはいないだろう。北朝鮮とは比較にならないほどの軍事力を誇る国家だ。ことを構えることになれば、北朝鮮相手には過剰と思われるステルス機や新鋭戦車を配備することも自明だ。
――話を戻そう。
とはいえ、北朝鮮が何らアクションをとることもなく、彼は退屈な任務を遂行しているのだった。
国境線の向こう側を見ても、陣地の中で一見時代遅れに見える軍服を身に纏い、直立不動で立ち続ける北朝鮮陸軍の兵士がいるだけだ。彼らは常にポーカーフェイスであり、心中で何を考えているのかは分からない。手を振ってみたこともあるが、そんな動きも目に入ってないようだ。
・・・今日ばかりは、数時間前に北朝鮮側の兵士たちが急に見えなくなったのが気がかりだった。一応本部へと連絡したが、厳戒態勢のまま待機することと、こちらに増援を向かわせる旨を伝えてきた。
何か、途轍もなく嫌な予感がする。
そう思った瞬間、何かが空を切る音が聞こえてきた。それに声を上げる暇もなく、陣地内に爆炎が沸き、大量の土煙を噴き上げた。地面に伏せた彼や他の兵士の頭上に、大量の土砂が降りかかる。
タイミングから考えて、北朝鮮が誇る自走砲――M1989 170ミリ自走カノン砲の砲撃に違いない。
1950年の朝鮮戦争から70年の時を経て、再び同族争いの火蓋が切られた瞬間だった。
すぐさま無線機へ手を掛けると、早口で師団司令部へと報告した。
「こちら
『こちら司令部!了解した!撤退を許可する!』
要請が受け入れられるや、彼は地面に落としたK2C1――K11小銃の開発失敗を受け、K2小銃の能力向上型として新たに配備された小銃を拾い上げると、部下へ撤退の指示を出す。
後方からやってきたK808装輪装甲車へ部下を乗り込ませ、自らも続く。
弾着の火柱が上がる中、彼が搭乗したK808は撤退を続けているが、果たして無事にこの窮地を抜け出せるかどうかは、まだわからなかった。
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ソウルは、地獄絵図と化していた。
国境の向こう側から撃ち込まれる170ミリ榴弾が道路をえぐり、ビルに直撃したそれが、大量のガラスとコンクリート片を地面へと降り注がせる。
多くの民間人がパニックを起こし、市外へ逃れようとする人の波が形成されるが、その集団の中にも容赦なく榴弾が落下し、韓国人や少数の海外観光客の区別なく殺傷していく。
大統領は軍の装甲車やトラック、民間のそれを可能な限りかき集め、命からがらソウル郊外へと避難した民間人を、可及的速やかに第二都市である釜山へと脱出させるように指示した。
南北朝鮮が交戦を開始したという知らせはすぐさま日米へと伝わり、自国民救出のため軍の派遣が決定される中、一番早く動いたのはアメリカだ。
在韓米軍にアメリカ人観光客の避難を行わせるとともに、すぐさま部隊を韓国軍の掩護へ向かわせるように通達する。韓国国内の滑走路からAMRAAMやMk82 500ポンド爆弾を満載したF-16、F-35Aが発進すると同時に、日本海へ展開していた空母打撃群から発艦したF-14E"スーパートムキャット"戦闘攻撃機も合流し、韓国空軍のF-15K、KF-16とともに北朝鮮空軍に立ち向かっていく。
日本も揚陸艦2、イージス護衛艦2、護衛艦4、補給艦2の艦隊を派遣し、釜山の港へ着くや否や、大中小問わない73式トラック、12.7ミリ機銃RWSと爆発反応装甲を装備した10式戦車などを降ろしていく。
多数の73式で邦人の救出にあたる傍ら、韓国陸軍、在韓米陸軍と共同で北朝鮮の戦車部隊へ対処するのだ。10式の性能評価も行いたいという、防衛省の思惑も含まれているのだが。
釜山市民や、ソウル、仁川といった都市から避難してきた韓国民、避難誘導にあたっていた韓国軍将兵たちの間から歓声が上がり、友好国の兵士――正確には自衛隊員――と最新鋭戦車の雄姿に手を振っていた。
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同じ頃、山岳地帯へ築かれた陣地で、韓国陸軍と在韓米軍の部隊は数で押してくる北朝鮮陸軍を共同で迎え撃っていた。
後方に陣取るK9自走榴弾砲"雷鳴"、M109"パラディン"自走榴弾砲から放たれる155ミリ砲弾が地面を敵兵ごと耕し、M207A1自走ロケット砲、K-139 130ミリ自走ロケット砲"九龍"の遠距離砲撃が着弾していくが、彼らの突撃は止まらない。
ダック・インしたK1A1、M1A1"エイブラムス"が51口径105ミリライフル砲、44口径120ミリ滑腔砲よりAPFSDS弾を放ち、"暴風号"・"天馬号"戦車を貫き、キャニスター弾が歩兵を穴だらけにする。
戦車の陰へ隠れるM2"ブラッドレー" 、K21歩兵戦闘車の25ミリ弾、40ミリ弾の射撃や、TOW対戦車ミサイル、KATM"狼"もそれらに加わり、車両や歩兵を沈黙させていくが、数が全く減らない。
「くそ!こいつら、死に場所を求めてきてるってか!?」
韓国陸軍首都防衛師団の戦車部隊に所属するK1A1戦車長の1人が悪態をつく。
既に攻防戦が始まってから2時間が経過しているが、状況は全く変わっていない。多数の戦車や歩兵を失っていると思われるが、相手はそれを感じさせない量の兵力を送ってきている。
航空支援が欲しいところだが、味方のF-35、F-16といった機体は敵の航空隊との戦闘に忙殺されている。
機体の性能は米韓側が遥かに優越しているが、何分数が多い。
相手はMig-21やMig-23といった骨董品にも等しい機体だが、1機の米韓機に複数で群がり、対空ミサイルや機関砲弾を浴びせている。
このような乱戦の中で戦闘ヘリやCOIN機を出せば、空中戦に巻き込まれ、ひとたまりもなく撃墜されるだろう。
敵側の航空支援も、空軍機の奮戦やK30 30ミリ自走機関砲の射撃、KSAM自走地対空ミサイル"天馬"、KPSAM携帯防空ミサイル"神弓"を持った随伴歩兵が見事な対空戦闘を演じ、Su-25KであれMi-24"ハインド"であれ叩き落しているため、頭上の心配をする必要はなさそうだが。
K1A1の砲塔正面を直撃した125ミリ砲弾が車体を揺らすが、機器に異常はない。彼の戦車は、十分に戦闘能力を残している。お返しに105ミリAPFSDSを"天馬号"へと叩き込む。
随伴歩兵もK2C1、K3分隊支援火器を撃ちまくり、突撃してくる狂人たちを撃ち倒していく。
米軍も、同盟国に負けてはならぬとばかりに射撃を行う。
M1A1の主砲が敵兵を吹き飛ばし、RWSや同軸機銃が薙ぎ払う。
ジャベリン対戦車ミサイルを扱う兵士が、目標とした"暴風号"に一撃をお見舞いし、擱座させていく。
『こちら司令部。敵航空戦力の撃滅を確認。これより航空支援を行うとのことだ!皆、あと少しだけ耐えてくれ!』
その報告が全部隊に伝わるや、米韓問わず兵士たちの間で歓声が爆発し、士気がうなぎ上りとなった。
やがて敵の航空機が消え、味方機が支配する空に新たな機体が登場する。
韓国空軍が世界に誇るF-15Kが、Mk82 500ポンド爆弾を満載した状態で戦場へと到着したのだ。米韓合同軍の上空をフライパスし、腹に抱えた大量の爆弾を送り届けるべく突進していく。
敵の地上部隊に随伴していた9K35対空ミサイル車両やZSU-23-4"シルカ"が、新たな脅威に対しその矛先を向けるが、そうはさせじとK1A1、M1A1がAPFSDSを叩き込み、自走榴弾砲の砲撃に文字通り叩き潰される。
9K310携帯防空ミサイルを持った歩兵をK2C1小銃の射撃が撃ち抜き、味方機への妨害を許さない。
やがて、上空のF-15Kから無数の黒い物体が分離した。面制圧効果を狙って投下された200発以上のMk82 500ポンド爆弾が、敵部隊全域へ降り注ぐ。爆炎とともに発生したどす黒い煙が、米韓連合の視界を遮った。
黒煙が晴れたときには、黒煙を噴き上げた車両が停止したまま残り、倒れたまま動かない兵士たちが横たわっていた。
生き残りの車両や兵士は、突然の大量破壊に怖気づいたのか、進撃速度が低下している。それでもまだ突っ込んでくるあたり、諦める気はないようだ。
だが、彼らに降り注ぐ悪夢はまだまだこれからだ。
在韓米空軍のF-16、F-35A、日本海に展開する空母『カールビンソン』から発艦したF/A-18F戦闘攻撃機、韓国空軍のF/A-50戦闘攻撃機が爆撃を行い、まともな対空兵器を失った北朝鮮陸軍に爆弾の雨を降らせる。
再び爆炎が沸き、履帯と思われる曲がりくねった物体や兵の惨死体が舞い上がり、吹き上がった土砂の下へ埋葬していく。その直後に砲兵隊の長距離砲撃も着弾したが、その痕跡も、空爆の爆弾孔に埋もれてしまった。
統率を失った部隊へ、最後の仕上げが行われる。
米韓が装備するAH-64E戦闘ヘリが、右往左往する北朝鮮兵に70ミリロケット弾と20ミリ弾、30ミリ弾を浴びせる。
密集地帯に叩き込まれたロケット弾が複数の敵兵を吹き飛ばし、機関砲弾を喰らった兵士が文字通り消える。
ヘリに対し、AK-47自動小銃を撃ちまくる勇敢な兵もいるが、防弾素材ケブラーを埋め込んだAH-1も、主要部は23ミリクラスの機関砲弾に耐えうる防御力を持つAH-64Eも、何事もなかったかのように掃討を続けていく。
やがて、敵方から曵痕弾が飛んでこなくなった。
そこには、文字通り最後の一兵まで戦い、指導者に忠誠を誓いながら死んでいった狂人たちの凄絶な墓場があるだけだった。
『どうやら勝ったぞ!』
司令部からの無線が、全部隊へと流れた。
それを聞いた兵士全員の間で歓声が爆発し、韓国兵・アメリカ兵問わず、近場にいた兵と抱き合った。戦車の上で子供のように飛び跳ねる強面の男もいる。
2種類の言語で喜びの言葉が唱和し、煤煙にけぶる荒地に響き渡っていた。
閲覧ありがとうございます。
韓国軍の兵器はかっこいいのに、故障とかが多くてもったいないなぁ。どうにかして活躍させてあげたい、と思ったのが投稿のきっかけです。
政治的な描写などに自信はありませんが、これから頑張って書いていきたいと思います。
よろしくお願いします。