異界の太極   作:夜叉烏

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 こんにちは。夜叉烏です。

 『白銀の烏と異世界母港』の執筆で遅れました。申し訳ございません。

 同作品と違い、こちらは箸休め的な作品であるので、このように不定期かつ亀更新となりそうです。

 今回は短めです。


ロデ二ウス動乱
接触


 

 「皆の者。この件について、どう考える?」

 

 クワ・トイネ公国首相カナタが問いかけるが、重鎮たちは難しい顔をしながら首を捻るだけだ。

 

 会議の議題は、先日同国の領空へ侵犯してきた未確認騎についてだ。

 魔信にも応答しなかったため、撃墜を命令したのだが、彼の騎は恐るべき速度でもってワイバーンの迎撃を振り切り、あっという間に空の彼方へ消えていったのだった。

 

 「いや・・・、我々としても不明としか言いようがありません。ですが彼の侵犯騎は、第二文明圏の列強ムーの保有する飛行機械に似ているとの分析結果が得られています。しかし、こんな辺境にそれを送り込むとは考えられません。また、『第八帝国』と名乗る国家が第二文明圏全体に宣戦布告し、暴れまわっているとの報告もあります」

 

 あまりにも無謀な行為に、呆れるどころか笑ってしまう者もいる。

 

 とはいえ、この議題に時間をかけるわけにはいかない。

 現在、ロウリア王国との緊張状態が続いている以上、この騎を従える勢力と友好関係を構築し、できるならば軍事同盟も結んでおきたいところである。

 

 「失礼します!」

 

 突如部屋に入り込んできたのは、外交部の若手幹部だ。

 ノックもなしの入室に対し、外務局長が声を張り上げそうになったが、その前に彼は早口で報告した。

 

 「哨戒に出ていた軍船『ピーマ』より報告!『我、未確認巨大船団と接触した。なお、同船には大韓民国を名乗る国家の使節団が乗艦しており、我が国との国交締結を求めている』とのことです」

 

 

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 艦橋の窓ガラス越しに、一隻の船が見える。転移前の世界では運用されてもいないような、古びた帆船だ。

 舷側には矢除けの盾の他、バリスタなどが備えられている。

 

 「こいつは凄い。帆船オタクがここに居たら発狂ものだろうな」

 

 強襲揚陸艦『馬羅島(マラド)』の艦長席で、イ・シュンヒムは苦笑いしながら双眼鏡を覗き込んだ。

 帆船の船上では、いかにも中世の人々といった言葉がよく似合う、鎧を身に着け、剣を腰から提げた乗組員たちが、こちらを驚愕の表情で眺めている。

 

 強襲揚陸艦『馬羅島』は、馬羅島級強襲揚陸艦のネームシップだ。

 日本のいずも型軽空母、米国のワスプ級強襲揚陸艦の設計を参考に建造されており、後者と共通したスクエア型甲板が特徴的である。

 搭載機はMV-22K 4機、CH-53K 4機、AH-64EおよびAH-1Z、国産のKAI LAH 4機、KAI KUH-2"スリオンMk.2" 3機、旧式とはいえ火力支援に大きな威力を発揮するAV-8K 6機を運用できる。

 F-35の運用も想定され、最大20機の搭載が可能だ。

 

 なお転移前、本級をベースに揚陸戦力を持たない本格的な航空母艦を建造する計画があった。

 完成の暁にはインド空母『ヴィクラント』に匹敵するものとなるはずだったが、必要性に疑問符が残ったため、計画は中止となっている。

 

 ――同艦の周辺には、世宗大王(セジョンデワン)級駆逐艦1隻、忠武公李舜臣(チュンムゴン・イスンシン)級駆逐艦2隻、大邱(テグ)級フリゲート2隻が展開し、警戒に当たっている。

 

 本来であれば、陸軍国家である韓国にこれほどの外洋艦隊を整備する計画はなかった。

 だが、黄海、日本海で活動を活発化させている中国・ソ連海軍に対する牽制や対処の必要性があったことから、軽空母としての任も兼ねる強襲揚陸艦2隻、イージス艦4隻、通常駆逐艦10隻の配備が決定されたのだ。

 西側でも有数の民生・軍需品輸出国であり、それによって国庫が潤っていた韓国だからこそできるようなものであった。

 また、アジアでも日本と並んで精強かつ強力な装備を多数装備する韓国陸軍を、なんとしても中東の戦場へと派遣してもらいたかったため、各国――特にアメリカ――は資金・技術援助を惜しまなかった。

 

 だが、流石にこれだけの戦力では001型、002型航空母艦、20隻以上の052D型駆逐艦を擁する中国海軍、巡洋戦艦の異名をいただくキーロフ級重原子力巡洋艦4隻、アドミラル・クズネツォフ級航空母艦2隻を保有するソ連海軍に対抗できない。

 対中国では台湾海軍と、対ソ連では日本国海上自衛隊と共同戦線を張る手筈になっており、そのための演習も繰り返し行っている。

 そのためか海軍の練度は高く、米海軍や海上自衛隊も一目置くほどであり、仮想敵国である中国・ソ連も同海軍を危険視している。

 

 「よし、エレベーターを降ろせ。乗艦してもらおう。外交官の方々にも伝えてくれ」

 

 部下に命じると、こちらに近づいてくる古めかしい帆船に双眼鏡を向けなおした。

 

 




 閲覧ありがとうございました。

 今作の韓国は陸空もそうですが、海軍がめっちゃ強化されてます。タグにありますが、本作の韓国軍にはお笑い要素は一切ありません。

 設定集については、後程書いていきます。

 よろしければ、ご感想の方をお願いします。

 それと、第三話を少々編集し、装備するF-35を日本とともに魔改造したものにしました。
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