本命とその外伝として執筆している作品の合間に書いたものなので出来は微妙かなぁって感じですが、それでも良ければどうぞ。
近いうちに年表的な回を出して、本作の韓国が台湾もびっくりの親日になったのかを描きたいと思います。
ロウリア王国の宣戦布告は、韓国の転移から8ヵ月が経ったところで行われた。
既に同国より輸入した武器・兵器は国境近くの街であるギムに配備され、支援によって鉄条網や簡易的なトーチカが建設された他、首都と直通している複線線路が敷設され、供与されたディーゼル列車が走っている。
既に、ギムへ住んでいる民間人の避難はすべて完了しているため、民間人の被害を気にせずに戦える。
そして何より、韓国から供与された武器兵器に絶対の信頼があった。
韓国の軍事顧問団は旧式と言っていたが、現在騎士団長モイジたちが手にしているK2小銃は、弓矢よりも遥か遠距離を攻撃できるし、同じく供与されたK105A1 105ミリ自走榴弾砲――旧式化したM2A1 105ミリ榴弾砲をベースに長砲身化したK3 105ミリ榴弾砲をKM809 5トントラックの荷台に乗せた輸出用の自走榴弾砲。山岳地帯が多いため、韓国にも装備部隊がある――に至っては、10000メートル以上の射程を持っているという。
さらに、韓国の援助を受けて拡大され、韓国空軍のF-15Kなどの運用も可能となった滑走路には供与されたFA-50――機体とともに空対空ミサイルも供与されたが、AIM-9Xにとどまっている――が並べられており、戦況次第ではいつでも発進できる態勢が整っていた。
いくらクワ・トイネ公国人やクイラ王国人の竜騎士が空を飛ぶことに慣れていても、流石にワイバーンと戦闘機では操縦特性が大幅に異なるため、慣れるのに非常に苦労したという。
一回パイロットの1人にスケジュール表を見せてもらったのだが、かなりハードなものであった。
それでも、韓国空軍から派遣された教官たちを相手にした模擬空戦訓練を積み、一応彼らを唸らせる程度の空戦技術を身に着けたらしい。
「団長。韓国陸軍の部隊が到着しました」
「おお。流石に早いな」
部下からの待ちわびた報告に、思わず顔を綻ばせる。
先ほど政府からの通達で、韓国もロウリア王国戦に参戦すると表明したことが明らかとなっている。
同国の言い分では、仮にクワ・トイネ公国とクイラ王国が戦争に負けた場合、資源や食糧の調達に支障が出ること、両国を占領した勢いで韓国へ侵攻してくることが予想されたからとのことだった。
国境の向こう側に陣取っているロウリア軍よりも装備面では遥かに優越したとはいえ、数では未だ大きく劣っていたところだ。
かなりの良タイミングでギムへと到着してくれた韓国軍の部隊には、感謝の他なかった。
「よし、歓迎に行こう。そうだ、食料も備蓄してあるはずだ。ささやかではあるが、それで何かこしらえるよう給仕の者たちに言っておいてくれ」
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ジューンフィルア伯爵率いる東方征伐軍先遣隊は、ギム西方20キロまで接近し、敵陣をつぶさに観察していた。
「わからんな・・・。あの鉄の象は何なんだ?」
ジューンフィルアはそう言いながら、ギムの外側に陣取る鉄の象――韓国陸軍のK1A2戦車と、供与されたクワ・トイネ陸軍のK1A1戦車を物珍しそうに眺めている。
その他にも、自動で動き回る鉄製と思われる箱や、背中に筒のようなものを載せたより大型のそれも確認できた。
「ふむ。ミリシアルやムーでは馬で曳くことなく走る箱があるとの噂がありますが、それによく似ておりますな」
「ほう・・・流石は文明国だな」
部下の言葉に思わず感嘆の言葉を漏らすが、すぐに真顔に戻った。
「ということは、あれはムーやミリシアルからの・・・?」
「いえ、このような僻地の戦争に肩入れするような国ではありませんし、違うのでは・・・」
互いに考えを巡らすが、結論には達しなかった。
「まぁ良い。早くアルデ様に報告を・・・」
魔信器を取り出し、上官へとありのままを報告し始めた。
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『ロウリア王国軍部隊の侵攻を確認!数およそ8万!ワイバーン多数の存在も認める!』
クワ・トイネ公国軍に供与されたKUI LAH高機動軽攻撃ヘリコプター――OH-58"カイオワ"をベースに装甲を施し、機首下面にM230 30ミリ機関砲、機体側面にK-AGM対戦車ミサイル4発かハイドラ70 19連装ロケット弾ポッド2基を搭載可能な、主に輸出用に開発されたヘリコプター――に搭乗するパイロットからの無線連絡がモイジのもとへ届いたときには、既にギムからでも進撃に伴う土煙が確認できた。
「戦闘配置!後方の航空隊にも連絡しろ!」
モイジが部下全員下命し自らもK2小銃を手に取ったとき、後から声がかかった。
「モイジ団長。戦闘ヘリ部隊は後退させましょう。いかに貴軍や我々のLAH、アパッチ、スリオンが高機動を誇るとはいえ、制空権が取れない状況での地上攻撃は危険です。ここは空軍の支援が終わるまで攻撃を控えるべきかと」
ギムへと派遣された韓国陸軍の指揮官
いくら高機動が売りの韓国製ヘリと西側最強の戦闘ヘリである米国製AH-64Eとはいえ、最高速度がほぼ同等のワイバーンに狙われるのはよろしくない。
「わかりました。先ほど連絡しましたので、戦闘機隊は間もなく到着します」
「助かります。こちらも地上支援にF-15KやKF-16を投入するとのことです。敵のワイバーンは貴軍に任せることになりますが・・・」
「お任せください。我が軍のパイロットたちも貴国の教官たちに鍛えられておりますし、戦意も旺盛です。ロウリアのワイバーン如き、すべて叩き堕としてくれるでしょう」
そのとき、ギム後方の空域から轟音が聞こえてきた。
アフターバーナーを曳きながら飛行するクワ・トイネ空軍のFA-50の編隊がAIM-9X"サイドワインダー"6本を抱えて飛来したのだ。
各機の両翼から槍を思わせる白煙が吹き伸びたのはそのときだった。
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ロウリア軍ワイバーン部隊を指揮するアルデバランは驚愕した。
敵のワイバーンの姿が見えないことを確認し、地上攻撃に移ろうとしたしたとき、白煙のようなものが複数の味方騎へ突っ込み、叩き堕とされたのだ。
「くそっ!!敵は一体どこに・・・!?」
直後、甲高い轟音が前方から聞こえてきた。
と思ったのも束の間、白い異形な物体が遥か前方から迫ってくるのが確認できた。
「あいつか!全騎、導力火炎弾の発射態勢に・・・っ!?」
命令したときにはもう遅い。彼らの想像を遥かに超える速度で接近したFA-50の胴体に閃光が走った。
毎分3600発の発射速度で放たれた25ミリ弾がワイバーンの外殻を打ち砕き、直撃を受けた竜騎士を木端微塵に粉砕した。
飛び散る肉片や鱗の只中を飛び抜ける愚を避けるべく、FA-50の編隊は水平旋回や急上昇で離脱していく。
「くそっ!!待ちやがれ!!」
部下多数を殺された怒りから、顔を真っ赤にして追いかける。
だが、ワイバーンの最高速度はFA-50のそれには程遠い。彼らの追跡をあっさりと振り切り、遂には視界外へ消えた。
「畜生!・・・ん!?」
その瞬間、旋回に伴って晒された愛騎の至近でAIM-9Xが炸裂し、肉片と成り果てた彼はそのまま地面へと落下していった。
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「対空戦闘始め!」
韓国陸軍のK30自走高射機関砲が装備する30ミリ機関砲、K-SAM自走地対空ミサイル"天馬"、KP-SAM"神弓"地対空誘導弾の弾幕が張られ、FA-50の迎撃を辛くも潜り抜けたワイバーンたちを容易く撃ち落としていく。
30ミリ弾がワイバーンの頭を吹き飛ばし、至近で炸裂したK-SAM、KP-SAMの衝撃波をまともに喰らった騎がバランスを崩し、身体のあちこちに断片を食い込ませた死体が落下する。
僅かに生き残ったワイバーン隊も自走対空砲の射撃に射すくめられ、遂には全滅した。
『敵地上部隊、なおも近づく!距離15000!』
「モイジ団長。我々の部隊が攻撃を開始します」
哨戒ヘリの報告を受けた葛堅がモイジに伝える。
「わかりました。お願いします」
「砲撃始め!」
モイジの返答を聞き、5キロ後方へ陣取るK9A2自走榴弾砲の部隊へ命じた。
巨大な砲声が響き渡り、風切り音が聞こえてきた直後、それが急になくなった。
未だ視界外にいるロウリア王国軍の隊列の只中へ無数の火柱が立ち上り、兵士や魔獣の惨死体が舞い上がった。
閲覧ありがとうございました。
早く海戦回書きたい(韓国海軍オタク並感)
クワ・トイネとクイラへ供与されたK1A1戦車はK1無印と同じ105ミリ砲なので、重量問題等はありません。
活動報告の方にアンケート的なものがありますのでコメントお願いします。