不良隊長と人造少女達の成長戦記   作:ネイムレス

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あらすじに入れようと思っていた文章が入り切らなかったのでこちらに。
本編をより楽しむ為に、一読いただければ幸いです。


第零話『この世界について』

 科学技術の進歩によって戦争は変わった。

 

 大陸間弾道弾は過去の遺物となり、大量破壊兵器による睨み合いの抑止力などと言う物は儚く砕け散る。簡単に迎撃できるようになってしまった物では、脅しにすら使えなくなったと言う事である。

 そして、戦場の主役は再び歩兵となった。その理由は、省エネだ。光学兵器や発達した化学兵器はそりゃあもうお金が掛かる。戦闘機やら何やらを維持しながら戦争するなんて、枯渇し掛けた資源を更に浪費するだけの無駄という認識が広まったのだ。

 ならばこその歩兵。互いの顔を見ながらの血みどろの戦争により、人類は瞬く間に数を減らして行った。産めよ増やせよ地に満ちよ。生まれた先からおっ死んで、気づいた頃には手遅れだ。

 

 そんな折に、とある国で戦争を劇的に塗り替えた技術が開発される。枯渇した資源にも金銭的にも優しく、尚且つすり減った人口にも優しいと言う革新的技術。人工兵士量産化技術の確立であった。

 兵士を育てるには時間もお金もかかる。だったら、その過程を省いて兵士を最初から作り出してしまえば実にリーズナブル。遺伝子工学の粋を凝らして生み出されたそれらは、人類を優に超えるスペックと、人類がその存在を支配する為の都合のいい制約を併せ持っていた。

 

 あらゆる兵器を取り扱う為に申し分のない身体能力。被弾率を下げる為に幼体固定され、生物としての強度を得る為に雌種しか存在しない。生まれて直ぐに必要な知識を頭脳に焼き付けるインプリンティング技術で、兵士としての教育課程も数時間で終って手間いらず。何よりも、一体の製造コストが破格の安さであり、人間の兵隊を一から作り上げる為のコストと比較すればその差は歴然であった。そして、人道的問題を鑑みて、彼女達は遺伝子的に人類とは別の生き物となっている。彼女等と人類の遺伝子的類似は三十パーセントに過ぎないので、人権活動家の皆さんにも安心です。

 

 だが、そんな彼女達は基本的に短命だ。長くても二十年程で機能を終える。それも、肉体を維持する為の薬品を定期的に摂取する必要がある為に、人類に反旗を翻す事など不可能に近かった。何よりも、彼女達は人に使われる事に餓えていた。それこそが、彼女達が作り出された至上の命題である故に。

 そんな彼女達を、人々は量産型遺伝子強化兵コッペリアと呼んだ。あるいは侮蔑を込めて、ドール、ウィード、セール品とも。

 

 生産され、消費される為に。彼女達は今日も人類を守り続けていた。




何処かに使いたかった文章なのでせっかくなのでこちらに流用しました。
次からが本編となります。
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