金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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次の話に繋げるための前置き回です。
何度も書き直すうちに、次話以降が書きたくなってきたので「まま、えやろ」と走者のような気持ちで投稿しました。これがガバでない事を祈ります。





23.元就の想い

 

 

 

 ────《「それじゃあ、キリカの様子は変わってないんだな?」》

 

「あぁ、ティオって子と会った後も、キリィの様子は前伝えた状態のままだ」

 

 

 ティオと名乗る女の子の魔物と仲間になった翌日、自宅でキリィの様子を見ていると電話が鳴った。

 

 相手はキャンチョメの本の持ち主(パートナー)、フォルゴレ。世界的大スターなのだが嫌味のない爽やかさを持っており、キリィの事も常々気にかけてくれている。彼の女性を考えたアドバイスは非常にありがたいもので、母さんの尊敬する人に間違いがなかった事に内心喜びを感じている。

 

 

《「……そうか、キャンチョメもいつも通り振舞っているが内心ではまだ動揺している。彼女の事情を考えれば仕方がないが」》

 

「そうだな、だからといっていつまでもこの状況を続けている訳にはいかない」

 

 

 そう言って俺はチラリと家の敷地内の庭に作ったトレーニングスペースに目を向ける。そこではキリィが自身の何倍もある大岩に向けて拳を突き出し粉々に粉砕する訓練を行っていた。

 

 ────ロブノスとの戦いを終えてから、時間の許す限り延々と。

 

 魔物の身体能力でも休みなしは堪えているらしく息は荒くなり、白磁の飴細工のようだったキリィの手からは血が滲み痛々しさを感じる。

 

 

 時々モチノキ町へ人と会う約束の為に出歩く事はあっても、寝る時間すら削り鍛錬をする姿は異常だ。キリィに理由を尋ねると「修行」と端的に答え、また鍛錬を続けた。少し前の自分を見ているような危うさすら感じるが、それは俺にはキリィに口出しする資格がないとも言える。

 

 

《「元就は理由を知らないか? 戦いの後、私達が君の家に招かれてからなんだろう?」》

 

「ロブノスとの戦いで何かキリィに思う所があったんだと思うが……」

 

 

 俺はキリィにそれ以降何も聞かず、見守る事にしていた。

 

 清麿から『キリィの事情』を知った俺は、事情を聞き負担をかけるより、まずは無条件に頼れる存在が必要だと考えた。決して負担を与えず縛り付けないように、いつでも頼ってもよいと、彼女の力になると言葉と行動で示した。

 

 

「今日は清麿の家で、仲間になったティオって子と話をする予定なんだ。その子にキリィの事を聞いて見ようと思う」

 

《「キリカは一緒に行かないのか?」》

 

「……あの修行をもう少し続けたいそうだ。事情を理解してくれたうちの使用人がいるから、そこは安心してくれ」

 

《「わかった。また時間が空いたら連絡する。そうそう、私のコンサートに興味があったらいつでも言ってくれ、最高の席を空けておくぜ!」》

 

「あぁ、ありがとう。機会があったら是非、キリィも喜ぶだろう」

 

《「ハッハッハ、気にするな。私は女の子たち(ラガッツァやバンビーナ)の味方だからね」》

 

 

 

 フォルゴレに感謝を告げ電話を切る。

 

 やっぱり『仲間』っていいものだな。と先日のティオとの戦いの件で元就自身も再認識した、彼女が与えてくれたかけがえのないものに思いを馳せるのであった。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 ────「ごめんね、今日恵は撮影があってこれなくて」

 

「いや、ティオだけでも来てくれて助かった」

 

「あぁ、魔界の事はティオじゃないとわからないからな」

 

 

「? それが電話で言ってた『聞きたい事』なの?」

 

 

 その後、俺は清麿の家に赴き、ほどなくしてティオがやってきた。今日は本の持ち主(パートナー)の恵は不在のようだが、それを不安に感じてる様子はなく内心安堵しているのは清麿も同様のようだ。

 

 

「魔界にいた頃、ガッシュやキリカがどうしていたのかを聞きたいんだ」

 

「ガッシュは記憶がないからわかるけど、どうしてキリカまで? 本人から聞けばいいじゃない」

 

「キリィは魔界の事を話したがらないんだ。無理に聞くよりティオが何か知ってないかと思ってさ」

 

 

 俺はひとまずキリィの事情を伏せた。

 

 彼女(ティオ)には話しても問題ないと思うが無闇に話していい内容でもないし、立ち直ったばかりのティオに負担をかける訳にもいかない。そう判断した俺と清麿はお互いに目配せをする。

 

 

「フンフンフ~~ン♪ いけ~バルカ~~ン!」

 

「……(じ~~~~っ)」

 

「ティオ?」

 

「え、あぁごめんなさい。いいわ、なんでも聞いて」

 

 

 ティオからの返答がない事を不穏に思ったが、彼女は俺達の横で一人遊んでいるガッシュを見ていただけだったようだ。

 

 ガッシュは清麿が作った玩具───お菓子の箱に顔を書き、割り箸を手足に見立てて突き刺した《バルカン300》と書かれた手作りロボで遊んでいる。それに興味を惹かれるとは魔物でも子供らしいと苦笑する。

 

 ……キリィもああいうものを作れば、ガッシュのように遊んでくれるだろうか。大人びた雰囲気を持つ彼女からは想像出来ないが

 

 

「えーっと、まずガッシュね。家族の事はよく知らないけど一人っ子のハズよ。魔界での様子は……あんな感じだったわね」

 

「そうか」

 

 

《バルカン300》を両手で前に出し、ビームの擬音を口で出して遊ぶガッシュを指差す。

 

 

「後は……うーん、魔界で遊んでいる時によく混ざってた位かしら。何か忘れている気がするんだけど」

 

 

 腕を組みながら何かを思い出そうとしているティオ。有用な情報は少なかったが、落ちこぼれと言われてもガッシュは平穏な生活を送っている事がわかり清麿も胸を撫で下ろしていた。

 

 

「次にキリカだけど……正直彼女は噂を知ってただけで、学校では一切関わり合いがなかったからわかる事はほとんどないわね」

 

「……そうか。キリカに関してはガッシュ以上に情報が少ない。気づいた事があったら何でもいいから言ってくれ」

 

「そうね……、成績優秀なんだけど魔法も見た事なかったし誰とも関わろうとしてなかったわ、先生と『ワイズマン』位しか話をする所を見た事がないもの」

 

「ワイズマン?」

 

「私達の学校で最優と言われていた魔物の子よ。《気》を操る魔物でこの戦いの優勝候補だったのだけど今回選ばれなかったの」

 

「そうか、参加してないんじゃ話を聞く事は出来ないな。……どうしたんだ清麿?」

 

「いや……、この戦いの候補の魔物がどうやって決められてるのか気になってな。落ちこぼれと言われているガッシュが選ばれて、そのワイズマンが選ばれなかった理由はわかるか?」

 

「選出基準は私達もよく知らないわ。私達の学校の校長先生が決めているって噂もあるけど本当かわからないし」

 

「なるほどな」

 

「ただワイズマンは選ばれなかった事がすごい騒ぎになっていたし、候補同士の接触禁止の後も私はワイズマンに会ったから間違いないと思うわ」

 

「わかった、ティオ。ありがとう」

 

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 ティオから聞いた情報を清麿と話し合うが、特に進展は生まれなかった。

 

 話を終えたティオは《バルカン300》に興味をひかれたようで、ガッシュからバルカンを奪い取ろうとしていた。

 

 話が落ち着いた頃そういえば、と思い出した様に清麿が口を開く。

 

 

「元就、俺の学校は来週から夏休みに入る。そこでイギリスに行こうと思ってるんだ。向こうにいる親父が遊びに来いってうるさくてさ」

 

「イギリスか、それにはガッシュも?」

 

「あぁ、連れて行くつもりだ。イギリスにはガッシュの記憶の手がかりがありそうな気がするんだ」

 

 

 そう言ってガッシュがイギリスの森で倒れていた所を清麿の父親が保護した事、ロブノスが去り際「ガッシュに似た奴をヨーロッパで見た」と語っていた事を話した。因みにティオはガッシュからバルカン300を奪うのに必死で聞いていない様子だった。

 

 

 ガッシュが日本を離れる。

 

 

 俺はその事に対し一抹の不安を覚える。脳裏に浮かぶのは一心に大岩に拳を叩きつけるキリィ。彼女が行動を起こす裏にはいつもガッシュの影があった、今の状態でそのガッシュと長期間離れても大丈夫なのだろうか。

 

 キリィには知っている魔物の居場所を感知する力があるらしい。ガッシュがイギリスにいけば、キリィはすぐに気付いてしまう。

 

 

 様々なメリットとデメリットを秤にかけた結果、俺は携帯を取りだし『ある人物』に連絡を取るのだった……

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フ○エノ○ワミ、ア────ッ! 

 

 

 

 

 

 フタ○ノキ○ミ、ア────ッ!!! 

 

 

 

 

 

 ○タエ○キワミ、ア────ッ!!! 

 

 

 

 叫びながらおはようございまーす! 大人気魔物キリィちゃんです。

 前回、ガチムチ貴族ことマルスの魔本を燃やし順調に撃破ポイントを溜める事ができました。非常にうま味でしたね。

 ではここで二人の撃破ポイントを見てみたいと思います。

 

 

 ・キリカ 7ポイント

 内訳:レイコム/ゴフレ/スギナ/フリガロ/フェイン/エシュロス/マルス

 

 ・ガッシュ 2ポイント

 内訳:コルル/ロブノス

 

 

 はい、ここで「フハハハハ、圧倒的じゃないか我がキリィは!!」とか「俺のキリィは最強なんだ!」とか「キリィの撃破ポイントは世界一ィィィィィ!!」とか言い出した諸君は焼き土下座です。

 

 確かに現時点では5ポイントもの大差をつけていますが、全然安全ではありません。理由はガッシュ原作において第一の刺客ともいえる《千年前の魔物編》です。あの話では合計30前後の魔物達がDLCのように追加され、ガッシュパーティが次々と撃破していってしまいます。ガッシュがどの位撃破するのかはルートやランダム要素によりまちまちですが、5ポイント差など一瞬で覆る事でしょう。今は慢心をする時でなく、もっともっと差を広げる努力をするターンです。

 

 

 

 という訳で今回も変らぬ修行の日々を開始し────

 

 

 

 キリカ・イル   本の持ち主パートナー:本堂元就(ほもくん)

 

 

 筋力:森林の導き手(ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ)

 体力:がんもどき

 知力:ベリーメロン! 

 魔力:元より飛行機の予約などしておりませんので 

 

 

『能面』『高位の一族』『魔力感知Lv2』『友情』

『人外の力持つ相棒』『口下手』『気配遮断Lv2』

『料理下手』『料理好き』『魔力効率化』『身体操術』(new)

 

 

 

 

 

 ────ました。(唐突な「ました」技法)

 

 

 はい、修行による突貫ドーピングにより最大呪文習得に必要な魔力値は確保完了です。

 ついでに新たなスキルとして『身体操術』を習得しました。これは自身の『筋力/体力』の値に応じて呪文なしの格闘技能に補正を与えるというものです。原作ではレインやゼオン、ウォンレイやダニーなど殴り合い上等なキャラは総じて持っているスキルです。強い(確信)

 

 とにかくこれで目標の能力値に届きました。次に呪文を取得した時には、それがキリィちゃんの《最大呪文》となる事でしょう。

 何とか間に合う事が出来ましたね。というのも明日から清麿の学校は夏休みとなります。清麿はルート問わずこのタイミングでイギリスにいる父親の下に向かう事になります。

 

 ガッシュがこの時点で脱落していない場合、とある魔物がガッシュにちょっかいをかけてきます。原作そのままの展開であれば問題ありませんが、その魔物は圧倒的格上。ボタンひとつ掛け違えただけでガッシュの生き残りが危うくなります。キリィちゃんがついていかない訳にはいきません。

 

 ついでにイギリスにはまだ出会っていないキャラも多く、好感度もガッポガッポ稼げる事でしょう。

 という訳で、そのイベント発生前に条件を満たしておく必要があったんですね。

 

 

 さて、後はイギリスに行く為の理由付けをほもくんにどう説明するかですが……

 

 

「キリィ、ただいま。唐突だけどイギリスにいかないか? フォルゴレがコンサートの席を用意してくれたんだ」

 

 

 Oh、愛してるぜほもくん。(ノンケの鑑)

 

 

 




 


キリカの前では紳士然としているフォルゴレ。

※ただし使用人や町の人相手にはチチもげ魔状態
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