金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート 作:シグアルト
読む作業と書く作業は両立できないものでしょうか。
────親父が、魔物に攫われた。
イギリスにやってきた俺を待っていたのは、あまりにも予想外の事件だった。
「落ち着け、清麿。焦って考え込む前に一旦深呼吸するんだ」
「……元就」
「大丈夫、清麿の親父さんはきっと無事だ」
「もがも! もがももも! もががががががが!!!」
「ガッシュ、黙って」
荒らされた俺の親父の研究室で放心していた俺を立ち直らせてくれたのは、空港で別れた筈の元就とキリカ。どうやらガッシュとセッコロが俺の荷物の置き引きから始まったかけっこ対決で時間を使っていた間に到着していたらしい。
……そうか、ガッシュが随分大人しいと思ったがキリカが気を利かせてくれていたようだ。恐らくガッシュは放っておいたらこの状況に騒ぎ立て、異常に気付いた大学関係者や警察がやってきてこの部屋を調べる事が出来なくなってしまう。二人の気遣いに俺は心の中で感謝を述べた。
ガッシュを拘束したままキリカは退室し、俺たちは捜査を始めた。現場の検証、大学内の聞き込み、やらなければいけない事は沢山あった。
結果わかった事は、俺の親父が攫われたのは今日の朝から昼にかけてという事。早朝、警備員が研究室が荒らされていない事を確認したそうだ。昼には俺の迎えに来るつもりだっただろうし、その間の犯行となる。
あまりにもタイミングのよすぎる誘拐事件、狙いはどう考えてもガッシュだ。大切な肉親を戦いに巻き込んでしまった罪悪感、家族を狙った卑劣な犯人への怒りが俺の心をかき乱していく。だが元就に言われた通り冷静に、落ち着いて状況を考察するように努めた。
……そして一番難儀すると思われた犯人の居場所は、意外な程にあっさりと判明したのだった。
「俺の町にいる皆が恐れてる……《悪魔》。そいつが犯人だよ」
セッコロは犯人を知っていた。
俺と元就が注目したのは、親父の研究室に不自然に置かれた『花』。この部屋には花瓶はなく、容器が割れた形跡もない。攫った魔物に関係したものだという事は明らかだった。
セッコロはその花を見て明らかに狼狽した。最初は白を切っていたが元就と二人で時間をかけて説得を行い、ようやくその全容を教えてくれる事となった。
セッコロの住む町に突如現れた騎士の集団……町から金品や食料を要求し、抵抗すれば町の住人ごと連れ去る。警察が拠点へ突入しても誰一人戻ってこない“悪魔の住処”と呼ばれる場所。残された『花』はその悪魔の犯行を指し示すメッセージなのだという。セッコロは最初から浮浪者であった訳ではなかった、その集団に対して直訴しようと拠点に向かった両親がそのまま失踪してしまった為、盗みやひったくりで日々の糧を得なければいけなくなってしまったのだそうだ。
「わかっただろ! アイツには警察も軍も適わない、日本に帰れよ!!」
「いいや、俺は親父を助けに行く! セッコロ、その拠点の場所を教えてくれ!」
「相手の正体は検討が付いてる。キリィ……いや俺達なら対処法がわかるんだ」
「グ……」
「大丈夫。勝てる」
「ウヌ、その通りだ。私達ならばそやつを倒す事が出来る。皆を救い出せるのだ!!」
「……スマネェ」
悪魔の拠点はバスで行ける村にそびえる古城『ホーバーク・キャッスル』。そこに住まう為“古城の悪魔”と周囲の村々で恐れられているらしい。バスで麓の村まで向かった俺達はその足で古城の入り口へとやってきていた。
(待ってろよ、親父。必ず他の人達と一緒に助け出してやる!)
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ポチポチポチ……
皆さんおはようございまーす。大人気魔物キリィちゃんです。
ポチポチポチ……
やってきましたイギリス編。今回登場する魔物は《バルトロ》、名前だけでも強そうな感じがする獣型の魔物です。
ポチポチポチ……
今回は誘拐された清麿父を追って、彼の拠点である古城へと向かう事になりました。
……という流れを説明するだけなのにテキスト量が多すぎんだよコラァ! (唐突な逆ギレ)
もう会話を進める為のボタン連打作業により親指を曲げると痛みが出るレベルです。
清麿の探索、セッコロの説得、セッコロによるバルトロの住処に関する説明、どれも長いわぁ
特にセッコロの説得が大変でした。彼が敵の魔物についての情報をくれるには好感度が重要です。原作通りのルートを通っている清麿に対してはデフォで好感度100なので彼一人だとベラベラ喋ってくれますが、初見のほもくんが混ざると平均値である50になってしまいます。
その為『説得する』コマンドを押した場合50%の確率で次の会話に進まず堂々巡りとなります。
確率によっては某ドラゴンをクエストするゲームで「いいえ」を繰り返し続けるような苦行となり、かなりのイライラと(親指が)イタイタタイムになります。
そんな訳でキリィちゃんがガッシュが暴れないよう抑えてからは、背景と同化しシーンの進行を無心で願いながら決定ボタンを連打していました。無口キャラってこういう時オトクよね。
なおこのゲームのスキップは既読スキップしかないので多種多様にルートが枝分かれするこのゲームでは役立たずです。
そしてオホーツクと軽井沢、ポートピアの事件を全て乗り越えた程の気分で、現在敵の古城『ホーバークキャッスル』の前にいます。もちろん清麿とガッシュ、ほもくんも一緒です。
「元就、本当にいいのか? この城に入れば後戻りは出来ないかも知れないんだぞ」
「構わないさ。ガッシュと清麿は行くつもりなんだろ?」
「ウヌ! 勿論だ」
「そうだ。何としても親父達を助け出してみせる! 何があってもだ!!」
ん? 今なんでもするって(幻聴)
というテンプレの冗談はさておいて、ここは同行一択です。この古城を教えてくれたセッコロ君ですが、古城突入時のメンバーがガッシュ・清麿のみの場合バルトロ戦で助けに来てくれます。
持ち前の俊足で魔本を一時的に奪ったり、奪われた魔本を取り返したりしてくれるお助けキャラです。
ただフレンドリィファイアの設定から外れているので、こちらの呪文に巻き込まれます。そうなった場合、周囲の原作キャラも含めて好感度が激おちくんになります。説得シーンといい公式は彼を嫌われ者キャラにしたいのかい?
上記理由から彼はバルトロ戦に慣れていない初見プレイ時以外は呼ばないほうがいいです。邪魔なので(無慈悲な宣告)
彼を呼ばないようにするには『古城侵入する際、魔物二人以上で入る』という条件を満たしていればOKです。なのでガッシュ君と一緒に入れば問題ありません。
一応補足として、この判定は古城に入る度に判定され
そして古城に侵入しましたがロビーのような場所に入った瞬間機械音が鳴り響きます。
入り口は鉄格子が落ち、周囲の天井から甲冑に身を包み剣を持った騎士達が降りてきました。首に鎖を巻きつけて吊るしてあったみたいですね。数は2,30といった所でしょうか。
「行くぞ、ガッシュ!! 鉄の騎士だかなんだか知らねぇが全部蹴散らしてやる!!」
「こっちも行こう、キリィ!!」
「《ザケル》!!」 「《ピケル》!!」
「やったか!?」
清麿や、フラグって知ってる? (蔑みの目)
当然のように騎士達は立ち上がってきました。甲冑は電撃の直撃により焦げて煤けてはいますが、緩慢なその動きは衰えませんね。因みに今回の《ピケル》ですが『
マルスの呪文? あんなガチムチ呪文に用はないです。バルトロとの相性も最悪なので。
そんな訳でガッシュ君は《ザケル》で鎧の騎士の群れを吹き飛ばし、キリィちゃんは《ピケル》のブレードを振るって鎧の騎士を吹き飛ばしていきます。
とはいえこの鎧の騎士達はHPが無限。真正面からやりあっていても不毛なだけです。さっさとフラグだけ立てて先に進みましょうね~~。
まずはブレードを騎士の一人の頭へ向けて振るいます。
どれ、貴様のアホな頭蓋骨を切開して規律というものを叩きこんでやろう。
「え!?」
「ウヌ?! 鎧の中が空っぽではないか?」
そうですな教官殿。彼の頭脳が存在するかが疑われたため、頭脳の存在を確認すべく頭部を切開し確認しました。
しかし中身は比喩ではなく本当に空っぽでした。鎧の裏側に錬金術師の血で書いた錬成陣のようなマークも見当たりません。
続けて鎧の上半分もブレードを振るって吹き飛ばします。やはり空洞、下半身だけガシャガシャ動かしています。キモい(直球)
「いや、空じゃない……あれは、花?」
おっ、清麿。いい所に目をつけたね。清麿の言う通り鎧の騎士の中には清麿父の研究室で見つけたのと同じ花が入っていました。これを見つける事により、この部屋でのフラグ回収は完了です。
じゃーほもくん。さっさと次の部屋行きましょうか。
「わかった、キリィ。────《ピルク・ガンズ・ビライツ》!!」
「……この呪文は?!」
清麿が何か主人公っぽい事いってますが無視です、無視。
多数のビームが壁を乱反射して鎧の騎士達に襲い掛かります。騎士達は全員武器を落とし倒れますが、すぐに立ち上がってくるので急ぎましょう。入り口と同じく次の部屋へ向かう扉も鉄格子が下りて進めなくなっています。
でも、そんなの関係ねぇ!! 握力180kgパーンチ!!
鉄格子は壊せるかどうか不明ですが、中世からそのままとなっている古城の壁はキリィちゃんにかかればウエハースのようなものです。キリィちゃんパンチで簡単に砕けるので先に進みましょうね。
「なぁ、キリカ。お前の呪文って……」
「ウヌ……」
走りながらも清麿とガッシュ君はキリィちゃんに問い詰めてきます。
まぁそうですよね。今、キリィちゃんが使ってる呪文は以前戦った《ロブノス》が使っていた呪文です。男をとっかえひっかえするならまだしも、呪文をとっかえひっかえする魔性の美少女キリィちゃんに対して興味津々なようです。
ここは簡単にキリィちゃんの呪文性質は『
「そうか……」
納得したような事をいいつつも顔の晴れない清麿。さてはテメェ、信じていないな。
ですがひとまず詰問シーンは終わったのでよしとしておきましょう。どんどん先に進みましょう!
2番目の部屋、数百本の武器が
「《ラシルド》!!」
3番目の部屋、床に何箇所か隠されたスイッチを押すと落とし穴が起動し
「《ピルク・ビライツ》!!」
4番目の部屋、天井が下がり部屋の全員を
「ヌオオオオオオオオオ!!」
「この程度、平気……!」
「よし。ガッシュ、キリカ。そのまま天井を押さえててくれ。呪文で破壊する!! 《ザケル》!」
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────俺とコイツの出会いは偶然だった。
ボクサーである俺の試合中に乱入してきた謎の獣野郎。コイツに出会った俺は今の生活に嫌気がさしてきていた事もあり、ボクサーを引退して小さな村にある古城に移り住んだ。
ここでは誰も俺に逆らえない。町の有力者も、抗議しにきた町人も、鎮圧に来た警察も、全員コイツの力に敗れ奥の部屋に幽閉されている。
だが悪人である事を自覚している俺も、最後の一線を越えない様にと自省する心はある。打算的な理由もあるが死人が出たら後々面倒な事になるし、俺自身も楽しめないからだ。
今日も俺の
奴等は鎧の騎士達のうごめく第一の部屋だけでなく第二、第三と突破しとうとう此処へと向かってきている。初めての状況に給仕をさせていた村人達が喜びの声をあげている。
「助かる! 今度こそ助かるわ!!」
「早く牢屋の皆にも伝えなくっちゃ」
「誰なのかしら、此処まで来てくれた人は?!」
「フフフフ、フフフフフフフフ」
約一名変な笑い方をしているコックがいるがどうでもいい、どうせ奴等の希望はすぐに打ち砕かれる。
コイツに勝てる奴は誰もいやしねぇ。待っているのは絶望だけなんだ……
「準備はいいな、『バルトロ』! 迎え撃つぞ!!」
《勿論だよ、『ステング』》
バルトロと呼ばれる魔物。その
リアタイで見ていた子供時代『バルトロ』という名前に厨二心をくすぐられ無茶苦茶格好いい名前だなぁと感激していました。すると当時の友人が
「バルトロって名前、ネギトロみたいだよな」
と言ってきたのが切欠にその名前にあまり魅力を感じなくなりました。
因みにその友人は後日一発殴っておきました。