金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート 作:シグアルト
────「……コーンにオニオンスープ、ミネストローネにクラムチャウダー。こんな所かしら」
「恵、お味噌汁も買いましょ! 清太郎さんから日本食を扱うお店も聞いてあるの」
「えぇ、そうね。ティオ」
ガッシュ君に似た魔物、ゼオンとの戦いから数日。ティオとその
ゼオンの攻撃を受け、傷だらけだったガッシュ君の傷も翌日には癒え、また疲労の欠片も感じさせないティオを見て魔物の回復力というものに本当に驚かされるばかり。
「……もっと栄養のあるもの、食べてほしいんだけれど」
「仕方ないわ、ティオ。キリカちゃんの怪我は治っていないんだから」
そう。キリカちゃんの手足の傷だけは、未だ治ってはいません。
清麿君の話によると、現代医学では治療はおろか原因すらわからないだろうとの事。キリカちゃんの「その内治る」という言葉を信じ、今は元就君と共にホテルで休んでもらっています。
私達はキリカちゃん達の身の回りのお世話に立候補しました。まだ子供とはいえ女性のキリカちゃんの身の回りの世話は元就君には任せられないし、『仲間』として何かしたいというティオの熱の篭った眼差しに後押しされたから。
一応他の魔物に襲われた際の護衛も兼ねているけれど、キリカちゃんには魔物を感知する力があるらしいのであまり過敏になる必要はないらしい。
それよりも、戦いから数日経ったというのに『温かい飲み物』以外を口にしようとしない彼女の体調が心配になる。包帯だらけの体で、質素なスープばかりを口にするキリカちゃんの姿に痛々しさを感じるのは、先日
そんな話ありえないと思った。あまりにも救いのない一人の女の子。それがキリカちゃんの事だなんて信じられる筈がない。私はそう思っていた事だろう。
キリカちゃんが出した黒い龍を見るまでは。
あの龍に篭められたあまりにも強すぎる怒りと憎しみ。彼女の内面の表層を見ただけで「何処にでもいる普通の子」と判断していた。他人の感情を全て見通せるなんてあまりに愚かな勘違いをしていた自分を衝動的に殴り倒したくなる。
《「恵、今までごめんなさい。私、あなたに甘えてた」》
清麿君の話を聞き自己嫌悪に陥っていたその日の晩、ティオは私に謝罪してきた。
友達だった子に裏切られた。それが何だというのか、
友達だった子に傷つけられた。それが何だというのか、
友達なんて信じられないと喚き自分の中に閉じこもった。
それらの後悔と、彼女を救いたいというティオの慈愛あふれる想いを私はその言葉から感じた。
それからのティオは出会った時と比べて、今まで以上に変わった。恐らく、今のティオが本当の彼女なんだと思う。
世話焼きで、おせっかいで、素直じゃなくて、自分の意志をまっすぐに主張する強い心を持った優しい魔物。
「早くキリカの所に戻りましょう、恵。今のあの子は私が傍にいなきゃダメなんだから!」
「わかってるわ。そんなに焦らなくても大丈夫よ」
「でもずっと傍にいられるのは恵の休暇中の今だけなんだから! 一秒でも長く傍にいないといけないわ!!」
……だからティオの目が時々、キリカちゃんみたいな虚ろな目をしているのは私の気のせいだ。きっと
今晩も「一晩中添い寝してあげる!」とキリカちゃんに迫るティオを引き剥がす事になるのかしら。
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きれいな顔してるだろ。ウソみたいだろ。生きてるんだぜ。それで……
皆様おはようございます。膝に矢がタッチして療養中の大人気魔物キリィちゃんです。
特大の破滅フラグであるゼオン襲来を乗り越え、現在《真・バオウ》に食われた手足を回復している所ですね。こんな戦い二度とゴメンですが、破滅フラグは二期が来るものと決まってますからね。皆、油断せずに行こう。
「ついたよ、キリィ。イギリスの海を見るのはこの旅行が初めてだけど本当に綺麗なんだな」
はい、今キリィちゃんは松葉杖を持ちほもくんと一緒に海を見に来ています。療養中は敵の襲撃もなく、気分転換(とティオの手厚すぎる介護から逃げる為)にキリィちゃんが所望したのでホイホイほもくんが了承し連れて来てくれました。以前、
その
清麿父である高嶺清太郎から、ガッシュが魔界から来たばかりの頃住んでいた森の場所を聞き向かおうとしていたのですが、偶々キリィちゃんの見舞いに来ていた
これが
出来る上司は使えない部下でも活用する。出来る走者は関わりたくない変態でも活用しましょうね~。
ヨポポイ♪ トポポイ♪ スポポポーイ♪
……と、そんな益体のない事を考えていたら楽しげな歌声が聞こえてきます。
まるでキリィちゃんを誘ってくるような歌声、誘われるままにフラフラと進んでいきます。
「キリィ、どうしたんだ? ……歌声だって?」
この歌声は魔物が敏感に反応するので、ほもくんにはもう少し近付かないと聞こえないようです。危険はないので、松葉杖を使いながら向かいますよ。
ヨポポイ♪ トポポイ♪ スポポポーイ♪
ヨポポイ♪ トポポイ♪ スポポポーイ♪
「あの子は……魔物か?」
やがてほもくんにも軽快な歌と踊りを木の下で踊っている一人の魔物に気付きます。
彼の名は「ヨポポ」。羽の付いた緑色の帽子と、腹部に音符が描かれた緑色の服が特徴的な魔物です。
人間換算でまだ4歳という事もあり、意味のある言葉を喋る事は苦手です。ただ素直な性格と人懐っこい動作により、世のお姉さま方から根強い人気を博しています。
はい、もう皆さんお分かりでしょう。今回のターゲットはこの『ヨポポ』……、ではなく彼が追っている一つ目巨人の魔物『キクロプ』です。
キクロプはヨポポの
大好きな
まぁそんな理由がありますが、キクロプでなくキリィちゃんが釣れてしまったヨポポきゅんは彼女を無視して踊り続けています。同じ『キ』はじまりですが、妥協するつもりはないそうです。(当たり前)
さてさて、ではヨポポの踊りを見つつ
「つかまえた──────ーっ!!!」
すると、木に上っていた少女が覆いかぶさってきます。手に持っているフライパンでキリィちゃんを叩いてきますが、ここは無抵抗でいきましょう。
「こいつめ! こいつめ!!」
「キリィ!? 離れろ!」
「ぎゃっ!?」
「ヨポポイ?!」
ほもくんの容赦のない回し蹴りが炸裂します。幼女といってもいい子に対してそれは強烈すぎないかね?
「邪魔するんじゃないわよ、この魔物は私が倒……女の子?」
ほもくんに蹴り飛ばされた少女が軽快に起き上がってこちらを睨みつけます。ヨポポきゅんが心配そうに寄り添おうとしてますが、手で振り払ってますね。
そして自分が襲っていた人物が、目当ての人物でない事に気付きます。それどころか女の子、しかも包帯を手足に巻き松葉杖をもっている事に気付きどんどん顔が青褪めていってますね。
「ご、ごめんなさい! てっきり私達が探している魔物だと思って。怪我してる子を襲うつもりじゃ……」
慌ててこちらに頭を下げる女の子、彼女がヨポポの
そこで彼女が襲い掛かった理由。探している魔物『キクロプ』の情報を聞き出せます。一つ目巨人と美少女を間違えるとか、あんたの目は節穴が後頭部まで貫通してんのか。
とまぁ、ここまで全てチャートの計画通りとなります。
ヨポポは非常に友好的な魔物なので魔本を燃やすと味方内で不和が起こり、原作ルートが崩壊する危険があるため狙う事が出来ません。そこでキクロプに狙いを絞りたいのですが、彼は非常に固い殻を身に纏っており《ギガノ》級を上回る呪文を直撃させ鎧を壊さない限りダメージが入りません。
原作通り、ガッシュ君の《バオウ》で破壊してもらってもよいのですが、その場合フリーになったヨポポが高確率でトドメをさします。復讐の為にひたすら頑張ったヨポポを無視して漁夫の利を狙うのは、よほどの
という事で次善の策として『ヨポポにはトドメ直前まで全部頑張ってもらって、トドメだけ頂く』攻略法を採用します。(外道ムーブ)
このチャートはヨポポ・ジェム共に好感度を上げないといけません。その為、まずはわざとジェムに誤解で攻撃をさせて後ろめたさを彼女に与え、キクロプ関連の話を聞き出す事に成功しました。怪我をしているにも拘らず、理不尽な暴力を言葉一つで許してあげる事で好感度も獲得です。
そして、キクロプに関して何か情報を得たら教えるように約束し一旦別れます。これ以上の会話はフヨウラ!
「じゃあ帰ろうか、キリィ。きっと恵達がキリィの好きな物一杯買ってきてくれている筈だよ」
そういって帰路につこうとするほもくんですが、チャート攻略のため布石をもう一つ打っておく必要があります。
ゼオンとの戦いが終わって以降はキリィちゃんの好物である『温かい飲み物』以外一切口にしない様にしてました。これには好物を食べる事による経験値の微増の他に、チャートを確実に進める為の布石でもありました。
「外で、食べよ」
はい、外食のおねだりです。
それまでスープ類しか口にしなかったキリィちゃんが、外出した効果なのかちゃんとした食事を所望しました。
「! あぁ、キリィ。折角だから食べて帰ろうか」
勿論ほもくんに断れるはずがねぇよなぁ!!
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「ルォォォォォォオオオオ」
「もっとゆっくり食べるのよ、キクロプ。スープは音を立ててはいけないわ」
「ガルゥ」
イギリス市内の高級料理店。ここの味はまぁまぁね、『イギリス紳士』たる私の舌をある程度は満足させてくれるわ。
魔物である『キクロプ』も頬が緩んでいる。一つ目の顔は周囲の人間に気味悪がられるから、両目を書いた紙を顔に貼りつけているけれど彼の表情を読む事は造作もない。なにせ私は、彼の
「ルゥゥゥゥ。ルォォ」
「あら? またなのキクロプ。本当にあの場所が好きなのね」
最近キクロプは海岸沿いの方向に行きたがる。以前行った時は、魔本を失くしたガキの魔物一体しかいなかったが、キクロプは余程そこを気に入ったらしく連れて行って欲しいと最近よくせがむ。
「わかったわ。明日にはこの町での用事も終わるから、明後日はキクロプの行きたい所に連れてってあげるわよ」
「ウルォォォ!」
「フフフ、本当にかわいい子だわ」
そんな事を話しながらキクロプと食事をしていると、急に彼が店の入り口を気にしだす。
獲物だ。キクロプは近づけば魔物を判別する事が出来る能力を持っている。
私は、相手に気取られないようにゆっくりと振り向きその姿を確認する。
「綺麗な内装のお店だね。キリィ」
「うん。調べた、から」
そこにいたのは女のガキと、少年。内心またかと溜息をつく。
魔界の王を決める選ばれた者による戦い。イギリス紳士たる私が挑む価値のある崇高な聖戦、にも拘らず戦う相手は戦いにかける誇りを持たないような一般人だった。
「まぁいいわ。誇りも魂も持たない下賎な相手なら、戦いというものをじっくり教えてあげるだけよ」
「ルォォ?」
「キクロプ、まだ襲ってはダメ。まずは尾行して奴等の拠点を見つけるわよ」
〜その頃のガッシュ達〜
ガ「私はこの森で暮らしていた時、ゼオンに襲われ記憶を奪われたのだ」
清「そうか。他に何か思い出さないか?」
ガ「いや、特にないのだ」