金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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32.千年前の遺産

 

 

 

 

 ─────「よく来たな、清磨。」

 

「何だよ、親父? 俺に見せたいものって……うっ」

 

「君が教授(プロフェッサー)セイタロウの嫡子、キヨマロか。また会ったな」

 

 

 もうすぐ日本へ帰ろうと準備していた俺を大学に呼び出した親父。

 

 だがその隣にはイギリスの森で出会った変態(ダルタニアン)がいた。今日は親父と一緒だからなのか、医師が着るような白衣に身を包んでいた。

 

 そういえばコイツは大学の構内でも一度会った事があるし、自身を教授(プロフェッサー)と名乗っていたからここにいるのは当然なんだが……、初対面の時のブリの着ぐるみ姿が強烈で苦手意識が消えることはない。

 

 

「ダルタニアン、久しぶり」

 

教授(プロフェッサー)ダルタニアン。ご無沙汰してます」

 

「ウム。君達二人も息災で何よりだ」

 

 

 俺の隣には元就とキリカ。親父に一緒に連れてくるように言われたが、変態(ダルタニアン)の知り合いだったらしい。それに随分と仲が良さそうだ。

 

 因みにガッシュはこういう場で騒がしくされては困るので適当に近くの屋外で遊ばせている。

 

 

「見て欲しいものは管理室にある。担当である教授(プロフェッサー)ダルタニアンの助力もあったから、予想より早く管理室の鍵を借りる事が出来たよ」

 

「珍しい物なのか?」

 

「それは間違いない。以前キリカ君達には、私の研究を見せる約束をしていた。君達が友人同士と教授(プロフェッサー)セイタロウより聞いたのでね、こういう物は共に見て語り合うのが何よりの楽しみだろう」

 

 

 意外とまともな回答に、それまで向けていた胡乱気(うろんげ)な表情を崩す。思ったよりいい奴なのかもしれない。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「こ……、これは!?」

 

「アフリカで見つかった石板だ。表面に異形の生き物を形どっている」

 

「キリィ、これは魔物……だよな?」

 

「うん」

 

 

 親父達が見せてくれたのは俺が何とか抱えられるか、といった大きさの石板。

 

 そこには、頭の両脇に山羊の様な角を生やした獣が描かれている。まるで中世に伝えられていた悪魔のようだ。

 

 そして何よりも、その生き物が彫られた絵の下に書いてある文字。俺たちの持つ魔本に書かれていた文字と非常に似ていた。この描かれたものはキリカの言うように間違いなく魔物だろう。

 

 驚愕の顔を浮かべていた俺達(といっても一人は表面上はいつも通りだが)に向け、ダルタニアンが言葉をかけてくる。

 

 

「面白い事は他にもある。この石板、使われている材質が全く分からない。未知の鉱物、といって差し支えないだろう」

 

「未知の鉱物?」

 

「そう。そして、この石板が発見されたのは千年前の遺跡。当然、当時の技術力で我々の知らない新たな物質を作り出す事など不可能だ」

 

「千年前だって?!」

 

 

 ()()()()()行われる魔界の王を決める戦い。

 

 人間界に存在しない鉱物で出来た石板。つまりこの石板は千年前の戦いで生まれた可能性が高い。

 

 親父に目線を向けると、俺と同じ結論に至っているのか深く頷く。

 

 

「私と教授(プロフェッサー)ダルタニアンは引き続き研究を続ける。清磨、後でこの写真を渡すから私の研究室に来てくれ」

 

「わかった」

 

「君達も触って確かめてみるといい。表面の硬度はダイヤモンド以上で、酸化も腐食もしない事がわかっている。安心したまえ」

 

「じゃあ、さっそく」

 

 

 ダルタニアンの言葉にすぐさま反応し、石板に近寄るキリカ。

 

 彼女がここまで俊敏に行動するのは非常に珍しい。表情はいつもと変わらないが、興味津々だったのだろう。石板の表面や脇、裏側などを確かめる様に触っている。

 

 玩具に興味を惹かれた年相応の子供の様な行動に、俺は微笑を浮かべそれを見ていた。

 

 

 俺も確かめてみようと石板に近づこうとした瞬間。何かに気づいた元就が慌てて背中のリュックから何かを取り出す。

 

 取り出したのはキリカの桜色の魔本。その魔本は今、淡いピンク色の光を放っていた。

 

 

「キ、キリィ! これは一体!?」

 

「ん、大丈夫」

 

「……フム、やはり魔界の王を決める戦いに関係するもので間違いないようだな」

 

 

 元就は焦っていて気付いていないようだが、魔物の本の持ち主(パートナー)である俺にはわかる。あれは危険な光ではない。

 

 そう、あれは《呪文が発動出来る準備が整った時に》発する光だ。

 

 親父も俺が焦ってないのに気付いてか、冷静に分析を行っている。ダルタニアンは俺達の会話に疑問を挟まず、場を静観していた。ヤツに構っている暇はないので、正直ありがたい。

 

 

 キリカが本から手を離すと、桜色の魔本が放っていた光も収まる。

 

 

「元就。本に何か変わった所はあるか? 呪文が増えたりとか」

 

「いや、特にないみたいだ。キリィ、体調は悪くなってないか?」

 

無問題(もーまんたい)

 

 

 

 ─────それから俺達が色々試してみたが、他には何も収穫はなかった。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 ─────「それで親父、何の話だ?」

 

 

 キリカと別れ、俺は親父に言葉を促す。

 

 石板の写真を渡す為というのは口実だ。本当は俺を呼びつけた時点で用意してある筈、そうでなければ日本にいるおふくろの所に郵送してくればいい。「話がある」と言わなかったのは、キリカや元就に気を使っての事だろう。

 

 という事はその話題は─────

 

 

「あぁ、清磨が話していた彼女の事だ。あの様子だと、少なくとも表面上は問題ないようだな」

 

 

 そう、俺は親父にキリカの事を手紙で伝えてあった。

 

 キリカが抱える問題は、いわば社会の闇そのものだ。いくら天才と呼ばれていようが、いち中学生の俺には手が余ってしまう。

 

 社会の問題であるならば、頼れるのは大人の存在だ。そう思い、俺は親父に彼女の事を相談することにしていた。

 

 

「実は清磨。お前が今日、ここに来る前に本の持ち主(パートナー)である元就君と話をさせて貰った。とはいっても世間話程度だがな。彼は誠実で真面目な一般人だ、彼女の事を大切に思ってもいる。お前の言う通り、状況は良い方向に進んでいる事は間違いないだろう」

 

「……そうか」

 

 

 親父の言う通り、キリカは最初に会った時と比べて見違えるようになった。

 

 元就と心配していた【ガッシュに対しての依存】だが、最近ではほとんど見られない。

 

 日本にいた頃は、頻繁に俺達の住むモチノキ町へ向かっていたようだが先日イギリスの森へガッシュ達といった時は、手足の怪我を差し引いても特にガッシュが離れている事を気にする様子は見られなかったらしい。

 

 今日もガッシュが離れている事を気にした様子もなく石板に興味を惹かれていた。

 

 

「先日、話してもらったホーバークキャッスルで出現した黒龍。魔物、呪文については門外漢である為、確証は持てないが……恵くん達が感じた激しい憎悪といった事から、私は彼女の精神が正常に戻ろうとした為に起きた反動ではないかと考えている」

 

「反動、か」

 

 

 キリカは自分の事を道具だと思いこまされて育ってきた。

 

 ガッシュや元就の尽力で今、その呪縛が解けつつある。その事自体はとても喜ばしい事だ。

 

 だが、その為に『自分は道具であると思い込まされてきた』怒り、悲しみ、そういった負の感情を制御しきれず呪文に悪影響を与えたのではないか。というのが親父の建てた仮説だ。

 

 キリカ自身がいってた言葉が心の内に反芻される……

 

 

《「あれは、私の、せい」》

 

 

《「ガッシュの呪文。私が使うと、変わってしまう」》

 

 

 

 事実を淡々と告げるキリカ。俺にはそんな彼女が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()姿に見えた。

 

 

 昨日も、偶然キャンチョメと一緒にいるキリカと合った。

 

 その時キャンチョメは、フォルゴレの映画を見せたりCDを聞かせようとしたり、とアイツなりにキリカを楽しませようとしていた。

 

 

 

 ─────だが、キリカは一切無反応。

 

 ガッシュと元就がキャンチョメの策に載り(ガッシュは普通に楽しんでいただけかもしれないが)映画を鑑賞していたが、キリカの瞳はまっすぐ俺を見ていただけ。

 

 

 

 

 まるで自分はあの世界に入ってはいけないのだと戒める様に…………

 

 

 

 

 

「……親父。俺は一体、どうすれば()()の力になれるんだ?」

 

「考えすぎるな、清磨。お前は十分、彼女の助けになっている。今はただ、彼女の味方でいればいいんだ」

 

「味方、か」

 

「あぁ。勿論だが魔界の王を決める戦いで、という意味ではないぞ。そっちは元就君に任せて、お前はガッシュと向き合っていくんだ」

 

「わかった。ありがとう、親父」

 

「フフ、ようやく父親らしい事が出来たな。何かあったらすぐに連絡して来い」

 

「あぁ!」

 

 

 

 昨日、病院にいる子供たちの為にコンサートを行ったフォルゴレの姿を見た時の様な元気が再び湧いて来る気がした。

 

 

 

 ─────そういえば、あのコンサートを見ていた時のキリカも僅かに笑っていた気がする。

 

 そうだ、キリカの問題は俺一人でどうこう出来る訳じゃない、でも決して無駄ではないんだ。

 

 魔界の王を決める戦いにおいては俺達はライバル同士、だけどキリカの問題に関しては俺たち全員が仲間なんだ。

 

 

 

 

 

「おい、ガッシュ! いつまで《犬》と遊んでいるんだ。もう帰るぞ!!」

 

「……ウヌ? おぉ、やっと終わったのか。待ちくたびれたぞ、清磨」

 

「メル?!」

 

「ではさらばなのだ。お主も自分の家に帰るとよいのだぞ」

 

「メ、メルメルメ~~~~!!?」

 

 

 

 俺達は明日日本に帰る。

 

 元就達はキリカの希望で、近々()()()()()向かうらしい。

 

 俺達の向かう先は違う、だけど俺達の心は同じ筈だ。

 

 より良い王、より良い魔界、そして…………、皆のより良い未来の為に

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 はい、皆さまおはようございまーす。

 もうすぐイギリスの地をオサラバする事になる大人気魔物キリィちゃんです。

 

 

 というのも、本日行われるイベントを終えればこのイギリスで起こる原作イベントは全て終了。ここに残る意味はありません。

 そして、日本へ戻ろうか。とも考えたのですが、いい感じにチャート短縮が進んでいるので(撮れ高の為に)いっちょ冒険してみたいと思います。

 

 次に現れる魔物はロップス。彼は直接攻撃ではなく搦め手の呪文を得意とする傾向にあります。ヨポポの呪文は破壊力ばつぐんですが、どれも直接攻撃呪文。まともにかち合えば完封されかねない強敵です。

 

 その為に、多少危険は伴いますが《強力な呪文》を探しアマゾンへ『ほもくん、探検隊』が向かいます。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「こ……、これは!?」

 

「アフリカで見つかった石板だ。表面に異形の生き物を形どっている」

 

 

 では、イギリス最後のイベントをちゃっちゃと終わらせましょう。(投げやり)

 ここで見つかるのは《千年前の魔物》の石板。とある理由から、魔本と一緒に魔物が石化したものです。世界各地にはこれが40個くらいあるらしいですね。

 

 では早速、フラグを立てるために石板にとっとこキリ太郎が向かいます。

 へけっ(タッチ音)

 

 

「キ、キリィ! これは一体!?」

 

 

 はい、魔本が光って意外と小心者なほもくんが騒ぎ出します。(唐突なSAGE)

 

 この石板は魔本が魔物と一緒に石となっています。《魔本に触れたら発動可能》な呪文を持つキリィちゃんが触ったら、こうなるのは当然ですよね? 

 

 因みにこの状態で《ピルク》を唱えた場合、何とキリィちゃんは千年前の魔物の呪文を使う事が可能です。

 ただし! この石板はいわゆる【封印状態】とされていますので、複製(コピー)しても使えるのは最低限である第一の呪文だけです。この魔物だと使えるのは《ゼモルク》かな? 

 当然ヨポポの呪文には遠く及びませんのでノーセンキュー。ほもくんにも声掛けして呪文を唱えないようにします。

 

 

 

 その後、何も進展がない石板解析が終わり「君達、もう帰っていいよ」と職質を受けた気分で帰宅します。

 清磨はパッパとお話があるようなのでパッパと置いていきます。(久々の激ウマギャグ)

 

 そして帰る際は()()()()帰りましょうね。

 表門から帰ろうとすると、そこでワンコロバ(ウマ)と遊んでいるガッシュ君と鉢合わせします。

 まだ我等は(まみ)える時ではない、と世紀末覇者の様な口ぶりで逃げ帰りましょう。

 

 

「キリィ、次の行先はアマゾンでいいんだな」

 

「うん。敵、いる」

 

 

 よーし、準備は整った……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待ってろよ、ブラゴ──────────!!!!! 

 

 

 

 




 

 本来、1シーンで簡単に終わらせる筈でしたが前回ノリで張った伏線を回収したら一話丸々使う事になりました。
 その場のノリって怖いね!
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