金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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 祝20万UA!! 皆様本当にありがとうございます

「どうしたらもっと上手く書けるのか」と悩みぬいた結果、一つの結論へ
→「悩んでたら筆が進まんわ」


33.シェリーの親友

 

 

 

 

 ─────私にはかけがえのない親友がいる。

 

 

《「シェリー。私は平気よ、“お前が盗んだだろ”って言いがかりを受けて突き飛ばされただけだから」》

 

 

 10年もの時を励ましあいながら、支えあいながら生きてきた。

 

 

《「“貧乏な奴は信用できない”って追い出されちゃった。また仕事探さなきゃ」》

 

 

 だけどあの子を取り巻く環境は、決してやさしくはなかった。

 

 

《「確かに私の家は貧乏だけど、生活できない程おちぶれてないのにね……」》

 

 

 でもあの子は強かった。くじけず、ヤケにならず、ひたすら努力に努力を重ねた。

 

 

《「シェリー。絶対に二人一緒に幸せになろうね」》

 

 

 あの子のおかげで今の私がいる。あの子と一緒に私は幸せになる。それが目前だったのに……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《「悪いね、ミス・シェリー。これも魔界の王になる為に必要な事なんだ」》

 

 

 

「シェリー、何を呆けている。お前の言う通り食糧を捕って来たぞ」

 

「……ッ。ブラゴ」

 

 

 私を呼ぶ声で正気を取り戻す。

 

 いけない、少し意識を失っていたみたい。これから敵との闘いがあるのだから、気を引き締めないと

 

 

「あぁ、ごめんなさい。少し考えて事を……って何よコレ!?」

 

「どうした、お前が適当な獲物を狩ってこいと言ったんだろう」

 

「私は魚を捕ってきてって頼んだのよ! 何でワニなのよ!!?」

 

「オレに牙を向けたコイツが悪い。それに小魚共では腹は膨れん。コイツは雑魚だが喰い応えだけはあるからな」

 

「はぁ……わかったわ、我慢してあげる。これ以上休みを延ばしたら敵に逃げられるわ。火を起こさないといけないわね……」

 

「生の方が力がつくと言ってるだろ、馬鹿が」

 

 

 

 私と魔物のブラゴは、敵の魔物を追いかけブラジルのアマゾン川へとやってきていた。

 

 これまで順調に魔物の数を減らす事が出来たが、今回の敵は逃げ足が早いらしい。もう3日も寝ずに追い続けているのに、未だその姿を捉える事が出来ない。ブラゴの感知能力で追っているが、このままでは逃げられてしまう危険もあった。

 

 だけど決して逃がさない。私は一刻も早く、この戦いを終わらせる。そして…………、親友を救ってみせる。

 

 

 

 

 

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ア──マ───ゾ─────ン!! 

 

 

 はい、大空に名前を聞かれた美少女魔物キリィちゃんです。

 

 やってきましたブラジル、ここはアマゾン川周辺の密林ですね。日本へ帰る清磨達と別れ、久々のほもくんとの二人旅。恵さんは仕事があるのでいつの間にかいなくなったようです。

 

 ここで狙うのは樹木の魔物『ポッケリオ』……ですが、コイツはついでです。本命はそれを3日3晩追いかけまわしているブラゴ達ですね。

 しかし彼の魔本を燃やす訳ではありません。彼も原作ルートにおいて重要な魔物。今回は彼の呪文を《ピルク》で借りパクするのが目的です。ダメダメ、ここで脱落するなんてお父さん認めませんよ。

 

 ですが原作ルートを進んでいった場合、ブラゴとは最後の最後であるクリアとの戦いまで会う機会がなくその出会いもランダム要素があります。それまでのチャート進行によってはその前に、クリアによって倒されてしまいシナリオ間一度も会えないパティーンもあります。

 ですが、彼は【金色のガッシュ!!】を代表する魔物の一人。一度は必ず会っておきたいんですよね。(欲張り思考)

 

 まぁ本来であればブラゴ達は一度でもエンカウントし、本の持ち主(パートナー)であるシェリーに顔を覚えられたが最後、青い鬼さんも真っ青になるストーキング能力を持って追い続けてきます。ポッケリオ君を今も追いかけまわしているのがその証拠ですね。

 ですので以前お話ししたかと思いますが、ブラゴ達とのエンカウントは基本禁じ手です。しかし、今の彼女は不眠不休で歩き続けたせいで意識朦朧としており、よほど目立たない限り目をつけられる事はありません。おねむの今だけがチャンスという事です。狙っていきましょう。

 なお、このアマゾンでの戦いを最後にシェリーがへばる事は無くなります。自分の限界を知ったのかもしれませんが、今後の戦いにおいての彼女の身体能力は今と比べ物にならない程上昇するので、逆境を乗り越えスーパーシェリー人に進化したとする説が有力です。

 

 

 では捜索パートに移ります。肝心のブラゴの居場所ですが、アマゾン川は広大です。『魔力感知Lv2』を使おうとしても大まかな範囲がわからなければ追えませんし、逆にブラゴに捕捉されかねません……が、その心配は無用です。

 実はブラゴはガッシュ君にも負けない大食いです。自身の背丈の二倍もするワニ一頭を一食で軽く食べつくしてしまう程。

 ガッシュ君はブリ以外、そこまで大食いしませんがブラゴはそんなの知ったこっちゃねぇ! と(ひと)りでエンゲル係数を高め続けます。《孤高の魔物》ってそういう意味なの? 

 

 そんな訳で魔物を追いながらの彼等は食料を持ってきていないので、現地で食料を漁り続けます。

 アマゾン川付近を調査すると大量の動物の骨が残っている場所がすぐに見つかります。ブラゴは獣肉好きなので食事をした場所には、高確率で骨が残ったままになっているんですね。

 

 

「キリィ、これを追っていくんだな」

 

 

 いえす、ほもくん! 

 手当たり次第に狩猟され、アマゾン川の動物たちの叫びが聞こえてくる気がしますよ。さっさと行くよ、ほもくん! 

 

 

「……! あぁ、わかった」

 

 

 

 …………(少女移動中)

 

 

 

 

「大人しく本を渡しなさい! 渡さないなら力づくで奪い取ります!!」

 

「い、嫌だ。僕はこの力でお金持ちになったんだ。もっともっとお金を稼ぐんだ──!!!」

 

 

 はい、発見しました。これから戦闘が始まる所ですね。

 シェリーの追い立て方がうまかったのか、隠れる場所の少ない開けた場所にいますね。ブラゴの感知から逃れる為、数十m離れてみています。因みに今のセリフですが、お互い目の前にいるのに周囲にモロ聞こえする声量で喋っていたので余裕で聞き取れました。まぁ解放感ある場所だからね、仕方ないね。

 

 さて、シェリーに向きあい涙を流しながらガタガタと震えている現地人の少年が、ポッケリオの本の持ち主(パートナー)『ベリコ』です。3日間も追いかけられてるのに、まだ震えてるのはすごいですね。恐怖という物には鮮度があるんですよ? 

 それはともかく戦闘が始まりますが、今回キリィちゃんの介入タイミングがかなりシビアです。下手すると、キリィちゃんの危険が危ない! 

 

 その理由として、まずこちらをご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

【シェリー】▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯

 

 

 どこかスピリッツを感じる見た目かもしれませんが、これはシェリー攻略の為、有志が作り出した外部ツールです。あくまでマスクデータを可視化するだけのものなので、公式も暗黙の了解を示してくれているみたいです。今チャートではギリギリグレーゾーンですが、ツールなしだと難易度も桁違いですし、皆様への説明もやりにくいので入れる事にしました。今回だけだから許して(はぁと)

 

 

「《ジュロン》!」「《グラビレイ》!」

 

 

 おぉ懐かしい、スギナが使っていた根っこを操る呪文です。でもブラゴの重力波で根っこが押しつぶされて無効化されてるわ。悲しみ

 

 

「《レイス》!」

 

「うわぁぁあああああ!!」

 

「……力の差は歴然ね。早く本を渡しなさい」

 

 

 

 

 

 

【シェリー】▮▮▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯ピッ

 

 

 無駄な抵抗にイラッ☆彡、としたのかゲージが少し上がりました。

 はい、これがシェリーの【怒りゲージ】です。ダメージを受けたり等の条件で上昇していき、ゲージがマックスになると《怒り頂点》の状態となり、数十秒ほど彼女の放つ呪文が強力になります。

 そしてこの《怒り頂点》状態の呪文は《防御呪文貫通》《防御無視》《回避不可》の追加効果が付与されているので、広範囲殲滅呪文に巻き込まれたらキリィちゃんは敗退してしまいます。ほんま迷惑なやっちゃで

 

 

「《バルジュロン》!」

 

「木々が兵士の様に……こんな呪文を?!」

 

「頼んだぞ、木の戦士。《ジュルク》!」

 

「チッ、茂みを作り出してまた隠れるつもりか!!」

 

 

 

 

 

 

 

【シェリー】▮▮▮▮▮▯▯▯▯▯▯▯▯▯▯ピピピッ

 

 

 まだゲージが上昇しました、逃げ戦法は鬱陶しいからシカタナイネ。

 なおキリィちゃん達がいつ乱入するかというと、ゲージが溜まりきった直後です。《怒り頂点》状態の呪文は辺り一帯が か い め つ となりますので、何としても妨害しましょう

 あっ、シェリーが不眠不休の反動で倒れましたね。木の戦士達によりボッコボコになってますが、ブラゴが素手で応戦している為たいしたダメージは与えていません。

 

 

「ア……? …………ハハッ、ハハハハ。元気がないな、女の方。慣れない密林でヘバったのか?」

 

「チッ、肝心な時に……。《ギガノレイス》さえ使えればこんな雑魚諸共吹き飛ばせるものを」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【シェリー】▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▯▯▯ピピピピピッ

 

 

 木の戦士に四方八方から囲まれブラゴでは防ぎきれません。ですが彼女には大したダメージにはならず、ゲージだけが上昇し続けています。今頃彼女の脳内ではアドレナリンが出まくっており「ヤローテメーぶっころす!」といった殺意を高めるイメージが組み立てられている事でしょう。

 

 ここで余談となりますが、シェリーは幼少期、労働基準法も真っ青の虐待同然の教育を受け続けていた過去があります。

 そんな苦境を乗り越え、立派な豪傑(ドM)へと成長した彼女にはこんな痛みなんのその。将来的には魔物相手にこん棒(フレイル)片手に殴りかかるアマゾネスへと順調に進化していきます。

 シェリー母は一体、彼女を何に育てる気だったんですかねぇ? 

 

 また精神面においても隙はありません。彼女を幼少期の自殺から救った親友、ココが魔物に操られ強制的に戦いに参加させられた事で「絶対にこの戦い許さねえ! ドン・サウザンドオオオオオオ!!」と強靭な心を持ち、親友を救い出すまで決して折られる事はありません。何、この完璧超人。

 

 

「チッ、せめて奴等の隠れている場所が見つかれば」

 

「いいわ……敵が……見えなくても……、全て潰しましょう」

 

「何!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

【シェリー】▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮▮ピピー(警告音)

 

 おっ、倒れ伏したシェリーが立ち上がると共に《怒り頂点》状態へと変わりました。狩り(ハント)モードの始まりです。何か虚空に向かって叫びながら本を構える姿には狂気を感じます。このままキリィちゃんごと重力波に圧し潰されるわけにはいきません。

 いいや! 限界だ(呪文を)唱えるね! 

 

 

「元就」

 

「あぁ、わかった! 行くよ、キリィ……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────10年前、私はいつも考えていた。

 

 

《本気でやりなさい! 何を今まで学んでいたの!》

 

 ─────私が生まれてきたのは間違いだった

 

 

《もう十分です! まるで才能がないのね》

 

 ─────私が生まれたから家族や教師が怒っている

 

 

《言われた通りにさえ出来ないのか? この能無しが!!》

 

 ─────私には家の期待に応える事なんて出来ない

 

 

《なんであなたみたいな子、生まれてきたのよ!!》

 

 ─────こんなに苦しいのは、生きていてはいけないからだ。もう死ぬしかなかった

 

 

 

 

 

 

《シェリー。苦しいのは私も、皆も一緒よ。あなた一人だけじゃない》

 

 

 ─────たった一人の親友がそれを否定してくれなければ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「……魔界の王を決める戦い? それに参加させる為だけにココの心を支配したというの!?」

 

 

 ─────始まりは数か月前。ココの幸せの第一歩、希望大学への推薦が決まり祝福に訪れた私が見た悲惨な光景。

 

 気絶し倒れ伏す人々、炎に包まれた町。そして……それを笑顔で見上げる親友。

 

 ココの記憶を読み取ったのか、彼女と共に私の前に現れた魔物『ゾフィス』によって、全ての事態は引き起こされていた。

 

 

 

「その通りさ。僕は王にならなければいけないが、本の持ち主(パートナー)であるココは戦いを望まなくてね。心を()()()()開放する必要があったのさ」

 

「少しだけ、ですって?」

 

 

「そうよ、シェリー……私、この力があれば何でもできる。町の皆に罰を与える事も出来るし、奴等の財産を奪えばもう貧乏にだってならないわ」

 

「ココ……、あなた」

 

「私、この力を失いたくないの。だから邪魔するなら……シェリー、あなたも倒すわ」

 

 

 魔物(ゾフィス)の手に火球が生まれる。私は溢れ出る涙を止める事が出来ない。どうして、どうしてこんな事に……

 

 

「さようなら……、シェリー。《ラドム》!」

 

 

 

 

 

 

 

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 ……ココ、あなたが私に生きる意味を教えてくれた。

 

 苦しい時も、悲しい時も、目の前が真っ暗なトンネルのような時もある。

 

 でも生きていれば、きっといつか出口にたどり着く。幸せを掴む事が出来る。

 

 それも全部ココ、あなたが教えてくれた事。

 

 

 

 だから、私は負けない、折れない、諦めない。

 

 魔物なんかに、戦いなんかに私達の幸せは奪わせはしない。

 

 

「そうでしょ、ココ!! あなたを置いて私一人幸せにはならない。あなたがいないと私は幸せにはなれないのよっ!!!」

 

 

 体の痛みも、疲れによる苦しみも、あの時の悲しみもすべてを踏み越えるように、私は両足を支え立ち上がる。

 

 私の黒い魔本は今までとは比べ物にならない程の輝きを放っている。この一撃で全て終わらせて見せる……!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「《アイアン・グラビ……!!》」

 

「《クラリオ・イズ・マール・ピケルガ》!」

code(コード)、《ソラジオ・ファ・ドレミケル》」

 

 

 私が呪文を発動しようとした瞬間。予想だにしていない方向から呪文を唱える声が聞こえた。

 

 反射的に私は声を止め、その方向へと振り返る。そこには……

 

 

 

「…………綺麗」

 

 

 神々しさすら感じられそうな清廉な女神が、穏やかな音色を奏でていた。その女神は私たちの遥か頭上を通過し、木の魔物が潜伏しているであろう付近へと突進していく。

 

 

 

「何!? なんだあれ……ハギャッ!!」「ギギッ!!?」

 

 

 敵の魔物が女神に飲み込まれていくが、ある事に気付いた私にはそれを気にする余裕はない。頬を伝う滂沱の涙が、視界全てを塞いでいた。

 

 

「この……メロディは……」

 

 

 女神が奏でていた曲……、それはココと出会ってから迎えた誕生日パーティで、彼女がこっそり練習して演奏してくれた曲だった。

 

 

《「誕生日おめでとう、シェリー。ごめんね、こんなものしか贈れなくて」》

 

《「何をいってるの、ココ。最高のプレゼントよ、本当にありがとう!」》

 

《「フフ、どういたしまして。こんなものでよかったら、毎年弾いてあげるわね」》

 

 

 それから毎年、決まって同じ曲を誕生日には私の家で弾いてくれた。はっきり言って演奏技術は拙い、でもそんな事が気にならない程に、あのメロディには彼女のやさしさが詰まっていた。

 

 魔物に操られたココが町を去ってから、一度として感じていなかった幸福感。

 

 彼女のやさしさに包まれたかのような心地は、限界をとうに超えていた私の体に深く染み込み、意識を安らかな世界へと簡単に連れて行った……。

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 うわぁぁぁぁん、危なかったもぉぉぉぉん! 

 

 ブラゴの呪文が発動する直前に割り込んで発動させたのは、複製(コピー)したヨポポの最強呪文《ソラジオ・ファ・ドレミケル》です。

 この呪文、実は奏でるメロディをある程度自由にできる機能があり、設定した曲によってはキャラの好感度を若干上げる事が出来ます。シェリーには「ココとの思い出の曲」が該当するので、戦闘中にも関わらず好感度を上げられるのはうま味ですね。

 

 そしてシェリーは音楽に癒され気絶しました。体力の限界をとうに迎えているので当然ですね。

 彼女はダメージをいくら与えてもゾンビのように立ち上がる上、《怒り頂点》状態へと変化するヤバいキャラです。ですが、その反面【優しさ・癒し】関係の呪文を受けると今回の様に( ˘ω˘)スヤァ、となります。癒し関係に弱いとか不死属性でもついてるんでしょうか? 

 

 

 さて、そんな北風と太陽ばりの変わり身を見せたシェリーの意識を失った体は《暗殺術》スキルをフル活用したほもくんが、瞬歩でキャッチです。キリィちゃんもすぐ近づきましょう。ほもくん、ハリーハリー!! 

 

 

「わ、わかった。《ピルク》」

 

 

 よし、呪文を唱えた事で『複製(コピー)』が始まります。USBメモリにデータ移行するようなものなので、若干時間がかかりますね。チャージ開始! 

 

 

 

「ジェァアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

 おィィィ!! ブラゴが殴り掛かってきました。

「チャージなどさせるものか」と言わんばかりの殴打です。仕方ないので、本から手を放して迎撃キリィちゃんパンチで応戦しましょう。拳でぶつかる度に衝撃波が起き、周囲の木々が揺らぎます。ド〇ゴン〇ールかな? 

 

 この戦闘は耐久戦です。一定値以上の《筋力》があれば、呪文なしでもいけるので楽勝ですね。

 ほもくんにその間シェリーを介抱して貰い、一向に本を燃やさないブラゴが気づき、見逃(しょうがないにゃあ)してくれます。ただしブラゴは【強者】でないと見逃してくれないので、その前に倒されてしまうとGame Over(ガメオベラ)となるので注意しましょう。

 

 

 ─────はい。ブラゴが攻撃を止め「次は俺が勝つ」宣言し、シェリーを背負い立ち去りました。

 いやー、ブラゴの筋力値やばいっすね。キリィちゃんは終始押されっぱなしでした。でも、何とか目標達成です。撮れ高も入ったので日本に帰る事にしましょう。

 

 

 

 俺達の戦いはこれからだ!! 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ─────「……ブラゴ」

 

「気付いたか。黙ってろ、もうすぐ町に着く。……これしきの事で倒れやがって」

 

 

 意識を取り戻した私は、ブラゴに背負われていた事に気づく。彼は毒を吐きつつも、上着を私にかけ私に負担をかけない速度で歩く。

 

 最初から彼はそうだった。横暴で、横柄で、我儘で……いつも私を守ってくれる。

 

 ココと最後に出会い呪文を向けられたあの時、火球から私を守ってくれたのがブラゴとのはじめての出会いだった。

 

 魔物によってココの幸せは阻まれた。でも魔物によって私は守られた。

 

 

 

 私が倒れたあの後、少しだけ意識を取り戻した時─────僅かではあるが乱入してきた魔物の本の持ち主(パートナー)と話が出来た。

 

 

《「何で……、ここに」》

 

《「キリィが気付いたんだ。 言ってたよ、「君の叫びが聞こえる気がする」ってね」》

 

 

 

 私はココの幸せを奪った魔物を絶対に許さない。

 

 アイツ(ゾフィス)を必ず見つけ出す、そして大切なものを取り戻すと渇望している自分がいる。でも……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(また……会えるかしら)

 

 

 私が興味を惹かれたその子に会いたいと願う気持ちは、それとは少し違う気がした。

 

 

 

 

 ────────────────【ポッケリオ 敗退(リタイヤ)】撃破者《キリカ・イル》

 

 

 

 




 

先日余談で話した《ここ好き》機能。
書いた後、多くの方が活用して戴きました。誠にありがとうございます、モチベがぐーんと上昇しました。
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