金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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(視聴者が)待ちに待った時が来たのだ! 
 多くの書き直しが無駄でなかったことの証の為に……
 再び走者の理想を掲げる為に! 
 完走成就のために! 



34.彼女の胸中

 

 

 

 

モチノキ町よ! 私は帰ってきた!! 

 

 

 

 

 

 はい、皆さんおはようございまーす。

 ブラゴに「えいっえいっ、怒った?」とやったら、痛烈な腹パンが返ってきた美少女魔物キリィちゃんです。

 

 女の(まもの)に腹パンとか外道ですね。まぁキリィちゃんは腰を深く落とし、真っ直ぐに相手を突いたのでパンチを迎撃出来ましたが。周囲の木々が風圧でなぎ倒されたのはご愛敬。

 

 ですが奮闘の甲斐もあり、ブラゴの呪文は無事複製(コピー)完了です。これで次なる刺客に対する備えは万全となりました、早速チャートを進めていきましょう。

 

 

 

 

 …………(少女移動中)

 

 

 

 

 はい、到着! 久々の清磨の自宅です。

 キリィちゃん達がアマゾン.comへ行っている間に夏休みも終わりました。新学期が始まっていますが、今日は休日なので清磨達もいる事でしょう。

 いそのー、野球しようぜー! 

 

 

「あぁ、キリカ。元就もか。よく来たな」

 

 

 清磨の家に侵入しようとした所、玄関前で日曜大工に勤しんでいる清磨と遭遇しました。

 ノコギリで角材を切っている姿が似合っていますね。どうやら水面下でのイベントは順調に進んでいたようです。

 

 

「何やってるんだ、清磨?」

 

「あぁ、家で犬を飼う事になってな。犬小屋を作ってたんだ」

 

「犬? でも、そこの立て札に書いてある名前にはウマって……」

 

「犬だ。もうすぐガッシュが散歩から帰ってくると思うんだが……」

 

 

 

 

 

「ヌオォォォォォ─────! 止まるのだ─────!!」

「メルメルメルメルメルメルメルメェ─────!!」

 

 

 

 

 二人が門の前で話をしていると、遠くからガッシュ君の声が聞こえてきましたね。ナイスタイミング、非常にツイています。

 これは清磨が犬(?)を飼い始めてから、一定期間後に発生する【門破壊イベント】です。

 犬(不明)に跨りこちらに突っ込んでくるガッシュ君を止めなかった場合、家の門を破壊してしまいます。これを止める事により、清磨に発生するイベントフラグを叩き折ると共に、好感度を上げる事ができるんですね。

 清磨・ガッシュの好感度は既に最高値なので後者の効果は意味がありませんが、後のイベントに乱入されないよう受け止めましょうね~。

 

 

 これが普通のヒロインならば両手を広げガッシュ君達を受け止め、ToLoveるな事になるのかもしれませんが、そこは森林の導き手(ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ)であるキリィちゃんです。

 迫りくる暴走(ウマゴン)を片手で止めました。『身体操術』の効果もあり余裕ですね。これが、『(ケン)』を極めし者よ! 

 

 ただし騎手であるガッシュ君は、そのまま放り投げだされ清磨と脳天同士の熱いキッスをかましました。お熱い事です。(摩擦熱的な意味で)

 

 

「ウ、ウヌゥ……。キリカ、助かったのだ」

 

「大丈夫か、ガッシュ? 後、あんまり助かってないと思うぞ」

 

「ウヌ? どうしたのだ、元就。私の後ろを指さし……て」

 

 

 

 

 

 

 

「ガ~~~~~~~ッシュ~~~」

 

 

 

 

 清磨が般若の顔になり、ガッシュに襲い掛かっています。おぉカオスカオス(元凶)

 とまぁ、そんなコントはおいておきまして……今回の訪問の目的である犬、もとい仔馬の魔物である『ウマゴン(命名:清磨)』に話しかける事にします。

 

 

「メル?」

 

 

 羊の様な鳴き声をし、コーギーより一回り大きいかどうかという小さなお馬さんですが、その膂力や脚力はすさまじくガッシュパーティを終盤まで支える重要な遊撃要員です。

 原作ルートを通るにあたって、是非とも仲良くなっておきたい魔物。満面の笑みで話しかけます。(キリィちゃん基準)

 

 

「……メ?! メ、メル……」

 

 

 おっと、こちらを見て少し怯えていますね。

 キリィちゃんは『能面』による無表情ですが、心の中は満面の笑みです。諦めずに、目線を合わせ手を差し出しましょう。

 ほら、こわくないよ~

 

 

 

「メ、メル……メル…………メルゥ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガブゥ!!」

 

 

「ヌ? ヌアアアアアアアアアア!! キリカが、手首ごとウマゴンに嚙まれているのだ!!」

 

「おい、何してんだウマゴン! 離せって!」

 

「大丈夫かキリィ!!」

 

 

 はい、見事に噛まれました。

 手をまるごと飲み込むように嚙みついたウマゴンを無表情で見つめるキリィちゃんと、周囲の喧騒の寒暖差が激しいですね。

 ウマゴンはガッシュの本の持ち主(パートナー)である清磨にのみ塩対応ですが、それ以外の人物には非常に温厚で優しい魔物です。故に、ウマゴンが拒絶した事に驚いているんでしょうね。

 

 

 実はこの結果は、予想通りです。

 キリィちゃんの持つスキルに『高位の一族』がありますが、このスキルを習得している魔物は一部、動物系魔物の好感度がマイナススタートになるという隠れ補正があるそうです。

 けものはいても、のけものはいない。ただしけんりょく、テメーはダメだ。

 

 

 という事で好感度マイナスによるウマゴンの塩対応です。

 まぁ嫌われるとわかってはいても、重要ポジションである彼との邂逅は原作ルート的に絶対必要ですからね。 他のイベントが始まる前に、ささっとイベントをこなしました。

 

 幸い、一緒にいる清磨&ガッシュ君の好感度が高いので、出会いイベントさえこなせば、今後ウマゴンの好感度は二人に引っ張られて上がっていきます。

 放置する事で彼の好感度を育てていきましょう、ふたりはとってもなかよしみたい。

 

 

 好感度マイナスの相手に対しては、こちらが何かアクションすると逆効果で、悪く取られ好感度が下がる場合がほとんどです。

 ウマゴンの「かみつく」から逃れたキリィちゃんですが、何も語らずに帰りましょう。これを状況の丸投げと言います。

 

 キリィちゃんのお手てに噛み跡がついてしまいましたが、これはコラテラルダメージです。キリカワゴンはクールに去るぜぇ……

 

 

 

「ま、待ってくれ! キリィ!!」

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「キリィ、どうしたんだ。急にこんな所まで」

 

 

 はい、清磨達の家から離れ商店街近くへとやってきました。

 ほもくんも何故ここに来たのかわからないという顔をしています。自宅からも駅からも離れてるからね。

 

 

 ここは一言「魔物の反応を見つけた」と言っておけば、イエスマンのほもくんは一瞬で納得します。チョロすぎぃ! 

 おっ、見つけました。マントを羽織ったいかにも旅人、という出で立ちの金髪イケメンです。

 

 

 

「キリィ、あっちに何か……!! 危なぃっ!」

 

 

 おっと、子供が赤信号にも関わらず道路に飛び出しました。そして運悪く乗用車が来ています。

 助かるのはメタ的にわかっていますが、危機に何もしないと《善》の本の持ち主(パートナー)であるほもくんの好感度が下がってしまいます。ここは形だけでも助けるスタイルをとるのがベストです。

 

 

「元就」「《ピルク・グラビ……」

「《リグロン》!」

 

 

 はい、助かりました。

 車に複数のフック付ロープが引っ掛かり持ち上げる事で、子供の上空を飛び越え着地しました。

 精密な呪文精度、これだけで使い手の練度の高さが伺えます。

 

 

「あれは……魔物の呪文?」

 

 

 ほもくんが呆気に取られています。

 原作でこの場に本来いた清磨ならば、本の持ち主(パートナー)の姿を即座に探し見失わない様にロックオンしてましたが事故現場にいきなり直面して、そこまで注視するのは難しいですよね。むしろ、ほもくんの反応が普通です。

 

 

「あ……キリィ、大丈夫か?」

 

 

 ▽ ほもくんは正気に戻った。

 

 ほもくんが呆けている間に、子供を助けた本の持ち主(パートナー)の少年は立ち去ってしました。

 ですが、問題はありません。彼はモチノキ町内をランダムに歩き回りますが、目的地は決まっています。先回りしましょう。

 

 

 

 

 

 

 …………(少女移動中)

 

 

 

 

 

「おや。僕に何の用だい? どうやら問答無用という訳でもないようだね」

「かう~~」

 

 

 モチノキ公園入口で待ち伏せした結果。少年とその魔物が仲睦まじい様子でやってきました。

 彼が『アポロ』、世界を旅する自由人です。てんとう虫の見た目をした小動物が魔物の『ロップス』ですね。

 

 

「せっかくだから、少し話をしないか? こんな風に落ち着いて話が出来る機会なんて、滅多にないんだ」

 

 

 ほもくんが視線をキリィちゃんに向け、どうするのか目で聞いてますね。

 ここはアポロの提案に従いましょう。もし、無視して攻撃をしかけた場合「じゃあもうええわ」と逃げ出します。ゼオン並のステータスがなければ、捕まえる事は不可能です。

 

 

 

 

 公園の芝生の上で4人(3人と1匹?)が腰を下ろし向かい合っています。

 アポロのあまりに自然体な様子に戸惑うほもくん。この子は本当にも~、堂々としなさいって。(三者面談のお母さん感)

 

 

「まずは自己紹介だ。僕は『アポロ』、この子は魔物の『ロップス』。君たちは?」

 

「本堂元就、この子はキリィ……キリカ・イルだ」

 

「わかった。まず言っておこう、僕に戦う気はない。正直魔界の争いなんてどうでもいいのさ」

「かうかう~~~~~~~」

「この事を言うとロップスは怒るけどね。でも仕方ないさ、僕は世界を自由に旅したいだけで戦いには興味がないんだ」

 

 

 う~ん、癒されますねぇ。この二人。

 彼等は原作において、ガッシュ達と戦い絆を育んだ仲間の一人です。ロップスは《千年前の魔物》との戦いに入る前に敗れ、魔界に還ってしまいましたが、アポロはその後大富豪の御曹司として様々なバックアップを行ってくれます。

 最初に妨害した《門の破壊》イベントは彼等と出会う事が出来るフラグだったんですね。清磨の代わりにやって来た訳ですが、ここで出会わなくてもナゾナゾ博士経由で力は貸してくれますので問題はありません。

 

 

「君達は戦っているのかい? 何のために?」

 

 

 来ました。重要な質問です。

 ここで彼に魔界の王になってやるぜ! という信念を見せると、彼は興味を惹かれ一度戦ってみない? と言ってきます。今回のチャート進行の為には、彼から戦いを切り出して貰う必要があるので、ここは外せません。

 

 

 

 熱意や新年……もとい、信念といえば走者の得意分野です。

 

 今作を完結させて見せるという熱意をぶつけますよ。既に本作投稿数は30を超え数多くの方々から応援を頂いています。もう走者一人のものではありません。

 皆々様の期待を熱意に変えて、伝われこの思い! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ─────モチノキ町。ここはいい風が吹く町だ。

 

 

 空は青く、雲は白く流れている。

 

 何故、人には翼が生えていないのだろう? そうすればあの広い空に飛び立ち、気持ちの良い風をもっと受ける事が出来るというのに。

 

 

「かう~~~~~~~~」

 

「ハハハハハ、そっちに行ってみたいのかい?」

 

 

 肩に載っていたロップスが地面に降り、気ままに走り出す。

 

 視線をその先へ向けると、海や山、自然と共存するかのような趣のある街並みが見えてくる。

 

 

「本当に気持ちいい風だ、何かいい事が起こりそうだ」

 

 

 軽快なステップを見せながら走るロップスを眺めながら、僕も歩を進めることした。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 いつもの様に気ままに街を回る。目の前で車に轢かれそうになる子供を見つけ、呪文で助ける。これも日常茶飯事だ。

 

 ロップスの力は便利で、こういう時には役に立つ。ただ他の魔物にその姿を見られた場合、戦いを挑んでくる奴が多い。面倒は御免だ、僕は早々にその場を後にする。

 

 

 

 

 どうやら感覚の鋭い魔物の様だ。僕の行く先で待ち伏せをしていた。

 

 だけど、その姿に戦意は感じない。それならばと話をする事を提案する。快諾して貰えたようで何よりだ。

 

 

 本の持ち主(パートナー)は元就。目立った所はないが、嫌味のない誠実な雰囲気を感じる。

 

 魔物の方はキリカ。端正な顔立ちに表情を全く変えない黒髪の少女、だが僕はその内面に興味を惹かれた。

 

 彼女の内面からは何の感情も感じなかった。まるで知識と情報だけが詰め込まれているかのよう。清廉な大図書館を覗いているかのような、冷たさを感じられた。

 

 

 だからこそ気になって聞いてみた。氷の様な少女が、一体何を思いこの戦いに挑んでいるのか。

 

 

 

 

 

 

 ─────瞬間。

 

 場の空気が変わった気がした。

 

 目の前の少女から伝わる気迫、執着と言ってもいい程の熱意。様々な思いが彼女の内面を駆け巡っているように感じる。

 

 彼女の雰囲気に押され、無意識に後ずさってしまった僕に、彼女は一言。

 

 思いの全てを籠め言い放った。

 

 

 

「ガッシュの、そして皆の、為に」

 

 

 

 僕の頬に汗が一筋流れる。知らず僕は、彼女の迫力に圧倒されていた、

 

 そして、涼やかな風が吹いていた僕の胸中に、かつてない程の熱さがこみあげてくる。

 

 

 彼女の言葉は自分一人だけのものじゃない。多くの、大勢の人々の思いに応えたいという気持ちで溢れている。

 

 本の持ち主(パートナー)である元就も、彼女の言葉を当然と受け入れ、全幅の信頼をおいている。

 

 

 

 

 

 ─────戦ってみたい。

 

 

 湧き上がってきた思いは、初めてといってもいい闘争本能。

 

 胸の鼓動が抑えられない。ワクワクが止まらなくなる。

 

 

「キリカ、元就。僕と戦ってみないか?」

 

 

 僕は胸中を悟られぬよう、努めて落ち着いた声で─────彼女たちに戦いの申し込みを口にした。

 

 

 

 




 


大変お待たせ致しました。
アポロの扱いをどうするかで、本当に悩みました。

ひとまずプロットがまとまったので、新年よりちまちま書き進めます。
皆様、よいお年を!!
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