金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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43.大切な人

 

 

 

 

 うつべしうつべし! 皆さまおはようございます。大人気美少女魔物キリィちゃんです。

 

 

 

 L E V E L  U P ! 

 

 

 無事ゾボロン・パピプリオペアを蹴散らしたキリィちゃんは、今日も自宅にて岩に拳を叩きこむ修行を行っております。

 時間が空いたら即修行パート、時間ロスのない完璧な行動。誇らしくないの? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 L E V E L  U P ! 

 

 

 

 ……え? 今、レベルアップが2回起こらなかったかって? ハハハ、ご冗談を

 

 

「キリィ! 今、呪文が2つも増えたんだ!」

 

 

 ところがどっこい、これが現実!! 

 ここに来てキリィちゃん超強化完了です。誇らしくないの? (2回目)

 

 ちなみにこれはバグでもチートでもなく、たまによくある仕様です。(矛盾)

 ゾボロン・パピプリオ戦後は無条件にキャラのレベルアップが行われます。初のタッグマッチを乗り越え成長したからという理由付けだと思います。その為、それまで呪文1個で戦っていた魔物(キャラ)も、特殊ル-トにでも進んでいなければここで第二の呪文が手に入るんですね。

 今回そのタイミングと修行の成果のレベルアップが重なり、ダブルブッキングにより2レベルアップしたんですね。大丈夫だ、問題ない。

 

 

 

「やったじゃないか、元就。キリカも修行の成果が出たみたいだな」

 

「ウヌ、キリカと元就殿の頑張りのおかげなのだ!」

 

「ありがとな。清磨、ガッシュ」

 

 

 そして、なぜかナチュラルにほもくんホームに居るガッシュペア。

 前回のタッグマッチでわだかまりがなくなったのか、あれから毎日学校帰りに遊びに来てます。そう、無事タッグマッチイベントで下がってしまった二人の好感度をリカバリーする事が出来たのです。交換条件は「試合で本を意図的には燃やさない事」ですが、もうすぐ『千年前の魔物編』がはじまり試合形式のバトルは暫く行われません。『前向きに検討する』という政治家風な回答でお茶を濁していれば、じきに時効です。問題ない。

 このまま『千年前の魔物編』を迎える事にしましょう。それでキリィちゃも晴れてガッシュパーティの一員、放っておいても原作ルートへ進むようになります。まぁラクチンですこと。

 

 

「第五の呪文は多分、《第二の呪文(ピケル)》の強化版だと思う」

 

「おい、元就。俺達に言ってもいいのか?」

 

「あぁ、新呪文をいきなり実戦で試すのはリスクがあるから特訓が必要だから。でも今は使える『複製(コピー)』の力がないから……」

 

「なるほど。『赤い本』の力を使わせてほしいって事か。やれやれ、聞いた以上は協力するしかないよな」

 

「悪いな、清磨」

 

「どちらにしろ断る気はないさ。ガッシュも乗り気みたいだしな」

 

「ウヌ。また私が練習相手になってもよいぞ!」

 

「ありがとう、ガッシュ。もう一つの呪文はもしかしたら頼む事になるかもしれないな。見た事ない呪文だからな……えーと、《オル・デ……」

 

 

 そう。

 前回《バオウ・ザケルガ》と《ドグラケル》の合わせ技に一応最大呪文で対抗してみたんですが一蹴されてしまい、『複製(コピー)』した魔力が現在スッカラカンになっているんですね。

 折角の新呪文ですが、それでは使う事が出来ず、確率で失敗する実戦での本番になる所でした。それらの課題を一気に解決させる策はよいぞほもくん。

 本の持ち主(パートナー)の脳内CPUには学習機能があるので、自分の呪文特性に適した行動を段々と取ってくれるようになります。何も言わずともフォローしてくれる本の持ち主(パートナー)、誇らしくないの? (3回目)

 

 

 

「それじゃあ今度、郊外の山で練習だな元就。ガッシュ()練習したいし、試したい事もある」

 

「わかった。ただ練習は明日でもいいか? 何なら今からでもいいんだが」

 

「問題はないが随分急だな。週末まで待てないのか?」

 

「3日後にキリィとまた外国に行く予定があるんだ。練習はそれまでに行いたい」

 

「……戦いに行くのか?」

 

「あぁ、キリィが魔物を感知したんだ。ならその働きに全力で応えるだけさ」

 

「ウヌゥ、キリカ達は大変だのう。週末なら私と清磨も行けたのだが」

 

「俺達はガッシュみたいに人気者じゃないからな。しょうがないさ」

 

 

 

 早々に次なる戦いです。撃破ポイントはあればあるほど良い。

 最近はガッシュ君達の不和を解消するために、泣く泣くポイント獲得を見逃しがちなので挽回したい所です。

 

 では恒例の紹介タイム。

 次に出会う魔物は『ウォンレイ』。ガッシュパーティ唯一の成人男性体系を持つ、格闘呪文と拳法を巧みに使う実力派の魔物です。

 原作ではガッシュ達が彼と出会い『ガッシュ《第五の呪文》習得イベント』がありますが、戦闘経験値は全く入らないのでガッシュ君に譲る必要はありません。ガッシュパーティ加入も、ナゾナゾ博士がいれば勝手にやってくれます。(博士万能説)

 

 という訳で今回はガッシュ君の出番はなし。

 いざ、香港(ホンコン)島へ!! 

 

 

 

 

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 ──────香港島。

 

 科学の発展を形にしたような、高層ビル立ち並ぶ現代的な街並み。

 

 そのビルの合間を縫うように、一人の少女が目的地目指して一心不乱に駆けていた。

 

 

「どうして……? どうしてある、『ウォンレイ』!!」

 

 

 少女が心の声を思わず口にする程に考えているのは、本の持ち主(パートナー)たる彼女の魔物の名であった。

 

 魔界の王を決める戦いにおける大事な相棒、だがその少女の様子を見れば二人の関係はそれ以上のものであると予想するのは容易だった。

 

 そんな伴侶(パートナー)の事を考えながら向かうのは彼女の父親……いや、二人の仲を引き裂こうとする“障害”のいる場所であった。

 

 

 少女の名は『リィエン』。

 

 彼女の父親は、この香港島を裏から操る影の権力者の一人。決して表沙汰に出来ない荒事を扱う大人物だった。

 

 だがそんな父親と違い、普通の恋多き少女だったリィエンだが……恋路において父親の影はあまりにも大きかった。

 

 父親の存在を知った途端離れていく過去の恋人たち。だが、さすがにそれを薄情という事は出来ない。そうリィエンは割り切っていたが、幾度となく裏切られる哀しみを癒す理由にはなり得なかった。

 

 だがそんな自分の父親を知りつつも、寄り添ってくれた人がいた。いや、正確には“人”ではないのかもしれない。しかし、父親の事を知りつつも納得し付き合ってくれる、そんなやさしき魔物に少女が惹かれるのはある意味当然でもあった。なお、彼女の相棒はガッシュ達他の魔物と違い、リィエンとほぼ変わらぬ背格好と見た目をした青少年だった為、彼女の嗜好が特殊ではない事を明言しておく。

 

 それと打算的な話でもあるが、裏世界の有力者である父親も『魔物』に害をなす事は出来はしない。そんな考えもあり、リィエンは今度こそと新たに生まれた絆を育んでいこうと考えていた。

 

 

 だが…………突然、彼はリィエンの用意した住処から突然いなくなってしまった。

 

 その事実を理解した途端、再び噴き上げてくるような哀しみを必死に抑えつつ調べると、状況はリィエンの想像していたものとは違っていた。

 

 ウォンレイは父親の手の者に連れ去られていたのだ。治まっていく哀しみの感情に反比例して、湧き上がる父親への怒り。

 

 幾たびにも恋人を間接的に引き離され、今回とうとう実力行使までしてきた“障害”に彼の居場所を聞き出すべく彼女は香港島の町を疾走していたのだった。

 

 

 

「わっ」

「キリィ?!」

 

「……あっ?! ご、ごめんある!」

 

 

 だが、その焦りからか…………曲がり角で一人の少女にぶつかってしまう。

 

 まだ修行中とはいえ、武術を修めている身として迂闊すぎる。曲がり角の向こうにいる人の気に気付かない程に意識を疎かにしてしまったのか。そんな後悔を抱きつつも、リィエンはぶつかってしまった少女に謝罪しようと視線と意識を向ける。

 

 

「本当に申し訳ないある。怪我は無いあるか……ッ!?」

 

 

 彼女が気付いたのは、少女の後ろにいる少年。

 

 視線は少女に向けていたが、常に周囲に気を配る様訓練されている彼女は後ろの少年が小脇に持ち手を添えている『本』の存在に気が付いた。

 

 自身と彼の繋がり、今は彼が持っている筈の物と同じ、魔界の王を決める戦いの参加資格でもある魔本だ。

 

 つい先日まで、ウォンレイと共に傷だらけになるまで戦いに身を投じていたリィエンは思わず体を強張らせてしまった。

 

 

「大丈夫。問題ない」

 

「……そうか、よかった。こちらこそすみません、お互い気を付けましょう」

 

「あ、あぁ。そうあるね。悪かったある」

 

 

 だが少年と少女は特に気にした風もなく、お互い軽い謝罪を済ませ立ち去って行った。

 

 リィエンの硬直を、少女に怪我をさせてしまったと身構えたものだと思ってくれたのかもしれない。魔本も魔物もいない今のリィエンでは、勝負にもならないので当然かもしれないが。

 

 

「そっ、そうある! 急がないといけないある!!」

 

 

 そこまで思考し、目的を思い出したリィエンは再び駆け出す。

 

 今度は先程まで使っていたと()()()()()『気配感知』を意識しながら……

 

 

 

 

 そして、話は原作と同じ道筋を辿っていく──────────

 

 リィエンはウォンレイの居場所を彼女の父親が管理する小島。『妖岩島』で幽閉されていると聞き出し。

 

 力づくで反抗するも、練達の武道家である父親にねじ伏せられ。

 

 祖母のいる日本にて謹慎するよう言い渡された。

 

 

 

(ウォンレイを助けるには強力な力がいるある。魔物の呪文の様な力が!!)

 

 

 ただしそこまで。本来、謹慎先の日本で本の持ち主(パートナー)である清磨を偶然発見し、協力を仰ぐ筈の未来は些細な接触から外れていく。

 

 

(でも、今まで出会った魔物は全員戦って倒しているある。私の知る魔物は……そうある!!)

 

 

 

 

「……お父さん。わかったある、私日本へ行くある」

 

「ほぅ、いつになく聞き分けがいいな」

 

「でも、一つだけお願いがあるある」

 

 

「いいだろう。(ウォンレイ)の自由に関係する事でなければ聞き入れよう」

 

「ありがとうある。私のお願いは……」

 

 

 ──────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 

 ──────妖岩島最奥の独房にて。

 

 ウォンレイは自然に出来た浅い洞穴に鉄格子をはめた牢屋の中にいた。

 長い銀髪にカンフー服。あぐらをかいたその姿は、仙人の瞑想を思わせる老練さを感じさせた。

 

 だがその両手足は錠により拘束され、罪人にしか見えない扱い。だがウォンレイは文句一つ言わずそれを受け入れていた。そんな彼に、世話役であるスーツ姿の男が明らかに違法と思える長銃を肩にかけ話しかける。

 

 

「ウォンレイ。お前、青紫色の本を持っているな?」

 

「……あぁ。お前達もこの本の持ち込みだけは許していた筈だが?」

 

「それだったんだがな。事情が変わったそうだ、()()()その本を持ってこいと言われた。抵抗するなよ?」

 

「……リィエンの父親が?」

 

「リィエン()()()だ。お前とお嬢様は身分が違うんだよ!」

 

 

 銃のグリップ部分でウォンレイを殴りつける男を無視し、ウォンレイは思案する。

 

 

(私は魔界の王を決める戦いをこれ以上するつもりはない。魔界に還すというのならそれも受け入れよう。私と魔本の関係はリィエンから聞き出したのかもしれんな)

 

 

 とある理由により、魔界の王を決める戦いへの意欲を失ったウォンレイは男の指示に従い魔本を渡した。

 まさかリィエンが自身を助ける為に魔本を求め父親がそれに応じた筈もなし、それ以外の理由なら拒む理由などないからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その『まさか』が今まさにウォンレイの知らぬ所で起こっているとは露知らず。

 

 

 

 




 

若干短い上、原作シーンの説明描写がほとんどで申し訳ない。
新呪文の名前にものすごく悩みました。
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