金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート 作:シグアルト
「─────37度2分か。大丈夫、軽い風邪だよ」
「ウヌゥ。大丈夫なのか?」
「疲れが出ただけだよ。寝てれば治るさ」
「寝ておればいいのか?」
「下手に薬を使う方が長引く事があるんだ。安静にしていれば元気になるさ」
「そうなのか。わかったのだ」
はい。皆様こんにちはー! 香港帰りの美少女魔物キリィちゃんです。
ザバス君も撃破し無事に日本に帰ってくることが出来ました。いわずもがな、彼の呪文ぱぅわぁ~は美味しく頂きましたよ。体が軽い、もう何もこわくない(フラグ)
次なるイベントは『アポロ来襲』です。
香港から帰って来たガッシュ君が風邪を引いている間に、清磨の下にアポロがやってきて自身の敗退とゼオンの情報を落とすイベントですね。
ですが、このイベントはもう起こす意味がありません。
アポロから手に入る情報は、ゼオンという名前と電撃の呪文性質を持っている事。うん、知ってる。
それにアポロはすでに敗退しています。うん、知ってる(当事者)
その為、ここで手に入る情報は「アポロが御曹司になりました」という、自慢話だけになってしまうんですね。うん、いらない情報だ。スキップ安定です。その回避方法として─────
「ケホッ」
「キリカ、大丈夫か?! 私が傍にいるのだぞ!」
「キリィ、何か食べたいものはないか?」
「メ、メルメルメ~~~」
ここでキリィちゃんが風邪にかかってしまう必要があったんですね。(にわか構文)
第6の呪文まで手に入れたので、修行パートは余裕がありお休み。呪文を無駄に使いたくないので、チャート進行を倍速で進めるのみです。
今日は平日。清磨は学校にいっていますので、ガッシュ君とウマゴンがほもくん宅へ看病に来てくれています。キリィちゃんはガッシュ君のように学校に潜入したりしないので、このまま体力回復に努めます。前回、ザバスとの戦いで右手も負傷している事もありほもくんも目を光らせています。
この世界での治療はよく食べ、よく眠る事です。次のチャートへ影響を与えない様、キリィちゃんは夢の世界に旅立つことにします。
では、おやすみなさい~~~(スヤァ
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─────キリィが熱を出して寝込んだ。
魔物とは言っても、頑丈なだけで人間とそこまで変わる訳じゃない。怪我だってするし。風邪にもなる。戦い続きの疲れが旅行を切っ掛けに出たのだろうと思う。
「そうか。キリカは怪我をしていたな。配慮が足りず、すまなかった」
「申し訳ないある」
そんな事を、自宅に訪問しに来たウォンレイとリィエンに伝える。キリィは眠っているが、構わないと奥の和室に迎え入れた。
ザバスと名乗る魔物との戦いの後は父親の部下の黒服たちが押し寄せ、重量の問題でキリィの飛行呪文《ピルク・フェイウルク》で逃げだせたのは俺達だけだったからだ。
彼女達はあの後、島にやって来ていた確執のあった父親を説得し、現在は祖母のいる日本にやって来たらしい。なんでも……
「それでお父さんが《娘を狙う敵がワシでも守りきれるのか!》と青龍刀を振りかぶった瞬間、ウォンレイが拳で刀を砕いて言ったあるよ!! 《守るとは彼女から離れぬ事ではない、彼女を狙う悪意を打ち砕く事だ!》って。格好よかったある~~」
「リ、リィエン。その話はもう三回目だ、その位に……」
最初見た二人はどこかすれ違っているような雰囲気だったが、今はお互い信頼し合っている様子が伺える。困難を乗り越え絆を深めたという事なのだろう。
「それにしても、キリカと元就もすごかったある。最後の攻撃も何が起きたかわからなかったあるよ」
「あぁ、《第6の呪文》の事かな?」
「呪文を唱えたと思ったら相手が吹き飛んだから驚いたある。どうなってるあるか?」
「リィエン!」
「……あ、ごめんなさいある」
呪文の内容まで聞くのはマナー違反と感じたウォンレイが諫め、それに気づいたリィエンが頭を下げる。
確かに将来、2人と戦う可能性がある以上秘匿できる情報はそのままにしておくべきだろう。だけど…………
「いや、構わないよ」
「……良いのか? 私達への義理立ては不要。むしろこちらが礼を尽くさねばならない立場だ」
「そうある。無理に聞かせてくれなくても、全然かまわないあるよ」
「別にそういう訳じゃない。……何て言うか、自分でもわかってるか自信がないから、説明できるか試してみたいんだ」
俺の言葉に、頭の上に「?」を浮かべ首をかしげる2人。
今言った言葉は本心だし、キリィにも特に情報を隠すようには言われていない。そもそもガッシュに理解してもらえるまで何度も自分の呪文を話していたし、清磨と呪文の応用方法について話し合う事もあった。今更な問題である。
「2人は“デジャブ”って聞いた事あるか?」
「デジャブ? 魔界にいた頃には聞いた事のない言葉だ」
「私テレビで見た事あるあるよ。初めての事なのに一度経験した事がある、って感じるものあるね」
「そうそう。《第6の呪文》はそれに近いものと考えればわかりやすいかな」
《過去に放った呪文を同じ位置、同じ方向、同じ威力で『
デジャブに似た一撃を放てるという訳だ。トリッキーな呪文にも程があると思う。清磨と何度も話し合い、検証した成果だ。
リィエンは呪文の効果を聞いて目を輝かせているが、ウォンレイは困惑した顔を浮かべている。呪文の厄介さに気付いたらしい。
「すごいある! じゃあこの前の戦いは、彼等のすぐ近くで呪文が出たから防ぐ事が出来なかったあるね。無敵の呪文ある!」
「いやリィエン。これはかなり扱いの難しい呪文だ」
「そうあるか? 思いもしない所からの攻撃は厄介あるよ」
首をかしげながら同意を求めるリィエン。だがウォンレイは首を横に振った。
「以前と同じ方向、同じ位置……つまり戦いの中で立ち位置が変わる中、攻撃した方向を考え、相手の立ち位置を誘導しなければまともに当てる事すら不可能な呪文だ」
「うっ、それは……」
「それに《過去の攻撃》といっても数分前が限界。事前準備もなく、戦いの最中にそれを考えないといけないんだ」
「……大変という話じゃないあるね」
「あぁ、おまけに魔本を直接狙おうとすると
説明を重ねるごとにリィエンがしぼんでいく様に見えた。正直俺も条件や制限が多すぎると思う。つくづく検証に付き合ってくれた清磨達に感謝だ。
「君達の呪文についてはわかった。代わりにという訳ではないが私達も知っている呪文や、戦い方について教えたいと思う」
「それは助かる。中国拳法というのに少し興味があったんだ」
「そうあるか! それなら実戦で教えてもいいあるよ」
「リ、リィエン。少し落ち着くんだ」
「あ、あぁ。それはまたの機会に頼むよ」
そうあるか、と少し空回りしたように感じたのか頬を少し染めながら座布団に座りなおすリィエンを俺とウォンレイはお互いに目を合わせ苦笑を浮かべるのだった……
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戦いについての話もひと段落し、他愛のない雑談で時間が流れる。お互い格闘技の経験者という事で、話にも花が咲いた。
昼前に来た二人だったが、時間も流れ夕方に差し掛かる頃……インターフォンが俺達の会話の流れを止めた。
あれからガッシュはキリカのボディガードと言って帰らず、ずっと庭でウマゴンと遊んでいる。
学校の終わった清磨が迎えに来たのだろうか……そう思っていた俺の予想は、
「よっ、元就。キリカの様子はどうだ? 後、ガッシュが迷惑かけてないか?」
「あぁ清磨。今は眠っているけど問題はないさ」
「そうか、よかった。……あー、それでな。もう一人来ているんだが……」
歯切れの悪い言葉。物怖じしない性格だと思っていた清磨にしては珍しいと思っていると、門の外にいて見えなかった人影がこちらに歩いてきた。
「いや、清磨。僕が直接話そう。今回は戦いに来てる訳じゃないんだ」
「……! アンタは」
「久しぶりだ、元就。元気そうで何よりだ」
あの時のようなラフなローブ姿でなく、一目見ただけで最高級品と分かる朱色のスーツに身を包んだ
「……アポロ」
「清磨からキリカの様子を聞いて見舞いに来たんだ。あがってもいいかい?」
俺は何も言えず、ただ頷くのみだった─────
ちょっと短めですが、展開的に前後編で分けます。次話も短め予定です。
《第六の呪文 オル・デーム・ピケルガ》
効果:過去に放った呪文と同じ位置、同じ方向、同じ威力の放出呪文を『
・『
・ほもくんの心の力さえ残っていれば『
・『
・射線上に魔本があった場合、その
・一度に『