金色のガッシュ!!称号『覇道の王』獲得原作ルート   作:シグアルト

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キャラの心理描写を書くのに数十回書き直しました。
他の小説で見事に書き上げてる方々を改めて感服してしまいます。




2.取引

 はい、こんにちは! 絶賛森で修行中の大人気魔物キリィちゃんです。 

 

 前回はイタリア・ミラノ付近の森で修行の日々を過ごしていた所までですね。ぶっちゃけ「修行をした」という事実さえあればいいので修行内容は適当です。

 たまたまマルチタスクでみていたアニメでやってたのを参考にしました。そろそろスタンドに目覚めてしまうかな? (適当)

 

 キリカ・イル   本の持ち主(パートナー):未発見

 筋力:ゴリラ

 体力:はんぺん

 知力:やべぇ

 魔力:ふつう

『能面』『高位の一族』『魔力感知Lv2』『友情』

『人外の力持つ相棒』『口下手』『気配遮断Lv1』(new)

 

 

 修行生活を一週間程過ごし、ステータス上昇と『気配遮断』を無事取得できました。鋭い魔物には察知されますが千年前の魔物編終了までのガッシュ達なら清麿とサンビームさんにだけ気をつければ問題ありません。

 要注意が本の持ち主(パートナー)だけってアイツ等も大抵人間辞めてるよな。

 

 

 では満を持して行動を起こします。

 今頃はガッシュがオオワシ殿に乗って主人公邸に御用改めを行おうと移動している事でしょう。よくよく考えれば子供1人を鳥に運ばせて密入国させるとか清麿父の頭の構造を一回見てみたくなりますね。

 とにかく原作が始まれば魔物との戦いまでノンストップです、時間を無駄にしない様に速やかに脳内チャートを進めましょうね。

 

 

 まずミラノに戻り魔力感知で魔物を捜索。

 …………見つけました、ほぼ間違いなく目当ての子です。

 実は以前街で情報収集を行って調べた事は数日後行われる予定の映画試写会イベント。その主演である世界的大スターの来日がいつ行われるかの調査だったのです。

 既に彼が街に来ていることは街の女性達の様子を見ていれば簡単にわかります。そしてこのタイミングでミラノ入りする魔物は1人しかいません。

 早速反応の下へ向かいましょう。

 

 

 ────いました! では元気に挨拶を、おはよーございまーす! 

 

 

「……え? えぇ?! 君、キリカかい?」

 

 

 そうだよ、キリカ様だよ。頭が高いんだよ。

 あっ、冗談だから真に受けてそんな震えないで(ヘタレ)

 

 

 はい。という訳で原作屈指のチート魔物の一人『キャンチョメ』君です。

 ですが今はドブに詰まった汚泥のように醜いアヒルの子状態ですので、5階からスマホを落とした時の保護フィルム並に役に立ちません。(容赦ない罵倒)

 

 そして察しのいい読者の方は既にお気づきかと思いますが、『友情』のスキル効果で手に入れた友好関係の対象は彼になっています。

 その理由としては

 

 1.ガッシュに友好的な魔物である

 2.偶然を装って出会いやすい

 3.居場所を予測しやすい

 

 上記を見事にクリアする完全無欠な存在であるからです。世界的大スターにプライバシー等ない。(暴論)

 大海恵withティオもガッシュペアとの仲は良好ですがチャート攻略時の難易度は天と地ほどあります、ガッシュと出会う前のティオはSAN値がやべぇ事になってますので。

 恵を伝手に接触するとマルスと出会った時のトラウマで即座に襲い掛かってきますし(2敗)、運良く先んじて接触してもひたすら自分に依存し足手まといとなり仲良く敗退します。(5敗)仮にそれらをくぐりぬけたとしても「どちらか1人が王になるためいなくならないといけないならいっそ……」とヤンデレティオルートに突入します。(11敗)本当に少年誌のヒロインかよこいつ。

 

 

 まぁ今はキャンチョメです。彼は臆病なのでひとまず本を見せ戦う力がない事を教えます。(戦えないとは言っていない)

 

「あ……キリカ、君はまだ本の持ち主(パートナー)を見つけていないのかい?」

 

 その通りです。(探しているとは言っていない)

 ここで最初のターニングポイントです。キャンチョメの本の持ち主(パートナー)に話したい事があるので会わせてほしいとお願いします。

 友好関係を結んでいてもほとんどの魔物には断られますがキャンチョメ君は高確率でお願いを聞いてくれます。(天使かよこのアヒル)

 

 

「え、フォルゴレにかい?」

 

 

 解析班によりますとここの成功率は友好関係を結んでいる場合、ほぼ成功間違いなしですが掲示板で「逃げられて失敗した」とのコメントを先日発見しました。

 ガセネタの可能性もありますが万が一ここで説得に失敗しますと脳内チャートが完全に詰み再走確定案件です、ランダム判定での出会いに任せるしかなくなるので。

 そんな訳でコントローラーを置いてひたすら成功をお祈りします。お願いキャンチョメ様、何卒何卒何卒~~

 

 

「わかった、連れてって上げるよ」

 

 

 ま゛~~~~~~~!!! (ダルタニアン教授風の叫び)

 やりました、無事成功です。まぁ私の誘いを断れるわけないよなぁ! (精一杯のマウント)

 

 

「ボクの本の持ち主(パートナー)のフォルゴレは世界的大スターでね。今は映画館の方にいるけどもうすぐ帰ってくるからおいでよ。ホテルの最上階でフォルゴレと泊まってるんだぜ!」

 

 

 何か急に饒舌になりましたね、きっと自慢する相手がいなくてウズウズしてたんでしょうね。まぁ世界的有名人と知り合いなんだから気持ちはわかる。

 でもこの子本の持ち主(パートナー)の情報をポロポロ溢しちゃって今後大丈夫なの。お母さん悪い人に騙されないか心配だわぁ(謎の保護者ムーブ)

 

 

 そんなこんなでキャンチョメに連れられホテルでフォルゴレを待つ事になります。

 ですがここで素直にホテルに直行してはいけません、何故なら試写会イベントを終えたフォルゴレはそのまま街で女性達のチチをもぎまくって翌日まで帰ってこないからです。何でコイツ捕まらないの? 

 そんな訳でホテルへ向かう道すがらにフォルゴレと合流するようにさりげなーく誘導します。キャンチョメ、こっちの道から行きたくない? 遠回り? うるせえ、行くんだよ!! (力技)

 

 

 

 ◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「日本に送ってほしい? 理由を聞いてもいいかい?」

 

 という訳でチチもげ魔(フォルゴレ)を無事回収。早速お願いを伝えます。普段はおどけているギャグキャラですがこちらが真剣な雰囲気を出せばきちんと向き合ってくれます。さすがですね。

 

 そして、フォルゴレさんに日本に連れて行ってほしいとお願い。

 実はキリィちゃんの本の持ち主(パートナー)は日本人なのです。何故わかるかは直感スキルとでもいっておきましょう。(未習得)

 なお魔本の引き合う力でいずれ出会う事にもなりますが、それがいつなのかはわかりません。明日かもしれないし一ヶ月後、もしくは一年後かもしれない。(トネガワ感)

 そんな訳でこっちから 今、会いに行きます。

 最初から日本スタートにする事も可能ですが、このチャートを通る事でキャンチョメ達と知り合える他にとても重要なメリットを得る事も出来るのですがそれは後々。

 とにかく今は、本の持ち主(パートナー)が日本にいる事、フォルゴレ達とは敵対しない事を伝えひたすらお願いタイムです。(土下座も辞さないスタイル)

 

 

「わかった、丁度次の海外公演もある。早めに出れば日本に立ち寄るくらいは問題ないさ」

 

 

 なんやこのペア、ぐう聖すぎひん? 

 バトルロイヤルルールの中、将来敵対するかもしれない相手を戦えるように送ってあげるってありえんやろ。私だったら速攻潰すね(無慈悲)

 

 そんな訳で無事了承も得られたのでフォルゴレwithキャンチョメペアに連れられ日本へ旅立つ事になりました。

 パスポート? そんなものないのでトランクケースにでも変化(ポルク)して貰って隠れさせてもらいますね。

 おうキャンチョメ、顔真っ赤やで? 超絶美少女と密着24時の刑を受けるんだからもう少し嬉しそうにしろよ。 

 あれ、赤かった顔が急に悟りを開いたような顔になった…………何故? 

 

 

 

 

 

 

 ───────────────────────────────────

 

 

 

 

 

 ────彼女の事は、人形のような子だと思っていた。

 

 ボクのクラスで一番の成績優秀者、女の子なのに力だってボクよりずっと強かった。

 

 キリカ・イル。先生達が言うにはすごい一族の子で、あのワイズマンに並ぶ逸材だって言われてた。

 

 ……だけどボクはあの子がただ怖かった。変わらない表情で何も喋らない彼女が何を考えてるかわからなかったから。

 

 

「ねぇ」

 

「な、なななななんだい?!」

 

 

 そんな彼女が誰もいない教室でボクに話しかけてくるなんて思わなかった。

 

 彼女はいつもと変わらない。無表情で無感情のままボクをじっと見つめてくる。

 

 その真っ直ぐな瞳を見ていると深い所へ引きずり込まれてしまいそうでとても怖い。

 

 

「友達、なろ?」

 

「ななななな……へ?」

 

 

 そんな彼女の口から出たのは普通のお願い。

 

 

「な、なんでボクなの? 友達ならボクなんかよりもっとすごい子が一杯いるじゃないか」

 

「ん、運命」

 

 

 さも当たり前であるかのように告げる彼女。普通の子なら面白い事を言ってくる子だって笑いながら友達になっていたと思う。

 

 でもボクは────

 

 

「わ、わかったよ……」

 

 

()()()で了承した。彼女の顔が、目が、姿が怖くてそれから解放されたくて。

 

 

「キリカ」

 

「……え?」

 

「名前、呼んで」

 

「う、うん。わかった。えっと……キリカ」

 

「ん」

 

 

 そしてボクとキリカは友達になった、と思う。

 

 それからのボクとキリカの関係は今までと何も変わらなかったから。

 

 まるでキリカは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()の様に、何もしてこなかった。

 

 ボク自身もそんな彼女に歩み寄ることもなく、魔界での日々を過ごしていった。

 

 きっと他の魔物の子達もみんな同じ事をしていたと思う。彼女には誰も近付こうとしなかったから。

 

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

 

 

「どうしたんだい、キャンチョメ。難しい顔をして」

 

「うん。魔界にいた頃のことを思い出してたんだ」

 

「あぁ、あのキリカって子かい? 可愛らしいラガッツァだな。いい友達がいるじゃないか」

 

「うん…………」

 

 

 そう、ボクは友達となってはじめてキリカと話をした。

 

 でもその時感じた印象は、魔界にいた時とはまるで違っていた。

 

 綺麗だけど全く変わらなかった顔を今は歪め、まるで()()()()()()()()()()()縋ってきている。

 

 その姿を見て初めてボクは気付いた、キリカだって心を持ったただの魔物なんだって。

 

 そんな当たり前の事に気付いたボクは、魔界で彼女に何もしなかった事に少なくない罪悪感を覚える。

 

 

《「わかった、連れてって上げるよ」》

 

 

 そんな事を考えていたボクの口は自然とそう答えていた。

 

 あわててごまかすようにフォルゴレの事を話したけど、きっとキリカは気付いていたんだと思う。

 

 

 

 あんな風に慈愛に満ちた瞳で微笑むキリカを、あんな可愛い顔をはじめて見たから。

 

 

 

 

 

「あの子と何かあったんだな。魔界で」

 

 

 やっぱりフォルゴレはすごい、ボクの考えている事なんてお見通しみたいだ。

 

 

「キャンチョメ、君はあの子を助けたいんだろう? なら迷う事は何もないさ、過去なんて関係ない」

 

「フォルゴレ……でもキリカはとても強くて。ボクは……」

 

 

 ボクは落ちこぼれの自分が嫌だった、強くなればきっと何でも出来るって思ってた。

 

 キリカはとても強くて、とても賢くて、でも……

 

 

「……強ければ何でも出来るなんて思っちゃいけない。どんな強い力を持ってたって誰も助けちゃくれない時がある。キャンチョメ、君にはあの子がどう見えたんだい?」

 

 

 キリカは……とても寂しそうだった。悲しそうだった。怖がってそうだった。

 

 力を持っている筈のキリカだってそうなんだ、だったらボクみたいな落ちこぼれだって……。

 

 そこまで考えた所でフォルゴレが笑い、いつも通りの雰囲気でボクを元気付けてくれる。

 

 

「さぁ、キャンチョメ。早くあの子を本の持ち主(パートナー)に会わせて笑顔にさせてあげようじゃないか。明日は早く起きて日本へ出発だ、すぐに寝るぞ!」

 

「……うん、わかったよ! フォルゴレ」

 

 

 最初は不安で一杯だった人間界でのバトル。

 

 強ければ、落ちこぼれじゃなければきっと何もこわくなくなると思っていた。

 

 でもキリカを見て思う、フォルゴレを見て思う。本当に必要なのはきっと違う"何か"なんだって。

 

 きっとボクもキリカも、少し変わったんだと思う。

 

 ふと彼女が泊まっている隣の部屋のドアを見つめる。

 

 

 さっきキリカが移動中カバンに擬態して隠れさせて欲しいと言ってきた。

 

 ボクの能力じゃ収納能力を持たせるのは難しいといったら「抱きしめて貰えば隠れて見えなくなる」って言って女の子に抱きつく想像をしたボクは赤くなった。キリカはそれを見て頬を緩めた気がした。

 

 魔界にいたボク達がこんな事を仲良く話し合えるなんて思ってみなかった。

 

 だからあの頃のボクじゃ絶対に考えなかった他愛もない事を考えてみる。

 

 

 

 キリカ、本の持ち主(パートナー)が見つかるまでの間かもしれないけどさ。

 

 キミの事はボクが守ってあげるよ。

 

 約束だぜ。




キャンチョメが原作よりちょっとだけ勇気を持つようになりました。
魔本への影響はいかほど?

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