艦隊これくしょん【艦これ】 汎用決戦重巡洋艦が建造されました! 作:ライドウ
あるものは艦娘の常識を超えた最強の能力を手にし、あるものは入渠が終わった途端、深海棲艦化する。しかし、大抵の場合はそのまま轟沈していってしまうので事例はかなり少ない。
唯一の事例としては、大本営の叢雲が轟沈から救助され特殊能力を持ち合わせている。
横須賀第1鎮守府の初期艦
電ちゃんです。
side:inazuma
入渠場に救助された桜さんが安らかに眠っている。
一度桜さんのシグナルは完全に途絶えて、確かに轟沈した。
艦娘の急速ドロップ現象によって完全に沈む前に桜さんは救助されたものの・・・ここは、大本営の叢雲さんに来てもらう方がいいのでしょうか・・・
「それにしても・・・なんなんでしょうか。このノイズ。」
「明石さん、どうかされたのです?」
明石さんが桜さんのバイタルを表すモニターを指さす。
そのモニターを注意深く観察すると、確かにモニターに少しだけどノイズが混ざっているですね。
・・・あれ、このノイズ・・・どこかで。
「明石さん、このノイズ。解析してもらえないでしょうか?」
「お任せください・・・えーとどれどれ、ノイズスキャナー起動・・・」
明石さんがキーボードを操作し、ノイズの解析を始める。
・・・このノイズ、なにやら嫌な予感がするのです。
「!?そんな嘘で所!?こんなことって!!このノイズは・・・そんなっ・・・」
「??明石さん、どうなんですか?」
「・・・・・・このノイズは、深海棲艦が発するノイズと同じものだと出ました・・・つまり、桜さんは」
「っ!!」
つまり、桜さんはこの入渠が終わったのち・・・深海棲艦に?
「今はまだ微弱なものですが・・・これ以上の入渠は危険かと・・・小破程度に回復してるので・・・あとは私が」
・・・つまり、完全な轟沈でなかった分、それが緩やかに起きる。と言うわけなのでしょうか。
そうするとなると、確かに明石さんの修理能力に頼るしかないでしょう。しかし、明石さんが直せるのは小破まで・・・それ以上を治すとするなら、入渠は必須となる・・・しかも桜さんはこの鎮守府の教官役でもあのです。
中破以上のことは常にありえるので、桜さんは・・・
「・・・・・・明石さん、今回のこれについて桜さんに説明を・・・そしてこれに関して、口外することを禁止しにします。」
「・・・わかりました。」
そう、これは桜さんも知らねばならない現実。明石さんには苦しいでしょうけど・・・こうするのが一番いい。
無用に情報を流して、艦隊が混乱するよりかは・・・こうした方が。
・・・あとで、司令官さんにもご連絡しないと。
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side:sakura
「うっ・・・うぅんっ・・・」
目が覚めるとそこは明石さんの診療室の天井・・・ああ、助かったのね。
「あ、桜さん。目が覚めましたか?」
その声が聞こえて首を右に傾けると、神妙な面持ちの明石さん、電ちゃん、提督がそこに居た。
あれ?私、ここでお説教なのかな?まあそうだよね、一人で無茶して轟沈しかけたんだし・・・
「あの・・・提督さん、今回の件は「いや、いい。それよりも桜・・・君に伝えなきゃいけないことがある」
提督が、怒るわけでもなく悲しむわけでもなく、事務的に私にそういう。
どういうことなんでしょうか・・・
「まず、君は轟沈した。それは間違いないな?」
「・・・はい、身体が動かず・・・沈んでゆくかと思いましたが・・・稲荷さんたちが助けてくれましたから」
「・・・では、大本営の叢雲のことは知っているだろうか?」
「ええ、一度轟沈しかけて救助されたのち、艦娘を超えた能力を手に入れたとか・・・」
そんな話をして、どうしたのだろう?
あ、まさか私にもその能力が
「君は・・・・・・深海棲艦になってしまう可能性がある。」
…………えっ?
私が…深海棲艦……に?
どういう…こと?
「ど、どういう・・・ことなんですか?」
「・・・これは、とある研究者が立証したことなんだ・・・一度轟沈しかけたものは、特殊能力を得るか・・・深海棲艦になるか。・・・そして、そしてっ・・・君は・・・後者になったっ・・・」
提督が悔しそうに膝をつきながら涙を流し始める・・・
「私が・・・私が間抜けだった!海域を多く解放して、近海にははぐれ程度だと慢心した私のせいだ!!」
「そ、そんな!提督、顔を上げて「航空警備網も、警戒艇も!最前線じゃないからと慢心して数を減らした私のせいなのだ!・・・・・・だから、桜・・・恨むなら私を恨め!」
提督が涙ながらに土下座をする。
電ちゃんはそれを止めようとオロオロして、明石さんは顔を伏せて泣かないように耐えていた。
・・・私が、深海棲艦。ですか、よくよく考えたら全然いい・・・死んでしまうよりかは、それでいい。
それで・・・妹たちが救えるんだから。
「・・・提督、深海棲艦になるまで・・・私にはどれほど猶予があるのでしょうか」
「・・・さっきの入渠で2%が深海棲艦化している・・・・・・そのトリガーは”入渠”だ。」
「・・・つまり、小破程度なら明石さんに修理してもらって・・・大丈夫ということですね。なら、私は「大丈夫じゃないのです!!」
私は大丈夫。そう言おうとした途端に電ちゃんに遮られる。
・・・その目は、今にも泣きそうで・・・初期艦らしい振る舞いとはいえず・・・一人の少女の振る舞いだった。
「桜さんは、すごく頑張ったのです!だから、もうゆっくりと休んでほしいのです!」
電ちゃんが涙ながらに私に言う。
確かに、私は初期のころから存在し後輩を厳しく扱き、食堂を手伝い・・・電ちゃんのお手伝いも何度もしたことがある。だから私が、電ちゃんをちゃん付できる理由でもあり・・・私がこの鎮守府で3番目に偉い。ということなのだ。
「もう・・・戦っちゃだめなのですっ。戦ったら・・・桜さんが怪我して・・・そして」
電ちゃんの心配もわかる・・・だって電ちゃんは、私の隣で・・・いつも頑張っていたのだ。
艦隊のみんなが帰れるように朝早くから起きて掃除して・・・艤装を一つ一つ磨いて、食堂のお手伝いも・・・
でもね。
「ごめんね、電ちゃん・・・それでも私は、戦いたいの。第1防戦隊のみんなと・・・妹たちを救いたいの。それに・・・第1防戦隊のみんなは、聞いてるからね?」
「はっ、バレてたか。隊長」「あらあら~」
「さすが隊長ですね!」「・・・ちょっと、くやしい」「乃木坂ちゃん、どんまい」
医務室のドア、そして窓から第1防戦隊のみんなが入ってくる。
その様子に明石さんと、提督、電ちゃんがびっくりして目を白黒させる。
「だから、提督・・・どうか、私の
そして、提督の目を見て・・・そういう。
提督は・・・悔しいようで、歯を食いしばってうなづいた。
・・・ありがとうございます。提督、私の我儘を聞いてくださって・・・
だからせめて・・・せめて深海に落ち行くこの身を・・・酷使するとしましょう。
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その後、私は提督さんに頼んで・・・特別棟に移動した。
同室だった利根ちゃんには、少しだけ悪いことをしちゃって・・・ちょっと心が痛んだけど・・・
私の今の姿を・・・あの純真な利根ちゃんに見せるわけには行けない。
そして、私の同室になるのは訳を知っている稲荷さんと黒峰さん。
久崎ちゃん、乃木坂ちゃん、海崎ちゃんはそのまま駆逐棟に寝泊まりすることになった。
そして、私のお風呂の時間を深夜の0時(消灯時間から1時間後)にし、稲荷さんと黒峰さんが一緒に入ってくれることになった。
・・・利根ちゃんの頭を洗えなくなって、少しだけ寂しいけど・・・がまんがまん。
「・・・隊長、すまねぇな。もう少し、俺たちが早く現れなくて隊長が・・・」
「いいんですよ、稲荷さん。むしろ、助けてくれてありがとうございます」
「隊長がそんなことを言う必要はないわ~、私たちは第1防戦隊として当たり前のことをしたんだから~」
・・・なんだかこの二人が居ると、安心するなぁ。
ふと、深海棲艦化の部分が気になり、少しだけYシャツをめくる。
すると、深海棲艦のように黒づんだ痣が・・・これが、深海棲艦化・・・なのだろう。
「・・・隊長。」
「心配することなんてないですよ、稲荷さん。私は大丈夫ですから」
「・・・・・・そうか。」
そう言って、稲荷さんは二段ベットの上に消えていった。
黒峰さんも、おやすみなさ~い。といって二段ベットの下に入り込む。
私も、おやすみ。と短く返し、電気を消してシングルベットに潜り込む。
(私が・・・深海棲艦化・・・か、存在をなかったことにされるより・・・マシかな。)
江戸型汎用重巡洋艦。
桜型2番艦”江戸”の艦型は、前線の将校と桜に思い入れがあった将校たちが多かったため桜型2番艦となっていたが・・・
江戸から超桜型の末っ子まで・・・実は”江戸型汎用重巡洋艦”が正式名称である。
しかし、江戸たちの艦長が桜型と呼んでいたため、その詳細はどっちだか不明である。
稲荷型汎用軽巡洋艦
改装によってコンバートがあり、重雷装軽巡洋艦になったり、軽空母になれたり防空軽巡になったりする。