艦隊これくしょん【艦これ】 汎用決戦重巡洋艦が建造されました! 作:ライドウ
龍驤による瑞鶴の報告書。
瑞鶴は、夜な夜な外に出ては海岸線に座り込み、耳を澄ませて波音を聞いていた。
近寄って、何かと聞いてみれば・・・海の声を聴いていたとか。
どこぞの携帯ショップのCMみたいなことを抜かしてたが・・・その目は真剣だったために瑞鶴には海の声が聞こえてると思われる、しかし私には聞こえないため真偽はわからないため、この報告書は提督が読み次第、処分してくれてもかまへん。
(・・・あれ?ここ、どこ?)
撃たれたと思った私は、いつの間にか・・・誰かの艦橋の中にいた。
でも、この艦橋は私ではない・・・翔鶴姉は同型艦だから違うし・・・だれの?
「岡田艦長、第1次攻撃隊が発艦準備して現在爆装中です」
「・・・そうか、何か嫌な予感がする。桜は何か言っているか?」
「暗号文で、攻撃機を緊急収納せよ。戦闘機の発艦急げ。と」
・・・岡田、艦長?たしか、ミッドウェー海戦の時の加賀先輩の艦長。だったはず。
桜が送り付けてきたであろう暗号文が読み上げられると、目をつぶって考え出す。
しばらく、思考したのち目をカっ。と開く
「攻撃隊の収容急げ、第1次戦闘機隊の発艦準備だ。桜に従う。」
「はっ、急ぎ「てっ、敵機直上!!急降下!!」
観測員が焦ったように上を見上げ報告する。
桜がいきなり空に向かって発砲したため、見たら居たんだろう。
・・・こんな近くに来られるまで油断してるって・・・
「バカな!!電探係は何をしていた!!ちぃっ、甲板の人員を急いで船内に戻せ!!」
「了解!発艦は中止!繰り返す!発艦は中止!!急ぎ船内に避難せよ!!」
それだけ聞くと、見ている景色が変わる・・・場面が変わったのかな?
いやでも・・・なんで加賀先輩の艦橋に・・・
「敵機来襲!!ほかの艦は気付いていません!!」
「くそっ、一航戦二航戦の慢心屋ども!!あれだけ電探の整備をしろって言っただろうに!」
・・・あれ、誰よりも早く気付いてるけど、発砲しない?
無駄に発砲して、周りが混乱しないようにしてる・・・練度が高いな。
「敵攻撃隊の編成は!腹には何を抱えてる!!」
「SBD!腹には爆弾をしこたま抱えてます!!」
「こっちは攻撃隊を出そうとしたばかりだぞっ・・・くそっ、暗号隠匿なんて意味ないじゃないか!!空母に暗号電文!!攻撃隊を収容し戦闘機隊を出せ。と!」
「了解!急ぎます!!」
「艦載機が飛行甲板にいる状態で回避行動ができない・・・観測員!!距離は!!」
「敵機加賀直上!!急降下ぁッ!!」
「っ!?機銃群、うてぇえぇぇっ!!」
その掛け声で加賀先輩側の機銃群が、加賀先輩に向かって降下してくる艦載機に向け発砲をしだす。効果は・・・薄いっぽい。・・・この船は、誰なんだろう。でも、あの艦長は確か・・・
・・・本当に、彼は他の空母を盾にしたんだろうか。私の常識にヒビが入る。
本当に盾にするつもりなら暗号電文なんて打たない。
「撃破!!次ぃっ!!」「加賀をやらせるなぁッ!!」
「装填急げぇっ!!」
「間に合わない!!」
その直後、加賀さんの飛行甲板から爆発が・・・間に合わなかったの!?
「加賀中破!飛行甲板が使用不可能です!!」
「加賀を曙に護衛させて撤退させろ!!急げ!!」
「はっ!!」「赤城の上にも敵機が!!」
「くそっ!!撃て!やらせるな!!」
また場面が変わる。
・・・敵の、まだ敵だと思ってるアメリカ海軍の艦載機たちが引いてく・・・何とかまだ轟沈艦はないらしい。
・・・ここは、赤城さんの艦橋?
「被害、どうか・・・」
「・・・ダメです、五十六提督・・・飛行甲板は穴だらけ。速力も落ちています。」
「そうか・・・桜には感謝しなくてはな・・・慢心で貴重なパイロットが失われずに済んだ。」
「桜より電文です!!これ以上の作戦継続は不可能と判断、各艦撤退を開始せよ。とのことです」
「ん・・・まさかっ!!」
「桜、最大船速でミッドウェーに進んでいきます!!」
観測員の隣に走って、飛びつくと・・・桜の乗員がこちらに向けて敬礼していた。
まさか、玉砕覚悟の突撃!?
「バカなっ!!あ奴ら、一人で敵の艦隊に?!」
「さ、桜より追加の電文!!靖国には、まだ貴艦ら遠き道のりなり、お先に失礼。とのこと!!」
「・・・・・・くそっ!!撤退だ!!桜乗員の覚悟を、無駄にするなぁッ!!」
「「了解!!」」
五十六提督が涙ながらに艦橋の床に崩れ落ちる。
敵に背を向けて逃げる事よりも・・・桜を盾にして逃げることが悔しいんだろう。
・・・逆だった、私が知っていたのは桜が赤城さんたちを盾にして、沈んだ。そう、それが正しいはずだった。大本営の発表だと・・・
また場面が変わり、すっかり焼け野原になる桜の・・・桜さんの甲板上。
艦橋で報告した水兵さんや25㎜三連装機銃にもたれかかるように死んでる水兵さんが・・・
最後の生き残りは・・・火事で今にも崩れそうな艦橋にいる血まみれの島津艦長・・・ただ一人だった。
「赤城は・・・加賀は、飛龍も・・・蒼龍も・・・逃げ切れたっみたいだな・・・」
そう呟いた後、島津艦長はお腹を押さえつつ立ち上がる。
・・・ああ、彼も助からないつもりだ。
「・・・行けるな、桜。」
そっと、操舵輪を撫で、最後の力を振り絞り左に回す。
まだ力が残っていたのか、桜がゆっくりと左に回る・・・その先に居るのは、エンタープライズ。
「たとえ・・・犬死だろうが、なんだろうが・・・」
「我々の魂を、侮るな!!」
強い衝撃で島津艦長が、艦橋から投げ出され・・・大爆発。
(これが・・・真実だったの?)
私が・・・知っていた真実とは全く違う。
私は・・・なんで。
海面が、白くまばゆい光を放ち始める。
「きゃっ、何!?」
・・・私は、そのままその光に飲まれるのであった。
島津 紀明艦長。
桜の初代艦長にして、桜と共に沈んだ艦長。
生きていれば、今頃は故郷でゆっくりとしていたことだろう。
島津の名前通り九州地方の出身の出だが、有名な貴族や元武士の家計と言わけではない。
百姓の家計だが、高い艦隊指揮を買われて桜の艦長となった。
座右の銘は、慢心厳禁。
最終階級は、空母機動艦隊を生きて返したということで中将である。