Spider noir 〜黒き蜘蛛〜   作:ゲット虚無

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2023/9/11 最後らへんを加筆修正しました。


蜘蛛のその後

 

「失礼します。」

 

コンコンとノックをし部屋に入るのは一年A組の担任教師、相澤消太。

その姿はUSJでの戦いにより包帯グルグル巻きのミイラ男のような姿をしていた。

 

「やぁ!!相澤くん!ケガの調子はどうだい!!」

 

「まぁ見ればわかる通り、良くはないですね」

 

相澤の目に映る人物、その姿はネズミである。

 

服を着たネズミである。その言葉を聞いた者は某夢の国の彼を思い出すかもしれないが

あそこまでキャラクターしている見た目ではない。ハッキリ言うとしたら彼の姿は服を着た白いネズミである。

 

本人さえ自分が犬なのかネズミなのかとわかっていないが小さくて長いシッポが生えているので恐らくはネズミなのだろう。

 

「今日は君に見せたいものがあってね」

 

彼は先ほどまで見ていたファイルをペラりと開く。

 

「根津校長......これは?」

 

「USJ襲撃に加担したヴィラン達の写真だよ、警察に彼らを引き渡した翌日に送られてきたものでね。まぁ一番見てもらいたいのはこれだ」

 

「!?」

 

その写真に写っているヴィラン達は酷い有様だった。骨をへし折られ、顎を砕かれ、顔の判別ができないほどまでに殴られ、終いには生きているかどうか怪しいものまでが数枚の写真に写っていた。

 

「少々、怪しいのもあるが彼らは生きてるよ。まぁ早々に病院からは出られることはなさそうだけど」

 

「校長......これは、......ッ!?」

 

相澤が目についた写真。そこにはクモ糸で巻かれ天井に吊るされた数体のヴィランが写っていた。

 

「十中八九、これらの写真に写っているのは君の生徒のレイス・パーカーに倒された者たちだ。」

 

「アイツが......こいつら全員を」

 

相澤のレイスパーカーの認識は少々、毒舌を吐きがちな根暗であるが特に問題のあるようなヤツとは思っていなかった。しかしこの写真を見たことでその認識を改めた。

 

「あいつは......ヴィランを......憎んでいる。とてつもなく深く」

 

「ヒーローがヴィランを鎮圧し、病院送りにするのは当たり前の事さ。しかし彼は奴らを徹底的に潰している。ヴィジランテによく見られる傾向さ。唯一の救いは命までは取っていないことかな...」

 

「これは本人には?」

 

「悩んだんだけど、聞くのはやめたよ。変な刺激も与えたくはないしね。」

 

「僕は君に『彼を見張っていろ』、とか『警戒しておいてくれ』なんてことはも言うつもりはないさ?

 

ただ担任である君にはこの事実を伝えておきたくてね?」

 

 

 

「はぁ......つまりただでさえいる問題児が増えたってことで、いいですね?」

 

「そう、気を落とさないでくれ。相澤くん!!なんとかなるサ!!......多分!!」

 

「はぁ......」

 

 

◆◆◆◆

 

何故、見逃した?

 

「何の話だ?」

 

何故、奴らを見逃したんだと聞いているんだ。

 

「奴ら?、屑共のことか?」

 

そう、あの畜生共の事だ。何故、見逃したんだ?

 

「見逃したんじゃない、逃げられたんだ」

 

逃げられた?逃がしたの間違いだろ?

 

「…………なんだと?」

 

あの程度のダメージ、お前には造作もなかった筈だ。

なのに、何故…………お前は地に膝を着けた?

 

悪に屈したか?

 

 

「…………貴様」

 

何故、お前はオールマイトが来たとき、加勢しなかった?

奴らの目的が彼を殺すことだと知っていただろう?

 

「その算段はもう潰していた。彼であれば奴等程度、造作もなかったろう。」

 

はっ、怠慢だな。奴らを追わなかったという理由がその証拠だ。

 

なぁ…………いい加減、自分が⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛だって事を認めろ。そして、正直になれ。

 

そうすれば、お前は"完全"へと至れる。

 

「ベラベラベラベラベラベラ、この幻覚ごときが!何を認めろって!?聞こえもしない雑音混じりの言葉をどう認めろと言いやがる!!」

 

お前が認めないからだ。

 

お前が認めないから未だにこの言葉が雑音にしか聞こえんのだ。

 

認めろ、お前は…………

 

 

「もう、うんざりだ!!今すぐに消えろ!!たかだたか妄想の分際でぐちぐちと言いやがって!!消えやがれ!!!ーーーーこの!!!」

 

「なに一人でブツブツ言ってんの?ダーリン」

 

レイスが振り返るとそこには、こちらをのぞき込むように不思議な顔をしているティナ・ウィルソンが立っていた、

 

「……いつから、そこにいた?」

 

「えーと、「もう、うんざりだ!!今すぐ消えろーーー」辺り?……もしかしてダーリン厨二病だったりする?性格暗いし」

 

「………」

 

ため息をつき、窓の外を見ると空は夕焼けに染まっていた。相当参っていたのか?と彼は内心、頭を抱えた。

 

「あれ?いつもなら腹パンからのチョークスリーパーかまされるとこなのに.....ホントにどったの?」

 

レイスはチラリと目の前にいるティナの顔を見るがハッと一笑しまたいつもの仏頂面になると口を開く。

 

「別に.....精神病が一時悪化したようなもんだ、気にするな」

 

「えっ?やっぱり厨二.....「怒らせたくないなら一旦黙れ」.....アイ」

 

「一応釘を刺しておくが、誰にも言うなよ?数年前に幻覚と幻聴を発症しだしてな。時折ああなる、理由は分からんがな。お前が俺の様子が変だと思ってるのはそれが原因で憂鬱になってるからだろう、現在進行形でな。」

 

「あーそれならアタシもあるよ?」

 

「何?」

 

レイスは俯いてた顔を上げ、眉をひそめる。

 

「アタシの解釈としては幻覚や幻聴が出てるのはまだ踏みとどまってるってことなんじゃないかな?って思うんだ。本当にイカレてるなら、そんなものが出てくるわけがないんだし。自分がイカレてるって自覚してる狂人なんてそうそういないでしょ?」

 

 

「HA......HAHAHA....そうか、そうかよ。ククっHAHAHA」

 

「うん?」

 

レイスは椅子から立ち上がり、机に置いていたカバンに荷物を入れていきながら口を開く。

 

「お前なりに慰めてくれたのか知らんが、まぁお礼程度に良いだろう。帰る前に聞いていけ」

 

「何々?愛の告「違うに決ってるだろ阿保が」……あっサイですか」

 

荷物を入れ終えるとレイスはカバンを机に置き、ティナに座れよと椅子を差し出し、自身は机の上に座った。

 

 

「こんなジョークがある。ああ、ちなみにこれは俺のお気に入りの一つでな」

 

 

 

 

 

‘See, there were these two guys in a lunatic asylum

 とある精神病院に二人の男がいた

 

and one night... one night they decide they're going to escape!

 ある晩、二人はもうこんな場所にはいられないと腹をくくった 脱走することにしたんだ

 

So like they get up on to the roof, and there, just across the narrow gap,

 それで屋上に登ってみると、狭い隙間のすぐ向こうが隣の建物で……

 

they see the rooftops of the town, stretching away in moonlight... stretching away to freedom.'

 さらに向こうには、月光に照らされた夜の街が広がっていた……自由の世界だ!

 

‘Now the first guy he jumps right across with no problem. But his friend, his friend daren't make the leap.

 で、最初の奴は難なく飛んで隣の建物に移った。だが、もう一人の奴はどうしても跳べなかった。

 

Y'see he's afraid of falling...

 そうとも……落ちるのが怖かったんだ

 

So then the first guy has an idea.

 その時最初の奴がヒラメいた。

 

He says "Hey! I have my flash light with me. I will shine it across the gap between the buildings. You can walk across the beam and join me."

 奴は言った「おい、俺は懐中電灯を持ってる! この光で橋を架けてやるから、歩いて渡って来い!」

 

 

But the second guy just shakes his head. He says...

 だが二人目の奴は首を横に振って……怒鳴り返した

 

 

 

 

 

 

 

 

he says, "What do you think I am, crazy?"

「てめぇ、オレがイカれてるとでも思ってんのか!」

 

 

"You would turn it off when I was half way across."

「どうせ、途中でスイッチ切っちまうつもりだろ!」

 

 

 

 

 

「どうだ?面白いだろ?」

 

「ダーリン....アタシ貴方に惚れてはいるけどこのジョークのセンスはちょっと悪趣味だと思うの」

 

「.......笑いの分からん奴め」

 

「えぇ.....?(白目)」

 

 




狂気が極まっております。


幻覚や幻聴が時折する奴がマトモなわけないだろ!!!!!
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