Spider noir 〜黒き蜘蛛〜   作:ゲット虚無

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はい取りえず、くっっっっそ久しぶりな最新話の投稿です。

元々いつかは再開するつもりでしたが踏ん切りがつきました。

皆さん、またよろしくおねがいします。


蜘蛛vs脳無

2年前から幻覚や幻聴を発症しだした。

 

正直言ってここまで気が狂ってしまったことには自分でも驚いている。

 

幻覚は極稀に俺の前に現れる。

 

黒いインクが蠢く白い覆面を被った奇怪なヤツ。

………そのインクの黒は決してマスクの白には混ざらない

 

幻覚の分際で帽子だの白いスカーフだのトレンチコートだの着やがって何様だ?気取ってつもりなのか?

 

奴は決まってこう言ってくる。

 

「認めろ。もう、お前はレイス・パーカーじゃない」

 

意味がわからない、俺がレイス・パーカーじゃないなら

 

いったい俺は誰なんだ?と問うと。

 

「⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛⬛だ」

 

嗚呼………糞、またこれだ。

 

 

奴が吐く“その言葉”だけはいつもノイズが掛かって聞き取れない。

 

ただ………わかることが一つ。

 

その言葉を俺は認めようとはしないだろう。

 

 

何故なら、まだ俺は”レイス・パーカー”だからだ。

 

 

 

 

◆◆

 

「あとはお前らだけだ」

 

 

自身に向かって全身が黒ずくめの男は指差しながら言ってきた。

 

俺はほくそ笑む、馬鹿だコイツは。

 

ガキはやはりガキだ、正直言ってオッサンみてーな声で一瞬だけプロヒーローかと勘違いしたが………

 

まぁ………たしかに?脳無をあそこまで相手取ったのは驚いた。..でもな、その程度ならオールマイトを殺しになんかこねーよバァーカ。

 

それに....俺が

 

ソイツに手を貸さないとでも思ったのか?

 

「後ろ注意してないと危ないんじゃない?」

 

▼▼▼

 

 

「後ろ注意してないと危ないんじゃない?」

 

 

 

 

振り返るとそこには........巨漢が迫っていた。

 

重い衝撃が奔り ズドォン!!と地面に叩きつけられる感覚を彼は味わう........そして脳無は先ほどのお返しと言わんばかりの攻撃を繰り出した。方法は至ってシンプルなもの、自身の持つ平和の象徴と同格であろうその腕力を目の前の男に叩きつけるだけだ。脳無はレイスに拳による連撃を繰り出していた。

 

一定のスピードと怪力から放たれる轟音は途轍もない。常人があんなものを食らい続ければ挽肉なるだろうが

........彼はそんなヤワではない。

 

ピタリと脳無が繰り出すラッシュが止まる。なぜならばレイスが脳無の拳を掴んでいたからだ。

 

グググっと押し返されていく拳。

 

「いい気になるなよ………………」

 

そのままレイスは脳無に殴りかかった。

 

射出したクモ糸を巨体に巻き付け吹き飛ばし、そこから追い打ちで殴りつける、たとえ殴られ返されようが負けじと彼も脳無に対し攻撃を続けいった。そうレイスは脳無に対し力負けしていないのだ。なんども食らっていた攻撃にも怯まず彼は巨漢に喰らいつく。

 

その光景は凄まじかった。自身より巨大な相手と殴り合うさまは異様としか言えなかった。

既に帽子なんてものは吹き飛び、コートはボロボロというよりもあって無いようなものへと変わり、もはや彼は脳無に対し執念だけで戦っていた。

 

「おいおい、やべぇなあいつイカレてやがる」

 

「死柄木弔........あれはもはや"卵"ではない。あの手の人間を野放しにしてしまえは後の計画に支障が出ることでしょう。ここで始末しておかなければ………」

 

「わかってるよ。黒霧....ワープ」

 

「かしこまりました」

 

 

「脳無を相手によくがんばったね………でもこれで」

 

 

ゲームオーバーだ。

 

 

 

▼▼▼

 

 

ワープにより出現した死柄木の腕………それがレイスに迫り。

 

触れる………かと思われた。

 

 

 

「……!!…………ッ!?」

 

死柄木に触れられた"脳無"の右半身はボロボロと崩壊していく。そして右半身を失った脳無はバランスを崩しその場に崩れ落ちるのだった。

 

「手で触れることにより物質を崩壊させる………それがお前の個性か?」

 

何が起こったのか?

 

あの瞬間、スパイダーセンスはレイスに危険を警告した。それを察知した彼は目の前にいた脳無を掴み上げ盾に使ったのだ。正直ヒーローが使うような手ではないが彼は手段を選ばない。

 

「恨むなよ?傍にいた………お前が悪い」

 

レイスは倒れた脳無を死柄木に向けて蹴り飛ばす。

 

死柄木の目の前でドサリと音を立てて倒れる脳無。

 

ガリ………と掻きむしる音が響いた。

 

「おい…テメェ、たかがガキ一人に何やられてんだよ?」

 

 

 

ガリ...ガリ

 

脳無を死柄木は踏みつける。

 

「こっちはただのチンピラだったテメェをオールマイトを殺せるぐらいに強く改造してやったんだぞ?」

 

ガリ………ガリガリガリ

 

「それをなんだ?ン?」

 

死柄木は首を異常なまでに掻きむしる。

 

 

「ヒーローでもねぇ黒尽くめのイカれたガキにやられるだぁ......?ざけんじゃねぇぞ!?」

 

死柄木は脳無を何度も踏み続けると共に異常なまでに首を掻きむしった。

 

「クソ!クソ!クソ!クソ!クソ!クソ………この役立ずのカス野郎が!!」

 

「おい。立て………そんであのクソガキを殺せ!!」

 

脳無は立ち上がろうとする。しかし右半身が消滅したことでバランスが取れずうまく立ち上がることが出来ない。

 

 

ドシャリ!!

 

脳無は倒れた。既に脳無は再起不能の状態にあった。

 

 

死柄木の中でナニカがキレた。

 

 

「いけません死柄木!!早まっては____」

 

死柄木は脳無の顔を掴むと......破壊した。

崩壊が顔から肉体へと伝染していく………超再生の個性を持つ脳無と言えど細胞を破壊されれば為す術がない。

 

死柄木は脳無を殺したのだった。

 

「………引きましょう死柄木弔」

 

「”あ”ぁっ! 何言ってやがる!?」

 

「正直、彼を生かしておくメリットはありません。今のうちに殺しておいたほうが得でしょう。ですがこちらにプロヒーロー達と平和の象徴が向かっているのなら話は別です。貴方が脳無を殺してしまった今………どう考えても我々に勝ち目は無い。」

 

「ふざけるな!?あの偽善者を殺せないぐらいなら、こいつ等を殺して………」

 

「いえ、それも無理です。彼を相手にしたとしても時間稼ぎをされるだけです。弔、私の使命は貴方を導くこと。ここで終わらせるわけにはいかないのです。」

 

「チッ!!」

 

黒霧が撤退するためにワープを展開する。

 

もしここにいるのが緑谷達だけならば仕方ないがヴィランを見逃していたかもしれない。

 

だがここには………悪を憎悪する

 

「一体……………"誰が逃がす"と言った?」

 

 

一匹の黒い蜘蛛がいる。

 




悪党絶対ぶっ飛ばすマンが見逃がすわけないんだよなぁ………
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