【僕のヒーローアカデミア】No.1ヒーローの元ライバル 作:高月 弾
「我らは
ある日、突然現れた【レジスタンス】と名乗る第3勢力の存在のせいで世界は大混乱へと陥れられた。
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今日は中学生としては最大級の試練とも言える日であった。
それは、雄英高校の入学試験日である。
雄英高校とは、現在の世界で最もなりたい職業No.1に輝く職業、【ヒーロー】になるためのヒーロー科という学部が存在している高校であり、数々の有名ヒーローを排出している超有名高校である。
それゆえにその難易度は恐ろしく高いものであり、日本国内では恐らくもっとも入学の難しい高校と呼ばれているくらいである。
そんな高校に彼もヒーローへと憧れて入学試験を受けに来ていた。
「こ、ここが雄英高校…。門がでかいし、めちゃくちゃ校舎綺麗だし、やっぱり貫禄が違う。」
彼の名は【
いざ門の前に来ると緊張で心臓が早鐘のように撃ち始めていて、ガタガタと震え始めてしまう。
(お、落ち着け…。やることはやったんだ…あとは、出しきるだけだろ!)
そう自分に言い聞かせ、活を入れるかのように自分の足を叩く。
覚悟を決めた顔つきでいざ入試会場へと向かっていった。
雄英高校では一次試験の学力テスト、そして二次試験の実技テストが存在している。
まずは一次の学力テストからだ。
自分の席を確認して座ると既にとなりには人が座っていた。
「どうも、緊張しますね。」
少しでも緊張を和らげるために他人と話し始めようとする生命。
すると隣の人は満面の笑みを浮かべながら、
「そうね、お互いに頑張りましょう!けろっ。」
そう答えてくれた。
優しそうな人が隣でよかったと思いつつも、最後の語尾に疑問を抱く。
「もしかして、【個性】がカエルだったりしますか?」
個性。
ヒーローという職業が出来た根本に存在するのがこの個性という問題だった。
今の社会では約8割の人間が個性を所持している。
それは超能力のようなものだったり、特殊能力のようなものだったり、身体強化だったり、と様々だがこれが現れたがゆえに犯罪がさらに危険になりそれを止めるためにヒーローと言う役職が出来たのだ。
「あら、良く分かったわね。一言しゃべっただけなのにそこまで把握されるとは思わなかったわ。」
驚いた様子を見せる女性に生命はついやってしまったと焦りながら謝ろうとする。
「す、すみません!色々な個性について普段から調べてるせいで、その人間観察とかが得意になってしまった部分がある反面、癖付いてしまったと言うか…」
「気にしなくていいわよ。私は
そう言いながら手を伸ばす。
優しい人でよかったと安心しつつも彼も手を伸ばして自己紹介をする。
「オレは、生命新。よろしくね、蛙吹さん!」
「つゆちゃんと呼んで。」
その後すぐに試験管がやってきて試験が始まった。
雄英高校はテストの内容も難しくまさに最難関と言ったレベルの問題だった。
解いた感じでは手応えがあったが、後日自己採点したときに絶望することになろうとはこのときはまだ知らない。
お昼をはさんで二次試験となった。
二次試験ではまず説明会がなされ、受験生が全員講堂に集められた。
隣は、片方はかなり太った男の子。
もう片方は目が鋭く…というより目付きの悪い爆発頭だった。
そのため目付きの悪い方には話しかけずに、太った方の男の子と頑張ろう、等の会話をしていた。
そして、講堂の中心に現れたプレゼントマイクの
その間目付きの悪い人の隣にいた男の子がぶつぶつと呟いていたが何を言っているかまでは聞こえなかった。
説明は単純だった。
ロボットの敵が擬似的な町にうろちょろしてるから倒せ。
そのロボットには得点が1~3まで割り振られている。
それらの点が高い人が通過できるという話だった。
そんな中一人の生徒が真っ直ぐに手を上げる。
「失礼します!この中には得点あるロボットは三機だと書かれているのにプリントには4機あります!!これが誤りならば由々しき事態!」
おぉ、めちゃくちゃはっきり言うなこと人。
と、いろんな一人思われているなか、その人がこちらへと指を突き刺す。
一瞬生命はヒヤッとするがその言葉を聞いてすぐに安心する。
「あとそこの君!ぶつぶつとうるさい!!少し黙っていてくれないか!?」
2つ隣の子だとすぐに分かった。
確かに大きい声を出してた訳じゃないけどこれだけ会場が静かだと聞こえてしまうと納得する。
が、それをこの大勢の場で晒すって言うのは凄まじい、嫌がらせでは?とも考えていた。
この4機目に関しては
先ほどの質問した少年はありがとうございます。とハキハキした声でお礼を言うとすぐに座った。
そのご席にあった会場の番号をみるとAと書かれていた。
隣の太った子のカードをみるとD、そして目付きの悪い人のカードをそっと覗くと…
【A】
(…終わった…。)
軽く絶望する。
目付きの悪い人の話は潰せねぇとか怖い話ばかり飛んでくる。
最悪だと考えているが、いつまでも落ち込んではいられないと頭を働かせる。
(あの感じからするに多分左の席の目付きの悪い人は攻撃的な個性を持っていると推測できる。他人を潰せるって言うぐらいなんだから戦闘においては有利なはず…。となるとオレの【個性】じゃ分が悪い。あんまり直接的に関わらない方が良さそうだな。)
そう考えると、大きく息を吐く。
(やるしかない。)
そう決意を抱きながら試験会場へと向かう。
運動着に着替えてから会場に行くと多くの人数が既に集まっていた。
そこにはもちろんあの目付きの悪い人もいた。
その人とは目が合わないように入り口の前まで移動する。
(プレゼントマイクの性格ならきっと…不意打ちで来るはず。ならば、声を聞き逃さず最速でスタートダッシュを決める!!)
「ハイ!スタート!!」
「「「「え???」」」」
不特定多数が頭に疑問符を浮かべる中、生命は開かれ始めた扉の隙間からすぐに
(よし!このタイミングで走り出せば足の速い個性でなければ追い付けない!最初の得点は貰うぞ!!)
そう思いながらは知っていくと少し先にロボットが見える。
(いた!!!)
生命は拳を握りしめてロボットへと振りかぶる。
「はあぁぁぁぁああ!!!」
振り下ろそうとして瞬間後ろからなにかに追い抜かれる。
そして目の前が突然光る。
「うわっ!!?」
光ると同時に起きた風で倒される。
何が起こったのか分からずに前をみると燃え上がるロボットと、その横には手に弱い爆発を発動させながら残忍そうな笑みを浮かべる人がいた。
「1ポイント先取だ…。」
そう言いながら手の爆発を利用した加速で一気にはなれていった。
「マジかよ…。」
驚きながらもすぐに体勢を立て直して先ほどの人が行かなかった方向へと走り出す。
(攻撃的な個性だと思ってたけど、まさか【爆発系】かよ!しかも使い方がうまい…。さすがに雄英目指すレベルだってことか…!!!)
そう考えているうちに次の
今度こそは、と気合いを込めて跳躍をする。
ロボットはこちらに対して迎撃をしようとするがそれよりも早くに生命の攻撃が当たる。
「スパイクッ!!!」
右の飛び蹴りがヒットする。
すると一撃でロボットは沈黙する。
「確かこれは1Pだったな。多分、前半はどこへ行っても1Pしかいないはず。この感じなら1段階の強化でも十二分に通じる!」
そう言うとすぐに再び駆け出して、ポイントを集めに行く。
時間がたち、残り2分の宣言が来る。
「強化ストライク!!!」
生命の強烈な右ストレートでロボットは壊れて動かなくなる。
「ふぅ…、これで28Pか。足りないな…高得点の奴らが思ったより固い。」
そう言いながら次に1Pのロボットを左足で蹴り砕く。
次の瞬間地震のような地鳴りが辺りに木霊する。
受験者全員がそれがなんなのかを確認しようとする。
するとその原因が目の前へと姿を表す。
「うそ…だろ?」
それはあまりにも巨大な
「こ、こんなんありかよ!?」
「倒すこともって…逃げる1択じゃんか!!!」
受験生も慌ただしく逃げ始める。
当たり前だ。
こんなのにまともに相対して勝てるわけがない。
生命もそれを理解していたがゆえにすぐに逃げ出そうとする。
が、そんなときにあることを感じとる。
(…!!少し弱めな生命力が…0Pのそばに!?)
すぐに振り返るとそこには倒れこんだ一人の女の子がいた。
原因は分からないが動けないでいるようだ。
(いまここであの子を助けなきゃ、死んじゃうかもしれない…でも、ポイントを取らなきゃ…奴は0Pだ…倒せたとしても。)
迷いが生まれる。
彼のポイントは決して高いわけではない。
その数分でもポイントを稼がなければ落ちてしまうかもしれない。
が、
「死なせて…たまるか!!」
生命は今日イチの速さで0Pに向かって飛び出していく。
すぐに少女のもとへとたどり着き状況を確認する。
すると少女の片足に岩が乗っていて、逃げられない状況になっていた。
「少し痛いかもしれないけど我慢してね。」
そう言いながら、岩に向かって構えを取る。
「オーバーヒートスパイク!!!」
【ドガギッ!!!】
岩は大きく吹き飛ばされて少女が動けるようになる。
しかし0Pとも二人のすぐそばまで来ていた。
逃げ出した少年や少女がなにかを生命たちに向かって叫んでいるのは分かるがそんなことを気にしている暇はなかった。
生命は歩けないであろう少女を抱えてすぐにその場から逃げ出す。
数秒もしないうちに少女のいた場所は0Pに踏み潰される。
(…この人の体…熱い。)
0Pから逃げながら生命は少女に聞く。
「歩けそう?」
「ごっごめんなさい…。ちょっと足が痛い…。」
それを聞くと生命は優しく微笑みながら、
「分かった。しっかり捕まっててね!」
そう答えた。
0Pの手が逃げ遅れた生命に伸びていく。
がその巨大さゆえに動きは遅く、躱すことは簡単だった。
が、
(この女の子を抱えたままはロボットを倒すのは無理だ…というか、そんなこと意識してたから0Pに潰される!!)
遅いとはいえその攻撃範囲は広く油断はできなかった。
生命のスピードは少女を抱えているにも関わらずら、もう逃げている集団に追い付いていた。
しかしそのタイミングで声が響き渡る。
「しゅ~~~~~りょ~~~~~~❗️❗️」
「!!!」
その声が響いた瞬間に0Pの活動が停止される。
生命や他の逃げていた人たちも動きを止める。
終わった。
二次試験が終わったのだ。
その事実を理解した瞬間体から力が抜けそうになる。
が少女を落とすわけにはいかずにグッとこらえる。
そして、少女をゆっくりと下ろす。
「大丈夫かい?」
そう声をかけながら少女の目線に合わせるようにしゃがみこむ。
「えっと…ありがとうございます。お陰で助かりました。」
そう俯きながらも答えた。
その言葉を聞いて心のそこから安心した生命はやっとそこで力を抜く。
「君が無事ならよかったよ。お疲れ様。」
そう答えた。
少女がなにかを言おうとしていたがそんな時、
「怪我した人はおらんかね~?」
と声が聞こえてきた。
この声には聞き覚えがある。
そして今必要としていた人だ。
「リカバリーガール!こっちに怪我人がいます!!」
生命はすぐにその声の主を呼び止める。
するとやってきたのは小さなおばあさんだった。
リカバリーガール。
雄英高校の看護を担当していて、個性の治癒によって怪我を直してくれる先生だ。
その方法が少し
少女の足の怪我もリカバリーガールのお陰で治っていた。
「「ありがとうございます!」」
生命と少女の二人でお礼を言うと、リカバリーガールは笑顔で去っていった。
恐らく他の会場にも言ったのだろう。
少女が再び顔を上げて生命を向き直ろうとしたとき、既に生命はいなかった。
少しでも速くその場を離れたかった。
落ちた。
そう思えてならなかった。
どう考えても29Pでは実技を突破できるとは思えなかった。
それだけが頭を占拠していた。
「ただいま…。」
家につき、親に挨拶をする。
「お帰りなさい。」
「お帰り。」
と両親が挨拶をしてくれるがそれを聞くだけの余裕が生命新には残ってなかった。
すぐに自室へと向かいベットに仰向けで倒れこむ。
その日の夜はずっと泣いているようだったのが部屋のそとにいた両親にも分かった。
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「新、雄英から手紙よ。」
母がそう言いながら新に手紙を手渡す。
見るのが怖いと感じながらも、僅かな奇跡に可能性を信じてその手紙を開く。
するとそこにあるのは丸い小さな機械だった。
そこから映像が写し出される。
「私がきた!!!」
「オール…マイト…なんで!?」
そこに写し出されたのは我らがNo.1ヒーロー【オールマイト】の姿だった。
「実は私は今年からこの雄英の先生になるんだ!!」
衝撃的な事実を前にフリーズ。
だがこの感動は受かっていたならばの話。
いまの新の心は余計に沈むだけだ。
「筆記試験はギリギリだけど合格!本当にギリギリだったけどね!」
(筆記試験通ったのか…実技が絶望的すぎてすっかり忘れてた。)
「次に実技試験だけど、君のポイントは29Pで47位。今回の入学の人数は36名だから、君はアウトだ。」
改めて突きつけられる不合格と言う現実。
心が折れて再び泣きそうになるのを必死でこられる。
(オールマイトがいるのに…泣いてる姿なんて晒せるか…!!)
「それだけならね?」
(それ…だけ?)
絶望に打ちのめされた心にほんの僅かな光が灯る。
「人助け。正しいことをした人間を排斥しちまうヒーロー科があってたまるかって話だ!」
言っている意味が分からなかった。
唯一理解できたのは、
(まだ、希望があったのか!?)
「綺麗事?上等!命賭けて綺麗事実践するのがお仕事さ!!」
「レスキューポイント!!」
「君は、まだ得点を取れたかもしれないのにも関わらず、目の前の少女の命を救った。得点など気にも止めずにね!」
(そうか…間違ってなかったのか…!)
「雄英が見ていたもう一つの基礎能力!!そしてこれは審査によって決まる!!」
(あのときの判断は…あの少女の手を取ったことは…間違えなんかじゃなかった…!!)
「生命新!レスキューポイント!!52ポイント!!!」
「そんな…ことが…。」
「合格だってさ…。こいよ、生命少年…!!」
こちらに
合格だと言ってくれた。
あの絶望は無駄じゃなかった。
あの少女を助けたことに意味はあった。
いや、あの少女の手を取ったからこそ、その場にいることができる。
「あう…ぐっ…っ!!」
泣きそうになるのを必死でこらえながらこう叫ぶ。
「はいっ!!!!!」
気まぐれ投稿です。
生命新の個性は次の話くらいにでも分かります。
焦らずに見ていただけると幸いです。