【僕のヒーローアカデミア】No.1ヒーローの元ライバル 作:高月 弾
それとも、自己紹介とか実はしててそのときに既に終わってた?
「おい、デク…今のは一体どういうことだあぁあ!!?」
爆豪が緑谷に向かって爆破の個性を発動させながら突撃していく。
緑谷はすぐに逃げようとするがスピードで爆豪に勝てるはずがなかった。
あわや衝突するという直前で爆豪の体を相澤先生のマフラー(?)が絡み付く。
「おい…あんまり個性使わせるなよ…。オレはドライアイなんだ!!!」
(つ、強い個性なのにもったいない…。)
爆豪が緑谷に向かって突撃したくなるのも無理はない。
爆豪と緑谷は小さい頃からの幼馴染みでいわゆる腐れ縁という奴だった。
だからこそ色々いざこざがあったり、していたらしく入学前にもひと悶着あったらしい。
この2人の問題はまた少し先の話になる。
6種目長座前屈
この種目ではすごい記録を出す人物が3人いた。
またも登場の障子。
彼は個性の複製腕を使い、普通では延びない距離まで腕を伸ばしていた。
まさに種目に対する個性の適正が高いといったところだ。
次に蛙吹。
彼女も個性である蛙の特徴、長い舌を伸ばしてトップの記録を叩き出している。
そしてもう一人は、
「八百万さん…さっきから創造で恐ろしい記録ばかり出している。」
先ほどから全ての種目でダントツトップの記録を出し続けている生徒だ。
その理由はなんと言ってもその個性。
(…創造。個性ありのこのテストにおいて恐らく隙はないだろう。スピード、飛翔なら乗り物を作ればいい、握力だって工具を作れば最強だ。…正直チート過ぎる。)
恐らく、いや間違いなく
もしかしたら残り2種目無視しても一位をとれるかもしれない…。
7種目上体起こし
結果から言うと、ここで特に秀でた成績を残すことが出来たのは八百万と
尾白はその強靭な尻尾を使い、高速上体起こしを可能としていた。
皆個性的に上体起こしに応用できるような個性が少なかったようだ。
それゆえに生命は唯一上体起こしでクラス全体の中で3位という高い結果を残すことが出来た。
対する緑谷は、手の痛みもあってか悪い成績ではないものの好成績を納めることはできていなかった。
8種目(ラスト)持久走
もちろん八百万独走。
バイクなんて使われたら一体誰が勝てるのだろうか?
いない。
だからこそ独走なのだ。
その後ろから
個性である地面に氷を作って加速し、とてつもない速さをキープしてゴールした。
言ってしまえば滑っているだけなのでほとんどスタミナを消費していない。
(氷の個性か。ソフトボール投げのときは凄い氷塊を作り出してたけど、かなり細かい調整が効くみたいだな…。使いなれてる。)
そう感じながらも生命も5着目にゴールする。
走る競技であるため飯田がダントツかとも思ったが、意外にも3位という結果だった。
どうやらエンジンを更かしすぎてエンストぎみになってしまっていたらしい。
そして緑谷はと言うと…
「はぁ…はぁ…。」
最下位でのゴールとなってしまった。
ゴールと同時に倒れ込む緑谷。
正直、最後の持久走が最下位だったのはテストの点数的にもメンタル的にも痛い打撃となっていた。
(くっそぉ、動けるとは言え痛みで全力を出しきれてなかった…持久走以外は最下位でなかったけど…それでも…!!)
「さてと、それでは結果発表といこうか。」
先生のスマホから結果が空中に投影される。
1位は言わずもがな。
2位は轟、3位爆豪、4位飯田、5位常闇と、トップ5はこのメンツになっていた。
(オレは…7位か。まぁ妥当なラインなのかな?)
生命はそう思いつつも、目線を最下位のマスへと向ける。
果たして誰なのか…。
【20位 緑谷出久】
「そんな…。」
(最下位は…)
(除籍…!!)
痛む指など気にせずに拳を握りしめる緑谷。
除籍。
その言葉が重くのし掛かる。
せっかくスタートラインに立たせてもらったのに、そのチャンスをくれたのにそれをいかすことが出来なかった。
悔しさで胸が一杯になり涙が流れそうになる。
そんなとき、
「あっ、ちなみに除籍は嘘な。」
これまた飛んでもない言葉が飛んでくる。
クラスの大多数が目を丸くして相澤先生を見つめる。
すると相澤先生はいたずらな笑みを浮かべながらこういった。
「君らの個性を最大限引き出す合理的な虚偽。」
悪い笑みだ。
最悪な悪い笑みだ。
だが語られた内容は最悪な内容ではなく、むしろ最高の内容と言えるものだった。
(除籍が…嘘?虚偽?)
「「「ぇぇぇぇぇぇえええええ!!!?!?」」」
緑谷が心のそこから驚いたように真っ白になる。
(そりゃあそうなるわ。)
「あんなの嘘に決まってるじゃない。ちょっと考えればわかることですわ。」
(いや…雄英ならやりかねないと恐れてたオレがバカみたいになるからそんなこと言わないでくれ!!)
クラスの緊張感がほぐれようやく柔らかな雰囲気へと変わる。
相澤先生は教室にあるプリント等にしっかり目を通すように伝えると一足先に校舎へと戻っていく。
その際に緑谷に保健室の利用書類を手渡し、リカバリーガールのもとへ行くようにと伝えていた。
緑谷の指は大きく腫れ上がってい、どう見ても指が折れているようにしか見えなかった。
(…。個性の調整が出来ないとは言え、普通あんな反動を受けるか?)
そう疑問に思いながらも生命は緑谷のそばにいき、保健室の付き添いを進言した。
緑谷は最初は断っていたものの、指の腫れが尋常じゃないと指摘されると言葉を濁して言い返さなくなった。
「本当に痛そうだね、その指。大丈夫?」
「えっと…まぁなんとか。」
保健室に向かいながら緑谷と生命は今日の出来事について会話していた。
「取り敢えず除籍の話が嘘だとわかって安心したよ。」
「ほ、本当だよ…もう死ぬんじゃないかと思うくらい怖かったよ。」
「そうだよな、お疲れ様。っとその指少し貸して?」
「え?」
突然怪我した方の手の首をつかむ。
そして軽く指に触れる。
すると緑谷の指になにか暖かいものが流れ込んでくるのがわかった。
暖かさが増していくと反比例するかのように痛みが引いていくのがわかる。
「生命くん、これって…?」
「これはオレの生命力を緑谷に分けてるのさ。そしてそれによって治癒力を上げたり、痛みを和らげてる。」
そう言って手を離す。
緑谷の指は腫れこそ引いていなかったが、動かさなければほとんど痛みを感じなくなっていた。
「凄い…ありがとう!」
「まぁちゃんとリカバリーガールに治療してもらわないとならないから気休め程度だけどね。」
そう言いながら笑顔を向ける。
緑谷も生命の優しさに対して満面の笑みを浮かべて感謝する。
そうこうしているうちに、保健室に着きリカバリーガールに
2人が教室に戻ると皆は既に荷物をまとめて帰る準備をしていた。
緑谷が教室に入ると、真っ先に麗日と飯田がこちらに向かってきた。
「緑谷デクくん!大丈夫?」
「緑谷くん。大丈夫か?」
「デク!?」
(いきなりひどい言われようだな。緑谷。)
3人の会話が始まりそうだったので生命は緑谷から離れて自分の席に向かう。
そしてメモ用紙を取り出すとクラスメートの全員に話を聞き始める。
「えっと…八百万さんだよね?君の個性は【創造】であってるかな?」
「ええ、そうですわ。八百万百といいます。あなたは…?」
「オレは生命新。よろしくね。」
自己紹介も予て色んな人の個性を聞いていく。
自分で推測した個性はあっているかの確認。
知らなかったものは直接聞きに行く。
「君は、常闇くんだよね?」
「あぁ、
「よろしく!ところで君の個性は一体なんなんだい?見たことのない影の個性だ。」
そう言いながら常闇の腹部に視線を向ける。
常闇は先ほどのテストの5位に入った実力者だ。
その個性はあまりにも特異的で見たことが全くない個性だった。
「オレの個性は【ダークシャドウ】この影のような存在を自在に操ることが出来る。」
【オウヨ!ヨロシクナ!】
「しゃ、しゃべる個性なのか!?凄いな…!」
まさに2人で1つ。
そんな個性が存在することに驚きと興奮を押さえきれない生命。
そして同時に5位にまで上り詰められることにも納得できた。
先に帰ってしまったのか、爆豪と轟の姿が見えなかったため、挨拶等ができなかったが緑谷、麗日、飯田を除いたクラスの全員とは話、個性を聞くことが出来た。
(さすがトップ校。個性も強い奴や面白い奴がたくさんいる。参考になるな!)
そのメモ用紙に書き連ねて、別れの挨拶をした。
そして例の三人のもとへいくとちょうど会話に一区切りが着いていたようだった。
「3人とも、今日はお疲れ様。」
「あぁ、お疲れ様。生命くん。」
「お疲れ、生命くん!」
「お疲れ様…えっと?」
2人は生命のことを知っているが唯一麗日さんだけが生命のことを把握していなかった。
最初の挨拶のときは緑谷と話していて、話す機会がなかったことを思い出す。
「そう言えば自己紹介がまだだったね。オレは生命新。よろしくね。」
「私は
お互いに自己紹介をしながら握手を交わす。
それを緑谷が顔を真っ赤にしながら見ていた気がしたが果たしてなぜなのか?
「そうそう、三人の個性についても聞きたくって。飯田くんはエンジンの個性であってるかな?」
「あぁ!俺の個性はエンジン!わかりやすいと思うが、走るのとかはもちろん蹴りも結構自信があるんだ!」
(なるほど、エンジンの出力を利用して放つ蹴りか…確かに高威力になりそうだ。)
「麗日さんは、重力操作系の個性だよね?」
「あ、それ僕も気になってたんだ!麗日さんの個性、∞出してて凄いなって!」
「えへへ、ありがとうデクくん。私の個性はゼログラビティって言って指で触れたものを浮かすことが出来るんだ。」
(なるほど、無重力に近い個性か。…あとなぜデクのまま?)
「それじゃあ…緑谷くんの個性は…。強化系?それとも増幅系?正直いまいち分かってなくてね。」
正直、生命が一番気になっていたのは緑谷の個性だった。
扱いなれていないとしても自らがあれだけの重傷を負うほどのパワー。
あまりにもバランスがとれていなさすぎる。それはまるで、
「個性を扱うのが初めてみたいな感じがしてさ。」
「!!?」
緑谷の心臓が早鐘のように打つ。
なぜならそれは事実だからである。
緑谷の個性は生まれてから自らの力で発現させたものではなく、他人から譲渡されたもの。
それゆえに個性を発動させたのは今日を含めてまだ二度だけだった。
だがこれは悟られてはいけない事実だった。
彼を夢のスタートラインに立たせてくれた恩人との約束。
それを破るわけにはいかなかった。
「実は、あんまりにもパワーが強くて、制御できないからほとんど使ってこなかったんだ!」
「なるほど、まだまだ個性の使用に不馴れなのはそういった問題があったのか。」
「確かにデクくんのパワースッゴいもんね!」
「…なるほど。」
皆の様子を見てひと安心する。
取り敢えずはなんとかごまかすことが出来たようだ。
そんな会話をしながら、緑谷達は駅まで歩いていき、そこで解散をした。
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次の日。
次の日から本格的に学校が始まっていく。
午前中は普通科と同じように、基礎学力を養う教科の勉強。
生命は勉強をしつつ別のことも行う。
(…あの様子だと、上鳴は勉強が苦手そうだなぁ。芦戸もかな。八百万さんはさすが推薦入学者。学力もトップクラスってことか。)
と、人間観察を行っていた。
そして昼食を食べたあと、いよいよヒーロー科の生徒として行う最初の必須科目。
【ヒーロー基礎学】
「私が~普通にドアからきたぁ!!!」
「「「おぉ…!!オールマイト!」」」
オールマイトの登場にA組全員が声を上げる。
それもそのはず。
今目の前にいるオールマイトはヒーローの中のヒーロー、No.1の称号を持つ正真正銘最高のヒーローだからだ。
そのNo.1ヒーローが今目の前に立っており、これから自分達に指導をしてくれる。
こんなに嬉しいことはきっとないだろう。
生徒各々が
そんなことなどきにせずにオールマイトは授業を始めていく。
「私が担当するのはヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため、様々な訓練を行う科目だ。勿論、単位数も最も多い!早速だが、今日は戦闘訓練だ!!」
その言葉にクラスの数名が目を滾らせる。
闘争心があることはいいことだが、純粋にいい意味とは捉えられない人も何人かいそうだった。
「そして君たちにはこれを渡そう!入学に伴い、我々におくってもらった個性表!そして、それに見合ったコスチュームだ!」
「「「おぉぉおぉおぉぉぉぉぉおおお!!!」」」
コスチュームがもう完成しているのか!とクラス全員が盛り上がる。
「各自着替えたら、グラウンドβに集まるんだ。」
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「形からはいるのも大切なことだぜ、少年少女。そして自覚することだ、今日から君たちはヒーローなんだってことに!!!」
それぞれが自分の個性を存分に扱えるように依頼を出して作られたコスチューム。
それぞれが最もいいと感じたものがそこにはつまっている。
生命のコスチュームは動きやすさを重視した道着のような姿で腰には様々なものが携帯できるよう大きめのポーチがつけられていた。
「さぁ、始めるぞ!有精卵ども!!」
今回は戦闘訓練前で切れてしまいました。
まぁ、切りも悪くないと思うのでちょうどいい…ですよね?
ついに始まる実践的訓練。
個性のまだ扱いなれていない緑谷は無事に乗り越えることが出来るのか?
まだ出会って間もない
さらに向こうへ!Plus Ultra!!!