総武高校生徒のある人物に兄弟姉妹がいるのはまちがっている。 作:銅英雄
兄弟姉妹……。それは千葉ならば互いに支えあい、苦楽を共に生きていく。その絆は夫婦や親子よりも大きいだろう。
かくいう俺も小町と苦楽を……あれ?主に苦の部分俺にしか来てなくない?まぁそれで小町を少しでも楽させてやれるなら……!
「俺は小町の為なら幾らでも苦の人生を進む」
「この男は何を言っているのかしら……」
「あはは……。ヒッキーのシスコンっぷりも相変わらずだよね」
「決め顔で言っても全然決まってないですよ先輩」
俺の呟きは三者三様に流された。
「……っつーかなんで一色が此処にいるんだよ。生徒会の仕事はどうした?」
「今日はもう終わりました~」
「ならサッカー部行けよ……」
「まぁまぁ、いろはちゃんもたまにはゆっくりしていきなよ」
一色はほぼ毎日此処でゆっくりしてるだろうが……。
コンコンコン。
あん?依頼人か……?
「どうぞ」
「失礼致します」
入ってきたのは女子だった。
「此処が奉仕部で宜しいでしょうか?」
「ええ、此処が奉仕部よ。貴女は……?」
雪ノ下が知らないという事は小町と同じく今年入ってきた新入生か?或いは俺や材木座のようなタイプの人種かもな……。
女子生徒を見ると銀髪をポニテにしていて、小柄ながらも堂々としていて貫禄がある。
「比企谷君?女生徒を視姦とは……。今警察を呼ぶわね」
「ヒッキーサイテー!」
「先輩……」
雪ノ下からは通報されそうになり、由比ヶ浜からサイテーと言われ、一色からは蔑まれた目で見られる。俺が何をしたと言うんだ……。
「……比企谷?もしや貴方が比企谷八幡さんでいらっしゃいますか?」
「あ、ああ……」
女生徒は俺を見て目を輝かせた。しかも俺の手を握ってくる。えっ?なんで?
「お噂は聞いておりました。比企谷さんなら……!」
「ちょ、ちょっと待って!」
「どうかしましたか?」
由比ヶ浜が女生徒に静止をかけるが、当の本人は俺の手を握ったままきょとんとしている。なんだよその表情可愛いかよ。
「あの、えっと、どうしてヒッキーの手を握っているのかな~?なんて……」
「そうですよ!先輩の手を握るのは後輩のわたしの役目です!」
「どさくさ紛れに何を言っているのかしら?一色さん?」
「ひえっ……」
雪ノ下に睨まれた一色は蛇に睨まれた蛙みたいになっている。
「……一色生徒会長の言い分が正確ならば、学年的に私も比企谷さんの後輩に当てはまるのでは?」
「はっ……!」
いや、何を墓穴掘ったみたいな顔してるんだよ。あと君はいい加減俺の手を離してくれるとありがたいんだが……?
女生徒も戸惑っている俺を見て手を離す。しかし独特な喋り方だな……。
「とはいえ突然失礼しました比企谷さん……いえ、これからは比企谷先輩と呼ばせて頂きます!」
「あ、ああ……。それは良いんだが、おまえは……?」
「申し遅れました。私は今年度から総武高校に入学した新入生で名前は……」
ガラッ!
「はっはっはっ!八幡!!」
女生徒が名乗ろうとすると喧しい声が聞こえたので、見てみると材木座が入ってきた。うぜぇ……。
揃いも揃って材木座を生ゴミを見るような目で見ている。女生徒に至っては呆れ混じりで溜め息をしている。材木座の知り合いなのか……?
「……何の用だ材木座。悪いが今は依頼人が来ているから、今すぐ帰れ」
「何を言うか八幡!今度こそ我の自信作が出来たのだ!これで声優さんとの結婚間違いなしだ!!折角だから相棒にもその自信作を見せてやろうと……」
ドガッ!
え……?今女生徒が材木座を蹴飛ばしたんだが?雪ノ下も由比ヶ浜も一色も目を点にしているんだが?俺も目が点だよ。
「……貴様はまだ比企谷先輩にあの紙屑を読ませているのか?毎度毎度自信作だとほざいては駄目出しをくらっている癖に」
「き、貴様は材木座義昭(よしあき)!!」
「大声で私の名前を呼ぶな!!」
さっきまでの温厚そうな感じとは正反対で冷酷な表情で材木座を睨む。ん……?材木座?
「こほん……!失礼致しました。改めて材木座義昭と申します。先程の光景からある程度は察しているかと思いますが、そこにいる材木座義輝の妹にあたります」
は?
『えっ!?』
雪ノ下達は女生徒の正体に驚きの声をあげるが、そのまま話し続ける。
「奉仕部の皆さん……特に比企谷先輩には底の愚兄が大変お世話になっていると思います」
「お、おう……」
「比企谷先輩と出会った後の愚兄は毎晩毎晩電話やLINEでやれ八幡が、やれ相棒がと鬱陶しいくらい聞いていました。そんな比企谷先輩に会えて光栄です!」
「そ、そうか……」
やばい!材木座妹が物凄いキラキラした目で俺を見ている。なんか浄化されそう……。
「あ、あの、八幡……?」
「まだいたのか愚兄め……。今日は私が比企谷先輩と話しているのだ。ちり紙ならまた後日で良かろう?」
「断る!我は早く八幡に……!」
「聞こえなかったのか……?私が怒る前にとっとと失せろ!!」
「は、はい~!」
材木座妹の迫力に負けて材木座は勢い良く走り去った。哀れ材木座……。同情はしないけど。
「……度々お見苦しいところをすみません」
「い、いえ、大丈夫よ……」
あの雪ノ下が若干びびってる……。まぁ無理もないか。俺も怖かったし、由比ヶ浜と一色なんて雪ノ下の後ろで怯えてるもんな。
「そ、それで材木座さんは何か依頼があるのかしら……?」
「そうですね……。強いて言うならば比企谷先輩と話しをしてみたい……というのが依頼になるかもしれませんが、依頼の内容を変えたいと思います」
「依頼の内容を変える……?」
なんだろうか……?
「兄の様子を見る限りだと度々奉仕部に……というよりは比企谷先輩に絡んできているのでしょう?」
「……そうね。彼の担当は比企谷君に一任しているわね」
「ちゅうにの相手はヒッキーにしかできないよ」
「ですです!」
「おい、俺を材木座担当みたいに言うのはやめろ。今日は妹さんが来ているんだぞ」
「いえ、私の事は気になさらず……。兄が散々比企谷先輩達にご迷惑をかけているのはさっきの光景で見てわかります」
材木座妹は遠い目をして溜め息を吐いた。
「……ですが、あんなのでもたった1人の兄なんです。これからもご迷惑をかけると思いますが、これからも兄をよろしくお願いします」
そう言って材木座妹は深く頭を下げた。
「……ああ、わかったよ」
彼女も千葉の妹なのだろう。足蹴にしながらも嫌いにはなれない。本当に兄を大切にしているのが見ていて伝わる。
「それでは本日はご迷惑をかけて申し訳ありませんでした」
もう1度深く頭を下げて彼女は退室した。
「……すごい子だったね~」
「……わたしあの子の怒鳴り声が怖かったですよ。あれで年下の女子なんですね。身長は小学校中学年くらいなのに」
「おまえそれを絶対に本人の前では言うなよ?材木座みたいに怒鳴られるぞ」
……この時の俺達はまだわかっていなかった。これを皮切りに妹だけじゃなく弟や兄、姉が続々とこの奉仕部に訪れる事を、そして奉仕部が混沌に巻き込まれる事を……!
新作の主人公は……?実装されたら少し設定変えます
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材木座義昭
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相模雄一
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氷上水乃