かっちゃん登場です^^
長くなりそうなど分けました。
出久の気と全集中の呼吸法は、日々の鍛錬のおかげかその練度を増していた。
全集中呼吸法をマスターした頃から、ヒーロー真っ青な鍛練になったが、お爺ちゃんすら【努力の鬼】【信念の超人】と言わしめたほどで
いくら全集中の呼吸の常中をマスターしたと言え、数日に一度は、基礎訓練のみで休ませる休息日をお爺ちゃんが無理矢理取らせるほどだった。
そんな中、気による気配感知と周囲への観察力、空間把握能力が急速に高くなっている様子が見られる。
これは、意外にも学校での追い駆けっこが役に立っていた。
廊下を全力疾走をするときには、人とぶつからない様にまた、教室や曲がり角、階段などの死角から突然誰か出てくることもあり得るからだ。
常に気を練り、現状で感じ取れる最大範囲の気の流れを読み持ち前の観察力と合わせ周囲を把握しながら逃げているからだ。
また、なかなか捕まらない出久に業を煮やして背後からボールや放出系の個性を飛ばしてくる者もいる。
それを躱すか、射線上に他の生徒や壊れそうなものがある場合は、キャッチしたり弾いたりと一瞬で判断しなければならない。
一人で裏山を走りながら周囲を観察するよりもよほどいい訓練になっていた。
今では、背後から投げられたボールを振り向かずにキャッチできるほどになっていた。
今日も8人ほどの男子生徒を振り切り一息ついた出久に
「テメェクソデク!!3回連続で、俺から逃げ切ったからっていい気になってんじゃねぇぞゴラァ!!」
そう怒鳴りながら、大股で出久に向かって歩いていくのは、ベージュの髪を逆立て、赤い目に三白眼の少年…爆豪勝己だ。
「かっちゃん、別にいい気にもなってないし…追いつかれてる事のほうが多いんだけど…」
「やかましい!! 無個性に連続で逃げられてんだ、今日は、ゼッテェーひっ捕まえる」
今日日、田舎でも行かなければ見ないような、見事なメンチを切りながらそう言ってくる爆豪の様子を後ろに下がりなが出久は観察していた。
……かっちゃん、何で裸足なんだ?
出久が、気がついたのは爆豪が裸足であることだった。
小学生が、履くスニーカーはクッション性も高く衝撃を吸収してくれるので運動をする場合は裸足より履いたほうが良いはずなのだが…
かっちゃんが、意味もなく裸足になるわけが無いはず…まさか!?
出久が、自分の勘を信じてジャンプすると同時にその下を猛スピードで爆豪が通過する。…両手の手のひら・両足の足の裏で連続の小爆破させながら文字通り飛んできたのだ。
ジャンプし2階のベランダ縁に捕まりながらそのスピードに思わず
「速い!!」と驚き呟いてしまう。
今までは、両手で爆裂飛行だったけど両足も同時に爆発することで速度を上げたのか…双発エンジンの飛行機が4発エンジンのを積んようなものだと思えばいいんだろうか
しかも手や足といった可動域の大きい部位なのだ、今まで2箇所(両手のみ)でやっていた、姿勢制御や制動も4箇所でやるのだから運動性も格段に上がっている
「流石、かっちゃんだ、普通なら両手の爆破のコントロールだけでも大変なのに両手・両足の4箇所の爆破コントロールをただ飛行するだけでなく追尾飛行出来る精度でするなんて」
フィギュアスケートのジャンプのように両手足の爆破をうまく使い、くるりと向きを変える爆豪を見ながら2階のベランダ縁に体を引き上げ、同じように3階のベランダに縁に飛び移るとそのままベランダの縁を走りながら非常口を目指す。
「待ってって言ってんだろうがゴラァ!!」
爆豪は、怒鳴りながら空中という遮蔽物のない空間を一直線に出久に向かって飛んでいく。
出久は、ベランダに縁からベランダに飛び降りて爆豪を躱すと再びベランダの縁に飛び乗り4階ベランダ縁に向かいジャンプし縁を掴むとベランダの縁の壁を蹴り空中へ飛び出していく。
先程まで出久の居た場所に爆音を響かせ飛んできた爆豪が、出久の予想外の動きに驚く。空を飛べない人間が、4階からダイブしたようなものなのだから当然だろ…
「おい、クソデク!! 」と思わず慌てたような声を出しながら振り向くと
出久が、飛んだ先に校旗や国旗、祝日などに旭日旗などを掲げる…学校の屋上より高く伸びるポールがあった。
出久は、両手そのポールを掴むと消防隊員よろしく滑り降りていく。
その様子を見ながら爆豪は、肩を震わせながら
「クソデクがぁぁぁ!!、テメェは、武術じゃなくてパルクール習ってんのかぁぁぁ!!、絶てぇぇぇ逃さねぇぇからなぁぁ!!」
と叫びながら出久の逃げた方へと爆音を響かせ飛んでいくのであった
次で回想編は、多分終わりにあると思います。