遊戯王とバンドリの異産物 作:COM.A@美咲推し
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「みんなの服を洗濯するのは俺なんだよなぁ」
千聖と麻弥ちゃんに抱きしめられながら寝た次の日。俺はみんなの洗濯物を洗濯していた。服から下着から・・・。正直、俺からすればみんなは家族なのだ。決して、断じて異性として見ている訳では無い。
が、それでもどうしても目に入ってしまう色とりどりのモノに、顔を赤くせざるを得なかった。というか何故か日菜と紗夜姉さんに至ってはいつもの可愛い下着では無いという。
(・・・いやだからなんだよ)
無駄な考えは消してとりあえず洗濯を簡単にこなして行く。その次にはみんなが起きる前に朝ごはんの準備だ。
リビングに行く前に日菜の部屋、紗夜姉さんの部屋を確認する。
日菜の部屋は可愛い統一だ。そしてベッドと床にそれぞれ毛布が引いてあるもののみんなベッドの上で寝ている。彩が可哀想な事に下敷きに・・・。
一方の紗夜姉さんの部屋は真面目だ。Roseliaのメンバーもちゃんと寝ているようで何よりだ。一番早く起きてそうな姉さんとリサさんもゆっくりお休みしている。
「お兄ちゃん・・・スヤァ」
「聖・・・そこ・・・撫でて・・・」
・・・何か2名ほど変な妄想をしている人達がいるが無視して俺は部屋の扉をゆっくり閉める。
さて。朝は何を作ろうか。
簡単にもやしとお肉の炒めにでもしようと思ったがもやしがない。ふむ・・・ならアスパラ巻きにするか。
フライパンを取り出し、油を敷いて簡単に調理を始める。
アスパラの鮮度は多少落ちているが食べる分には問題ない。それにお肉と巻いている分野菜嫌いな人がいようと食べやすいだろう。というか無理矢理でも食べさせてやろうってのが俺の考えでもある。
友希那さんもあこちゃんも野菜嫌いそうな顔してるもんな。無理矢理でも食べさせてやろうと俺は悪人面で料理を作っていく。
「おはよー。美味しそうな匂いだね」
そこにやってきたのはリサ姉だ。ラフなパジャマが目を引き、さらには崩した着方をしているからそっちにも目が奪われてしまう。一言で言うなら綺麗だ。
「おはようございます。もう少しでできますよ」
「アスパラ?あこたち食べれるかな?」
「食べれるように調理してるんですよ」
そう言うとリサ姉は俺の近くまで寄ってきて、俺の背中に身体を当てながら首から手を回してくる。この人は・・・困った人だ。
「ねぇ。二人きりだし・・・さ」
「断ります」
「断る速度早くない?そんなこと言ってると彼女出来ないよ?」
「残念。彼女を作る予定なんてのは皆無ですよ」
彼女を作る気はないというか。釣り合わないというか。こんな可愛い人達が俺の彼女になるなんて考えたくもない。そもそも、この世界の人間ではない俺にその資格があるのだろうか。
ちょうどお肉が焼けてきた所で丁寧にお皿に盛り付け、朝ごはんの準備はこれで大体終わる。次はあの人たちを起こしてこなければ行けない。
「さて。寝坊しないようにあの人たちを起こしてきましょうか」
「いいね、なら友希那たちは私が起こしてくるよ」
「ええ。なら残りの人達は自分が起こしに行きます」
先に俺の部屋の阿呆二人を起こしに行く。千聖と麻弥ちゃんはぐっすり寝ている頃だろうか。もしくは起きかけてるか分からないが起こしに行くには何ら問題にはならない。
まず俺の部屋に着くと嫌な音が聞こえる。
まるでごそごそと何かを漁っているような、散策しているような。そんな音が聞こえる。
耐えることなく部屋のドアを開けると、そこには俺の布団に顔を突っ込んでいたアイドル(二人)が視界に入る。
「あっ・・・」
「せ、聖さん!?こ、これはちが・・・」
ピシャッ
何も見てない。俺は何も見ていない。
全く・・・想像していた予想を通り越して凄いことをするもんだと考えていた。千聖は予想していた通りだが、麻弥ちゃんまでやるなんて予想していなかった。俺はあまりのショックに頭を抱えることしか出来なかった。だがまぁ、起きているならいいや。
さてそれでは次、今度は日菜の部屋で寝ているアイドルたちを起こしに向かう。日菜の部屋はすぐ隣で、移動するには困らなかった。
「日菜ー」
「お兄ちゃん・・・?」
部屋の扉を開けると日菜たちは案の定寝ていた。彩はアイドルとは思えないパジャマで。イヴちゃんは起きてはいるものの、寝間着が何か間違えているものを着ている。まるでイヴちゃんだけ戦国時代だ。
肝心の日菜は少し寝ぼけているのか目を擦りながら身体を起こす。髪には寝癖がついていた。
「ご飯だよ。目が覚めたら来てね」
「うん・・・」
「聖さん!日本の朝ごはんは味噌汁ですか!?」
眠たそうな日菜とは対照的に、イヴちゃんは朝からグイグイ俺に寄ってくる。キラキラとした眼差しは朝なのか、少し眩しく感じた。
「そうだね。味噌汁もあるし。ちょっとしたおまけをつけたから楽しみにね」
元気があるイヴちゃんはそのままリビングまで歩いていく。日菜は朝なのか少し寝ぼけながら歩いていく・・・珍しいな。いつもは朝から元気があるのに。そしてもう一人・・・。
俺の視線の先。ピンク色の髪の毛の女の子は気持ちよさそうに寝ていた。今でも寝言を唱えながら寝ている。
「気持ちよさそうだな」
「・・・彩ちゃんは可愛いから許されるのです!」
ハイハイそうですね。心でそう唱えながら今日という休日は始まる。
「あっ・・・俺の朝飯作ってない・・・」
ちなみに俺は大の野菜嫌いである。
――――――――――――
パスパレは練習の為、朝ごはんを食べ終わったら即帰宅してくれた。日菜は嫌そうにしていたが仕事は仕事だ。きっちりとこなして欲しい。
Roseliaのみんなは午後から練習するみたいなので朝はとりあえず姉さんと共にこの家に残るみたいだ。みんなきっちり服は来てるしこれはこれでなんかお嬢様方を見ているみたいだ。俺はこの場にはいない方がいいかもしれない。
「あら。どこに行こうとするのかしら」
部屋から出ようとしたところをRoseliaの一番お嬢様の湊友希那さんが俺の肩を掴んで止めてくる。優しい笑顔を向けてくるが俺にはこの笑顔が恐怖そのものでしか見ることが出来ない。後ろにいるRoseliaメンバーも似たような笑顔を見せてくるがごめん。どう見ても獲物を見る目にしか見えないんだよなぁ。
「どうしたんです?そんなに綺麗な笑顔見せて」
「あら。自分でわかるでしょ?さぁ、私たちを満足させて?」
うん。今日は胃薬を用意しておこう。そう思った時には既に遅く。俺は彼女たちの方へ引っ張られていった。
――――――――――――
「いらっしゃ・・・聖くん?」
「なんでしょう」
「何かに襲われたかい?」
「・・・放っておいてください」
お昼時、俺は軽いご飯を持って商店街のカードショップまできていた。あの後、結局Roseliaのメンバーにあれやこれやとやられて恥ずかしい思いだ。流石にもう思い出したくないほどトラウマを植え付けられた。
ちなみに今はデッキ調整をしている。店長オススメのカードたちと睨み合いっ子しながら細工を施すもののやはり難しい。トラップカードは数が多くてもアレだし、魔法カードもあんまり使わないデッキだからな。いきなり使えと言われても使えない時があるかもしれない。これがデッキ作る上で難しいことかもしれない。
しかし、店長のおかげでエクストラデッキは潤う。元々カードが少なかったからか。色んなモンスターカードを持ってくるのだけは助かる。
「大会は出れそうか?」
「明日の午後ですよね?大丈夫ですよ。その頃には学校も終わってると思います」
明日の午後、夜弥との決着が着けれる。その事を考えながらデッキ調整をしていた。夜弥の使うモンスターの全てが見れた訳では無いが、それでも戦うことだけは避けられなくなった。その理由となった痣は、今はその姿を消している。
・・・白い翼と黒い翼の痣。相反するように俺たちに植え付けられた痣は何を意味するのか、未だに分からなかった。元の世界の記憶を探るが・・・答えは一向に出でこない。が、一つだけ思い当たる節がある。
「・・・シグナー・・・か」
シグナー。遊戯王 5D’sで出てきたもので、別名「赤き龍の化身」で、その名前の通り赤き龍の痣を持つものたちのことを指すだそうだ。
5000年周期でダークシグナーと戦うもの達だそうだが、5000年・・・気の遠くなるような数字が俺の頭に疑問を残す。
5000年。もしこの世界がそのシグナーたちの戦いから5000年過ぎているのであればこの世界に再びダークシグナーが現れることになる。が、それは赤き龍の化身の話である。俺たちの腕に現れたのはそれぞれの龍を指すような色の痣。果たしてこれが赤き龍と関係があるのだろうか。
・・・考えるのは止めよう。そう思い、俺は一枚のカードをデッキの一番表にに持ってくる。「光翼聖竜シャイニング・ドラゴン」のカード。俺には・・・これだけあれば・・・。
「あっ。先輩」
「ぶへっ!?み、美竹!?」
「私もいるよ〜?」
突然馴染んだ声に俺は少しビビってしまう。いつの間に俺の後ろに美竹蘭と青葉モカが来ていた。そしてモカの手には相変わらずのパンが・・・。
ちなみに二人だけではなく巴、ひまり、つぐみのAfterglowが全員いるというなかなかに珍しい?場面に遭遇した。いやまぁ俺が普段からこの五人に合わないだけなんだけどなんか久しぶりに会うとめちゃくちゃ感動するな。
「でもなんで皆がここに?」
「・・・いちゃダメですか」
「蘭ー!聖実はな!お前が見えたから来たんだよ!」
「はぇーすっごい」
要するに後を追ってきた訳ね。なるほどなるほど。んでどうして俺は美竹さんに嫌われてるんだ。俺が何をしたって言うんだ。親父さんとたまに将棋してるぐらいだぞ許せ。お父さん返すから許して。それじゃダメですかじゃあ今度ご飯でも作ってやるからすいません何でもしますから許してください。
「あれ?今なんでもするって」
「言ってません」
Afterglowの小悪魔担当の上原さんは気づいてしまったか。ちっ。感の良い奴は嫌いだよ!小娘!。
同じく小悪魔担当青葉はニヤニヤしながら美竹と俺を交互に見つめる。なんだよ。何が面白いんだよ俺も混ぜろよ!(ぼっち)
「聖さん!これ家の割引です!」
「羽沢さんありがとね。また今度日菜とお邪魔するよ」
この五人は独特過ぎてこの世界についていけない。まぁ俺のランキングではハロハピ→ポピパ→Roselia→アフグロ→パスパレの順で世界が理解し難い。特にハロハピなんかはもうめちゃくちゃだ。彼女の話を聞いているだけでも俺の頭が痛くなる。頭痛薬を飲んでも痛みが治まらないのは不思議なものだ。彼女たちの言葉には魔力でも含まれているのかな。
沈黙が流れる。まずいな会話が続かない。適切な会話を見つけようとしてもなかなかに彼女たちと話す機会がないから分からない。こんなことなら普段からコミュニケーション取っておくべきだったな。
そんな俺を置いて、店長は彼女たちに近寄る。
「誰」
「いやぁ。君たち、聖くんのことが〜?」
「・・・っ!?」
「ストップストップストーップ!ちょ!向こうで話そうな!な!!」
気がついたら店長と共にアフグロのメンバーも消えてた。あれ?どこいった?
―――――――――
「なんだいなんだい。図星かい?」
店長は五人の美少女に引っ張られながら、お店の端まで連れていかれる。蘭は頬を赤らめ、他のメンバーも赤らめているようだった。唯一、巴とモカだけが頬を赤らめてはおらず、巴は慌てているようだった。
それもそのはず。Afterglowのメンバーは、聖が大好きなのだから。
遡ること一年前。バンドを初めで数ヶ月の時、彼女たちはネットの掲示板で作詞作曲を引き受けていると噂のサイトを見つける。
それは少し前まで天才アーティストたちの有名な曲を手がけたとも言われる人物による個人サイトだった。手数料無しでお願い出来るもの。自分たちの演奏具合での改造も可。手軽にお願いして欲しいとの事だった。
彼女たちはそんなサイトを通して依頼を頼む。ついでに会ってお話もしたい。そういい待ち合わせの羽沢珈琲店で待っていた。
そこで来たのが聖である。彼女たちとあまり歳の変わらない少年が作っていることに驚愕した。
それから彼女たちの付き合いが始まる。たまに演奏に来てもらっては注意点や課題点を見つけ指摘してもらったり、一緒に楽器を選んだりした。
また、数々の問題にも付き合って貰った。各メンバー間の問題でも。ライブの突如とした問題でもだ。
彼女たちは聖に「どうしてここまでやってくれるの?」と尋ねる。そして彼から返ってきた答えは
「ん?俺が楽しいからいいよ」
文句の一つも言わず手伝ってくれた。しかし、蘭たちは未だに彼に恩を返せてはいない。一人一人なら恩を返せるかもしれないが、バンドとして恩を返したいのが私たちのケジメだ。
「ふうん。なるほどね・・・」
「それで?何かいい方法でもあるんですか」
「気持ちを伝えるには正直がいいんだが・・・ダメなんだろ?ならこれはどうだ?」
そう言い、店長から一つの手が差し出される。その手の上には遊戯王のデッキが乗っていた。その唐突な申し出に彼女たちも理解出来ずに固まってしまう。
「これは?」
「・・・彼はデュエルにご執心だ。なら気持ちを伝えるにはデュエルが一番いい!」
「・・・デュエル」
初めは断ってやろうかと思っていた・・・が、もしかしたら、聖に勝ち、蘭たちの思いを届けられるかもしれない。店長が言っているのはそういう事だ。僅かな可能性を見越しての発言。少なくとも店長の目は真っ直ぐに彼女たちを捕らえている。
巴や仲間に押し出され蘭はこのデッキを取る。このチャンスを逃したら、もしかしたらもう二度と聖とまともに関わることも無くなるかもしれない。そうならないうちに自分たちの思いを伝える。蘭の頭ではこの考えだけが固まっていた。
――――――――――――
聖はお店を後にする。結局あの後Afterglowのメンバーは謎の高揚感に駆られていて一部のメンバーがウキウキしていたのを覚えている。そして店長がまるで嫌味を言うように俺を見ながらニヤニヤしているのを覚えている。まぁ何も無かったからよいが。
Afterglowのメンバーにニヤニヤの正体を尋ねたかったがさっさと帰ってしまいその正体を聞くことが出来なかった。
氷川家に一回帰ることにする。家のポストを確認しながら俺は部屋の前まで足を進める。
・・・ふと、扉の下に目をやる。特に理由がある訳では無いが感覚で確認してしまう。が、そこには謎の封筒がまるで待っていたかのように刺さっていた。朝にはこんなものはなかった・・・。
「・・・イタズラか?あるいは」
とりあえず封筒はカバンに入れ、リビングへと顔を出す。しかし、誰もいない。次に姉さんの部屋に顔を出すが誰もいないのを確認する。
リビングの机をよく見ると上には紗夜姉さんの置き手紙「練習に行くので遅くなります」とだけ書いてあった。今頃お昼ご飯はポテトを食べに行っている頃だろう。昨日といい今日といい困った人だ。
これでお昼は完全にフリーになってしまった。俺は先程の封筒に目をやる。特に何の装飾がある訳でもない封筒は逆に俺の不信感を煽っていた。気になって中身を開けてみると案の定手紙、そして写真が入っていた。写真には羽沢珈琲店が写っていた。
手紙の内容は「この時間にこの場所で待ってます」との事だった。随分ベタな誘い方だなとは思いつつ、その警戒を解くことは無かった。
「・・・困ったな」
「お兄ちゃんーーー!」
突然の叫び声に反応が遅れた。手紙に集中していた俺は部屋に帰ってきていたもう一人の住人の存在を完全に忘れていた。さらには完全に反応が遅れて受け身の体勢が取れなかった。声の主はリビングに来るなり、俺の身体目掛け飛んでくる。
いきなり抱きつかれ、姿勢を維持できない俺はそのまま後ろに椅子ごと倒れ込む。大声を上げて飛んできたのは日菜だった。離れたのが寂しかったのかいつも以上に顔をスリスリさせてくる。
「ん?お兄ちゃん?」
「大丈夫だよ日菜。ちょっと夕方出るかな」
「えぇ〜!?また!?」
日菜が明らかに嫌そうにするが構ってられない。
この手紙・・・凄い嫌そうな匂いがするからな。