こんな駄作を生み出す作者なんかに応援してくれる読者様方に感謝感激です。
すごい久しぶりなのでなにか気になる事や違反になっていた部分があればどしどし言ってください。
―祝え!―
ノイズに囲まれた立花 響の頭上から、突如聞こえた何者かの声が工場内に響き渡る。
その声は工場内にいた全ての者達の耳に入り、人も…ノイズも…皆動きを止め、頭上に向けると視線の先には工場内に建った一本の煙突の上に灰色のコートを纏い、左手に本を持った男が立っていた。
男は右手を横に広げながら再び祝福の言葉を口にした。
「かつて、撃槍ガングニールを所持していた天羽 奏が命を賭して救った少女に受け継がれ、今この瞬間に顕現した姿……。
その名も、撃槍の
まさに継承と誕生が同時に起きた瞬間である!」
それが謎の男――ウォズモドキがこの世界で初めて発した祝福の言葉だった。
◇
◇
◇
――響視点――
「やあ、響君。それに未来君」
「あ、ウォズさん」
ある日の休日、未来と一緒に買い物しようとスーパーに向かっていたら、出入口から出てきたウォズさんとばったり会った。
「なんですか?今買い物中なので用がないなら、早く行ってください」
ウォズさんが現れて少し機嫌が悪くなった未来が冷たい言葉を向ける。去年からの付き合いだけど、未来はウォズさんに対して気を許してない。未来だけでなく他のみんなもウォズさんにはあまり信用してない。
どうしてそうなのか聞いてみたら――
――胡散臭い、と翼さん。
――何考えているのかわからない、とクリスちゃん。
――Dr.ウェル以上に面倒な男、とマリアさん。
――見透かしているような眼が嫌、と調ちゃん。
――実は黒幕と思うのデス、と切歌ちゃん。
というようにみんなからの信用を得られてない。師匠も掴み所がない人物だと言われるほどの不思議な人だ。私はあまりそう感じないけどね。
「ハハハ、相変わらずワタシに対してドライだね未来君。よく見たまえ、ワタシがここにいるのがそんなにおかしいのかな?」
冷たい言葉を向けられたのにウォズさんは気にする様子もなくいつもの掴み所のない調子で笑顔で話しかけてくる。
私はウォズさんの姿をよく観察してみる。
いつものように灰色の帽子と夏でも構わず灰色の左右非対称のコートを着こなし、灰色のマフラーを首に巻き、脇にはいつも彼が持ち歩いている不思議な本を抱え、反対の手には精算を終えたエコバッグを片手に佇むウォズさんの姿。
「違和感しか感じませんね」
バッサリと未来が言いにくいことをウォズさんに伝えた。
(あはは……いやまあ、確かにそうだけど相変わらず言うね未来……)
「おやおや、これは手厳しいね」
気にしてないのかウォズさんは肩をすくめる素振りをする。
(初めて会ったときからそうだけど、本当に不思議な人だなぁ…)
「もういいです。行こう、響」
私はいつも飄々としているウォズさんの顔を見つめていると、話を切り上げた未来が声を上げてウォズさんから離れようと歩き出した。
「あ、待ってよ未来!?それじゃウォズさんまた!」
「響君!」
ウォズさんに頭を下げて先に行った未来を追いかけようとしたら、背後からウォズさんから声をかけられた。
「はい?」
私は足を止めて振り向いて声をかけてきたウォズさん向き直る。
「君に質問したい。例えば世界の命運を分ける重大な選択が君の前に現れたとしよう。一つは世界を破壊する敵を倒して世界を救う選択。もう一つは敵を倒さずに世界を破壊されるのを受け入れる選択。君ならどちらを選ぶ?」
「へ?選ぶって……その敵がすごく悪い人なら止めるしかないじゃないですか。それがどうしたんですか?」
何を言うのかと身構えたけど、拍子抜けした私はすぐに前者を選び、どうしてこんな質問をしたのか質問する。
「フム。いやなに……君ならどちらを選ぶのかなと思ってね。ちょっとした好奇心さ。ありがとう」
「?それじゃ未来が待ってるので」
「ああ、また会おう」
こちらに軽く手を振っているウォズさんを尻目に私を待ってる未来の元に走っていった。
――響視点、終了――
◇
◇
◇
太陽がしずみ空が真っ暗になり、響と別れたウォズモドキこと灰ウォズは一人誰もいないビルの屋上の上に立っていた。
「悪い人なら止める……か。確かに君はそうやってフィーネと真正面からぶつかって、彼女と心を通わせたね。それに……」
片手に持っていた不思議な本。音符と赤い宝石のペンダントが描かれた【戦姫絶唱ノ書】と刻まれた灰色の表紙を開き、そこに書かれていた内容を口にする。
「この本によれば、先史文明期の神の一柱、【シェム・ハ・メフォラス】が小日向 未来を依り代に選び現世に復活、月にかけられた【バラルの呪詛】を破壊し、かつて果たせなかった地球を改造しようと行動を起こし、それを止めようとする立花 響達と一戦を交える。そして戦いの最中、シェム・ハを追い詰めた立花 響の持つ【神殺し】の拳が彼女の大切な日だまりの胸を……と、これはまだ先の
パタン、と【戦姫絶唱ノ書】を閉じた灰ウォズは欠けた月を見上げ、静かにこの場にはいない響に向けて口を開いた。
「近い
――楽しみしてるよ。
そう呟いた灰ウォズはマフラーを操り、身体を覆い隠すと次の瞬間、その姿を消しこの場から去っていった。
ちなみに響を除いてウォズモドキは装者達にあまり好かれてません(笑)