死んでから始まる人理修復RTAはぁじまぁるよー!
前回、怒りのアルテラビーム二連射をされて無事ホモくんが消滅しました。巨神ルートは大体殺意高いけど今回はこれ迄よりも格段に殺意高いですね間違いない……。本当にクソだな。
なので皆さんご存知石コンテをさせていただきました。誰もノーコンクリアするとか言ってないしいいんだよ、上等だろ(人間の屑)
まあ、実の所本RTAでは少なくとも一回は死ぬつもりでした。何故かというと一度死んでゲームオーバーになってから石コンテするとどうやら耐久に補正が掛かるんですよね。恐らくは死にゲーであるこのゲームの救済措置の一種なのでしょう。
ステータス上は特に変化はないのですが、今後の耐久ステータスの上昇幅が約1.3倍ほどには上がります。
そんでもってこのRTAはあの「スノードロップ」の取得を目的としているので耐久は高ければ高いほど取得成功率が大きくなるんですよね。
最低でも7章までにはA以上は取らないとスノードロップの獲得の為の事前準備で詰む確率はかなり高くなります。運が良ければ詰まずに進めるかもしれませんが、安定したムーブを取るなら耐久Aは欲しいですね。
なら初っ端から死んだ方が良くね? と思われるかもしれませんが序盤で下手に耐久を上げすぎてしまうと一部気絶などでショートカットできる場面が素受けしても気絶しないというタイムロスに繋がる可能性があるので少なくとも最序盤で石コンテするのはRTA的にはおすすめできません。
ですので今回死んだのは想定外ではありますが、耐久の成長を気をつければ問題ありません。ええ、ないと言ったらないんです。石コンテしたおかげでデスベホマもしましたしね。……本当は4章辺りで死ぬつもりでしたけど。
ではこれからの動きになりますが、東門防衛戦が終わったのでこれからネロの所に戻って歓待を受けます。古代ローマというだけあって食事が滅茶苦茶豪華なので此処がストレス値の下げ所さんです。
エミヤがいるとは言え、カルデアの食事事情ってかなり悲しいことになってますからね。ですのでこの際いくつかの食材もカルデアに送ってあげましょう。エミヤが喜んで調理をしてくれることでしょう。
やっぱエミヤって
さてそんなわけで宴の準備をして待ってくれてるネロの下へイクゾ-!
>あなた達は戦いで疲れた体を引き摺って宴の準備をして待っているネロの下へと向かった。
>領事館の入口に向かうとそこに立っていた兵士があなた達を見るなり破顔して駆け寄ってきた。
「お待ちしておりましたカルデアの皆様。我らの街を守ってくださりありがとうございます。このご恩は必ずやお返し致します。……それではネロ陛下が皆様をお待ちです。どうぞ、お通りください」
>兵士は深々と頭を下げると領事館の扉を開けてあなた達を中へと案内した。
>領事館の中を進んでネロと会話した部屋に向かうとそこには所狭しと言わんばかりに並べられた料理とネロがムフーと自慢気に胸を張りながらあなた達を出迎えた。
「先輩先輩! 大量の料理が並んでいます!」
「うわぁ……本当に凄い……」
おお、相変わらず何度見ても大量に料理やら果物が置かれてますね。カルデアに転送しまくって職員達の好感度上げやロマニ達のストレス値をガンガン下げましょう。
それにしてもマシュは凄いはしゃいでますね。まあ、カルデアの環境だとこんなに大量の料理は見た事がないからでしょうね。
「ご苦労であったな。此度の戦については部下達から聞いておる。随分と激しい戦いであったようだな。戦時中ゆえ以前の様にとはいかんがそなた達の英気を養う事は出来るであろう」
>そう言うとネロはあなた達を手招きする。
>あなた達はその好意に甘えて有難く食事を摂る事にした。
セプテムはこうしたストレス値を下げるイベントがあるのがいいですよね。おかげでストレス値の管理がしやすいのなんの。というわけで明日にはエトナ火山に向かってポータルを設置するでしょうし、その時にカルデアに此方で獲得した食材を幾つか転送しましょう。
ふへへ、カルデア職員の好感度が上がる未来が見える見える。
ぶっちゃけた話、ホモくんはストレス値はないですし、食事をさほど摂る必要もないのでホモくんが食べる分も全てカルデアに送りたいのですが、流石にそこまでするとマスターに対して何やかんやで甘い玉藻が何かしら言ってきそうなのでここはホモくんにも少しは食べてもらいましょう。
下手に会話発生させるとタイムが伸びちゃうから仕方ないね。
じゃあ取り敢えず林檎でも……って、ありませんね。なんで林檎がないんですかね!? (半ギレ)さっきからホモくん林檎を食べれなさすぎでしょ。
個人的には置換呪術による魔力変換効率は林檎が一番良いと思うので食べれたら良かったんですけどね。まあ、ないものねだりしても仕方がないので他のものでも食べてどんどん魔力に変えてしまいましょう。
勿論、魔力が溢れるのはもったいないので並行していくつかの刻印を刻んだ石に魔力を篭めていきましょう。いざという時のちょっとした爆弾になります。サーヴァントからしてみれば爆竹のようなものですが、異形には普通に有効的な手段となるので。
それじゃ、席について食事を取りましょうか。まあ、席と言ってもこの時代ですとベッドに寝転がりながら食すスタイルなんですがね。
>あなたは適当な場所に座り込んだ。
よーし、何から食べましょうか。出来る限り魔力の変換効率がいいものがいいですね。具体的に言えばカロリーがあるものが。
>あなたが座ったのを見て立香があなたの右隣に、反対にはマシュがあなたの横に座り込んだ。
んん? 立香ちゃんが横に来るのは分かりますけどなんでマシュまでホモくんの横に? 立香ちゃんの横に来るものだと思ってたんですけどね。
というか、立香ちゃんも立香ちゃんで距離近いっすね。ホモくんと立香ちゃんの間が1cmあるかないかという位に近いんですがそれは……。
>あなたの視線に気がついた立香は少し照れたように頭を撫でた。
「あはは……近くてごめんね? でも、今日は色々とあったからせめて今だけでも望幸の近くにいたくて。……駄目かな?」
>あなたは構わないと伝えると立香はまるで花が綻ぶような笑みを浮かべた。
しょうがねぇなぁ(悟空)
ま、立香ちゃんはホモくんが本当にアルテラビームに飲まれて死んだとは知らないとは言え、アルテラビームに飲まれた所は見たので精神が結構ギリギリなんでしょうね。
実際、ホモくんが消し飛んだ直後なんてストレス値MAXになるギリギリまで上昇してましたし。
そら、幼馴染が死んだ瞬間見れば未だ凡人の立香ちゃんだとショックを受けますよね。まあ、これからも度々立香ちゃんに対してショックを与えると思いますけど(無慈悲)
多分、マシュもショックを受けて近くにいるんですかね。恐らくはシールダーとしての性質、或いは彼女の中にいる彼の気質に引っ張られているのか。ま、それならそれでどうでもいいんですがね。中身に引っ張られてるくらいならマジで問題ないです。何せ
まあ、マシュもホモくんが怪我をあまりしなければ安心してまたいつも立香の横に戻ることでしょう。フラグ管理失敗したら立香と一緒におはようからおやすみまで一緒にいることになりますけどね(6敗)
ですが、私は腐っても走者です。フラグ管理を完璧にこなしてギリギリを攻めていきますよ。それに一番怖いのはマシュじゃなくてビースト勢と根源勢だからね。デフォで閉まっちゃう勢なのほんとさぁ……。
それにしても……立香とマシュのストレス値が高いですね。それにアルトリア・オルタもそこそこな数値をしています。クーフーリンは他の三名に比べてみれば差程高くはありませんが、低いという訳ではありません。
今回の食事で多少は下がるでしょうが、如何せんそれでも高い状態にある事が予想されます。
うーむ、まあ、今はまだ昼過ぎですしエトナ火山に行くとしても最速で明日でしょうし、ここは一つ丸一日使ってストレス値を下げて万全の状態に整えることにしましょうか。
というわけで先にロマニに明日の予定について話しましょう。
>あなたはロマニに通信を繋げた。
『おや、どうしたんだい望幸くん』
>あなたは明日の予定と今日は立香達を休ませたいということをロマニに話した。
『うん、僕としてもその意見には賛成かな。流石にあれほどの激闘の後なのに、何の休みもなくターミナルポイントの設置をしに行けというのも酷な事だろうしね』
>あなたはロマニに礼を告げると明日、ターミナルポイントを設置したら此方で得た食材を幾つか転送する事を告げた。
『本当かい!? いやあ、それは本当に嬉しいな。僕達も君達が美味しそうに食べているところを見てて食べたいとは思ってたからさ。ふふ、それじゃあ明日を楽しみに待っておくよ』
>ロマニは嬉しそうにそう言った後、それに付け足すようにあなたに語りかける。
『望幸くん、君もお腹いっぱい食べるんだよ。君の食事についてエミヤくんや君のサーヴァントからも良く相談されてるからね』
>ロマニはそれだけ言うと「それじゃあね」と言って通信を切った。
あー、エミヤならホモくんの食事については突っ込みますよね。何せホモくんカルデアでは一日一食しか食べませんから。それだけ食べれれば置換呪術で賄えちゃうのが悪いよ。
……まあ、少なくともカルデアの食料事情が安定するまではエミヤやロマニ達には悪いですけどホモくんの食事量が増えることは無いでしょう。ストレス値のないホモくんからしてみれば食事なんてマジで時間の無駄ですしね。必要最低限取ればOKなのです。
それからロマニには明日の予定と今日は自由に過ごしていいとの許可を貰いました。後はネロに街を探索する許可を貰って立香ちゃん達と「探索」に行きましょうか。
はい、それでは「探索」についての軽い仕様を説明させていただきます。
このFGORPGでは特異点のいくつかのポイントで探索という行動を起こせます。この探索についてなのですが、良い事尽くしです。
まず第一にストレス値の大幅な減少を見込めるということです。探索には様々なイベントが発生します。それの種類によっては大きく上がったストレス値を下げる事が出来るでしょう。
ただし、探索に行くタイミングが悪いとストレス値が爆増します。特にまだ序盤の立香ちゃんやマシュは凄まじく上がります。この特異点で例を挙げるのなら異形達によって壊滅させられた街に探索に行くとその悲惨さにストレス値が上昇してしまいます。
ストレス値が上がったからと言って脳死で探索するのはやめようね! (22敗)
ですが今回はこの街を守り切ったのでそういったイベントが発生することは無いでしょう。寧ろ、この街の住人達からお礼を言われたりして下がるイベントが発生しやすいと言えます。
それから2つ目ですが、此方は運が絡みますが時折探索に出かけた者達は何かしらのアイテムを拾ってくることがあります。
クッソ有能なアイテムを拾ってきたりすることもあれば、何も拾ってこないこともありますがそこは運ですね。
何、私の豪運なら何かしら良い物を拾ってきてくれるでしょう。何せ私のサーヴァントの尽くが高レアですし。
……全員が問題児ということに目を瞑れば、ですけど。
ま、まあ、それはさておいて取り敢えずネロに伝えましょう。
>あなたは食事をしているネロにこの後に街を探索したいことを伝えた。
「うむ、良いぞ。貴公等の顔を見ればこの街の民達も安心するであろう。出来れば余も貴公達と共に出かけたかったのだが、余には他にやるべき仕事がある。非常に、非っ常に残念だが、貴公達だけで楽しんでくるが良い」
>ネロはそう言うとあなたと立香にローマ帝国のシンボルが刻まれたネックレスを渡した。
「もし何か欲しいのがあるのならばそれを見せると良い。余の関係者という事が一目で分かる故、我が民達も貴公らに融通してくれるであろう。斯くもこの街を救った英雄には必要のないものかもしれぬがな?」
>そう言ってネロはお茶目な笑みを浮かべてあなた達にウィンクをする。
>あなたは「ローマ帝国のシンボルが刻まれたネックレス」手に入れた。
よし、これでこの街で殆ど無料でお買い物が出来ます。これとこの街を防衛したという実績が合わさればこの街にあるものであれば殆どのものを買うことが出来るでしょう。
……まあ、この街で買えるものって大したものは無いんですけどね。なので今回の使い道はサーヴァントのご機嫌取りくらいですね。特にアルトリア・オルタ。
立香ちゃんと一緒に回ろうかと思いましたが、アルトリア・オルタのストレスの溜め込み具合を見るにホモくんはアルトリア・オルタと一緒に巡った方がいいでしょうね。
アルトリア・オルタの好物の観点から見てもこの豪奢な食事ではストレス値の下がりも低いですし、それに散らばって探索した方が効率がいいでしょう。
「ね、望幸。よかったらこの後私達と一緒に街を探索しない?」
ゔっ……。そりゃあ立香ちゃんなら誘いますよね。断るのは非常に心苦しいですが、ここは心を鬼にして断りましょう。
>あなたは立香の誘いを断った。
「そっか……。残念だけどまた今度一緒に街を観光しようね!」
>そう言う立香は何処か落ち込んでいるようにも見える。
うぐぅっ……! ごめんね、本当にごめんね。機会があったら今度は絶対に一緒に観光するから許して。そして今上がったストレス値をどうか下げてもろて。
後は適当に食事が終われば街にお出かけするだけなので倍速で行きます。見所さんは特にありませんしね。
超スピード!?
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食事を終え、立香達は各々街に観光へと出かけていた。
「はぁ……やっぱり望幸も一緒に観光したかったな」
「あはは……私も望幸さんと話したかったですけど望幸さんは何か用があるみたいでしたし、仕方がないですよ」
「んー、それは勿論分かってるんだけどね」
「フォウ、フォウフォーウ!」
立香はマシュに対して苦笑しながら街を歩く。
──理解はしている。彼はただの凡人である自分とは違い魔術師だ。ともすればこういった特異点ではやることが多いのだろう。
彼の武器のメンテナンス然り、魔術道具の準備などなどはっきり言って今の自分ではどうやっても手伝うことが出来ない。
それに彼は昔から何処か秘密主義的な所がある。自分の事については深くは語らないし、基本的に無表情がデフォルトだから感情の機微が分かりにくい事も尚のことそれに拍車をかけている。
幼馴染である自分は彼が無表情であっても今まで経験から何となく感情が分かることもある。実際、先程の誘いを断られた時も本当に申し訳なさそうであり、一緒に行けないことを残念がっていたようにも見えた。
(……なんて、私の希望的観測が過ぎるかな?)
けれど、本当にそう思ってくれていたら嬉しいなと思う。
後これは個人的なことだが、彼は今おそらくアルトリアさんと二人っきりなんだろう。それが自分の乙女心的なものにもやっとくる。
だって、アルトリアさん凄い美人さんだし。
あんな美人さんと一緒にいたらいくらあの望幸でも思わずときめいてしまうのではとほんの少しだけ危惧を抱いて──即座に否定した。
(何だろ……望幸が誰かにときめく姿が予想出来ないや)
よくよく考えれば彼のサーヴァントは物凄い美人揃いだ。その上誰もが系統の違う美人。そんな人達が彼の傍に良くいるのに、肝心の彼はその事について何の素振りも見せていない。
(まあ、でも望幸って多分誰かを好きになったら一途だろうなー)
これも勘ではあるが、彼は誰かを好きになったらずっとその人の事を想い続けるんじゃないかと思う。
そんなどうでもいいことを考えていたらマシュから声が掛かった。
「あの、先輩?」
「ん、どうしたのマシュ?」
「良かったらなんですけど先輩達について教えてくれませんか?」
「私達について?」
「はい、今思えば私は先輩や望幸さんのことについて全く知らないなと思いまして。良ければ先輩達の昔話を聞きたいんです」
「キュ!」
「ほら、フォウさんも先輩達について知りたいと仰ってます!」
フォウを両手で抱き抱えて立香に詰め寄るマシュに立香は苦笑する。
「ん、そうだね。それじゃあ私と望幸の思い出を語ろうかな」
そう言って立香は過去に想いを馳せる。アルバムを開いて昔を懐かしむように記憶の引き出しを空けて人理が焼却される前の大切な過去をマシュ達に語り始めた。
彼の昔の話をしては驚くマシュの様子を見て立香は笑った。特にマシュは昔は彼が今とは別人かと疑うくらいには表情豊かだったということに驚いていた。
正直その気持ちは分かる。今の望幸は全然表情が動かないから表情が豊かだったよと聞いても想像がつかないのだろう。
だから、マシュと1つを約束をした。この人理修復の旅が一段落着いたら昔のアルバムを見せるって。そこにはマシュやカルデアの皆が知らない彼がいるから。きっと皆今の望幸と昔の彼の違いに驚くだろう。
そんなことを語っていると立香は不意にある出来事を思い出した。
……ああ、そうだ。私、凄く大切な思い出があるんだ。
中学生の頃に彼に連れて行ってもらったあの白く輝く花畑。
凄く綺麗だったな……。夜だった事もあって満天の星がその花を照らしてまるでその花が淡く輝いているように見えたんだ。凄く神秘的な場所だったんだ。
あの花の名前は……なんだったかな。
ああ、そうだ、『スノードロップ』だ。
彼が教えてくれた数少ない彼の好きな物。この花の花言葉が好きなんだと彼は綻ぶような笑顔を浮かべてそう言っていた。
確か花言葉は「逆境の中の希望」だったはずだ。
……どうせなら私もその花を育てて咲いたら皆みたいに望幸にプレゼントしようかな。きっと喜んでくれるはずだ。
「よし、それじゃあこの街の観光ついでに種があるか探してみようかな」
そんなことを誰にも聞こえないくらい小さな声で呟いて立香はまたマシュと話しながら街の中を観光する。
悲壮感など露ほども感じさせないローマの民達と交流を深め、この街を守れて良かったと心の底からそう思う。色んな物をお礼と称して大量に渡してくるローマの人達には流石の立香も困ってしまったが。
そんなハプニングもありつつもこの街を観光していると、不意にとある裏路地に続く道が目に入った。
「先輩? どうかしましたか?」
「フォーウ?」
「──えっ、ああうん、なんでもないよ」
突然固まった立香を心配そうに見つめるマシュとフォウに立香はなんでもないと返す。だが……
「ごめんっ! ちょっとここで待ってて! すぐ戻ってくるから!」
「えっ、あっ、先輩!?」
──どうしてもあの裏路地が気になる。
立香は己の直感に委ねて裏路地へと入り込む。本来ならこんな危なさそうなところは立香は入ることはない。だが、どういう訳か。今はこの裏路地に入るべきだと己の勘が騒いでいた。
そして人が誰もいない薄暗い裏路地を探索しているとふと道路の端に真っ黒なフードを被っている誰かがいた。
……露天商なのだろうか?
何処となく不気味な雰囲気を漂わせるその人物に立香は意を決して話しかけた。
「あの……」
「……いらっしゃい」
話しかけて返ってきた声は低い男の声だった。これだけ近づいてもフードを深く被っているせいなのか顔は分からないが低い声から判断するに男の人だろう。
「あの、ここって何を売ってるんですか?」
「……武器だ」
そう言って露天商が出したのは多種多様な武器だった。一体どうやってこれほどの量を収容していたのかと疑問に思うほどに大量に出してきた。
「……このご時世だからな。身を守る武器は大事だ」
「すっごい大きな怪物もいますからね」
「……ああ、そうだ。所でアンタは武器を持っていないのか?」
そう言われて立香は気づいた。
──そういえば私、何も武器を持ってないや。
望幸であればサブマシンガンや刀など色々と武器を持ってはいるが、自分は全くの無手だ。ケイローンやクーフーリンからは色々と教わってはいるものの武器は何一つとして持っていなかった。
(私もいざという時は少し位は抵抗出来るように武器を持ってた方がいいよね?)
そんなことを考えていると立香が武器を持っていない事を察した露天商が小さくため息を吐いた。
「……やはり持っていないんだな」
露天商はそう言うとゴソゴソと自身の荷物を漁ると一つの剣を取り出して立香に差し出した。その剣はエメラルドが装飾としていくつも付けられており、その価値は計り知れないことは立香でも容易く想像についた。
「……これをやる。アンタでも簡単に扱える代物だ」
「私、お金持ってないのでこんな高そうなもの貰えないですよ!」
「……構わない。この街を救ってくれた礼だ」
そう言って露天商は立香にその剣を無理矢理押し付け、いくら立香が返そうとしても受け取ることはなかった。
「ええと、それじゃあ有難く貰いますね」
「……ああ」
露天商はそれだけ言うと今まで広げていた大量の武器を仕舞い込み、ゆっくりと立ち上がった。そして懐を漁って何かを取り出すと立香にソレを手渡した。
「……おまけだ。これも持っていけ。必ず役に立つ時が来る」
そうして立香の手に渡されたのはどこまでも
それは本来この時代にあってはならない代物だ。この時代では開発されているはずのないそれを何故この人は持っている?
その疑問が浮かぶ前に──
「……
露天商の手が立香の顔を覆い隠す。
「立香、
──その疑問は闇に飲まれてしまったかの如く消えていき、気づけば裏路地から出ていた。
「あれ……? 私、いつの間に表に出てきたんだっけ?」
さっきまで裏路地で露天商の武器商人さんと話してて、それで確か武器を貰ったような……。
そんなことを思いながら自分の手を見るとそこにあったのは燦然と輝くエメラルドが散りばめられた剣だった。あと一つ、何か持っていたような気もするが特に持ってもいないし、気の所為だろう。
「あ、いました! おーい、せんぱーい!」
魚の小骨が喉に刺さっているかのような違和感を感じていた立香だが、自分を慕う後輩の声を聞いて気づけばその違和感すらも忘れてしまった。
……
…………
………………
誰もいない裏路地にて真っ黒なフードを被った露天商が膝をついて蹲っていた。
「ぐっ、がァっ……ゴボッ」
内臓が潰れ、捻れるような音が裏路地に鳴り響き、ボチャボチャと夥しい量の血を吐いていた。
「黒い銃身の複製……。やはり相当堪えるな……っ!」
ふーっ、ふーっ、と荒い息を吐きながら露天商は壁に寄りかかる。
黒い銃身を複製する為に術式の反動でこの体はボロボロに壊されていた。身体は術式によって破壊され、魔術回路も複製した黒い銃身により殆ど壊された。
回復に徹すれば多少は治るだろうが、次に己の術式を使えば確実に死に絶えるだろう。いや、死に絶える程度では足りない。恐らくは完全消滅するはずだ。
そんなことを考えながら露天商は少しずつ潰れた内臓を修復していく。そしてある程度は修復して動けるようになった所で裏路地の奥からコツコツと足音が鳴り響いた。
「やあ、
クツクツと薄気味悪い笑みを浮かべながら塔と呼ばれた露天商に近付いてくるのは全身から色素が抜けきったような男だった。
「……俺をその名で呼ぶな
その男を視認した瞬間、塔と呼ばれた露天商は即座に銃を引き抜き自身が死神と呼んだ男の頭を何の躊躇いもなく吹き飛ばした。
散らばる脳漿。漏れ出た血液が石畳を赤く穢していく。ビクンビクンと痙攣した魚のように跳ねる頭のない死体を先程撃ち殺されたはずの死神と呼ばれた男が何事もなかったかのようにぐちゃりと踏み潰して現れた。
「おいおい、いきなり酷いな。早い男は嫌われるぜ? ──って、ああ、分かった分かった。もうふざけないからソレ引っ込めてくれよ、
「チッ……」
両手を上げて降参のポーズを取る死神に露天商は不愉快そうに舌打ちを鳴らしながらも死神を取り囲むように空中に展開されていた無数の砲門をしまい込んだ。
「それで立香ちゃんに黒い銃身は渡せたかい?」
「……ああ、それから認識阻害もかけて立香の内側に隠しておいた。あれなら時が来るまで誰も気づかないだろう」
「それは重畳。これで俺達の終末もまた一つ前進した」
クツクツと上機嫌そうに喉を鳴らして死神は笑う。そんな彼の様子を見て不愉快そうに露天商は顔を顰める。
「さて、これで君の仕事は終わりだ。後は帰って終末に向けて備えなよ。俺もこの特異点でやるべき事はしたから次の特異点に移るつもりだ。それにこのまま長居しとくと
死神はそれだけ伝えると闇に溶け込むようにその身を消失させた。恐らくはもうこの特異点から去ったのだろう。
それを認識した露天商は深く息を吐いて過去を思い浮かべる。
「ネロ、カエサル、カリギュラ、ロムルス……。あまり言葉にはしたくないが、今思えば俺が彼等と共に旅をしたのは運命って言うやつだったのかもな」
薄暗い裏路地から和気藹々と活発に賑わうローマ市民の様子を見て露天商は独り言ちる。
──ローマに栄光を、カルデアに祝福を、そして……。
その言葉は誰に届くわけでもなく、薄暗い裏路地の中で霧散して消えていった。
久しぶり書いたら書き方忘れててめちゃくちゃ長くなって実質二話分の長さになりました。そして絶対にやると決めていた武器商人さんの出現。
裏で色々と蠢き、立香が若干しっとりし始めてる最中、ホモくんは呑気にアルトリアと二人で街を観光していました。なんでこんなに危機感ないんですかねコイツ。最後の塔だの戦車だの死神だの何だの言ってるのはアルカナを見てもろて(投げやり)
久しぶりに初投稿したので失踪します。