スナッチャーレポート   作:墓守幽也

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やっぱりポケモンコロシアムの開幕と言えばコレだと思って。

……まあ流石にオーレ地方レベルで世紀末なとこはそうそうないと思うので手段もそれなりに穏当ですが。


File:0 彼の旅路は強奪から始まる

 「ポケットモンスター」。縮めて「ポケモン」。

 

 空に。海に。森に。町に。この惑星の至る所に生息している不思議な生き物たち。

 

 その種類は数限りなく、人は彼らと様々な形で関わりながら時を刻んできた。

 

 

 そしてそんなポケモンたちを「モンスターボール」と呼ばれるカプセルで捕まえ、育成し戦わせて競い合う。

 

 そうしてポケモンと共に生きる者達を人は「ポケモントレーナー」と呼んでいた―――

 

 

―――――――――――――

 

 

 ―――フィオレ地方。

 

 

 モンスターボールでポケモンを捕獲して手持ちとするポケモントレーナーは全くおらず、「キャプチャスタイラー」と呼ばれる器具を用いて野生のポケモンに一時的に同行を願い力を借りるというスタンスで活動する職業「ポケモンレンジャー」が活躍する地方の一つ。

 

 しかし現在、その"全くいない"はずの存在がフィオレの一角で戦いを繰り広げていた。

 

 「退け」

 

 「クアァ」

 

 「そうはいくかよ! ブイゼル、油断するな!」

 

 「ブィッ!」

 

 近隣住民からはヨナベ工場と呼ばれる廃工場。

 稼働が停止したことで照明が点いておらず、時刻が夜であることも相まって見通しが悪いこの場所で二つの人影が動いていた。

 

 片方は、黄色いラインの入った紅いジャケットと黒いズボンというフィオレ地方では有名な装い――ポケモンレンジャーの制服に身を包んだ橙色の頭髪の少年。

 傍らには、少年の髪と似た色合の体色に二股の尾をもったポケモン――ブイゼルと呼称されるポケモンを伴っていた。

 

 もう片方は、青いコートに銀色のゴーグル、更に肩当と籠手が繋がったような装具を身に着けた非常に奇妙な出で立ちをした灰色の髪の人物だ。

 ゴーグルと暗がりで顔立ちは判然としないが声から男性だと判断できる彼の傍らには、体のところどころに走る黄色い紋様をぼうっと光らせた四足歩行の黒いポケモンがあくびをしながら控えていた。 

 

 「トレーナーがわざわざフィオレに来てすることがコレか!? いくら悪人だからって、ポケモンを嗾けて傷つけるなんてどういうつもりだ!」

 

 「だから誤解だと言うに」

 

 ブイゼルと黒いポケモンが火花を散らす中、大声で糾弾する若いレンジャーに青年はため息交じりで応えた。

 

 よくよく周囲を見回せば、紅白の服装に身を包んだ男女が数名倒れている。

 どれも意識を失い服はボロボロで血まみれの重症だ。

 ついでに周囲の機械類のいくつかもめちゃめちゃに破壊されている。

 

 この惨状を成し、更に現在進行形で工場に住み着いた野生ポケモンたちに突撃を繰り返しているのは一体の小さな人影――否、人型の影。

 

 短パンを履き、関節部にサラシを巻いたわんぱく小僧のような風貌。

 薄紫の体色や頭部の突起を考慮しても人間によく似た形状のそのポケモンは、こう呼ばれていた。

 

 分類名、けんかポケモン。

 

 種族名、バルキー。

 

 手ごろな相手を見つけては喧嘩に明け暮れて自分を鍛え上げるという習性で知られるそのポケモンの瞳には、しかし何の意志も宿ってはいなかった。自身を心配そうな眼差しで注視する少年も、横目で様子を窺っている青年も、彼らの連れる二体のポケモンも、自分の攻撃をひらひらと躱している野生のゴーストポケモンも、今の彼にとっては区別すべきものではない。

 

 「自分も反動でボロボロになってるのに暴れるのをやめないなんて、何て奴だ! ポケモンを道具みたいに……許せねえ!」 

 

 「……まあ、無関係とまでは言わんが。これはその馬鹿どもの自業自得であってだな」

 

 「ブイゼル! そいつら抑えててくれ! キャプチャ・オン!」

 

 「話聞けよ……」

 

 実のところ青年はこの惨状には殆ど関わりが無いのだが、少年の中では青年が黒ということで確定であったので弁解は無視し、一刻も早くバルキーを止めるべく自分の相棒を構えた。

 

 

 ――キャプチャスタイラー。

 

 人間とポケモンとが心を通わせる方法の一つとして考案されたアイテムであり、主に野生のポケモンに対して自分の意志を伝え、一時的な協力を得るために使われる道具。

 

 まずスタイラーからディスクと呼ばれるコマのようなデバイスを射出し遠隔操作。

 その軌跡に形成される「ライン」で対象のポケモンを円を描くように囲み、そうすることで徐々にレンジャー側の気持ちを伝える。

 そうして完全にポケモン側に気持ちが伝わったところで「キャプチャ」完了となり、協力を得られるようになる。

 

 これがポケモンレンジャーの活動の根幹をなす「キャプチャ」のシステムであり、少年はまだレンジャーを目指して学生をしていた時代から一度もこれに失敗したことはなかった。

 自慢ではないが学生時代はキャプチャに関してはナンバーワンの自負があったし、正式に赴任してきたこのフィオレ地方でもその才は認められた。

 

 故に、我が身を顧みずに暴走するこのバルキーは必ず止められると、自分がキャプチャできない、助けられないポケモンなどいてたまるかと、自信を持ってキャプチャに挑んだのである。

 

 しかし――

 

 

 「……嘘、だろ? 何で、何でちっとも気持ちが伝わらねえんだ!?」

 

 バルキーにはその思いは微塵も通じていなかった。

 

 "思いが伝わり辛い"だけならまだ納得できただろう。

 しかしこのバルキーのキャプチャに挑んで感じたのは、硬い鋼に拳を叩きつけているような、樹齢数百年の巨木に正面から体当たりしたような。

 本当に、全く、これっぽっちも、手応えが無かった。

 それほどに明確な拒絶……否、()()()だった。

 

 どんなポケモンだって解りあえる。

 ポケモンレンジャーに憧れ、養成学校で学び、無意識の前提としてそう考えていた歳若いレンジャーに眼前の現実が与えたショックは大きかった。

 

 しかし、そんな少年の動揺など酌量することも無く立て続けに事態は動き続けている。

 

 「Zzzzzzz……」

 

 「ブイゼル!? おい、ブイゼル!」

 

 「よし、眠ったか……」

 

 ドサリと音を立ててブイゼルが倒れ込む。

 こいつなら大丈夫だと信じて任せた相方が倒された――畳みかけるように襲う精神的な衝撃は、彼の集中を大きく乱した。

 

 

 たった一瞬の心の隙、バルキーにはそれで十分であった。

 

 「ーーーッ!!」

 

 「ぐあっ!?」

 

 派手に音を立ててラインが砕け、次いで少年の持っていたスタイラーとディスクが煙を噴き出してその機能を停止した。

 

 ポケモンが繰り出す攻撃にラインやディスクが接触するとスタイラーそのものにダメージが伝播し、限界を超えると壊れてしまう。

 それがキャプチャスタイラーが抱える唯一の構造上の欠点であった。

 

 それでも、攻撃の一発や二発程度なら耐えられない訳がなかった。

 黎明期のものならいざ知らず、技術発展を繰り返した現代のスタイラーは、スタイラー側の耐久度の高上という形でリバウンドダメージの抑制に成功していた。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()なのだ。

 

 それを認識した瞬間、若いレンジャーは無意識に一歩後ずさりした。

 ――自分では眼前の事態をどうにもできない。

 そう明確な言葉にしたわけではなかったが、それは彼が初めて味わう敗北の味に他ならなかった。

 

 そうして戦う意志を折られた彼の前に進み出たのはここまでの事態を静観していた青年だった。

 

 「……レンジャー。一つ忠告だ。ポケモンを起こしたいなら……我に返したいなら、これぐらい声を張れ」

 

 そうポツリと告げた青年は、おもむろにゴーグルをぐいと押し上げて獲物を狙う獣のように鋭い金の眼差しを薄い月明かりの下に晒すと――

 

 

 「バルキー!!!」

 

 

 大きな声で一つ、吼えた。

 

 

 眠っていたブイゼルは、その声量を耳にして叩き起こされた。

 若いレンジャーはその声に込められた気迫をまともに受けてビクッと驚き怯んだ。

 そして青年の連れていた黒いポケモンは、主人の声を意に介さず大きなあくびをした。

 

 そして――

 

 「バルキーが……暴れるのを止めた……」

 

 

 効果は、抜群だ。

 

 

 手当たり次第に目に入る物を攻撃し、反動で自身も傷つき続けていたバルキー。

 それが突如、まるで今初めて自分の状態を認識したように暴れるのを止めて青年へガバリと向き直り……しばらく見つめ合ったかと思うとふらつき始め、気を失ったように倒れ込んだ。

 

 とうとう自傷ダメージで立っていることすら難しくなったか。

 そう思った若いレンジャーは圧し折れた心に鞭打って立ち上がると、ポケモンレンジャーとしての本分を果たす――あのバルキーを保護すべく歩きだそうとした。

 

 しかしそんな光景を他所に、青年は先刻少年がキャプチャを試みている時から左手に握っていた赤いV字が描かれた球体をサイドスローで倒れたバルキーに投げ当てた。

 

 

 巨人の掌のような形をした閃光が迸り、バルキーを包み込む。

 

 

 閃光で目がくらんだ若いレンジャーとブイゼルの視界が回復したときには、全てが終わった後だった。

 

 

 「………スナッチ完了。撤収だ」

 

 「ブラッ」

 

 「まっ、待て!」

 

 

 夜の郊外に響き渡る若いレンジャーの大声を尻目に、バルキーを捕らえた球体――モンスターボールを拾い上げた青年は走りだしていた。

 

 

―――――――――――――

 

 

 「今回はかなり面倒だったな……」

 

 

 船上からフィオレ地方最大の都市、港町フォルシティの灯りが遠ざかるのを眺めながら俺は一人ごちた。

 

 追走を振り切るために万が一に備えて菓子類で買収した野生のゴースたちを嗾けたが、足止めには少々不足だったらしく港で船に飛び乗るまで追いまわされた。

 ランクの高いレンジャーは事前の工作でフォルシティ近郊を離れているはずだったが、あの新人は予想以上にできるようだった。期待のルーキーというやつか。

 次が無いことを願いたいが、あるようならもう少し対処に手古摺りそうなポケモンに頼もうか。

 

 ――しかし、レンジャーでもアレには対処できなかったか。

 

 フィオレ地方は法律で『モンスターボールの持ち込み制限』や『ポケモンバトルの制限』がされており、住人たちもテレビ画面以外でポケモントレーナーをほとんど見ることが無い。

 言い換えると、フィオレの住人達にはポケモントレーナーとしての素養が微塵もない訳だ。

 

 そんなモンスターボール無しでポケモンと接することに慣れ切った連中の手に、ボールがあっても些細なきっかけで制御不能になる『ダークポケモン』が渡ったらどうなるか。

 

 答えは火を見るよりも明らか、というやつだった。

 

 

 ――ダークポケモン

 

 岩と砂の荒野が広がる土地、オーレ地方のとある秘密結社が生み出してしまった人為的に改造を施されたポケモンたち。

 

 彼らは喜びも、悲しみも、怒りも、何の感情も動かさずにただただ眼前の敵を排除する意志無き戦闘マシーンへと変えられてしまった、ココロを閉ざしたポケモン。

 時折闘争に酔い、眼前に映るすべてを敵と認識し自身を使役するトレーナーにすら容赦なく危害を加える()()()()()

 

 ポケモンレンジャーはキャプチャスタイラーを通してポケモンの心に訴えかけるというスタイルを採っている。故に、ココロを完全に閉ざしてしまっているダークポケモンをキャプチャすることはできなかったという訳だ。

 

 最終的にこの悪魔の研究は地方外より訪れた不思議な目を持つ少女と一人の裏切り者の手で暴かれ、ダークポケモンを生産していた秘密結社も彼らによって頭目が逮捕され壊滅へと追い込まれた。

 

 そして事態は収束した、はずだったのだが――

 

 

 「ミレイ。見つかったか?」

 

 「えーっと、ちょっと待っててねー。プラちゃん、これ持って行ってあげて」

 

 「プラ!」

 

 もう豆粒ほどになった夜景から目を離して船内へ声をかけると、少し間延びした返事が返ってくる。

 

 声の主はミレイ。明るいオレンジ色の頭髪を緩く伸ばし碧く輝く眼をしている少女。

 俺の旅の相棒で……最近はポケモントレーナーとしての弟子でもある。

 

 ミレイの返答に続いて、ポケモン用の飼料が入った袋を抱えた小さいポケモンがテコテコと歩いてきた。

 俺の足元で袋を差し出す彼の頭を一撫でして袋を受け取り、今回の功労者である黒いポケモン――ブラッキーに食べさせてやる。

 

 あのレンジャーが連れていた橙色のポケモン、ブイゼル、だったか。

 アレとバルキーが突然行動不能になったことにあのレンジャーは驚いていた様子だったがタネは簡単だ。

 ブラッキーがそれと気づかせぬよう放っていた"あくび"という技――欠伸をすることで相手の眠気を誘い眠らせる技を喰らったからだ。

 特に二度目は俺がバルキーによびかけてすぐに発動体勢に入っていた。

 我が相棒ながら察しが良すぎてこっちも少々驚いたが、おかげでバルキーのスナッチはスムーズにいった。

 あのレンジャーが現場に現れた時点で体を張ってボールを止められる泥仕合展開も覚悟してたからな……。

 

 感謝の気持ちを込めてブラッキーを撫でていると、ふと小さなポケモン――プラスルが袋を受け渡した後もじっとこちらを見つめていることに気づいた。

 

 「ありがとうプラスル。お前も食うか?」

 

 「プラッ」

 

 最初に撫でた時に満足そうにしていたので小腹がすいたのかと思い誘ってみたが、プイッと横を向いたプラスルはそのまま身をひるがえすと、主人の下へと帰っていく。

 

 「おお、プラちゃん。よしよしよくできました。ご褒美にチョコレートあげるね」

 

 「プラァッ!」

 

 ……なるほど。既にデザートの腹だったらしい。

 ブラッキーが期待の眼差しでこちらをみているので後で分けてもらえないか頼むとしよう。

 多分俺たちの分も余計に買ってくれてるとは思うんだが……。

 

 

 ――「ダークポケモンがオーレ地方外へ流出している」

 

 ダークポケモン計画に対抗すべく結集した未成年者たちの情報組織「コドモネットワーク」。

 そのまとめ役をしていた少年、スレッドから連絡が届いたのは計画阻止から半年程経ってからだった。

 

 ダークポケモンの研究が行われていた研究所に残されていたデータロム。

 スレッドの手で復元された内部の破損データの正体は、シャドーが製造・流通させていたダークポケモンのリストだった。

 俺はそのリストに記されたダークポケモンの所在を探し回り、俺に化けて悪行を働いていたシャドー戦闘員のダーク・トゲチックを最後にリストに記載されていたダークポケモンは全てスナッチされた。

 騒動はこれで完全に収束したと、誰もがそう考えた。

 

 

 数週間後、フェナススタジアムで俺が()()()()()()()()()()()()()()()()()()と遭遇するまでは。

 

 ダーク・トゲピー、ダーク・メリープ、そしてダーク・ハッサム。

 どれも例のデータロムのリストには記載のなかったポケモンたち。

 

 この異常事態に対し、ダークポケモン研究所に残された壊れた記録媒体が調査された。

 結果、奇跡的に生き残っていた記録媒体と港町アイオポートの目撃情報から、ダークポケモンがオーレ地方から他地方へと持ち出されていたらしいことが判明した。

 

 ダークポケモンは外見上は通常のポケモンと全く変わりない。

 俺の知る限り見分けられたのはミレイ以外にいない。

 

 そのため流出したダークポケモンが何体なのか、どういう経路を通ってどの地方へ運ばれたのかといった情報は非常に不鮮明だった。

 結果として、それらしい目撃情報を元に片っ端から虱潰しに捜索する羽目になっているという訳だ。

 

 当然ながらハズレばかりなのだが、今回は久々のアタリだった。

 モンスターボールの持ち込み制限をクリアするためにわざわざ非正規ルートで来た甲斐はあった。

 

 

 「……うん。その子らしいデータがあったよ。♂のバルキー。被験時レベル20。他にバルキーのデータは無いから間違ってなければその子で確定だね。合ってる?」

 

 「……ああ。間違いないな。戻して良さそうか?」

 

 「うーん、大丈夫じゃないかな。特にトレーナー(おや)に問題があったわけでもないみたいだし。持ち主は……うわっ、ジョウト地方!? 随分遠いとこから来たみたいね……」

 

 「次の行き先は決まったな」

 

 「そうね。いざジョウトへ!」

 

 

 俺の名はレオ。

 

 

 かつてオーレ地方のダークポケモン計画に与した、元悪人。

 

 

 所属していた組織を裏切り、ダークポケモン計画を潰すために戦った、裏切り者。

 

 

 ダークポケモンたちを全て回収し通常のポケモンに戻すことを目指して旅する者だ。

 




気が向いたら続く予定。
以下少し解説。

・ヨナベ工場。
 先だってフィオレ地方各地を騒がせた秘密結社「ゴーゴー団」が所持していた拠点の一つ。
 ポケモンレンジャーが使用するツールとして有名なキャプチャスタイラー、その強化版として設計された「スーパースタイラー」の設計図を強奪したゴーゴー団がスーパースタイラーの生産拠点として運営していた。
 一人の新米レンジャーの手によって工場の稼働がストップして以降はレンジャーユニオンの監視下に置かれていた。権利関係の問題が片付き次第解体の予定であったが、今回監視の目を掻い潜ってゴーゴー団残党が潜伏していた。

・若いレンジャー
 パートナーポケモンで察してください。時期的には配属されたての新米時代。

・ゴーゴー団残党
 ポケモンレンジャーのせいで規模が縮小していた上にダメダメ団なる対抗組織が出張ってきたので焦っていた。
 レンジャーに散々邪魔された反省を活かして(?)『絶対にキャプチャできないポケモン』を欲し、結果としてダークポケモンに手を出し盛大に失敗したのが今回の一件。
 当初は制御できていたが、ハイパー状態になったのをきっかけに完全に制御できなくなりボコボコにされて全員病院送りとなった。

・ダークポケモンのデータ
 劇中で取得でき、スレッドが解析してくれる「データロム」……では、ない。
 所長はちゃんと重要なデータは復元できないように消去しようとしていた。
 が、データ量が多すぎて控え(データロム)を取った上での完全消去には時間がかかり、更にレオの侵攻が非常に早かったためやむをえず「あまごい」と「かみなり」による物理的な記録媒体の破壊に切り替えた。
 ……が、事後に研究所が再調査された結果完全破壊を免れたデータが発見され、そこからサルベージされたという流れ。
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