白兎は【フレイヤ・ファミリア】へ!? 作:dsvfjkl
フレイヤ様に【ステイタス】を更新して貰い、ダンジョンに潜る許可を頂いた翌日、僕は
ダンジョン最初の階層である一階層に足を踏み入れると、そこは地上とは全く別の空気に満ちていた。
何だろう、言葉では表現するのが難しい。
しかし、そんな事を気にしていたら何時まで経っても先には進めないと思い、先にへと進んでいくのだった。
すると、さっそく僕の前にゴブリンが一匹現れた。
「ギャアギャア!!」
そうやって声を上げながら襲いかかってくるゴブリンに対して僕は刀を抜刀すると同時に斬り掛かる。
そうすると、ゴブリンの首はあっさりと落ちて魔石にへと姿を変えるのだった。
初めてのダンジョンでの戦闘、多少なりとも緊張するのかと思っていたけれど全然戸惑うことなく冷静に対処する事が出来ていた。
「よし、この調子でどんどん進もう!!」
そう言いながら魔石をバッグパックに回収して僕は更にダンジョンの奥深くにへと足を踏み入れていくのだった。
なんだかんだと五階層まで降りてきた僕は何十体目か分からないゴブリンの魔石を回収すると、ある異変に気がついた。
「五階層に入ってから数えるくらいにしかモンスターに出会ってない気がするな。」
それはモンスターの数が少ないことだ。
ダンジョンでは下に降りていくほどにモンスターの出現率が増していくハズなのに指の本数で足りるほどの数のモンスターしか出会っていない。
その事に疑問に思っていると、僕から見てから次のモンスターの影が見えてきた為、刀を構える。
その現れたモンスターが吼える。
「ヴヴォオオオオオオオオオオオオオッ!!」
そのモンスターの正体は牛頭獣人のモンスター・ミノタウロス。
突如として現れた
その瞬間、ミノタウロスは僕に向かって腕を振るってくる。
僕は我に返った瞬間、迫り来るミノタウロスの腕と同じ方向に跳んだ。
しかし、それでも反応が遅れたせいで腕の一撃を食らい壁にへと叩き付けられてしまう。
「ぐはっ!!」
壁に激突した際、肺の中の空気が一気に吐き出されてしまう。
その後にとてつもない激痛が身体を襲ってくる。
痛い痛い痛い!!
治まることのない激痛に僕は動くことが出来なかった。
しかし、動かなければ結局死ぬ。
そう頭の中で思っていても、身体が言う通りに動こうとしない。
ミノタウロスから逃げられない、だから身体は死ぬ事を決めた。
死ぬ事は別に構わない、どうせ生きている者全てに死は存在するからだ。
だけど、
何から?ミノタウロスから?
いや、ダメだ!!
ここで逃げたら英雄になる所か、フレイヤ様を愛する資格すら失ってしまう、そんな気がする!!
嫌だ、そんなのは絶対に嫌だ!!
なら、僕はどうすれば良い?
この理不尽な死を乗り越えるには如何するべきか、そんな事はもう決まり切っている。
僕は言う事の聞かない身体を無理矢理動かして立ち上がり、ミノタウロスを睨み付ける。
ここでミノタウロスを倒す、それが僕がフレイヤ様の愛に応える僕の最初の愛だ!!
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
を上げながらミノタウロスに戦いを挑む。
二本の刀でミノタウロスの身体を斬り付けていく。
攻撃を食らったらダメだ、抱えている
だから、ミノタウロスの一挙一動を見逃すな。
見逃せばそこから更に
そうなれば僕は立ち上げれなくなり、死ぬ。
それを避けるために僕は冷静に見る。
腕を振るってくるミノタウロスに対して僕は躱して躱して躱しまくる。
そうしていると、躱すだけの僕に対して苛立ったのか突撃の体勢をとるミノタウロスはすぐに突っ込んでくる。
それに対して僕はミノタウロスの上を跳んでその突撃を回避する。
その結果、目標を見失ったミノタウロスはダンジョンの壁に激突し、動きを一瞬ひるませる。
その攻撃の好機を逃す訳にはいかない!!
そう思い、僕は二本の刀でミノタウロスの身体を傷つけていく。
しかし、止めどなく斬り付けているというのに一向に倒れる気配がない、流石に中層のモンスターだけナな事はある。
そんなことを思っていると、ミノタウロスが動き始める。
それを確認した僕はミノタウロスの動きを制限するために膝裏を斬りつける。
すると、ミノタウロスは体勢を崩す。
それを逃すことなく僕は攻撃に転じる。
しかし、ミノタウロスは僕が攻撃を仕掛けてくることを待っていた。
僕が近付いた瞬間、ミノタウロスは拳を突き出してきた。
不味い、これは食らってしまう。
そんなことが頭の中を過ぎっているその瞬間、戦いで動き続けていたためなのか足が縺れてしまい倒れ込んでいしまう。
しかし、そのおかげでミノタウロスの拳を躱す事が出来た。
倒れ込んだ僕はすぐさま立ち上がると、ミノタウロスがもう一度拳を振るってくる。
それに対して僕はわざとダンジョンの壁に追い込まれ、向かってくる拳に対して刀を突き刺す。
しかし、ミノタウロスの拳に刀は突き刺さることはなくそのまま押し切られてしまう。
柄先が間近に迫ったその時、僕は刀から手を離した。
すると、どうなるだろう。
渾身の力で振るわれたミノタウロスの拳は今更止まることが出来ずにダンジョンの壁に激突する。
その際、拳に刺さっている刀がそれと同時に拳に、いや腕にへと深く突き刺さる。
「ヴヴォオオオオオオオオオッ!?」
腕に走る激痛からか悲鳴じみた声を上げるミノタウロスに隙が生じた。
その隙を逃すことなく僕は刀での攻撃を畳み掛ける。
「ガアアアアアアアアッ!!」
手に持つ刀と背中に背負った予備の刀を手に取り、切り刻んだ場所を抉るように攻撃を仕掛けていく。
ミノタウロスも傷みを誤魔化すように暴れ回るが、僕には当たらない。
しかし、このまま戦い続けるのは僕にとっても危険だ。
なけなしの体力ももう無くなりそうだ。
だから、僕は一つの賭けに出ることにした。
それは策というにはあまりにもお粗末なもので、失敗すれば確実に死に、僕は天へと召される。
しかし、やるしかない。
フレイヤ様のお役に立つにはこの窮地を脱する以上の力がいる。
だからこそ、僕は今ここで冒険をする。
端から見れば無謀だと思われても仕方がない、それでもやるしかないんだ。
「フゥーーーッ、行くぞ。」
大きく息を吐き、そう呟いた瞬間ミノタウロスにへと向かって駆け出す。
それに対してミノタウロスは迎撃と言わんばかりに大振りの拳を放ってくるが、それを冷静に見切って僕はミノタウロスの懐にへと潜り込んだ。
潜り込んだ瞬間、僕は刀をミノタウロスの胸にへと突き刺したがしかし、ミノタウロスの肉が固く魔石のある場所まで届かない。
すると、両側から僕を捕まえようとミノタウロスの腕が迫って来るのに気付き、すぐさま後ろにへと飛び退いて距離を取る。
決定打に欠いた攻撃では今の僕では倒せない、そう思った瞬間次に狙う部位を決めた。
それは眼だ、いくら肉体が強靭であろうと
そう決めた瞬間、僕は走り出した。
それに呼応するようにミノタウロスも前のめりになりながら僕に向かって来る。
しかし、それは罠だった。
「!?」
まさか、この状況でそんな器用な事をモンスターがするとは思わなかった。
僕も急停止しようとしたけど、勢いを殺し切れずにミノタウロスの左側面に立ってしまった。
その隙を逃さず左の角で貫こうと突貫してくる。
グチャッ!!
迫り来る角を回避するために身体を捻るも間に合わず左肩を貫かれ、鮮血が舞う。
猛烈な痛みが僕の身体を襲ってくる、その痛みに手に握る刀を手放したくなってしまう、叫びたくなってしまう。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
それらを押し殺して激痛に耐えながら僕は右手の刀を死角からミノタウロスの左眼にへと突き刺した。
「ヴォオオオッ!?」
仕留めかかった獲物に思わぬ反撃を受けたミノタウロスは僕を振り落とそうとするけど、左肩に深々と刺さってしまっているせいで振り払えずにいる。
ミノタウロスが動く度に鋭い痛みが襲ってくるが、僕は突き刺した刀を更に奥にへと食い込ませようとする。
そして、最初の時よりも刀がミノタウロスの肉を抉り、首まで貫いた瞬間灰となって霧散した。
ミノタウロスが消えたことによって僕は重力に従って地面へと落下し、倒れ込んだ。
「勝った、僕が・・・ミノタウロスを・・・」
そう言いながら僕は左肩にある感触に違和感を覚えた。
何故なら、左肩にまだ何かが刺さったような感覚があるからだ。
ゆっくりと左肩の方を見ると、左肩にミノタウロスのドロップアイテムである「ミノタウロスの角」が貫かれた傷を塞ぐように残っていた。
これで肩からの出血が最小限に抑えられている、自分を殺そうとしていたモンスターのドロップアイテムで助かるとは皮肉だなと思いながら身体を動かそうとするが、指すら動く気配がない。
「くそっ、このままじゃ本末転倒じゃないか・・・!!」
這ってでも動こうとするが、それすらも叶わない。
ギリギリ保って意識もここに来て限界を迎えようとしていた。
「{もう・・・、意識が・・・}」
そうして、僕の意識は黒く染まった。
ベルが意識を失ってすぐの事、気絶をしているベルの元に一人の獣人の男が現れた。
「チッ、なんで俺がこんなクソガキを連れ戻すためにダンジョンに来なきゃならねぇんだ」
その獣人の男は銀の槍に軽装備を身に纏った黒髪の
アレン・フローメル、【フレイヤ・ファミリア】副団長にしてLEVEL6の第一級冒険者。
二つ名は【
「・・・LEVEL1でミノタウロスを倒しやがったか・・・」
そう言った後、ベルを荷物のように抱えてアレンは疾駆し、音を置いて姿を消す。
その疾さは正に最速である。
刀身の色はどれがいいですか?
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銀と白
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藍鼠色と鈍色
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紅と黒
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深紅と銀
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白と深紅