白兎は【フレイヤ・ファミリア】へ!?   作:dsvfjkl

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外出

ミノタウロスとの死闘を制した後、意識を失った僕が次に目を覚ました場所は本拠(ホーム)にある自室(プライベートルーム)だった。

 

首だけを動かして周囲を確認すると、机の上には魔石と怪物素材(ミノタウロスの角)が置かれていた。

 

いつの間に僕は本拠まで帰ってきたのかという疑問に襲われたが、これについては早い段階で考えに至った。

 

どこかの冒険者に助けられてしまった、という事実に僕は拳を握った。

 

僕はフレイヤ様の眷族になって思い上がっていたのかもしれない、今回であの方の顔に泥を塗ってしまった。

 

そう頭の中で理解してしまった僕は強く願った、強くなりたいと。

 

そう頭の中で想った時、体が自然と動き出していた。

 

ミノタウロスに負わされた傷は治療を受けたのか綺麗サッパリと消えていて痛みも感じなかった。

 

そうして、服を着替え部屋の外に出ようとした時、フレイヤ様とオッタルさんが入ってきた。

 

「ベル、何をしているのかしら?」

 

ニッコリと笑みを浮かべながら問いかけてくるフレイヤ様の目は笑っていなかった。

 

「フ、フレイヤ様・・・」

 

「もう一度聞くわね、何をしているのかしら?」

 

「・・・ダンジョンに行こうとしてました」

 

フレイヤ様の謎の圧に僕は屈してしまった。

 

「ダメよ、ベル。貴方は昨日瀕死の状態でダンジョンから戻ってきたのだから」

 

「はい、でも・・・」

 

「でも、じゃないわ。今はゆっくり身体を休めることが貴方の仕事。どうしても行きたいと言うんならオッタルを倒していきなさい」

 

そう言ってくるフレイヤ様の目は本気(マジ)だった。

 

「大人しく、しています・・・」

 

「いい子ね、ベル」

 

そう言いながらフレイヤ様は僕の頭を撫でてくる。

 

すると、思い出したかのようにフレイヤ様がこう言ってくる。

 

「そうだわ、ベル。【ステイタス】の更新をしましょうか」

 

「【ステイタス】の更新ですか?でも、昨日はそんなにモンスターを倒せませんでしたし・・・」

 

「そんな事ないわよ、それに貴方はLv.1なのにミノタウロスを倒してみせたのだから【ステイタス】が上がっていることは確かよ」

 

「そういうものでしょうか?」

 

「そういうものよ」

 

僕の言葉にフレイヤ様は笑ってそう言ってくれた。

 

そうして、僕はフレイヤ様に【ステイタス】の更新をして貰った。オッタルさんはいつもの様に部屋か出ていった。

 

そして・・・・。

 

「おめでとう、ベル。器の昇華(ランクアップ)よ」

 

「え!?」

 

最初聞いた時、僕は自分の耳を疑った。

 

でも、フレイヤ様が僕に器の昇華(ランクアップ)したと言ってくれた。

 

「えぇ、本当よ」

 

「やったー!!」

 

冒険者になって初めての器の昇華(ランクアップ)、これは誰だって嬉しいと思う。

 

でも、僕は・・・。

 

「それじゃあ【ステイタス】を・・・」

 

「フレイヤ様、まだランクアップはしないでもらえませんか?」

 

僕のお願いにフレイヤ様はキョトンとした顔をする。

 

「どうしてかしら?」

 

「確かにLevelが上がれば強くなれますけど、もう少しだけLv.1のままで【ステイタス】をギリギリまで上げておきたいんです」

 

「解ったわ。貴方が自分でそう決めたのなら私は背中を押してあげるわ」

 

「ありがとうございます!!」

 

僕の勝手な願いをフレイヤ様は許してくれた。

 

「それと、ベル今日は私についてきて頂戴」

 

「あっ、はい!フレイヤ様、どこかへお出かけなさるのですか?」

 

「えぇ、ヘファイストスに前に頼み事をしていたことがあったの。その事で話があるって言うからよ」

 

僕はフレイヤ様の口から出た神の名前に驚きを隠せなかった。

 

ヘファイストス、このオラリオで鍛冶系派閥の一つである【ヘファイストス・ファミリア】の主神であり、主神自身も神匠と呼ばれる鍛冶職人でもある。

 

しかし、疑問がいくつか浮かんだ。

 

鍛冶系派閥とはいっても武器や防具が専門の派閥にフレイヤ様はどんな頼み事をしたのだろうと興味が湧いた。

 

「わかりました、それではいつ参られますか?」

 

「そうね、ちょうどベルも着替えを済ませているみたいだから今から行きましょうか」

 

「はい、わかりました!!」

 

フレイヤ様の言葉に僕はそう言って最低限の装備を整えていくが、問題が生じる。

 

それは武器だ、昨日のミノタウロスの一件で刀の損傷(ダメージ)が大き過ぎる。

 

すると、部屋の外にいたオッタルさんが入ってきて一本の刀を渡してくる。

 

「こいつを使うといい」

 

そう言割れて僕はその刀を受け取り、刃を確かめるために抜刀する。

 

そこには一切の飾りっ気をも削ぎ落とし、武器としての性能を押し出したかのような刀があった。

 

「本当に使ってもいいんですか?」

 

「好きにしろ」

 

そう言ってオッタルさんは再び部屋を出ていくのだった。

 

「それじゃあ、行きましょうかベル」

 

「はい、フレイヤ様!!」

 

こうして、僕はフレイヤ様の護衛として工業地区もとい【ヘファイストス・ファミリア】に向かうのだった。

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