白兎は【フレイヤ・ファミリア】へ!?   作:dsvfjkl

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新装備

僕は今、専属契約を結んだ【ヘファイストス・ファミリア】の鍛治師ヴェルフの鍛冶工房にやってきていた。

 

ここに訪れた理由は注文していた僕の専用装備が完成したという知らせを受けたからだ。

 

それを聞いた瞬間、僕は稼いでいたお金を持って本拠(ホーム)を出てきてしまった。

 

「おっ、待ってたぜベル」

 

「うん、ヴェルフ僕待ちきれずに飛んできちゃったよ」

 

僕に気づいたヴェルフがそう言い、僕も今の気持ちを伝える。

 

「ははっ、そう言って貰えるなら鍛治師冥利に尽きるぜ」

 

そう言いながらヴェルフが赤い炎模様の入った白鞘の刀と白い雷模様の入った黒鞘の刀、鈍色に輝く軽鎧(ライトアーマー)の入った木箱を持ってくる。

 

「こいつがお前の新しい装備だ」

 

「わぁ・・・っ!!」

 

僕だけの装備、そう聞くだけで興奮してきてしまう。

 

そうやって感情を高ぶらせたまま黒鞘の刀の柄を握ると、手に馴染む感覚が感じ取れた。

 

「抜いてみてもいい?」

 

「もちろんだ」

 

ヴェルフの了承を得て僕は鞘から刀を抜いた。

 

すると、そこには処女雪のように白い刀身が姿を現した。

 

「凄く綺麗だな」

 

「あぁ、俺が打った刀の中では一際綺麗だな。ベル、もう一本の刀も抜いてみろ」

 

そうやって感想を互いに言っていると、ヴェルフがもう一本の刀を指差してそう言ってくる。

 

「? 解った」

 

疑問に思いながら白鞘の刀を握るとやはりこちらも手に馴染む感覚があるのを感じながら抜いてみると、さっきの白い刀身とは打って変わって荒々しく燃え盛る炎を思わせる程の深紅の刀身が姿を見せる。

 

「さっきの刀とは大分印象が変わるね」

 

「まぁな。だが、今の俺の武器の中では最高傑作と言ってもいいかもな」

 

ヴェルフがそう言いながら次に防具を見せて来る。

 

「次は防具だ、こいつも自信作だ!!」

 

そう言われながら手渡された防具は軽くて敏捷重視の僕の戦闘姿勢に合致した防具だった。

 

「この防具凄く軽い・・・」

 

「おう、こいつは出来る限り耐久力を維持しつつ軽くすることに拘ったからな」

 

「凄いよ、僕の要望に完璧に応えてくれてる!!」

 

「そ、そうか、そんなに喜んでくれたんなら俺も嬉しいぜ!!」

 

僕達はその後も雑談をして一日を過ごすのだった。

 

そして、そろそろ本拠(ホーム)に帰ろうとした時にヴェルフがこんなことを言ってくる。

 

「ベル、明日一緒にダンジョンに潜らないか?」

 

「えっ、急に改まってどうしたの?」

 

そんなことを言ってくるヴェルフに疑問に思った僕が問い返すとこう言って来る。

 

「実はな、俺は昇華(ランクアップ)して「鍛冶」の発展アビリティが習得したくてなダンジョンに潜ってるんだが成果が手応えが無くてな・・・」

 

そう言ってくるヴェルフに対して僕はこう言った。

 

「うん、いいよ」

 

「本当か!?」

 

「うん、だけど今僕はフレイヤ様にダンジョンに行くことを禁じられているから許してもらえたらで良かったらだけど・・・」

 

ダンジョン禁止のことを伝えると、ヴェルフはこう言ってくる。

 

「主神命令でダンジョン禁止って何やらかしたんだよ・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・ミノタウロスとの一騎討ちかな」

 

「Lv.1でミノタウロスと一騎討ち!?つか、なんでミノタウロスと戦うことになってんだよ!?」

 

ミノタウロスの事を伝えると、ヴェルフが大声を上げる。

 

「中層で異常事態(イレギュラー)でも起こったんじゃないかな、ダンジョンだし」

 

「いやいや、それでなんとか逃げ切ったんだな」

 

そう言ってくるヴェルフに対して僕はすぐさま訂正する。

 

「ううん、ミノタウロスから逃げ切れないと思ったから戦って倒したよ」

 

「倒した!?」

 

それを聞いたヴェルフは驚愕の表情と声を出す。

 

「うん。でも、僕的には痛み分けかな。だって、あの時僕も瀕死の重症だったし」

 

「平然と言ってくれるが、普通なら逃げてもおかしくなかった状況だぞ」

 

僕の言葉を聞きヴェルフがため息を吐きながら額を押さえる。

 

「まぁ、運が良かったね」

 

「そうだな」

 

こうして、会話が終わりを迎えると同時に僕は本拠(ホーム)へと帰るのだった。


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