遠く離れて   作:おたふみ

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12話

由比ヶ浜と材木座の結婚に衝撃を受けて放心状態の俺。

 

雪乃「今日は一色さんは来れないのかしら?」

結衣「遅れて来るって」

 

ほう、一色も来るのか。

 

いろは「お待たせしました。って、先輩!!」

八幡「おう」

雪乃「一色さん、お久しぶり」

結衣「やっはろー」

いろは「こんにちはです。この座り方は…、私が先輩の隣に座っていいんですよね」

 

うっ!凍てつくような目。雪ノ下のその目、久しぶりに見た。

 

雪乃「一色さん、いい訳ないでしょ。比企谷君も鼻の下を伸ばさないで」

いろは「そ、そうですよね。あはは…」

八幡「伸ばしてないからね。伸びてないよね?」

 

席替えしました。ゆきのん近いよ。

 

雪乃「一色さん、結婚決まったそうね。おめでとう」

八幡「おめでとさん」

いろは「ありがとうございます。先輩と雪ノ下先輩もですよね」

八幡「まあな」

雪乃「これから、やらなければいけないことは沢山あるけれど、前に進めたわ。それも、由比ヶ浜さんや一色さんのお陰よ。ありがとう」

結衣「ゆきのん、それはもういいって」

いろは「それで、どうやって先輩を陥落させたんですか?」

雪乃「私は押し掛けただけ。最後は向こうの友人に助けられたわ」

いろは「先輩って友達居たんですね」

八幡「ほっとけ」

 

そろそろ時間だ。

八幡「由比ヶ浜、一色、またな」

雪乃「二人とも元気でね」

結衣「結婚式には絶対に呼んでね」

いろは「私の方が先ですけどね」

 

由比ヶ浜・一色と別れ俺の実家へ。

 

雪乃「なんか緊張してきたわ」

八幡「大丈夫だろ」

雪乃「ご両親にはなんて言ってあるの?」

八幡「何も」

雪乃「小町さんには?」

八幡「何も」

 

出ました!頭痛いポーズ!

 

雪乃「貴方、報連相って知っているかしら」

八幡「バッカ、サプライズだよ」

雪乃「だれも居なかったらどうするのよ」

八幡「いや、鍵持ってるし」

雪乃「そういう問題ではないのだけど…」

 

ため息まじりの雪乃と比企谷家に到着。

呼鈴を押すと元気な小町の声がする。

 

小町「はいは~い、どちらさまで…お兄ちゃん!!」

八幡「おう、たで~ま」

小町「お兄ちゃん、お帰り~…」

雪乃「小町さん、お久しぶり」

小町「ゆ、雪乃さん!!」

 

雪乃に抱きつく小町、困惑する雪乃。そして、小町をキャッチしようと両手を広げたままの俺ガイル…。

 

小町「雪乃さんがお兄ちゃんと一緒に来たってことは…」

雪乃「えぇ、そうよ小町さん」

小町「雪乃お義姉ちゃん!!」

雪乃「お、お義姉ちゃん!!」

 

目の前で義姉妹百合はやめてください。

 

八幡「あ~、小町さんや、義姉が出来て嬉しいのはわかるが、そろそろ家に入れてくれ」

小町「そうだったね。ささ、お義姉ちゃん」

雪乃「ありがとう、小町さん」

 

小町、お兄ちゃんが居るからお義姉ちゃんが出来たんですよ。お兄ちゃん蔑ろにしないでね。

 

八幡「親父とお袋は?」

小町「メールチェックしに会社行ったよ。すぐに帰ってくると思うよ」

雪乃「ご両親に気に入られなかったら、どうすれば…」

八幡「それは心配ないだろ。ほれどころか俺より雪乃を大事にするまである」

小町「そんなことないよ」

八幡「小町がそうだったじゃねぇか」

小町「てへっ♪」

八幡「あざと可愛い」

雪乃「あれをやれば八幡は『可愛い』と言ってくれるのね…」

八幡「雪乃はやらなくていいからね」

小町「名前呼びなんて…。お兄ちゃん、成長したね」

八幡「ほっとけ」

小町「雪乃お義姉ちゃん、晩御飯食べていきます」

八幡「おう」

小町「お義姉ちゃんに聞いてるの」

八幡「ヒドイ…」

雪乃「そうしようかしら」

小町「じゃあ、支度しますね」

雪乃「私も手伝うわ」

小町「いやいや。それには及びません」

雪乃「小町さんと一緒に作りたいの」

小町「おお!お兄ちゃん!小町の夢が叶うよ」

八幡「よかったな」

 

義姉妹で台所で料理、眼福眼福。

 

「ただいま」

 

お、帰ってきた。親父とお袋、驚くだろうな。

 


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