八幡「おかえり、親父、お袋」
比企谷父「おう、八幡。帰ってたのか」
比企谷母「おかえりなさい。帰ってくるなら、連絡くらいよこしなさい」
八幡「サプライズってヤツだよ。それに紹介したい人が一緒に来てるんだ」
八幡「紹介するよ、雪ノ下雪乃。俺は雪乃と結婚する」
雪乃「初めてまして、お義父さま、お義母さま。雪ノ下雪乃です。八幡さんと結婚を前提にお付き合いさせていただいてます」
八幡「ま、向こうの家には挨拶してあるから」
親父に両肩を掴まれた。痛いよ親父。
比企谷父「八幡」
八幡「なんだよ」
比企谷父「どんな手を使って脅した!」
八幡「は?」
比企谷父「そうじななきゃ、こんな美人がお前なんかと結婚するわけないだろ!」
八幡「あのなぁ…」
比企谷父「痛っ!何だよ、母ちゃん」
親父が叩かれた。
比企谷母「ごめんなさいね、雪乃さん。バカな父親で」
雪乃「い、いえ…」
比企谷父「だって、羨ましいから…」
比企谷母「なんだって?」
比企谷父「なんでもありません」
雪乃「あ、あのお義父さま、お義母さま、今夕食の支度を小町さんとしているので」
比企谷母「あら、ごめんなさいね、そんなことさせて」
雪乃「いえ、私からやりたいと言ったので」
小町「お義姉ちゃん料理上手いんだよ」
比企谷母「あら、そうなの」
女性陣でキャイキャイやってるなぁ。
八幡「なぁ、親父」
比企谷父「なんだ」
八幡「酒でも飲むか?」
比企谷父「お前がそんなこと言うとは思わなかった」
八幡「いやな、雪ノ下のお義父さんが『義理とはいえ息子と酒が飲めて嬉しい』って言ってたからさ、親父はどうなのかなって」
比企谷父「なるほどな。じゃあ、飲むか」
親父と酒を飲むのは初めてかもな。
雪乃「もう飲んでるの?」
八幡「すまん、親父と飲んでみたくってな」
比企谷父「雪乃さんもどうだい?」
雪乃「では、後で一杯だけ。料理が出来ますので」
比企谷母「お父ちゃん、雪乃さんにお酌とかさせないでよね」
比企谷父「そ、そんなつもりはないでしゅ」
雪乃「ふふふっ」
八幡「どうした?」
雪乃「やっぱり親子ね、ごまかし方がそっくり」
八幡「うっ…」
小町「ほら、ご飯出来たよ」
八幡「へいへい」
比企谷父「へいへい」
雪乃「ほら」
五人で楽しく夕食。いいなぁ、俺はこの温かさからも逃げていたのか…。
雪乃「八幡、どうしたの?」
八幡「昨日も思ったが、家族で飯を食うって幸せなんだなって」
比企谷父「当たり前だろうが。何を言ってるんだ」
比企谷母「その当たり前がウチには出来てなかったでしょ」
比企谷父「そうだな。でも、八幡が帰ってきて、嫁さんまで連れてきて…。最高の食卓じゃないか」
比企谷母「そうね。雪乃さん」
雪乃「はい」
比企谷母「八幡は捻れた性格はしてるけど、性根は優しい子なの」
雪乃「はい、承知しています」
比企谷母「そう。それなら、何も言うことはないわ。どうか八幡を支えてやってください」
お袋が雪乃に頭を下げている。
比企谷父「ダメな息子だけど、可愛いところもある。どうか息子をよろしく頼む」
親父まで…。
雪乃「や、やめてください、お義父さまお義母さま。八幡さんには私も助けられているんです。だから…」
八幡「親父、お袋聞いてくれ。俺と雪乃は正反対の性格だ。ぶつかることもあるだろう。だけど、正反対だからこそ、お互いを補っていけると思う。だから、俺たちを見守ってくれないか」
比企谷父「もちろんだ」
比企谷母「八幡、雪乃さんを泣かすんじゃないよ」
八幡「勿論だ」
小町「ほら、ご飯が冷めちゃうよ。食べよう」
お袋と小町は涙を浮かべている。
八幡「小町」
小町「何、お兄ちゃん」
八幡「小町もありがとな。小町は最高の妹だ」
小町「もう!お兄ちゃんてば、ポイント高過ぎだよ」
今夜は最高の晩飯だな。
比企谷父「ところで、雪ノ下とは珍しい名字だけど、県議会議員の雪ノ下さんとは親戚かなにかなのかな?」
雪乃「はい、父です」
比企谷父「え?」
比企谷母「え?」
八幡「昨日会って来た」
比企谷父「ど、どどどどどうしよう母ちゃん!!」
比企谷母「ご飯なんて作らせちゃったよ!!」
比企谷父「お前、なんで言わないんだよ!」
八幡「それ必要?」
比企谷母「はぁぁぁぁ、アンタは…」
八幡「雪乃、都合つけて、両家で食事会でもするか?」
雪乃「そうね」
小町「お兄ちゃん、お義姉ちゃん、この状況でそれはポイント低いよ」