遠く離れて   作:おたふみ

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13話

八幡「おかえり、親父、お袋」

比企谷父「おう、八幡。帰ってたのか」

比企谷母「おかえりなさい。帰ってくるなら、連絡くらいよこしなさい」

八幡「サプライズってヤツだよ。それに紹介したい人が一緒に来てるんだ」

 

八幡「紹介するよ、雪ノ下雪乃。俺は雪乃と結婚する」

雪乃「初めてまして、お義父さま、お義母さま。雪ノ下雪乃です。八幡さんと結婚を前提にお付き合いさせていただいてます」

八幡「ま、向こうの家には挨拶してあるから」

 

親父に両肩を掴まれた。痛いよ親父。

 

比企谷父「八幡」

八幡「なんだよ」

比企谷父「どんな手を使って脅した!」

八幡「は?」

比企谷父「そうじななきゃ、こんな美人がお前なんかと結婚するわけないだろ!」

八幡「あのなぁ…」

比企谷父「痛っ!何だよ、母ちゃん」

 

親父が叩かれた。

 

比企谷母「ごめんなさいね、雪乃さん。バカな父親で」

雪乃「い、いえ…」

比企谷父「だって、羨ましいから…」

比企谷母「なんだって?」

比企谷父「なんでもありません」

雪乃「あ、あのお義父さま、お義母さま、今夕食の支度を小町さんとしているので」

比企谷母「あら、ごめんなさいね、そんなことさせて」

雪乃「いえ、私からやりたいと言ったので」

小町「お義姉ちゃん料理上手いんだよ」

比企谷母「あら、そうなの」

 

女性陣でキャイキャイやってるなぁ。

 

八幡「なぁ、親父」

比企谷父「なんだ」

八幡「酒でも飲むか?」

比企谷父「お前がそんなこと言うとは思わなかった」

八幡「いやな、雪ノ下のお義父さんが『義理とはいえ息子と酒が飲めて嬉しい』って言ってたからさ、親父はどうなのかなって」

比企谷父「なるほどな。じゃあ、飲むか」

 

親父と酒を飲むのは初めてかもな。

 

雪乃「もう飲んでるの?」

八幡「すまん、親父と飲んでみたくってな」

比企谷父「雪乃さんもどうだい?」

雪乃「では、後で一杯だけ。料理が出来ますので」

比企谷母「お父ちゃん、雪乃さんにお酌とかさせないでよね」

比企谷父「そ、そんなつもりはないでしゅ」

雪乃「ふふふっ」

八幡「どうした?」

雪乃「やっぱり親子ね、ごまかし方がそっくり」

八幡「うっ…」

小町「ほら、ご飯出来たよ」

八幡「へいへい」

比企谷父「へいへい」

雪乃「ほら」

 

五人で楽しく夕食。いいなぁ、俺はこの温かさからも逃げていたのか…。

 

雪乃「八幡、どうしたの?」

八幡「昨日も思ったが、家族で飯を食うって幸せなんだなって」

比企谷父「当たり前だろうが。何を言ってるんだ」

比企谷母「その当たり前がウチには出来てなかったでしょ」

比企谷父「そうだな。でも、八幡が帰ってきて、嫁さんまで連れてきて…。最高の食卓じゃないか」

比企谷母「そうね。雪乃さん」

雪乃「はい」

比企谷母「八幡は捻れた性格はしてるけど、性根は優しい子なの」

雪乃「はい、承知しています」

比企谷母「そう。それなら、何も言うことはないわ。どうか八幡を支えてやってください」

 

お袋が雪乃に頭を下げている。

 

比企谷父「ダメな息子だけど、可愛いところもある。どうか息子をよろしく頼む」

 

親父まで…。

 

雪乃「や、やめてください、お義父さまお義母さま。八幡さんには私も助けられているんです。だから…」

八幡「親父、お袋聞いてくれ。俺と雪乃は正反対の性格だ。ぶつかることもあるだろう。だけど、正反対だからこそ、お互いを補っていけると思う。だから、俺たちを見守ってくれないか」

比企谷父「もちろんだ」

比企谷母「八幡、雪乃さんを泣かすんじゃないよ」

八幡「勿論だ」

小町「ほら、ご飯が冷めちゃうよ。食べよう」

 

お袋と小町は涙を浮かべている。

 

八幡「小町」

小町「何、お兄ちゃん」

八幡「小町もありがとな。小町は最高の妹だ」

小町「もう!お兄ちゃんてば、ポイント高過ぎだよ」

 

今夜は最高の晩飯だな。

 

比企谷父「ところで、雪ノ下とは珍しい名字だけど、県議会議員の雪ノ下さんとは親戚かなにかなのかな?」

雪乃「はい、父です」

比企谷父「え?」

比企谷母「え?」

八幡「昨日会って来た」

比企谷父「ど、どどどどどうしよう母ちゃん!!」

比企谷母「ご飯なんて作らせちゃったよ!!」

比企谷父「お前、なんで言わないんだよ!」

八幡「それ必要?」

比企谷母「はぁぁぁぁ、アンタは…」

八幡「雪乃、都合つけて、両家で食事会でもするか?」

雪乃「そうね」

小町「お兄ちゃん、お義姉ちゃん、この状況でそれはポイント低いよ」

 

 

 

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