八幡「じゃあ、またな」
比企谷父「気をつけてな」
比企谷母「雪乃さん、八幡の手綱は任せたよ」
雪乃「はい」
小町「お兄ちゃん、お義姉ちゃん、またね」
八幡「2、3年で目処をつけて、戻ってくるから」
怒濤のお盆休みだったな。
八幡「雪乃、疲れてないか?」
雪乃「大丈夫よ」
八幡「帰ったら、広めの部屋を探そう。数年とはいえ、あの部屋じゃ二人暮らしは狭い」
雪乃「私も少し働くわ」
八幡「いいのか?」
雪乃「私だって、今まで働いていたのだから大丈夫よ」
八幡「そうか」
雪乃「それと…」
八幡「それと?」
雪乃「もう風俗に行ってはダメよ」
八幡「えぇ~」
雪乃「その代わり、わ、私が…」
八幡「ほうほう」
雪乃「こ、これ以上言わせないで」
真っ赤になったゆきのん可愛いです。ご飯3杯はいけます。
レンタカーを返却して部屋に戻ったんだが…。
八幡「近いんですけど…」
雪乃「ダメ?」
上目遣いとか、すげぇ可愛いんですけど…。これがギャップ萌えか!やるな、ゆきのん。
雪乃「もう、遠慮することはないわ。貴方も…、ね」
八幡「その前に、言いたいことがあるんだが、いいか?」
雪乃「何かしら?」
八幡「真面目な話だから、一旦離れてもらっていいか?」
雪乃「仕方ないわね」
姿勢を正し雪乃を見つめる。
よし!言うぞ!
八幡「逃げてばかりの俺を諦めず追いかけ、そして捕まえてくれて、ありがとう。もう逃げない。改めて、俺と結婚してくれ」
雪乃が正座をして頭を下げる。
雪乃「不束ものですが、よろしくお願いします」
八幡「ありがとう、雪乃」
その夜は…。言わねえよ、恥ずかしい。
ただ一言だけ。雪乃は最高だ。
お盆休みが終わり、出社してまずは大塚さんを問いただした。
まぁ、感謝はしてるんですけどね。
それと、ママのんに大塚さんは有料物件だと伝えたことを言ったら、焦ってたな。
後日、雪乃を紹介することになったんだが、何故か一条も居た。一条に問いただしたら、『だって、先輩の婚約者に会ってみたかったんです。テヘッ』だと。
あざとい。
2年経って、円満退職して千葉の雪ノ下系列の会社へ転職。田舎の小さい事業所に配属された。
陽乃さんに『そこから這い上がってこい』と言われた。いや、田舎でのんびりでもいいじゃないですか。ダメ?
千葉に戻って1年。少し大きな営業所へ栄転になったタイミングで、正式に結婚することとなった。
結婚式当日。
俺は花嫁の控え室の扉の前に…。
八幡「雪乃、入るぞ」
雪乃「どうぞ」
八幡「…」
雪乃「ど、どうかしら…」
俺の目の前には、白無垢姿の雪乃が居た。
八幡「綺麗だ…」
雪乃「その…、ありがとう」
八幡「神前式にしてよかった。雪乃は和装がよく似合う」
雪乃「あら、それは胸のことを揶揄してるのかしら?」
八幡「違ぇよ」
雪乃「冗談よ。貴方も似合ってるわ」
八幡「小町に落語家の真打ち昇進って言われたよ」
雪乃「ふふっ、小町さんたら」
八幡「『次は小町の番だぞ』って言ったら、真っ赤になってたな」
雪乃「あれだけ毛嫌いしていたのに、よく認めたわね」
八幡「大志は、なんだかんだいいやつだからな」
雪乃「そう」
八幡「なぁ、雪乃」
雪乃「何?」
八幡「ありがとう…な」
雪乃「何度も聞いたわ」
八幡「雪乃には感謝しかないよ」
雪乃「私も貴方には感謝しているわ。こんな面倒くさい私と結婚してくれるんですもの」
八幡「俺の方が面倒くさいけどな」
雪乃「そろそろ時間ね」
八幡「よし、行こうか」
雪乃「はい、旦那さま」
雪乃の手をとり神前に向かう。
自分がバカだったと思うこともある。遠回りしたとも思う。だけと…、だからこそ、わかったこともある。
すべてを捨てても、俺と添い遂げようとしてくれた雪乃を…。背中を押してくれて、暖かく見守ってくれた人達を…。これから大事にしていこうと思う。
この細くてしなやかで綺麗な手を一生離さないと誓おう。
神様に…。
周りの人達に…。
誰よりも愛おしい雪乃に…。
愛してるよ、雪乃。今までもこれからも…。
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本編完結です。
サイド・アフターがあります。