遠い彼に…
今日はもう高校時代からの親友
・由比ヶ浜さんの結婚式。
式場のスタッフから新婦の控え室に案内された。
雪乃「失礼するわね」
結衣「ゆきのん!」
雪乃「綺麗よ、由比ヶ浜さん」
結衣「もう由比ヶ浜じゃないけどね」
雪乃「ごめんなさい、つい…」
結衣「ううん、気にしないで」
雪乃「それにしても、あの男は大事な日なのに来てないなんて…」
結衣「ヒッキーのことだよね?」
雪乃「そうよ」
結衣「実は、招待状出してないんだよね…あはは」
雪乃「由比ヶ浜さん…」
結衣「義輝君は残念だったみたいだけど。なんていうの?最後の抵抗じゃないけど…。ヒッキーに他の人と結婚するのに花嫁姿見せたくなかったんだ…」
雪乃「…そう」
結衣「ゆきのんはどうするの?」
雪乃「『どうする』とは?」
結衣「ヒッキーのことだよ」
雪乃「どうもしないわ、あんな男…」
結衣「ゆきのん、そういうのもういいよ」
雪乃「え?」
結衣「私も結婚するし、いろはちゃんも戸部っちと結婚するみたいだし…。もう遠慮することはないんだよ」
雪乃「わ、私は…」
結衣「ゆきのんもヒッキーも普段は正反対みたいだけど、そういうところは似てるよね。面倒くさいというか」
雪乃「なっ…」
結衣「ゆきのん、ヒッキーをどこかの熊の骨に捕られてもいいの?」
雪乃「『馬の骨』よ由比ヶ浜さん…。でも…」
結衣「でも?」
雪乃「私は自分でも自覚してるわ、面倒くさい女だって」
結衣「うん。だけど、ヒッキーも相当面倒くさいよ」
雪乃「でも、彼がどう思ってるか…」
結衣「ヒッキーがどう思ってるかじゃないの。ゆきのんがどうしたいかだよ」
雪乃「私は…私は…」
結衣「うん…」
雪乃「比企谷君が好き…」
結衣「うん」
雪乃「私は比企谷君が好き」
結衣「小町ちゃんに聞いたら、結婚とか彼女の話は聞いたことないって」
雪乃「そう…。でも、私は…」
結衣「ゆきのんに依頼します!」
雪乃「由比ヶ浜さん…」
結衣「逃げたヒッキーを捕まえてください。もちろん、一生ね」
雪乃「由比ヶ浜さん、ありがとう。その依頼受けるわ」
私は比企谷君のことが今でも好き。重い女と思われるかもしれない。でも、一番の親友でライバルの由比ヶ浜さんが背中を押してくれた。
もう迷わない。私は彼の元に行く。彼の『本物』になってみせる。
『ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん』だったかしら。比企谷君、貴方が言っていたアニメのセリフ…。あの時はバカにしたけど、存外いい言葉ね。
私はもう逃げないわよ、比企谷君。貴方を捕まえてみせるわ。
でも、具体的にはどうすれば…。
まずは小町さんに居場所を聞くところから始めましょう。