買い物を終えて帰宅。
雪乃「少し待ってもらえるかしら。下ごしらえはしてあるから」
かいがいしく夕食の準備をする雪ノ下。猫のワンポイントが付いたエプロンをして…。って、まだ使ってたのかよ。
八幡「まだ、そのエプロン持ってたんだな」
雪乃「…貴方が選んでくれたモノだから…。それと…」
スーツケースからぬいぐるみを出してきた。
雪乃「これ、覚えているかしら…」
八幡「それって…」
目つきの悪い鋭い爪を装備したパンダ。ゆきのん大好きパンダのパンさん。そう…あの時のパンさん。
雪乃「…あれから随分たったわね」
八幡「そうだな」
俺たちも、いい大人だ。答えを出さなければいけない。それが望む望まざる関係なく…。
雪乃「どうしたの?ボーっとして。あ、ごめんなさい。いつもね」
八幡「ボーっとしてることがデフォみたいに言わないでね。考え事してたんだよ」
雪ノ下の罵倒もマイルドになった気がする…。
雪乃「まさか、私をどう襲うか考えてたのね」
八幡「ちげえよ」
雪乃「襲っていいのに…」
八幡「ビッチ発言はやめない?ビッチ発言で思い出したが、由比ヶ浜は元気か?」
雪乃「その思い出し方はどうかと思うのだけど…。由比ヶ浜さん、結婚したわ」
八幡「そうか」
雪乃「それだけ?」
八幡「あれだけ可愛いければ当然だろ」
雪乃「そうね」
八幡「ちなみに、雪ノ下は話はなかったのか?」
雪乃「あったわよ、断るのが大変なくらい」
八幡「そりゃそうだよな」
雪乃「お見合いとかもしたけれど、ダメね」
八幡「どうしてだ?」
雪乃「ふふっ。どうしてかしらね?」
雪ノ下さんの、あの言葉が甦る。
八幡「依存…か」
雪乃「なに?」
八幡「なんでもねぇよ」
依存と言われたら、そうかもしれない。だが、ここ数年は雪ノ下だって俺に依存することなくやってきただろう。だが、依存とは別の何かに突き動かされて、ここまで来たんだろう。
『別の何か』なんて決まってるだろう。はたして俺は…。
雪乃「ご飯出来たわよ」
八幡「おう」
八幡「由比ヶ浜は結婚したとして、他の連中はどうしてる?」
雪乃「貴方が他人を気にするなて、どうかしたの?」
八幡「どうもしねぇよ。ただの興味本位だ」
雪乃「一色さんは結婚秒読みみたいね」
八幡「どこの金持ち捕まえたんだ?」
雪乃「相手は戸部君よ」
八幡「マジか!!」
雪乃「『戸部先輩で妥協してあげます』だ、そうよ」
八幡「葉山は三浦と上手くやってるのか?」
雪乃「そうね。葉山君は姉さんにコキ使われてヒーヒー言ってるわ」
八幡「なにそれ怖い」
雪乃「鶴見さんも、男の子と歩いているのを見かけたわ」
八幡「ルミルミもやるなぁ」
雪乃「みんな元気よ」
八幡「そうか…」
みんな前進しているんだな。俺も…。俺たちも前進しないとな。
八幡「雪ノ下、お盆休みに出かけるぞ」
雪乃「急にどうしたの?ニート谷君」
八幡「ニートじゃないからね、働いてるからね」