遠く離れて   作:おたふみ

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8話

買い物を終えて帰宅。

 

雪乃「少し待ってもらえるかしら。下ごしらえはしてあるから」

 

かいがいしく夕食の準備をする雪ノ下。猫のワンポイントが付いたエプロンをして…。って、まだ使ってたのかよ。

 

八幡「まだ、そのエプロン持ってたんだな」

雪乃「…貴方が選んでくれたモノだから…。それと…」

 

スーツケースからぬいぐるみを出してきた。

 

雪乃「これ、覚えているかしら…」

八幡「それって…」

 

目つきの悪い鋭い爪を装備したパンダ。ゆきのん大好きパンダのパンさん。そう…あの時のパンさん。

 

雪乃「…あれから随分たったわね」

八幡「そうだな」

 

俺たちも、いい大人だ。答えを出さなければいけない。それが望む望まざる関係なく…。

 

雪乃「どうしたの?ボーっとして。あ、ごめんなさい。いつもね」

八幡「ボーっとしてることがデフォみたいに言わないでね。考え事してたんだよ」

 

雪ノ下の罵倒もマイルドになった気がする…。

 

雪乃「まさか、私をどう襲うか考えてたのね」

八幡「ちげえよ」

雪乃「襲っていいのに…」

八幡「ビッチ発言はやめない?ビッチ発言で思い出したが、由比ヶ浜は元気か?」

雪乃「その思い出し方はどうかと思うのだけど…。由比ヶ浜さん、結婚したわ」

八幡「そうか」

雪乃「それだけ?」

八幡「あれだけ可愛いければ当然だろ」

雪乃「そうね」

八幡「ちなみに、雪ノ下は話はなかったのか?」

雪乃「あったわよ、断るのが大変なくらい」

八幡「そりゃそうだよな」

雪乃「お見合いとかもしたけれど、ダメね」

八幡「どうしてだ?」

雪乃「ふふっ。どうしてかしらね?」

 

雪ノ下さんの、あの言葉が甦る。

 

八幡「依存…か」

雪乃「なに?」

八幡「なんでもねぇよ」

 

依存と言われたら、そうかもしれない。だが、ここ数年は雪ノ下だって俺に依存することなくやってきただろう。だが、依存とは別の何かに突き動かされて、ここまで来たんだろう。

 

『別の何か』なんて決まってるだろう。はたして俺は…。

 

雪乃「ご飯出来たわよ」

八幡「おう」

 

八幡「由比ヶ浜は結婚したとして、他の連中はどうしてる?」

雪乃「貴方が他人を気にするなて、どうかしたの?」

八幡「どうもしねぇよ。ただの興味本位だ」

雪乃「一色さんは結婚秒読みみたいね」

八幡「どこの金持ち捕まえたんだ?」

雪乃「相手は戸部君よ」

八幡「マジか!!」

雪乃「『戸部先輩で妥協してあげます』だ、そうよ」

八幡「葉山は三浦と上手くやってるのか?」

雪乃「そうね。葉山君は姉さんにコキ使われてヒーヒー言ってるわ」

八幡「なにそれ怖い」

雪乃「鶴見さんも、男の子と歩いているのを見かけたわ」

八幡「ルミルミもやるなぁ」

雪乃「みんな元気よ」

八幡「そうか…」

 

みんな前進しているんだな。俺も…。俺たちも前進しないとな。

 

八幡「雪ノ下、お盆休みに出かけるぞ」

雪乃「急にどうしたの?ニート谷君」

八幡「ニートじゃないからね、働いてるからね」

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