ガチャを回して最強ステータスを目指せ! カードで作る異世界ハーレム!!   作:ブランチ

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時をかける者

 

「ううん……」

 

 目を覚ますと、日が明けていた。

 

 ここは……いつもの宿舎。

 オレは床に倒れて、眠っていたようだ。

 

 ええと地震が起きて、地割れにのまれたと思うんだが。

 だが床には、割れ目ひとつ入ってない。

 

 あれは、ひょっとして幻覚だったのか?

 

「……そうだスキル、【時をかける者】はどうなった!」

 

 オレは宿舎を出る。

 向かったのは村長の家。

 

 あそこに行けばすべてがはっきりする。

<時間逆行>とは何なのか。

 

 オレが家に入ったとき、

 

「どちら様かしら?」

 

 奥で女の声がした。

 2度と聞くことはないと思っていた、彼女の声。

 

「あら、ニングさんじゃないですか」

 

 エルフ妻が現れた。

 

 その体には傷一つない。

 腹が裂けて内臓を垂らしてもいない。

 

 彼女は蘇ったのだ。

 

「よかった……本当によかった」

 

 思わず目が熱くなる。

 

「は、はい?」 ぽかんとするエルフ妻。

 戸惑うのも無理はないが。

 

「……ちょっと悪い夢を見たのさ。気にしないでくれ」

 

 オレはそう言ってはぐらかした。

 

「そういや、村長は?」

「井戸の方に行きましたよ」

 

 エルフ妻の情報を元に、そちらへ行ってみる。

 

「ふぅ……」 裏手の井戸で顔を洗う、村長の姿があった。

 

 これで夫妻の無事を確認。

 

「村長さん、週給もらえるのはいつだっけ?」

「ええと、4日後の夕方にお渡ししますよ」

 

 つまり村に来てからの日数は、10日目。

 

 確定した、<時間逆行>が起きてる。

 オレは夫妻が死ぬ日、その朝に戻ったのだ。

 

「……村長さん、ちょっと出かけて来る」

 

 そのとき薄っすら考えていた案が、頭の中で形になる。

 

「あの、もうすぐ朝食会ですが?」

「魔防柵を見てくるだけだ、すぐ戻る」

 

 夫妻の死の原因とは。

 魔防柵の穴を見落とし、魔物の侵入を許してしまったこと。

 

 だったら前回と違う行動をとれば。

 変えられるんじゃないか、最悪な未来を?

 

 防柵が壊れる場所は分かってる。

 その地点に向かって、オレは駆けつけた。

 

 メキ、バリバリという音。

 劣化してモロくなった柵の壁が、壊れ始めていた。

 

 間に合った。

 先回りで対策すれば、すべてが変わる。

 

 ほどなくして、柵に穴が開く。

 そこからオオカミの頭が出てきた。

 

 銀色の体毛……忘れもしない、

 村長を殺し、エルフ妻の肉を喰らった、銀色狼(シルバーウルフ)

 

「今度は逃がさねえぞ――」

 

 前に使いそびれたスキルを、今こそ発動させる。

 

##########

  ☆☆☆

  【愛天使(キューピッド)の矢】 消費MP9

  -…-…-…

  <魅了>、<長射程>、<放心>

##########

 

『ラブリ~!』

 

 子供天使の幻影が、弓を射る。

 銀オオカミの脳天に、矢が刺さった。

 

「ガル……」 そして呆けたように立ち尽くす。

 

 よし、<放心>が掛かった!

 

【愛天使の矢】には、<魅了>以外にも効果がある。

 それが<放心>。

 スキルに掛かった者は、しばらく行動がとれず、無防備になってしまうのだ。

 

「てめえには、こいつをご馳走してやる」

 

 ぼけっとしている、銀オオカミの口に向かって突っ込む。

 青銅の剣で刺突。

 

「ガぶァ!」

 

 剣は口内から、オオカミの頭を貫通した。

 血を吐き、びくびくと痙攣した後、ばたりと倒れる。

 

 シルバーウルフは死んだ。

 

「さあ、これで終わり……じゃねえな」

 

「ガルルル」 「グルルル」

 

 穴の向こうには、まだオオカミがいる。

 しかも10体以上の群れ。

 

 手下の灰色狼(グレーウルフ)どもか。

 

「てめえらはどうする? 親分の仇を討つか?」

 

 オレは素手で拳を握る。

 

「ガウ!」 グレーウルフが襲いかかってきた。

 

 しかし1体だけ。

 柵の穴が狭く、多数で通り抜けできないのだ。

 

「ならオレ(E級)の敵じゃねえ!」

 

「ギャン!」 拳打が直撃し、ウルフ(F級)の頭は叩き割られた。

 

 そんなワンパン虐殺を何回か繰り返すと、

 

「「キャンキャン!」」 勝ち目がないのを悟り、グレーウルフたちは尻尾を巻いて逃げ出した。

 

 これで、すべてが終わった……。

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