ガチャを回して最強ステータスを目指せ! カードで作る異世界ハーレム!!   作:ブランチ

17 / 19
魔法工

 

「それで街の『魔法工ギルド』に、使いを送ったのですが……」

 

『「魔防柵」の補修? できるのは1カ月後ってとこだなぁ』

と言われたらしい。

 

「おい、何でそんなにかかるんだ!?」

「依頼の予約がそこまで埋まってるそうです」

 

 近頃、この地方では魔物による災害が多発している。

 それで建造物に被害が出ているというのだ。

 

 魔法工ギルドには、補修の依頼が途切れることなく舞い込んでくるという。

 

「それじゃ、お手上げだな(汗)」

「ただギルド職員はこうも言ったそうです」

 

『急ぎの用なら「ラグアン」へ行ったらどうだ?』

 

「ラグアンって、穴の街ラグアンか!」

 

 魔法工芸が盛んなので有名な街だ。

 つまり魔法工が大勢いる。

 手の空いてる魔法工が見つかるかもしれない。

 

「けどラグアンは遠いな。徒歩で行くなら3日はかかるぞ」

 

 往復すれば6日、途中で魔物も出る。

 一般人が気軽に行ける距離ではない。

 

「そこでニングさん、あなたに依頼したいのです」

 

 ラグアンの街へ行き、魔法工を連れて来て欲しい。

 村長からそう頼まれた。

 

「旅の費用は村が出します。とにかく『魔防柵』の修理を早くしないと」

 

 応急処置のバリケードでは、強い魔物に破られる可能性がある。

 危機対応に抜かりがあってはいけない。

 それを先日で学んだのだ。

 

「分かった。オレが行くとして、村の警備はどうする?」

「こちらで何とかします」

 

 まあ新しい警備員を雇うなり、やりようはあるか。

 

 その後もいろいろ交渉し、ようやく契約がまとまった。

 

 翌朝――村に来て12日目。

 

「では行ってくる」

 

 森の村を後にし、オレたち(●●)は旅に出た。

 

「ヒヒーン」といななく馬。

 

 出発の際、村から馬を1頭を借りた。

 もちろん旅道具を積むためだ。

 

「ラグアンってどんなとこかしら?」

 

 エルフ娘のアンナも一緒だ。

 交渉には村の代表も必要ということで、連れて行くことになった。

 

「ドワーフたちが創った街だな」

 

 手先が器用な亜人――ドワーフ。

 物作りが得意な種族で、優秀な職人をしばしば輩出している。

 

 大陸西方にも知られる、ラグアンの工芸産業を支えているのは、彼らなのだ。

 

「ドワーフって、山や洞窟に住んでるんだっけ」

「うむ、だからラグアンもそんなところにある」

 

  ◆  ◇  ◆

 

 ――村を出て、7日目の午後。

 

 オレたちは山地に入っていた。

 ただし木が生えていない、禿山だが。

 

 山の頂上に巨大な穴があった。

 大昔、火山活動によってできた、噴火口である。

 

「着いたぞ、あそこが『ラグアン』だ」

 

 ラグアンの別名は『穴の街』。

 火口の跡に創られた街なのだ。

 

 穴の中のあちこちから、蒸気が噴き出していた。

 金属を加工する甲高い音、何かの機械音が引っ切り無しに響いて来る。

 

 さすが工芸の街だな。

 

「うう……うるさくて耳が痛くなりそう」

 

 アンナは長い耳を手で押さえる。

 静かな森で暮らしていたからな。

 工業地帯の騒音は辛かろう。

 

「じゃあ用事をさっさと済ませるか」

 

 オレたちは『魔法工ギルド』に向かった。

 

 あとは魔法工を見つけて、明日に街を去るだけ。

 そう思っていたのだが、

 

「悪いけど、あなたの依頼は受けられません」

 

 ずんぐりした矮人の女性。

 ドワーフの受付嬢がそんなことを言われた。

 

「え、いや、ちょっと待ってくれ! ここは工芸の街だろ?」

 

 まさかここの魔法工も、予約でいっぱいなのか!

 

「いえ、問題はそこではなくて――」

 

 ドワーフ嬢が、アンナをちらりと見る。

 

「『エルフ』の村から依頼を受けるのは、遠慮したいのです」

 

 ええと……何それ。

 

「種族差別かよ!」

「この街のドワーフで、エルフに良い感情を持つ者はおりません。お引き取りを」

 

 ドワーフ嬢はその一点張り。

 あとはまともに取り合ってくれなかった。

 

「ああ、二度と来るか!」

 

 オレはそう言い捨てて、ギルド会館を出た。

 

「なんだぁ、この『長耳』のガキは?」

 

 すれ違ったドワーフ男から、罵声を浴びせられる。

 

 街のドワーフたちが、アンナを見る目つきがおかしかった。

 怒り、憎しみ。

 そんな感情が露骨に混じっているのだ。

 

「おい、あんたら、エルフが何をしたってんだ!」

 

 あまりにもひどいので、思わず問い詰める。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。